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2024年10月号 レトロな気分に浸れる横浜市電保存館~新たな模型ジオラマ「ハマジオラマ」が誕生
海、港、緑、歴史、地域、人々、さまざまな魅力を持つ横浜。この街の彩りを「よこはま彩発見」としてお届けします。 今回は10月14日の鉄道の日にちなみ、横浜市電保存館(磯子区)からです。
最終更新日 2024年11月1日
「広報よこはま」2024年10月号「よこはま彩発見」の掲載内容はリンク先をご覧ください。
レトロな気分に浸れる横浜市電保存館~新たな模型ジオラマ「ハマジオラマ」が誕生
横浜市電保存館館長 武藤 隆夫
横浜市電について
日本における路面電車は、1895(明治28)年の京都から始まりました。横浜では、1904(明治37)年7月15日に横浜電気鉄道によって神奈川~大江橋間(2.6km)で開通しました。大都市でありながら京都から9年後の開業となったのは、鉄道開設の出願が複数の事業者による競合となったことや、当時の主たる市内の交通手段であった人力車の車夫たちによる反対が要因でした。
その後、路面電車は横浜市の拡張とともに路線が延伸されていきますが、横浜電気鉄道は不況により経営が悪化、既に市内の重要な交通インフラとなっていた路面電車は、市営化されることになります。1921(大正10)年、横浜市電の誕生です。
横浜市電は、「ちんちん電車」の愛称で親しまれ、市民の足として活躍、震災・戦争を乗り越えて、昭和30年代には路線の総距離は51.79km、1日30万人の乗客数と、規模の上では最盛期を迎えます。
しかしながら、高度成長によって自動車が急増、市電の軌道内に車が入れるようになると低速で走行する市電は渋滞の原因となっていきます。また、1964(昭和39)年、国鉄(現在のJR)根岸線が開通すると市電の利用者は大幅に減少。郊外へ高速電車が走り、横浜の市域全体に住宅地が広がっていくと、市電の路線網では限界となっていきます。こうして都市交通の中心として活躍した市電はその役割を終え、地下鉄とバスに転換していきます。1966(昭和41)年の生麦線廃止を皮切りに、1972(昭和47)年3月31日で市電はすべて廃止となりました。
市電運転系統図(昭和35年)
市電廃止後、市電の運転系統の多くが市営バスの系統に引き継がれました。
開館51年目の横浜市電保存館
横浜市電保存館の外観
横浜市電保存館は、市電が廃止された翌年の1973(昭和48)年8月25日、市電の歴史を後世に伝えるため、磯子区滝頭で開館しました。
滝頭は、1921(大正10)年に路面電車が市営化され電気局(現在の交通局)が発足した際に本局が設置された場所で、「交通局の始まりの地」であり、市電の車庫が最後まであった「市電の歴史を閉じた地」でもあります。昨年、2023(令和5)年には開館50周年を迎え、51年目となった今も、実物の市電車両や当時の部品、市電が走っていた写真など、貴重な資料を展示しています。
レトロな気分に浸れる市電車両コーナー
館内には市電の車両を当時のまま保存・展示していて、実際に乗ることができます。車内で座席に座ったり、運転台に立ったりすると、どこか懐かしいレトロな気分に浸れる、とてもお薦めの場所です。
展示している7両の市電のうち、市電500型、市電1000型は、震災復興計画により1928(昭和3)年に製作された、約100年前の車両です。また珍しい車両として、レール等の資材輸送や、大正時代に当時中区にあったキリンビールの工場からビールを運んだ無蓋貨車を展示しています。
市電車両コーナー
市電車内
「横浜の発展と都市交通のあゆみ」をテーマとした歴史展示コーナー
歴史展示コーナー
横浜は幕末の開港により、国際貿易都市としての歴史が始まりました。そして、震災と戦災を乗り越え、重工業都市として、次いで住宅都市として大きく成長し、今日に至ります。このような都市の発展と拡張を支えた交通機関が市電でした。その役割は今では地下鉄とバスに受け継がれており、いつの時代も市民の足として欠かすことのできない存在です。
歴史展示コーナーでは、都市横浜の成り立ちを重ね合わせながら、市電を中心とした横浜の都市交通のあゆみをたどっていて、次の(1)から(5)の時系列に沿って展示しています。各時代の状況と、その中で市電に求められた役割をぜひご覧ください。
(1)江戸時代から明治時代前半「東海道と横浜の開港」
(2)明治時代後半から大正時代前半「路面電車の登場」
(3)大正時代後半から震災復興と昭和戦前期「横浜市電の成立とその発展」
(4)戦後復興から高度成長期「最盛期を迎えた市電とその限界」
(5)昭和時代後半から現在「路面電車から地下鉄へ、都市交通の転換」
最新の模型ジオラマ「ハマジオラマ」
昨年、2023(令和5)年7月に、市電保存館開館50周年を記念して全長9.5mの模型ジオラマ「ハマジオラマ」をオープンしました。
みなとみらい21地区、桜木町駅、横浜駅、新横浜駅、山手の丘など横浜の主要スポットのジオラマ模型の中を地下鉄、市電、新幹線、根岸線などの電車やベイサイドブルー、あかいくつなどの市営バスが走ります。映像や照明、音響を駆使した運転ショーは、「横浜市営交通の歴史」「とある家族の1日と市営交通」「横浜を走る鉄道とバス」の3種類があり、1日6回から7回、開催しています(2024年10月現在)。精巧に作り込まれた横浜の街並みを走り抜ける電車やバスが、皆さまの暮らしに結びついている姿を感じていただければ幸いです。
また壁面には、市電の時代からバス・地下鉄の時代までをイラストと文章で表現した年表が展示されています。
横浜の温故知新を再発見できる市電保存館にぜひお越しください。
ハマジオラマ
イラスト年表
【受付終了】読者プレゼント
応募受付は終了し、当選者に11月1日(金曜日)に賞品を発送しました。ご応募ありがとうございました。
いつも『広報よこはま』・「よこはま彩発見」をご覧いただき、ありがとうございます。感想をお寄せいただいた方の中から抽選で、横浜市電保存館 入館招待券とポストカードのセットを20組40名様にプレゼントします。ご希望の方は、次の6項目※を明記し、郵便はがき(〒231-0005 横浜市中区本町6-50-10 横浜市役所政策経営局広報課 あて)又は電子メール(ss-saihakken@city.yokohama.jp)でご応募ください。締切は2024年10月31日(木曜日) 必着です。
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なお、当選者の発表は賞品の発送をもってかえさせていただきます。また、いただいた個人情報は、賞品の発送以外の目的には使用しません。
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