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はまふぅど人37号

最終更新日 2018年8月27日

横浜市民に農の魅力を伝えたい

横浜シティガイド協会 理事 嶋田昌子(しまだ まさこ)さん

横浜シティガイド協会 理事 嶋田昌子さん

ハマッ子が案内する観光ツアーが人気の横浜シティガイド協会。
歴史や港の風景はもちろん、最近では多くの参加者が横浜市内の農景観を楽しんでいます。
理事を務める嶋田昌子さんに、地産地消コースの魅力などを聞きました。

大好きな歴史を調べるうちに横浜の農の素晴らしさに気づく

以前から横浜の歴史に興味を持ち、生涯学習の活動をしていた嶋田さん。
「寒村だった横浜が、ペリーの黒船来航をきっかけに突然歴史の表舞台に立った。歴史的に近代に特化した街なのが面白いですね」。
地元・横浜について学んだことを社会に還元したいと、ボランティアガイドを開始し、平成4年に6人の仲間とともに横浜シティガイド協会を発足させました。
「当初“7人の侍”って自称していましたが、今は100人を超えるメンバーがいます」。横浜の歴史を日々調べていて「中心地からごくわずかの距離に農地があるのは、横浜の特色だと気づいたんです」。
昭和40年代に横浜市が進めた6大事業(※)の計画には、「都市農業の確立」の理念が盛り込まれていました。すべてを都市化するのではなく、市民と行政が話し合い、農地を残すエリアも作ったのです。
「あれがなかったら、今の横浜の農業はないでしょう。農地を残したいという意欲を持った市民と行政。両者の意思疎通があったからこそ、緑地が生活に潤いをもたらし、市民は新鮮な農産物を食べられる。すごいことですよね」と嶋田さん。

※6大事業…横浜市中心部の再生と活性化を目的とした事業。みなとみらい地区造成、金沢沖の埋め立て、港北ニュータウン開発、地下鉄の整備、高速道路整備、ベイブリッジ建設の6つ。

農業を観光のテーマに仲間と勉強をスタート

横浜市から「農業を観光に使えないか」との声がかかり、地産地消がテーマのガイドコースを本格的にスタートさせたのは5年ほど前。手を挙げた30人ほどのメンバーで資料を集め、講師を呼んで勉強会を開き、コースの設定からポスターの作成まで、メンバーの知恵を集めて一つずつ準備しました。勉強会の後は、実際にコースを歩きます。「市の職員さんが現地で指導してくれました。堆肥の中に手を突っ込まされたときは一瞬ためらったけど、手を入れると熱いのよ。菌が懸命に働いている。五感をフルに使って、横浜の農業を体感しました」。
地産地消コースの楽しみは、実際に食べられること。その勉強会で嶋田さんが印象的だったのは、直前までワイワイと意見を出していた男性陣が、旬の話題になったとたん一斉に静かになったことです。「定年を迎えた年代が多い男性陣は、それまで家事の経験がないので農産物の旬が分からなかったんですね。でも作る人と食べる人の距離が近い横浜なら、少し出かけるだけで男性も旬を身近に感じられ、関心を高められるはずと思いました」。以来、地産地消コースでは男性もリーダーに立ち、ガイドとして活躍しています。

日々増え続ける新コース 何気ない街角を見どころに

新たな地産地消コースの開発は、今も続いています。この記事の取材前日には、市営地下鉄の立場駅から相鉄いずみ野線の緑園都市駅まで歩き、コースとして成立するかを検討する自主学習が行われました。担当の下田佳子さんは「泉区は地産地消の見どころが分散しているので、実はコースが作りにくい。昨日は欲張ってあちこちまわるうちに2万歩も歩いていました」と笑います。コース開発のポイントを伺うと、まずは2時間半ほどで歩ける距離とすること。また、見どころのない道が続かないようにもします。昔あった建物や歴史のエピソード、農産物が味わえるスポットなどを見つけ、何気ない道でも楽しくする工夫が必要なのです。
現在人気の金沢コースでは、京急線の金沢文庫駅から称名寺、柴シーサイドファーム、柴漁港を巡ります。途中、称名寺に伝わる農業についての古文書の話を聞いたり、江戸時代の農業を描いた絵を見たり。さらに、ミカン狩り体験や柴名物のアナゴ丼を味わうこともできます。「山も海も歴史もと、楽しみが多いコース。ミカン農家さんやアナゴ漁師さんに直接お話を聞くこともできますよ」と担当の吉沢浩子さん。農業や漁業の現場の声を聞き、参加者はもちろんガイド自身も学ぶことができるコースです。
嶋田さんは「市民の皆さんには普段の狭い生活圏内から外に出て、もっと視野を広げて横浜の農業を知ってほしい」と言います。今後は、ツアーと講座がセットになったコースなど、形式を変えた観光の可能性も考えているそうです。
バイタリティーあふれる3人のお話を聞いていると、横浜の魅力的な農産物を探しに、早速出かけたくなりました。

NPO法人 横浜シティガイド協会
横浜シティガイドデスク
場所:中区山下町15横浜マリンタワー内
休業日:月曜(祝日の場合は翌日)
営業時間:12:00~17:00
www.ycga.com(外部サイト)

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環境創造局農政部農業振興課

電話:045-671-2637

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ファクス:045-664-4425

メールアドレス:ks-nogyoshinko@city.yokohama.jp

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