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はまふぅど人16号

最終更新日 2019年3月19日

はまふぅどナビ16号(2010年3月8日発行)

地域の人々がつながりあえる場にしたい。
お寺ムーブメントから生まれた地産地消カフェ

富岡麻美さん・黒田智子さん(Cafe' Chadeau:カフェチャド―)

富岡麻美さん(右)黒田智子さん(左)
コーディネーターの富岡麻美さん(右)
メニュー開発担当の黒田智子さん(左)


昨年12月に戸塚区にオープンした「Café Chadeau」。地産地消をテーマにしたこのカフェは、横浜市「身近な地域・元気づくりモデル事業」の指定を受け、住民が集う交流スペースとして誕生しました。地元の人々が集まって話し合いながら、地域の活性化を目指してさまざまな情報を発信する地域密着型スローカフェです。

茶堂の精神を受け継ぐコミュニティカフェ

富岡さん
1児の母でもある富岡さん。子育てしながらカフェ運営に携わっています。

戸塚駅から徒歩3分。善了寺の少し手前にカフェチャドーはあります。席数13ほどの小さなカフェながら、開国博Y150「茶堂プロジェクト」の資材を再利用して作られた店内は木の温もりにあふれ、ゆったりとした時間が過ごせる居心地のいい空間です。


季節の農産物や加工品
店内では、季節の農産物や加工品を販売

プロデューサーとしてオープン準備から携わり、カフェ運営を担当しているのは、はまふぅどコンシェルジュの富岡麻美さん。もともと富岡さんは、善了寺を拠点に環境イベントなどを行う「NGOカフェデラテラ」という団体に、事務局スタッフとして参加していました。


学生スタッフ
学生スタッフもカフェ運営に主体的に関わっています。

「NGOカフェデラテラ」というのは、善了寺と戸塚商店会と明治学院大学の教授と学生たちによって始められたスローな文化を発信するお寺ムーブメントのこと。明治学院大学教授で、「100万人のキャンドルナイト」呼びかけ人代表でもある辻信一氏を中心に、さまざま環境運動やイベントに取り組むユニークな活動をしています。この「NGOカフェデラテラ」と町内会、商店会などが集まって「旧東海道戸塚宿街づくり拠点運営委員会」が結成され、地域活動の拠点の場としてカフェチャドーが誕生したのです。


「カフェチャドーのことを、カフェデラテラのメンバーは「縁側」と呼んでいるんですが、縁側で人と人がコミュニケーションをとるような感覚で情報交換できる場所になればいいと思っています」と富岡さん。
そもそもチャドーという店名は、日本古来の「茶堂」に由来しているとのこと。その昔、地域住民が集い、客人と交流し、誰もが気軽に立ち寄れる場所だった茶堂。この日本古来のコミュニティカフェ文化を受け継ぎ、人々がつながる場になってほしいという願いが込められています。

農家を訪ねて仕入れた野菜を使い、地産地消のメニュー作り

黒田さん
黒田さんは、外国人を対象にした「和食の一歩」という料理教室の講師も務めていま。

カフェチャドーのコンセプトは「地産地消、イコール、スローフード」。地元・戸塚でとれた新鮮な野菜を通して、大地や自然とのつながりを見つめ直すことをテーマに掲げています。近隣の農家から仕入れた野菜や加工品は、カフェの料理に使うほか、店内でも販売。取材に訪れた2月上旬には、梅干や梅酢、ジャム、黒豆などが棚に並んでいました。今後は、店頭で朝採れ野菜の直売を行う計画もしているそうです。


戸塚野菜カレー
黒田さん考案の戸塚野菜カレー。カリフラワーとブロッコリーを掛け合わせたロマネスコが添えてあります。

富岡さんやカフェのメンバーは、戸塚周辺の農家を訪ねて農作業を見せてもらいながら、野菜作りにかける思いやこだわりを聞いて回りました。

「私たちにとって、農家さんは単なる仕入れ先ではなく、一緒にやっていく仲間です。ひとつひとつの野菜をていねいに扱い、自然に対する深い感謝と愛情を持って畑仕事をする農家さんの姿勢を見るたびに、カフェを通して生産者の思いを多くの人に伝えたいと強く思いました」と富岡さんは言います。


YoursGarden
東戸塚にあるYoursGardenを訪問。ここでは親子を対象にした農業イベントを行っています。

戸塚野菜を使ったカフェメニューを考案しているのは、はまふぅどコンシェルジュの黒田智子さん。富岡さんがコンシェルジュ講座で知り合った黒田さんに声をかけ、カフェメニューの開発を依頼しました。

「メニュー作りに際して、素材の味をいかしたベジタリアンメニューを作ろうと考えました。カフェでは、調味料もできるだけ植物性のものを使うように心がけています。また、チャドーという店名から和のテイストを意識して、カレーの隠し味には味噌や昆布だしを使っています」(黒田さん)。


改良に改良を重ねた戸塚野菜カレーは、食にこだわる地元住民の間でも好評で、今ではカフェのイチ押し人気メニューになっています。ほかにも、ラタトュイユプレートや豆腐ステーキなど、戸塚野菜の味を活かした滋味深いメニューが続々誕生。夕方6時からのバータイムでも、オーガニックワインを片手に、地元野菜をふんだんに使ったおつまみが味わえます。

各種イベントを企画してスローな暮らしを提案

フェチャドーでは、カフェデラテラと連動し、さまざまなイベントをほぼ月1回のペースで開催しています。蜜蝋のキャンドル作りやカカオ豆から作るチョコレート作り、オーガニック離乳食作りやヨガ教室など、
富岡さんや学生ボランティアたちがアイデアを持ち寄り、一風変わったイベントを企画しています。

「今後は、農家さんを招いて、地元素材の料理教室や農家のライフスタイルを話してもらったり、カフェのお客さんと一緒に農家さんを訪ねて1日農業体験をするイベントをやりたいですね」と富岡さん。カフェはまだ走り出したばかりですが、富岡さんや黒田さん、カフェのメンバーの間では、おもしろいアイデアが次々とあふれ出ている模様。今後の展開がとても楽しみなカフェです。

カフェチャドー
住所:横浜市戸塚区矢部町84-1
営業時間:Cafe:火曜日から土曜日まで、午前11時から午後4時まで(ランチタイム午前11時30分から午後2時まで)、Bar:木曜日から土曜日まで、午後6時から午後10時まで
定休日:日曜日、月曜日、祝日
アクセス:JR戸塚駅東口より徒歩2分

このページへのお問合せ

環境創造局農政部農業振興課

電話:045-671-2637

電話:045-671-2637

ファクス:045-664-4425

メールアドレス:ks-nogyoshinko@city.yokohama.jp

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