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はまふぅど人27号

最終更新日 2019年3月19日

齊藤悦夫さん:ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル・総料理長・西洋料理担当

齊藤総料理長の写真

館内のレストランや宴会で地産地消に取り組んでいる「ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル」。その陣頭指揮をとっているのが、齊藤総料理長です。地産地消という言葉が一般的に知られる前から地場の農畜産物を積極的に活用し、農家の方々と信頼関係を築いてきた齊藤さんに、地産地消についての考えを伺いました。

横浜の地産地消をリードするさまざまな活動を展開

みなとみらいのシンボル的存在であるヨコハマ グランド インターコンチネンタルホテル。イタリアンの「ラ ヴェラ」やフレンチの「アジュール」をはじめとする6つのレストランと、3つのラウンジやパティセリーがあり、その一部のレストランや宴会において、地産地消を取り入れたメニューを提供しています。

ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテル 外観写真
ヨットの帆をイメージしたホテルの外観は、みなとみらいのシンボル


婚礼メニューの一皿の写真
県内産の食材で作る婚礼メニューのひと皿


また、ホテルでは毎年、社内の若手コックを対象にした料理コンテスト「未来のシェフ達」を実施していますが、昨年は横浜市とのタイアップ企画として、地産地消をテーマに開催されました。そのコンテストで、市内産野菜を生地に練りこんだユニークなあんぱん「はま菜ちゃんパン」が総料理長賞を獲得。このパンは今年商品化され、期間限定(11月1日から30日)でホテル1階のパティセリーで販売されました。

はま菜ちゃんパンの写真
横浜産の小松菜などを使った「はま菜ちゃんパン」


ホテル全体の地産地消の取り組みを指揮する齊藤さんは、横浜市内のさまざまな地産地消活動にかかわるキーマンのひとり。11月17日にみなとみらいで行われた「よこはま食と農の祭典2012」では、横浜ロイヤルパークホテルの高橋総料理長(「高」の字のつくりは「はしご」)、パンパシフィック横浜ベイホテル東急の曽我部総料理長とともに、地産地消についてのトークライブを行いました。

食と農の祭典(トークライブ)の写真


「高橋さん(「高」の字のつくりは「はしご」)と曽我部さん、お2人とも本腰を入れて地産地消に取り組んでおられ、刺激を受けました」
また、横浜市内のシェフらによるNPO法人「横浜ガストロノミー協議会」のメンバーでもある齊藤さんは、食育活動の一環として地元の小学校を訪れ、児童を対象に地場の素材を使った料理教室を実施。毎回、使用する食材は異なりますが、第一線で活躍するプロのシェフによる料理教室は子どもたちに大人気です。

鎌倉のレンバイとの出会いが、地産地消に取り組むきっかけ

新鮮な野菜や魚介類など、食材の持ち味を生かした料理に定評がある齊藤さんが大切にしているのは、素材選びです。現在のように地産地消が一般的になる前から神奈川県産の食材に注目し、自ら市場に足を運んで素材を厳選していました。

「当時は地産地消という言葉を知らずにやっていたことですが、鎌倉市農協連即売所(通称レンバイ)に出かけたことが、地場産に目を向けるきっかけになりました」。
レンバイは、昭和初期に外国人牧師から「ヨーロッパの農家は、生産した野菜を直接消費者に売っている」という話を聞いたことから始まった直売所。今では近隣農家が4班に分かれ、交代で出店しています。

10年以上前に齊藤さんが初めてレンバイを訪れた日、いくつかのブースの中にトマトだけを販売している農家さんがいました。他の店のトマトに比べると値段が割高でしたが、多くのお客さんが買い求めていたそのトマトは香りが強く、触ると糖分でべたべたしていたそうです。
「どの食材もそうですが、野菜は目利きが命。触ってみて香りを嗅いでみないことには、それがおいしいかどうかはわかりません。スーパーでラップに覆われた食材を見ただけでは判断は難しい。自分の目利きで選んだ食材がおいしかった時の感動はひとしおですよ」。
その店で買ったトマトは驚くほどおいしく、すっかりやみつきになってしまったという齊藤さん。以来、4日に1度、自分たちで鎌倉の市場に出向き、買い付けをしています。

畑に通って教えてもらった採りたて野菜のおいしさ

横浜産の食材をはじめとして、広く神奈川県全域から地場野菜を仕入れている齊藤さんは、親しくお付き合いしている生産者も多く、収穫を手伝いに行くこともあるそうです。

「ある農家さんが裏庭の竹藪を手入れしたいと言っているのを聞いて、息子を連れて竹を切りに行ったこともあります。切った竹はいただいて小さくカットし、ホテルに持って帰って、器やキャンドルホルダーとして利用しました。また、年末に100升以上のもち米を炊いて、もちつきをする農家さんがいるのですが、毎年、参加させていただいています」。
そうしたお付き合いが長年続き、畑通いをする中で学んだのは、生で食べる野菜のおいしさや楽しさ。

「先日、都筑区の農家でスナップえんどうの収穫をしたんですが、採れたての生のスナップえんどうのおいしさにびっくりしました。また、カリフラワーも採れたては生が一番おいしいですね。口の中でじゅわーっと溶けます」。

齊藤総料理長が話している様子の写真


「イタリアから持ち帰った珍しい西洋野菜の種を渡して、親しい農家さんに栽培してもらったこともあります」

ホテルでは、生のカリフラワーをスライスしてサラダに入れていますが、これはホテルのすぐ近くに生産地があり、朝に収穫したものをその日に提供するから可能なこと。齊藤さんが畑で感動したその味を、我々消費者もレストランで堪能できるのは、地産地消の大きなメリットです。

横浜産野菜は地元の専門業者さんを通して仕入れていますが、旬野菜以外は「青み野菜を何キロ、葉もの野菜を何キロ」というようなおおまかなオーダーを出し、その時に集められるものを持ってきてもらうようにしているとのこと。
「地域と季節を限定してしまうと、どうしても希望する食材が入手できない時があります」。そういう時には齊藤さんが直接、知り合いの農家さんのところに行って、野菜を分けてもらうこともあるそうです。

ホテル内のレストランに、横浜産野菜のブースを作りたい

ホテルでは、宴会料理などで「地場野菜を入れてほしい」というお客様からのリクエストがとても多く、リクエストに応じてメニューを作っていますが、「今後は、レストランでも横浜産の素材をもっと取り入れたい」という齊藤さん。現在は、ホテル1階のブッフェ・ダイニング「オーシャンテラス」に横浜産野菜のコーナーを作る構想を練っているそう。朝、昼、晩を通してブッフェスタイルの「オーシャンテラス」にはサラダバーがあり、ここに横浜野菜のブースを作って、生産者の方の氏名とコメントを表示したいと考えているそうです。

また「オーシャンテラス」では、朝食メニューで絞りたてのベジタブルジュースを出していますが、「横浜の特産品である小松菜をベースに使用したフレッシュなグリーンスムージーをメニューに加えたい」と現在のアイデアを話してくれました。

オーシャンテラスの様子の写真
ブッフェスタイルのオーシャンテラス


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環境創造局農政部農業振興課

電話:045-671-2637

電話:045-671-2637

ファクス:045-664-4425

メールアドレス:ks-nogyoshinko@city.yokohama.jp

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