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はまふぅど人21号

最終更新日 2019年3月19日

パンパシフィック横浜ベイホテル東急・総料理長
曽我部俊典さん

新郎新婦が地元の畑で野菜を収穫
ユニークな地産地消ウエディングの取り組み

曽我部 俊典さんの写真
パンパシフィック横浜ベイホテル東急の総料理長・曽我部俊典さん

パンパシフィック横浜ベイホテル東急の外観写真
料理のおいしいホテルとして知られている


パンパシフィック横浜ベイホテル東急が昨年から始めたウエディングメニュー「幸せの収穫メニュー」が、静かな人気を呼んでいます。1日1組限定のこのプランでは、披露宴で出される料理の一部に、新郎新婦が収穫した横浜産野菜を使用。2人の収穫の様子をスクリーンに映し出すこともできるなど、手作り感にあふれた思い出深い結婚式を演出しています。

石鍋裕シェフがプロデュースする「クイーン・アリス」や、脇屋友詞シェフが腕を振るう「トゥーランドット游仙境」などがあり、料理がおいしいホテルとして知られるパンパシフィック横浜ベイホテル東急。シェフやキッチンスタッフなど総勢約100名を指揮している総料理長の曽我部さんは、ウエディングなどのパーティ料理のプロデュースも手がけており、横浜産野菜を取り入れたオリジナルの地産地消メニュー作りに力を入れています。
中でも1日1組限定の「幸せの収穫メニュー」は、新郎新婦が生産地を訪れて、披露宴で使う野菜を自分たちで収穫するという、他に類を見ないユニークなウエディングプラン。収穫した野菜は前菜やスープなどに使われますが、事前に総料理長と新郎新婦がメニューについて相談し、世界でひとつだけのオートクチュールメニューが作られます。

「手作りの結婚式を挙げたい」新郎新婦のニーズに応える

大規模ホテルには珍しく、個々のニーズにきめ細かく対応するサービスが人気の秘密ですが、このプランを立案した背景には、ウエディングスタイルの多様化があります。
「最近は(仲人さんを立てずに、自分たちらしい手作り感重視の式を挙げたい)(2人で両親や招待ゲストの方々に感謝の気持ちを伝えたい)というニーズが増えてきました。昔の結婚式といえば、自宅にお客さんを招いて一家総出で料理を作ってもてなしていましたが、今はホテルなどで結婚式を行うことが多い。自分たちで料理を作ることはできなくても、2人で収穫した野菜でゲストをもてなしてはどうだろうというアイデアから、このプランを企画しました。また、横浜で結婚式を挙げられる方は地元愛が強いんですね。横浜産野菜を収穫し、それを披露宴の料理に使ってゲストへの感謝の気持ちを表現する。さらに、地産地消をメニューに取り入れることで、横浜ならではの結婚式が挙げられるという点が、そこにうまくマッチしました」。
2010年秋から始まったこのサービスは、開始してから1か月に1組から2組の利用があるとのこと。農家の方々の協力体制も整い、今後はさらに展開して、新郎新婦が披露宴で使う野菜の種をまくところからスタートするというサービスも考えているそうです。

ユニークな地産地消ウェディングに取り組む曽我部総料理長の写真
「地産地消メニューを取り入れることで、新郎新婦やゲストの方々が、地元の野菜の旬を知るきっかけになれば」と曽我部さん

新郎新婦の収穫の写真
新郎新婦の収穫の様子


招待ゲストに喜ばれる総料理長の手描きレシピカード

曽我部さんは、卸の取引先から年間の収穫リストを入手し、そのリストをもとに、結婚式の1か月から2か月前に新郎新婦とメニューを相談。新郎新婦は式の1週間前から前日までに畑に行って、農家の方と一緒に野菜を収穫します。
「これまでに収穫に行っていただいた方の中には、農作業が初めてという方も少なくありませんでしたが、みなさんから『来てよかった』と喜んでいただいています。想像以上にテンションが上がるそうですが、土や野菜にはそういう力があるんでしょうね。提携している農家の方も非常に協力的で、畑から採ったばかりの野菜をその場で味見させてくれ、その味が本当においしいと感激する人が多いんですよ」。
希望があれば、披露宴で収穫の様子を上映し、総料理長がゲストの前で「2人が収穫してきた横浜野菜で作りました」と料理の説明をすることもあります。また、料理メニューには、総料理長の手描きによるレシピカードが添えられていますが、これが招待ゲストにとても好評です。結婚式では初対面の人とテーブルを囲むこともありますが、こんな演出があれば、隣り合った人と会話が盛り上がることでしょう。

ウェディングメニューの一例の写真
ウエディングメニューの一例「二人で収穫した濱野菜とウニのフランソースアメリケーヌ」。色彩豊かな料理は、素材の持ち味を生きている

総料理長の手書きレシピの写真
披露宴でゲストに配られる総料理長の手書きレシピ。おもてなしの心がより一層伝わる


横浜産野菜の種類の多さと濃厚な味に驚かされた

曽我部さんがこのホテルの総料理長に就任したのは2008年。それ以前は東京・渋谷のセルリアンタワー東急ホテルのメインダイニング「クーカーニョ」のシェフを務め、2008年ミシュラン東京で1つ星を獲得しました。
「渋谷のホテルにいた時は、世界の珍しい素材を輸入して海外を意識した料理を作っていましたが、横浜に来てからは地元密着型に頭を切り替え、地元の素材を取り入れるようになりました。地元愛の強いお客様が強いので、その方が喜ばれるんです」。
昨年の5月から6月には、ホテル内のレストラン「カフェトスカ」で「ナイト・キッチンスタジアムこだわり食材横浜・神奈川・地産地消」というフェアを開催。市内産を中心に、神奈川県内で生産されている食材を集めたビュッフェスタイルのディナーを提供し、好評を博しました。その時に生産地を巡り、曽我部さん自身も横浜産野菜の種類の豊富さに驚いたそうです。
「横浜で農業に従事している人の中には若い人が多く、海外の珍しい野菜を栽培するなど、どんどんと新しい試みにチャレンジしていることも印象的でした。我々料理人が今までイタリアやフランスから輸入していた野菜が、横浜市内で作られているんですよ」。
その一方で、昔からこの地で作られている小松菜やほうれんそう、カブなどのおいしさにも感動したと言います。
「朝採りの野菜は本当に瑞々しくて、これはぜひ継続して使いたいと思い、ウエディングメニューに組み込むことにしました。市内産の小松菜を使ったオリジナル料理には、ドライの小松菜やほうれん草を添えています。見た目はドライハーブのようですが、ボイルして乾燥させているだけで『こんなにおいしくなる?』と料理人自身が驚くほど、素材の味が濃い。野菜の味がストレートに伝わるんです」。料理を食べたゲストの方々も「これが一番おいしい!」と絶賛する横浜産小松菜のドライ。ウエディングメニューの一番人気の一品です。

地元野菜のディスプレイの写真
カフェトスカで行われた昨年の地産地消フェアでは、各野菜に生産者の名札を立てて、地元野菜のディスプレイをした


ナイト・キッチンスタジアムこだわり食材横浜・神奈川・地産地消

11月から12月にかけて、ホテル2階のレストラン「カフェトスカ」で地産地消フェアが行われます。

この機会に、横浜野菜のおいしさをぜひ味わってみてください。
期間:11月1日から12月16日まで
料金:ディナーブッフェ4,700円(土曜日・日曜日・祝日は5,600円)税込サービス料別
問合せ:カフェトスカ(電話:045-682-2218)

カフェトスカの内観写真
横浜ならではの景色が見渡せる「カフェトスカ」


このページへのお問合せ

環境創造局農政部農業振興課

電話:045-671-2637

電話:045-671-2637

ファクス:045-664-4425

メールアドレス:ks-nogyoshinko@city.yokohama.jp

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