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はまふぅど人 創刊号

最終更新日 2019年3月19日

はまふぅどナビ創刊号(2006年6月20日発行)

シェフたちが紡ぐ、おいしい料理と地場野菜のいい関係

横浜野菜推進委員会代表:椿直樹さん

直売所で気づいた「身近な生産者」の存在

椿 直樹さんの画像
椿直樹さん

横浜の地場野菜を普及させようと活動しているグループがあります。その名も、「横浜野菜推進委員会」。3年ほど前、料理人の椿直樹さん(中区本牧間門・炭火焼肉樹々苑店長)が立ち上げました。メンバーは料理人や野菜の流通の専門家、管理栄養士、菓子職人など。横浜の食材を使った料理教室や地場の生産者を訪ねる講座などを開いています。
椿さんがこのような活動を始めたきっかけは、たまたま鎌倉の野菜直売所(鎌倉市農協連野菜直売所)を訪ねたこと。「身近に、こんなに地場の野菜やそれを作る農家がいることに気がついた」のだといいます。それまでは、いわゆる「産地」の野菜を、遠くから取り寄せたり、場合によっては海外のものも仕入れていました。「遠くから仕入れれば、当然輸送コストがかかる。それも結局はお客さんの飲食代に含まれることになるわけで、だったら、地元で穫れたもので安く提供しようと思ったんです」。また以前、ベジタブル&フルーツマイスター(通称:野菜ソムリエ)の講座を受けた時に初めて「地産地消」という言葉に合い、自分の店でも地産地消のコンセプトを活かしたメニューや運営ができたらと思っていたのだそうです。


地元食材のよさを料理教室で伝えよう

キャベツの収穫風景の写真
キャベツの収穫を体験した講座参加者の写真

さっそく椿さんは、市場関係の知り合いを通じて地元横浜の野菜農家や養豚場を紹介してもらい、訪ねて行きました。ところが、「じかにお話しをうかがっているうちに、なにか、商売を越えて伝えるべきものがあるのではないかと感じた」のです。
自分に何ができるだろうかと考え、思いついたのが料理教室。料理を学びながら、横浜の野菜のことも知ってもらおうというねらいです。同じく料理人の友人と2人で料理教室をスタートしたものの、当初は参加者がなかなか集まりませんでした。野菜ソムリエの先輩に相談したところ、多くの人に参加してもらうには、組織を作ったほうがいいとのアドバイス。その助言を受け2003年10月、料理人仲間や八百屋さんなど4人で設立したのが、「横浜野菜推進委員会」です。


ビストロハマップの写真
「ビストロハマップ」は働く女性が対象

活動の柱は、「ボナペティ・ヨコハマ」という、野菜の収穫から始め、食べ比べ、料理教室までを行なう講座(2ヵ月に1度)、「味覚塾」という、地場の生産者を訪ね、体験・実習・見学のほか味覚を高めるクイズやゲームなどを行なう親子向けの講座(年2回)、そして働く女性を対象にした「ビストロ・ハマップ」。栄養士や八百屋さん、生産者などの話と料理教室がセットになった講座です(1シーズン1回)。料理教室では参加者がグループに分かれて調理し、各グループを委員会メンバーの料理人たちがまわって指導します。料理の作り方のみならず、流通や栄養面などについても解説し、いろいろな側面から地元の食材を楽しんでもらおうと心がけています。回を重ねるごとに、参加者のなかから委員会に加わる人も出てきて、現在スタッフは20人あまりに増えました。


職人が目覚めた会話の楽しさ。そして新たな活動も誕生

豚の赤ちゃんの写真
豚の赤ちゃんにおっかなびっくりの子どもたち

「正直なところ、ふだんの仕事と両立させるのは楽ではありませんが、参加した方たちが横浜にもこんないいものがあるのかと再認識してくれるのがうれしい」と椿さん。「でも実は、メンバーの意識の向上もすごい」のだとか。「私たち料理人は本来裏方で、無言で食材と向き合っている時間がほとんど。いわば職人気質なんです。でもこの料理教室に携わるようになって、『これはどうやるの?』『どうしてこうするの?』など、参加者のみなさんと会話しながら一つの料理ができていくことに喜びを感じているようです」。


参加者との集合写真
参加者と共に集合写真

間もなく設立3周年を迎える横浜野菜推進委員会。最近その活動のなかから、新たな動きが誕生しつつあります。たとえば青果店の委員会メンバーが中心になって「よこはま青果塾」を立ち上げたり、栄養士仲間で「食生活ルネッサンス」構想が生まれたり…。椿さんら料理人も負けてはいられないと、いま、横浜で働く料理人を対象にした講座を検討中です。「飲食店関係者や料理人が地場食材の価値に気づけば、より多くの市民に横浜の野菜を広げることができます。そして逆に、横浜野菜の店だから食べにくるお客さんが増える。そんなふうになればいいなと思っています」

このページへのお問合せ

環境創造局農政部農業振興課

電話:045-671-2637

電話:045-671-2637

ファクス:045-664-4425

メールアドレス:ks-nogyoshinko@city.yokohama.jp

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