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はまふぅど人23号

最終更新日 2019年3月19日

「はまキッチン」長谷川さとみさん、加藤葉子さん、大谷ゆかりさん

「消費者と生産者の架け橋になりたい」野菜ソムリエたちが始めた新たな地産地消活動

左から大谷さん、長谷川さん、加藤さんの写真
左から、大谷さん、長谷川さん、加藤さん


11月に開催された「よこはま食と農の祭典2011」で、地産地消活動を推進する団体「はまキッチン」の結成が発表されました。市内の消費者と生産者をつなげる地域密着型の活動を行うことがはまキッチンのコンセプト。創設メンバーである長谷川さん、加藤さん、大谷さんの3名に、グループを結成した思いや今後の活動について、お話を伺いました。

はまふぅどコンシェルジュ講座で得た知識を多くの人に伝えたい

「はまキッチン」は、野菜ソムリエコミュニティかながわに所属するはまふぅどコンシェルジュのメンバーから構成されるグループです。野菜ソムリエというのは、日本野菜ソムリエ協会という民間団体が行っている資格試験に合格して認定された人のこと。初級、中級、上級と3段階にレベルが分かれており、現在、日本全国に約4万人(初級の人数。中級は約1400名、上級は約100名)の認定ソムリエがいるそうです。栽培方法から栄養学、おいしい調理方法まで、幅広い知識を身に付けている、いわば野菜と果物のスペシャリスト。資格取得後は、料理教室などを通して、その知識を広めている方が少なくありません。

長谷川さん、加藤さん、大谷さんは、ともに中級ソムリエの資格を持っていましたが、地元横浜の野菜についてもっと詳しく知りたいと思い、はまふぅどコンシェルジュ講座に応募しました。
「野菜ソムリエとしてさまざまな地域で活動する中で、消費者の地産地消に対する関心の高さや、消費者に向けて情報を発信したいと考える生産者の方々の思いをひしひしと感じていました。そうした人たちを仲介する人材を育てる「はまふぅどコンシェルジュ講座」の事業がとても画期的だと思い、受講を決めました」(大谷さん)。

本業はコピーライターという大谷さんのアップ写真
大谷さんの本業はコピーライター。産直食材通販のサイト作成に携わり、野菜ソムリエとしての知識を活かしています


はまふぅどコンシェルジュ講座(全5回)では、横浜の農業の歴史や施策について講義を受けたあと、フィールドワークとして生産地を見てまわり、収穫や直売所でのお手伝いを体験したり、横浜野菜を料理して味わいました。
「私が育った北部では、少量多品目生産の農家さんが多いのですが、講座の一環で訪問した大規模生産を営む羽沢の広大なキャベツ畑や、さまざまな果樹を栽培している南部の果樹園を見て、横浜の野菜や果物の生産についての視野が広くなり、見識がより深まりました」(加藤さん)。

濱の料理人メンバーでもある加藤さんの写真
濱の料理人メンバーでもある加藤さん。はまふぅど人たちの協力を得て、横浜野菜も販売する八百屋カフェ「ベジフルショップカフェあぐり」(注1)を自由が丘にオープンしたばかりです


はまキッチンの会長を務める長谷川さんは、はまふぅどコンシェルジュ講座に参加したことによって生産者の方々とのつながりができ、活動の幅が広がったと言います。
「講座で知り合った方々とネットワークができたことで、都筑フードネット主催の体験型イベント「おさんぽ農場」の企画に加えていただき、「親子クッキング」を担当しました。また以前、保育園のスタッフとしてお手伝いをしたのですが、私が野菜ソムリエではまふぅどコンシェルジュであることを知った園長先生から「園児や保護者に向けて、野菜の食べ方について話してもらえないか」と依頼されました。野菜嫌いのお子さんや保護者の方々に向けて、地元の野菜をおいしく食べる講座「食育の集い」を定期的に続けています」。

野菜ソムリエの長谷川さんのアップ写真
子育てが一段絡し「料理教室を開きたい」という夢を実現するために野菜ソムリエの資格を取得した長谷川さん。横浜野菜推進委員会メンバーとしても活躍中です


はまふぅどコンシェルジュ講座の受講をきっかけに、横浜市や民間団体が主催する食育イベントや料理教室に講師として参加したり、横浜野菜のレシピを提供するなど、野菜ソムリエとしての仕事が増える中で、生産者と消費者を結ぶ橋渡し的な役割の必要性を感じた3人は、個々の活動を組織化して協力体制を作るため、野菜ソムリエコミュニティかながわに所属する他のはまふぅどコンシェルジュの仲間にも声をかけ、「はまキッチン」(注2)を創設しました。

食と農の祭典出演の写真
11月に開催された「食と農の祭典」で、はまキッチンのキックオフを宣言


みなとみらい農家朝市では農家さんと一緒に横浜野菜をPR

毎月第4日曜日に開催されているみなとみらい農家朝市で、毎年9月に野菜ソムリエコミュニティかながわのはまふぅどコンシェルジュが中心となって生産者のお手伝いをしています。農家さんと一緒にブースに立ち、新鮮な野菜の食べ方を紹介しているのですが、これが訪れるお客さんに大好評。使ったことがない野菜を目の前にして迷っているお客さんに、おいしい食べ方のヒントやレシピを伝えると「じゃあ、作ってみるわ」と野菜に手を伸ばす人が多く、野菜の販売に大きく貢献しています。
「農家さんから、『またお願いしたい!』と言われたときは本当にうれしかったですね」(長谷川さん)。

地元で栽培されている野菜や果物を味わう豊かさを知ってほしい

食のイベントで彼女たちがよく行うのが「食べ比べ」。いちじくを例に挙げると「桝井ドーフィン」「バナーネ」など、さまざまな品種を食べ比べ、食感や味、香りの違いを体験します。少量多品目の栽培を行う都市型農業の生産者が多い横浜市では、市場にはあまり出回らない野菜や果物が多く栽培されており、食のイベントを通して横浜の農業の特徴を知ってもらうことも、はまキッチンの活動目的のひとつなのです。
「一般の消費者の方々は、スーパーで購入できるいちじくしか知らないですよね。でも、市内ではバラエティに富んだ品種が作られています。それらを並べて、形や香り、味を比較する食べ比べは横浜の農の豊かさを知ってもらういい機会。毎回参加者の方にとても喜んでいただいています」(大谷さん)。
地元の農家さんを自ら訪れ、生産者の顔が見える野菜や果物を使った料理教室も、はまキッチンの主な活動。「自分が住んでいる地域の畑の様子を見て、そこで採れる野菜を料理して味わうことこそが、生活をとても豊かにする。そのことを1人でも多くの人に知ってほしい」という強い思いがあるからです。
横浜市内には約4200軒の農家が畑を耕し、およそ1000軒の直売所があります。意識しながら地域に目を向けてみれば、意外と近くに生産地や直売所が見つかるかもしれません。

「メンバーの中にも、病気で辛い日々を送っていた時に地元の野菜と出合い、豊かな緑地を再確認して生きることへの希望が湧き、人生の価値観が大きく変わった人がいます。私たちの活動が、地産地消を取り入れるひとつのきっかけになったらうれしいですね」(加藤さん)。

今後も農家さんのお手伝いをしながら横浜野菜のPRをしたり、収穫体験と組み合わせた料理教室、子供から大人までを対象にした食育講座を主催したいと話すはまキッチンのメンバー。「横浜の野菜や果物の宣伝部長」として、これからますます忙しくなりそうです。

よこはま食の農の祭典2011に参加した野菜ソムリエの集合写真
「よこはま農と食の祭典2011」では、チョコレートと野菜の意外な組み合わせを提案


注1「ベジフルショップカフェあぐり」
住所:東京都目黒区自由が丘2-3-16自由が丘グリーンヒル103号
自由が丘駅から徒歩10分(自由学園通りのモンサンクレール、目黒通りのザ・ガーデンそば)
電話:03-5726-8757

注2「はまキッチン」
連絡先:hama_kitchen@yahoo.co.jp

このページへのお問合せ

みどり環境局農政部農業振興課

電話:045-671-2637

電話:045-671-2637

ファクス:045-664-4425

メールアドレス:mk-nogyoshinko@city.yokohama.lg.jp

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