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はまふぅど人22号

最終更新日 2019年3月19日

WILDRICEシェフ・加藤康昭さん
七彩畑農園主・佐々木暁子さん

レストランと農家のおいしい関係が生み出す。ここにしかない絶品野菜メニュー!

加藤さん(左)と佐々木さん(右)写真
左から加藤さん、佐々木さん


都筑区にあるWILDRICEは、野菜料理がおいしい店として大人気のレストランです。店で扱う野菜は市内近郊のこだわり農家から取り寄せる旬野菜ばかり。中でも緑区で七彩畑を切り盛りする佐々木さんとは頻繁に情報交換し、会話の中から多くの新メニューが誕生しています。シェフと農家が二人三脚で取り組む地産地消の形について、お話を伺いました。

ここに来れば野菜の旬がわかる。農家と一緒につくるレストラン

11時半のオープン前には、店の前にいつも行列ができるWILDRICE。加藤シェフが作る独創的な料理を求めて、グルメが集まるレストランです。お客さんが楽しみにしているのは、何と言っても、地元で採れた新鮮野菜をふんだんに使った料理の数々。店では、地元の都筑区や緑区を中心に、市内近郊の約10箇所の農園と契約して、直接、野菜を仕入れています。七彩畑の野菜が届くのは週2回。夕方5時頃に佐々木さんが採れたてを宅配していますが、カゴの中には未成熟トウモロコシや極小ニンジンなど、加藤シェフのリクエストに応えてWILDRICE専用に栽培している野菜もあります。

加藤さんと佐々木さんが採れたて野菜を囲んだ写真
週2回、ディナー営業の前に佐々木さんが採れたて野菜を届ける


届いた野菜はすぐに厨房で下処理。「野菜そのもののおいしさを味わってほしい」という思いから、旬野菜はごくシンプルに調理するのが加藤シェフのこだわりです。トウモロコシはさっと塩を振ってグリル、カボチャは蒸し焼きにするなど、極力、手を加え過ぎないようにしています。また、見た目もそのままで提供するのがWILDRICEスタイル。お子様メニューにも、葉付きニンジンやオクラなど、まるごと1本をお皿にのせます。「小さな子どもが手づかみで野菜をぼりぼり食べている姿を見ると、幸せになります」と加藤シェフ。

野菜を使ったレシピを得意とする加藤シェフの写真
野菜を使ったレシピを得意とする加藤シェフ


メニューは畑の状態と直結していて、野菜の旬が変わるのに合わせて、メニューもどんどん変化します。まさに、野菜の旬がわかるレストラン。そんな店のコンセプトを理解しているリピーターの中には「あの小さいトウモロコシはまだ?」と、旬の訪れを楽しみにしている人が少なくありません。

プロの料理人とプロの農家が出会い、野菜を介して築いた信頼関係

レストランが休みの水曜日、加藤シェフは十日市場駅にほど近い佐々木さんの農園、七彩畑に出かけます。「たまにしか来れませんが、その時期に一番ピークを迎えている野菜を使いたいので、できるだけ畑を見に来るようにしています」。七彩畑は2500平方メートルほどの広さで、年間50種類から60種類の野菜やハーブを栽培。農薬は必要最小限に留め、有機肥料で育てる佐々木さんの野菜は味が濃いと評判です。

畑の隅々まで歩きながら、どの野菜がどれくらい育っているかを確認することは、加藤シェフにとってメニュー作りの源になる貴重な時間です。そこから生まれる新メニューは数知れず。例えば、夏の初めに畑の隅で勢いよく茂っていた大葉を見ると、その場で大量の大葉を注文。すっきりとした夏向けの「大葉のソルベ」として提供しました。また、収穫の最後の方のモロヘイヤは、土が付いた株ごと持ってきてもらい、鉢に入れて店内に。ビニールとはさみを置いておき、お客さんに無料で好きなだけ持って行ってもらうという、地産地消レストランならではのサービスを実施しました。「使いきれない野菜を破棄するのはもったいないですからね。このサービスは大好評で、ビニールいっぱいのモロヘイヤを持ち帰る人が多かったですよ」。

畑を歩く間も、「ねぎぼうずの種の部分を、かつおのタタキやカルパッチョに散らすといいアクセントになります」「オクラやナスは、花もおいしいですよ」と、次から次へと料理のヒントを教えてくれるシェフ。びっくりするほど、豊富な野菜の知識をお持ちです。

畑で作物の育ち具合を確認する写真
作物の育ち具合を2人で確認。加藤シェフにとっては、料理のアイデアが次々にわいてくる時間


加藤シェフは、在ミュンヘン日本総領事館で料理長を務めた経験があり、ドイツでの体験が今につながっていると話します。「ドイツでは自分で市場に行って仕入れをしていましたが、見たこともない野菜が多く、市場の人に野菜の特徴や調理法を聞いて覚えました」。帰国後も、畑を訪れては野菜の作り手に話を聞いてまわり、知識を積み重ねていったそうですが、ある直売所で佐々木さんと出会い、その後、七彩畑を訪れるようになりました。少しずつ注文を重ね、欲しい野菜を栽培してもらうようになり、だんだんと現在のような信頼関係が出来上がってきたのだそうです。

週2回の直売には、WILDRICEの常連客も

一方の佐々木さんも、WILDRICEに野菜を卸すようになってから、ますます野菜作りに力が入るようになったと言います。「コールラビや黒大根もそうだけど、加藤さんからのリクエストでいろんな野菜を栽培するようになって、腕が上がりました(笑)」。加藤シェフからお客さんの反応を聞くこともいい刺激になり、畑仕事のモチベーションにつながっているそうです。

新規就農を果たした佐々木さんの写真
長年の援農体験を経て、新規就農を果たした佐々木さん


最近では、佐々木さん自身も新しい品種にどんどん挑戦中。野菜ソムリエの娘さんから珍しい野菜の情報を教えてもらったり、種を調達してもらうこともあります。「先日、WILDRICEに配達したグリーンベリーというトマトも娘に教えてもらったんですが、完熟しても青いまま。でも、食べると本当に甘いんですよ」。

完熟しても青いままのトマトの写真
これがグリーンベリー。完熟しても青いままのトマト


すっかり畑仕事が板に付いている佐々木さんですが、実は新規就農を果たしたばかり。以前は郵便局の小包配達をしていましたが、体調を崩して仕事を辞め、それから野菜作りをスタートしました。平成10年に横浜市の市民農業大学講座を受講後、長野県で農業を学び、農家の手伝い(援農)をして野菜作りを続けてきた佐々木さん。長年の援農体験を経て新規就農を果たした今は、自宅で週2回、野菜の直売所をオープンしています。クチコミで、WILDRICEで出している野菜だと知られるようになってきて、WILDRICEのお客さんが、直売所に買いに来てくれることが多くなりました」。

仲介を入れずに、レストランと農家の協力体制を確立しているお2人。「今後は扱う野菜の種類を増やして、レストランを訪れるお客さんにもっと野菜のおいしさを知ってほしい」と、展望を語ってくれました。これから迎える収穫の秋、新しい野菜料理の誕生に期待が高まります。

グランドメニューの一例の写真
グランドメニューの肉や魚料理も付け合せの野菜が大量!


WILDRICE・naturaldining(ワイルドライス・ナチュラル・ダイニング)

住所:横浜市都筑区荏田東4-1-1ボードウォークガーデン(横浜市営地下鉄「センター南駅」より徒歩7分)

電話:045-942-8884

営業:午前11時30分から午後3時まで(午後2時ラストオーダー)、午後5時30分から午後10時まで(午後9時ラストオーダー)

定休日:水曜日、第3火曜日

URL:http://www.wildrice.yokohama/(外部サイト)

野菜の持ち味を最大限に活かした料理がいただける地産地消レストラン。ランチタイムは予約をおすすめします。

店内の様子の写真


このページへのお問合せ

環境創造局農政部農業振興課

電話:045-671-2637

電話:045-671-2637

ファクス:045-664-4425

メールアドレス:ks-nogyoshinko@city.yokohama.jp

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