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はまふぅど人15号

最終更新日 2019年3月19日

はまふぅどナビ15号(2009年12月21日発行)

直売所設置やオリジナルワイン作りなど、
地産地消を推進する横浜国立大学のユニークな試み

仁科俊明さん(横浜国立大学・総務課副課長)、昔宮賢典さん(同大・経営学部経営学科2年)

仁科俊明さん(左)、昔宮賢典さん(右)
仁科俊明さん(左)昔宮賢典さん(右)

保土ケ谷区内の高台に緑豊かなキャンパスが広がる横浜国立大学。約1万人の学生が通うこの大学は、地域環境に配慮したエコキャンパスの構築を目指しており、その一環としてさまざまな形で地産地消に取り組んでいます。地元農家と連携した地産地消の試みは、学生の意識向上だけでなく、地域の活性化にも大いに貢献しています。


保土ケ谷区内の高台に緑豊かなキャンパスが広がる横浜国立大学。約1万人の学生が通うこの大学は、地域環境に配慮したエコキャンパスの構築を目指しており、その一環としてさまざまな形で地産地消に取り組んでいます。地元農家と連携した地産地消の試みは、学生の意識向上だけでなく、地域の活性化にも大いに貢献しています。


近隣住民にも大人気!大学生協内にある野菜直売所

野菜直売所
開店直後から野菜が飛ぶように売れていきます。学生からおいしい食べ方を聞かれることも多いそう

午前10時。大学生協の一角にある無人販売所「産直市場」に、近くで農業を営む山本さんが野菜を並べ始めると、近所の常連さんや学生、大学職員が集まり、野菜は陳列するそばから次々と売れていきます。畑で収穫したばかりのいんげんや人参、大根、さといもなど、種類豊富な野菜はいずれも100円から300円。野菜販売は平日の週3日のみですが、新鮮でおいしい旬の地場野菜が割安で購入できることから、販売日の昼過ぎにはほとんどが売り切れてしまいます。
キャンパスに直売所がオープンしたのは平成20年の3月。総務課の仁村さんは、「学生の野菜不足解消をサポートし、地産地消に貢献しようという目的で無人販売所を設置しました」と話します。大学構内での野菜販売は全国的に見ても珍しいですが、在学生のうちの半数以上が1人暮らしをしている同大学では、自炊をする学生に利用してほしいという大学側の思いがありました。また、生協は一般開放されており、大学生以外でも利用可能。特にこの直売所は近隣住民の利用が多く、クチコミで少しずつリピーターが増えているといいます。
「実は、この直売所は近隣農家からの提案で実現したのです」と仁村さん。横浜国大では、地元産のキャベツを使った大学オリジナルワインを作っており、そのワイン作りの過程で、学生の野菜離れを農家の方に話したところ、「大学内で野菜を販売したらどうか?」という提案があったのだそうです。


近隣農家と協力して作った大学オリジナルキャベツワイン

大学オリジナルキャベツワイン
横浜国大オリジナルワイン「MON・PETIT・CHOU」(赤、白とも1本1300円)

横浜国大では、若手職員が中心となって進めている「ブランド製品等開発プロジェクト」によって、オリジナルカップ麺などのさまざまな大学ブランド商品を開発しています。その中でも人気が高いのが、同大オリジナルのキャベツワイン「MON・PETIT・CHOU(モン・プティ・シュ)」(フランス語で「可愛いお前」の意味)。地元産のキャベツや甲府産ブドウで作られたこのワインは、さわやかな後味にほんのり香るキャベツの甘さが特徴的です。
保土ケ谷区はキャベツの出荷量が多いことで知られていますが、大学周辺にもキャベツ畑が点在しています。いつも畑のそばを通って大学に通っていた職員が「このキャベツを使って、何かオリジナル商品が作れないだろうか」と考えて、地元の生産農家に相談したことがきっかけとなり、その後、山梨県のワイナリーの協力を得て、オリジナルワイン作りが実現しました。
キャベツワインの生産量は年間2600本。生協ではアルコール類を扱えないため、通常はキャンパスの南通用門付近にある(有)鈴木屋本店(電話:045-333-3033)で販売しています。「大学のイベントなどでも販売していますが、入学や卒業の記念に赤白のセットで購入する親御さんが多いですね」(仁村さん)。


授業の一環として、地産地消レストランを限定オープン

昔宮さん
昔宮さんは最年少のはまふうどコンシェルジュでもあります。

大学では、地域の課題解決を担う人材を育成する目的で「地域交流科目」という副専攻プログラムを設けています。その中の「地域課題実習・学生公募型プロジェクト」に参画し、さまざまな地産地消の活動を行っているのが、経営学部2年生の昔宮賢典さん。昔宮さんを中心とした約10名のメンバーは、授業の一環として「食を中心としたまちづくりプロジェクト」に取り組み、食に関するイベントを開催して、地域の活性化に貢献することを目標に掲げています。平成21年1月に都筑区で行った1日限定の地産地消レストランでは、都筑野菜や横浜産豚肉「はまぽーく」など、地場の素材で作った料理を提供。当日の様子はテレビで紹介され、大きな話題を呼びました。


イベント
参加したイベントで都筑野菜を使ったビーフシチューなどを販売

「高校3年生の時に「スローフード少年団」という活動に参加し、市内の農家の方々と話す機会があったのですが、その時に初めて、横浜は農業が盛んだということを知り、それをもっとPRしたいと思ったんです」と昔宮さん。
現在、メンバーは市内の特区農園を借り、地元農家の方に協力してもらって野菜栽培にも取り組んでいます。また、市内各所で行われる地産地消イベントに参加したり、自分たちでイベントをプロデュースしたりして、地場野菜を使った料理の提供や、地元の農家の方による野菜の直売を継続して行っています。


広大なキャンパス
広大なキャンパスは敷地の約半分が緑で覆われ、まるで森のよう

昔宮さんに今後のプロジェクトの展開を尋ねると「都筑区に地産地消の野菜通りを作りたい」と壮大な構想が飛び出しました。地場野菜をテーマにして通りを盛り上げ、大型商業施設の出店によって活気を失った商店街に人を呼びたいと話します。
「各飲食店に都筑野菜を使ったオリジナルメニューを作ってもらい、この通りに来れば地元の野菜が食べられるという都筑野菜の聖地を作りたいと思っています」と言う昔宮さん。地産地消に取り組む彼の情熱と行動力があれば、「都筑野菜通り」が実現する日はそう遠いことではないでしょう。


このページへのお問合せ

環境創造局農政部農業振興課

電話:045-671-2637

電話:045-671-2637

ファクス:045-664-4425

メールアドレス:ks-nogyoshinko@city.yokohama.jp

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