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2023年4月号 山手の西洋館

 海、港、緑、歴史、地域、人々、さまざまな魅力を持つ横浜。この街の彩りを「よこはま彩発見」としてお届けします。 今回は山手の西洋館(中区山手町)についてです。

最終更新日 2023年4月1日

「広報よこはま」2023年4月号「よこはま彩発見」の掲載内容はリンク先をご覧ください。

横浜山手西洋館のご案内

 横浜山手エリアには、外国人住宅として建てられた館が残っており、市が所有し一般公開されている西洋館7館は、いずれも無料で入館できます(休館日あり)。館内には趣のある横浜家具や調度品が配され、レトロな雰囲気の中で季節ごとのしつらいやコンサート、結婚式なども行われています。今なお外国人居留地の面影を残す山手の街を散策しながら、緑豊かな公園の中に佇む西洋館を巡ってみませんか。ここでは所在する公園ごとに各館を紹介します。

山手イタリア山庭園

 水路や花壇が幾何学的、左右対称に配されたイタリア式の庭園で、みなとみらい21地区や富士山などを望むことができます。1860(明治13)年から1886(明治19)年まで、この地にイタリア領事館が置かれたことから「イタリア山」と命名されました。(JR「石川町」駅南口又は元町口から徒歩5分)
(1)外交官の家

外交官の家

 ニューヨーク総領事やトルコ特命全権大使などを務めた明治政府の外交官・内田定槌(さだつち)氏の邸宅として、アメリカ人建築家J.M.ガーディナーの設計により、1910(明治43)年に東京渋谷の南平台に建てられました。元は洋館と和館が廊下でつながる建物でしたが、1997(平成9)年に洋館部が現在地に移築されました。とんがり屋根で八角形の塔屋がシンボルで、多くの来客をもてなした食堂や大小の客間を備え、往時の外交官の暮らしをしのぶことができます。[国重要文化財]

(2)ブラフ18番館

ブラフ18番館 

 大正末期に山手町45番地に建てられたオーストラリアの貿易商バウデン氏の邸宅で、戦後はカトリック山手教会の司祭館として1991(平成3)年まで使用されていました。1993(平成5)年、イタリア山庭園内に移築復元され、白い壁と橙色のフランス瓦、緑色の窓枠と色の対比が印象的で、暖炉の煙突、上げ下げ窓や鎧戸、サンルーム、中廊下型の平面構成など、震災前の外国人住宅の典型的な特徴を有しています。[横浜市認定歴史的建造物]

元町公園

 元町から山手にかけての谷戸と呼ばれる地形に位置し、深い緑の中に、良質な湧水を利用したジェラールの水屋敷跡や山手80番館遺跡、元町プールや弓道場もあります。(みなとみらい線「元町・中華街」駅5番又は6番出口から徒歩8分)
(3)ベーリック・ホール

ベーリック・ホール 

 1930(昭和5)年にJ.H.モーガンの設計により、イギリス人貿易商B.R.ベリック氏の邸宅として建築されました。第二次世界大戦前まで住宅として使われましたが、戦後はセント・ジョセフ・インターナショナル・スクールの寄宿舎として使用されました。スパニッシュスタイルを基調とし、三連アーチの玄関ポーチ、2階の四葉型の小窓など建築学的な見どころも多く、戦前の山手に現存する最も規模が大きい西洋館です。[横浜市認定歴史的建造物]

(4)エリスマン邸

エリスマン邸

 日本近代建築の父と呼ばれたA・レーモンドの設計により、生糸貿易商シーベルヘグナー商会の支配人格だったエリスマン氏の私邸として、1926(大正15)年、山手町127番地に建築されました。1982(昭和57)年にマンション建設のため一旦、解体されましたが、関係者の尽力により1990(平成2)年に現在地に移築・復元されました。[横浜市認定歴史的建造物]

(5)山手234番館

山手234番館

 1927(昭和2)年頃、朝香吉蔵の設計により外国人向けのアパートメントハウスとして建築されました。当初は、2つの対称の間取りの住戸が中央部分の玄関ポーチを挟んで向かい合い、上下2層に重なった計4戸の共同住宅でした。昭和50年代まで住宅として使用され、1999(平成11)年から一般に公開されています。現在、2階はギャラリーなどに改装され、展示会や会議などに利用されています。[横浜市認定歴史的建造物]

港の見える丘公園

 横浜港を見下ろす小高い丘にある公園で、横浜ベイブリッジを望む絶好のビューポイントです。園内のイングリッシュローズの庭は、横浜でも有数のバラの名所です。(みなとみらい線「元町・中華街駅」5番又は6番出口から徒歩5分)
(6)横浜市イギリス館

ローズヨコハマ写真

 1937(昭和12)年、上海の大英工部総署の設計により英国総領事公邸として建築された鉄筋コンクリート造の重厚な建物です。1階にはサンルーム、ホールが南側に配され広々とした庭につながり、2階は寝室や化粧室などの私的な空間となっています。玄関脇にあるジョージ6世の治世と竣工年を示す「GRⅥ 1937」と王冠が刻まれた紋章、正門脇に掲げられている「British Consular Residence」の銅板など、随所にイギリスの風格を漂わせています。[横浜市指定文化財]

(7)山手111番館

山手111番館

 1926(大正15)年、J.H.モーガンの設計により、アメリカ人J.E.ラフィン氏の住宅として現在地に建築されました。赤瓦と白壁の対比が美しく、正面の3連アーチが際立つスパニッシュスタイルの建物です。玄関を入ってすぐのホールは二階まで吹き抜けており、天井から吊るされたシャンデリア、隣のダイニングルームと背中合わせにある2つの暖炉などが優雅な雰囲気を醸し出しています。[横浜市指定文化財]

地図

 公開されている西洋館は港の見える丘公園と山手本通りに沿って点在しており、それぞれの館を見学しながら散策すると2~3時間かかります。
 上の横浜山手西洋館マップは横浜山手西洋館ウェブページ(外部サイト)でダウンロードできるほか、同ページにはおすすめ見学ルートも掲載されています。

このページへのお問合せ

横浜山手西洋館ベーリック・ホール

電話:045-663-5685

電話:045-663-5685

ファクス:045-663-5685

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