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はまふぅど人34号

最終更新日 2018年8月27日

横浜の農の魅力を もっと広く伝えたい
旅するコンフィチュール代表 違克美(ちがいかつみ )さん

34号はまふぅど人画像

昨年10月、中区・関内駅のほど近くに手作りジャム工房「旅するコンフィチュール」がオープンしました。
代表の違克美さんに、取組を通して得たさまざまな人との関わりや、地産地消活動にかける思いについてお話を聞きました。

無意識のうちに身につけた 地産地消を実践する暮らし

違さんがアメリカに住んでいた10年以上前、“食”に興味のある人が周りに多く、情報交換が盛んでした。
「“野菜はここ”と聞くとそのファームへ。“鶏肉はあそこ”と聞くと少し足を延ばして」。
そんなファームめぐりを続ける中で、子どもが生まれ、ますます食への興味が強くなっていきました。
ところが、帰国後は料理を作ってもどこか味気ないと感じるように。
「野菜の味がしないと思って。元々料理好きだったのにおいしく作れなくて、料理がつまらなくなってきました」。
そんなある日、家の近所にある農家の直売所を訪れます。
「野菜を買ってみたら、すごくおいしかった」。
それで、新鮮でおいしい野菜を求めて直売所を調べたり、農家においしい食べ方を教わったり。
そのうちにだんだん楽しくなってきて、自然と“地産地消”の生活を実践していました。
その経験を生かし、2010年には“地場野菜のスープ”をメニューコンセプトにしたカフェの立ち上げに携わりました。
また、横浜の地産地消を盛り上げるプロジェクト“濱の料理人”に参加。さらに横浜市の“はまふぅどコンシェルジュ”を受講するなど、少しずつ活動の場を広げていきます。
これらの活動を通して、農家はもちろん、料理教室の先生や学校給食の職員、レストランのシェフ、クリエイター、デザイナーなど、さまざまな業種の仲間が増えていきました。

新規事業のスタートに さまざまな人の力が結集

昨年10月には、手作りジャム工房“旅するコンフィチュール”をオープン。
農家から直接仕入れた果物や野菜のうま味を生かし、無添加で仕上げたコンフィチュール(ジャム)をウェブショップで販売しています。
「スタート時にはいろいろな方にお世話になりました」。
例えば、3か月と短い賞味期限を少しでも延ばす方法を考えた方がいいのかと悩んだことも。
そのとき、レストランのシェフが「素材の新鮮さを残す今のやり方がいいんだ。作り置きができないのは大変だけど、頑張ろうよ」とアドバイス。
また、“旅するコンフィチュール”というブランド名は、クリエイターとのやりとりから生まれました。違さんが欧米などの旅を通して食に関する知識や技術を身に付けたこと、生産者が育てた素材が違さんの手からお客さんの手元に届くまで“旅”を続けることなどから名づけました。
デザイナーが手掛けたラベルのロゴマークは、“旅”をコンセプトに切符をイメージしてデザイン。
「顔を合わせてお互いの活動を見ながら関係を築いてきました。それぞれ業種が違う、さまざまな人が協力してくれて、その力は大きかったですね」。
そうしてできあがったコンフィチュールは、おいしいのはもちろん、素材の香りやきれいな色みも楽しめるラインアップです。
おすすめの食べ方は「冷蔵庫で冷やして、そのままスプーンで」とのこと。ごろごろと大粒の果肉が入ったコンフィチュールは、それだけで立派なデザートです。
ほかにも、炭酸やお酒で割って飲んだり、ヨーグルトにかけたり、料理に使ったりと、幅広く楽しめます。

農家とのつながりは ともに横浜で頑張る仲間だから

素材となる果物や野菜の仕入れは、横浜の農家が中心です。
「私の場合、アンズのコンフィチュールを作りたいからアンズ農家さんを探すのではなく、お付き合いのある農家さんがアンズを育てていたから使う。まず“人”なんです」。
あるイベントで、違さんは神奈川区の生産者・平本貴広さんの農産物を使ってデザートを作ることになりました。
畑にあるものからメニューを考えようと、いろいろ相談に乗ってもらっているうちに、メニューづくりの発想が広がっていきました。
そして、オレンジと白の2色のコントラストが鮮やかなニンジンのチーズケーキが完成。その上に紫ニンジンをスライスしたチップスを、花びらのように散らしました。
「平本さんは“うちの子たち(農産物)がこんなになった。すごくおいしい”と喜んでくれ、それがとてもうれしくて楽しくなった」。
そのイベントをきっかけに2人の交流は続いています。「いろいろな農産物を作られていて、本当に頼りにしています」と違さん。平本さんもその信頼に応えようと、コンフィチュールに向いた品種を提案。今は、酸味の強い食用ホオズキや、赤い色がきれいなローズヒップなどに挑戦しているとか。
「農家さんもシェフもクリエイターもみんな横浜で頑張っているという仲間意識があって、何より横浜が大好き。だからこそ、横浜が活性化するならばと協力してくれるんですね」。

横浜の農をアピールする力 違さんが持つ独自の強み

違さんがコンフィチュールを作るのにはいろいろな理由があります。
その一つを聞くと、「地産地消に興味がない人にも、横浜の農業をアピールできるから」。
工房のオープン以来、違さんにはさまざまなメディアから取材依頼が来ています。
地産地消の記事はもちろん、クリエイターとのコラボレーションをテーマにした記事、起業した女性を応援する記事……。
コンフィチュールのビジュアルの美しさから、化粧品会社のウェブマガジンで紹介されたこともあります。
「私がいろいろな切り口を持っていることでさまざまな人に関心を持ってもらい、結果的に、それが横浜の農業に目を向けてもらうきっかけになればいいですね」。
違さんはコンフィチュールづくりの他にも、料理教室の開催、パーティのケータリング、地産地消に関するイベントへの参加、講演など、さまざまな活動をしてきました。
「これからも横浜野菜を使ったお仕事をどんどん広げ、今までお付き合いのなかった業種の方ともつながりができれば」。人との出会いを何よりも大切にする違さん。
その手が生み出す一品が、ますます横浜野菜のファンを増やしてくれそうです。

旅するコンフィチュール
購入はウェブショップから。
www.tabisuru-conf.jp(外部サイト)
月に一回の工房販売ではコンフィチュールのほか、お菓子の販売も。
場所:中区相生町3-61 泰生ビル4階
営業日:毎月第一土曜 営業時間:13:00~18:00

このページへのお問合せ

環境創造局農政部農業振興課

電話:045-671-2637

電話:045-671-2637

ファクス:045-664-4425

メールアドレス:ks-nogyoshinko@city.yokohama.jp

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