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はまふぅど人20号

最終更新日 2019年3月19日

(株)横濱本舗:CEO・最高経営責任者・フードコンサルタント
丸山和俊さん
横浜の農産物を世界に向けて発信したい!
地場産野菜の加工品づくりに挑戦中

丸山和俊さんの写真①

丸山和俊さんの写真②


「国産のトマトケチャップは、横浜が発祥地」。その事実を知った丸山さんは、明治29年に横浜で作られた幻のケチャップ「清水屋ケチャップ」を再現して商品化しました。その復刻版ケチャップは限定品として有名デパートで販売され、大きな話題に。現在、丸山さんはJA横浜の協力を得て、すべての素材を横浜産にこだわったトマトソース作りに情熱を注いでいます。

フロンティア精神に共感して100年前の「清水屋ケチャップ」を再現

以前は、大手コーヒーチェーン店のコーヒー工場長を務め、鑑定士として世界各国のコーヒー農園を回っていた丸山さん。独立後は長年、トマトソース製造に携わっていますが、数年前に仕事の一環でトマトの歴史を調べていたとき、西洋野菜の栽培と加工業を営む横浜の清水屋が、明治時代に日本初のトマトケチャップを製造したという事実を知りました。
新しいものづくりにチャレンジするフロンティア精神に共感した丸山さんは、幻のケチャップの再現を決意。当時、ケチャップ製造に関わっていた清水與助さんのお孫さんのもとに通って話しを聞き、大切に残されていた資料を頼りにレシピを調べました。
「当時は香辛料を扱えるのは薬屋だけで、香辛料を使うソース加工は薬屋が行っていました。清水與助さんも薬屋だったそうで、お孫さんによれば、ケチャップには南洋から輸入した「ズク」という香辛料が入っていたとのこと。さっそく台湾に渡ってあらゆる香辛料を試した結果、それが「ニクズク」(ナツメグ)だったことがわかりました」。
主原料のトマトは、アメリカ産のオーガニックを使用して100年前の味を再現。開港資料館に保存されていた当時の瓶のラベルと同様のデザインでラベルを作成し、幻のケチャップが完成しました。市内の大手デパートで限定販売したところ、クチコミで評判が広がり、初回の清水屋ケチャップは短期間で完売してしまうほどの人気を呼びました。

西洋野菜の発祥の地横浜産の農産物にこだわる

清水屋ケチャップの製造段階から、丸山さんの中では新たな思いがふくらんでいたと言います。「横浜は日本における西洋野菜発祥の地。昔はあたり一面がトマト畑だったと聞きました。それなら、すべての素材を横浜産にしたソースが作りたいと思ったんです」。
市内の生産農家にアプローチしたものの、当初はなかなか数量が集まらず、長野や熊本のトマトを使って「国産野菜のトマトソース」を作っていた丸山さん。しかし、横浜産素材のこだわりは消えませんでした。その後、JA横浜へのアプローチをきっかけにして、市内産のトマトを仕入れることができるようになりました。自慢のトマトソースを農家の方々に食べてもらったところ、横浜では生産量が少ないにんにくや玉ねぎなどを、トマトソース用に新たに栽培してくれるという生産者も登場しました。丸山さんの情熱が詰まったおいしい手作りソースが、生産者の気持ちを動かしたのかもしれません。

おいしいものを作るには地場産の素材が一番

丸山さんが横浜産素材にこだわるのには、「すぐに品質がチェックできる」という理由もあります。かつて海外でコーヒー豆を買い付けていた時の経験から、素材の品質を管理するには地場産が一番だと考えるに至ったそうです。
「たとえばブラジルでコーヒー豆を買い付けると、船で輸入されて日本に到着するのが約6ヶ月後。赤道を通る頃には、結露が起こって豆の質が落ちてしまうこともあるのですが、すぐにそれをチェックするのが難しい。コーヒー豆ではその点に非常に苦労しました」。
地場産の素材なら、作り手とすぐに話ができ、品質のチェックができる。その時々で素材の出来を確認しながら、配合を調整して加工することが可能です。
「おいしいものを作るには、生産者とコミュニケーションを取りながら、素材の品質管理をすることがとても大切」。丸山さんはそう考えています。

ターゲットは世界市場:品質の良さで勝負したい

「地場で採れた素材を使って、その場で作ることが、最高の品質を生む。技術力と品質が伴えば、世界で勝負できる」と話す丸山さんは、横浜産トマトソースを世界市場に売り出すことを目標に掲げています。
「目標はパリで販売することです。フランスはソースの発祥地であり、おいしい野菜のソースがたくさんあります。いろんな野菜をペースト状にして、さまざまな料理に加えるという食文化なんですね。中国で日本のラーメンが、インドで日本のカレーが大ブームになったように、ソース文化のフランスに日本の野菜ソースを持って行って、質の高さをアピールしたいと思っています」。
現在、横濱屋本舗のソースは、プレーンなトマトソースに加えて、カレー味やアラビアータなどのラインナップも揃えています。横濱屋本舗のオフィスは、横浜近海で採れる江戸前の魚介を扱っている南部市場の中にあることから、あさりなどの魚介を加えたペスカトーレソースやブイヤベースなども開発中です。
「市内の生産者さんたちとのネットワークができたので、今後はトマトソースだけでなく、人参やキャベツなどを使ったおいしい野菜ソースを作りたい」。丸山さんの挑戦は、まだまだ続きます。
製造元:株式会社横濱屋本舗
横浜市金沢区鳥浜町1-1
電話:045-770-6281
ファックス:045-770-6303
商品の販売元(株)横浜食品サービス
電話:045-779-2574
ファックス:045-779-2306
横濱屋本舗の商品は電話注文のほか、赤レンガ倉庫やマリンタワー、市内の有名デパートで販売中。

トマトソース製造の写真
工場では大量のトマトをカットし、ローストしたにんにくなどとともにじっくり煮込む。トマトソースを作る工程はすべて手作業

トマトソースのパッケージ写真
横浜産野菜を使ったこだわりのトマトソース(数量限定)。グルメな贈答品としても喜ばれそう



明治時代の味を再現した「清水屋ケチャップ」。香辛料を含む全て有機栽培の素材を使用しているのが特徴

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環境創造局農政部農業振興課

電話:045-671-2637

電話:045-671-2637

ファクス:045-664-4425

メールアドレス:ks-nogyoshinko@city.yokohama.jp

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