鈴木榮治マイスター(和裁士)
最終更新日 2021年1月29日
鈴木 榮治
和裁士
平成8年度選定(第1期)
神奈川区在住
- 昭和20年生まれ、新潟県出身
- 有限会社衣裳研究会会長
- 1級和裁技能士、東京商工会議所和裁検定1級、職業訓練指導員
- 神奈川県和裁訓練協会会長、全国和裁着装団体連合会会長などを歴任
- 「横浜人図鑑」(J:COM)出演映像(外部サイト)
反物から着物へと息を吹き込むのが和裁士の仕事
「和裁の技術を習得するためには、人より一枚でも多く縫い、生地の性質を肌で感じることが欠かせない」と、技能の研鑽に努めてきました。
「織り、染め、刺繍など多くの職人を経てできた反物は、仕立ていかんによって、より素晴しいものともなれば駄目にしてしまう場合もあります。和裁士の仕事は全神経を注がなければならない『着物文化』の最後の仕事です」と、和裁士の責任の重さを語ります。
「良いものを作り、後継者を育て、その技術を皆にわかってもらうことが職人の仕事の一つ」という信念に基づき、自らの和裁訓練校などで数多くの後進を育成し、技能五輪等で上位入賞者を輩出しています。
また、技能の伝承のみならず、服飾史や時代考証の研究にも高い見識を持ち、三渓園を開園した故・原三渓宅所属の和服の管理や、大島つむぎの半合羽の復元をするなど、横浜を中心に日本の民族衣装の普及・保存に力を注いでいます。
マイスターの技
「染物の職人や織物の職人とは一味違った、オリジナルなものを作りたい」との想いから、新しい着物づくりへの挑戦を始めました。
布をくりぬいて別の布を入れていく「切嵌め象嵌(きりばめぞうがん)」や「陽炎仕立て(かげろうじたて)」という独自の技法を考案し、その作品は丁寧な仕立ての技能によって、異なる複数の生地があたかも一つの生地であるかのように見える程にとても精巧です。
プロフィール
切り嵌め象嵌絵羽着物
新潟県の高校を卒業後、叔父であり、原三渓の専属仕立師であった先代の娘との縁がきっかけとなり、和裁の道に入る。
36歳の時、亡くなった先代を継ぎ、神奈川県和裁高等訓練校校長並びに有限会社衣裳研究会代表となる。
通常の仕立屋としての技術の研鑽はもちろんのこと、自分自身のオリジナル作品である、切り嵌(ば)めきもの・帯、陽炎(かげろう)仕立てコート・袖のぞき・道中着、御簾越仕立て等、各デパートや、イベント会場に於いて展示販売会トークショーなど全国展開をしている。
主な受賞歴
- 平成14年 神奈川県卓越技能者表彰受賞(神奈川県知事)
- 平成20年 「現代の名工(卓越した技能者)」表彰受賞(厚生労働大臣)
- 平成21年 黄綬褒章受章
- 平成28年 横浜文化賞受賞
陽炎仕立て道中袢纏
切り嵌め暖簾
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有限会社 衣裳研究会
横浜市神奈川区神大寺3-29-11
電話:045-565-9160