ここから本文です。

2023年5月号 横浜に完成した世界一のプラネタリウム!

 海、港、緑、歴史、地域、人々、さまざまな魅力を持つ横浜。この街の彩りを「よこはま彩発見」としてお届けします。 今回は、はまぎん こども宇宙科学館(磯子区洋光台)からです。

最終更新日 2023年6月1日

「広報よこはま」2023年5月号「よこはま彩発見」の掲載内容はリンク先をご覧ください。

横浜に完成した世界一のプラネタリウム!

 はまぎん こども宇宙科学館プラネタリウム解説員 甲谷 保和

 今年、2023年はドイツで世界初の近代プラネタリウムが発明されてから、100周年の記念の年です。
 1923年、ドイツのカール・ツァイス社の技術者によって発明された最初のプラネタリウムは、ドイツから見える約4500個の恒星と5個の惑星を再現して、世界中から喝采を浴びたといいます。数年後には世界各地の星空を再現する機能を備え、約9000個の恒星を映し出すことができるツァイスII型へと進化してさらに評価を高めました。

MEGASTAR-IIA
世界記録を達成したMEGASTAR-IIA

 磯子区洋光台にある はまぎん こども宇宙科学館(横浜こども科学館)では、2022年12月、21年ぶりに最新のプラネタリウムにリニューアルしました。
 プラネタリウムが発明された100年前には、目に見える星を再現するのが精いっぱいでした。けれども、天体望遠鏡を使えば、空にはもっとたくさんの星があることがわかります。
 目に見えないと思われていた星まで再現したら、プラネタリウムはもっとリアルな星空を体験できるのではないか。
 そう考えたのは、横浜市都筑区にある世界最小のプラネタリウムメーカー有限会社大平技研の代表取締役を務める大平貴之さんです。1998年にそれまでのプラネタリウムの100倍を超える150万個の星を映し出すMEGASTARを開発し、“新世代のプラネタリウム”として世界中の注目を浴びました。

 今、最新のプラネタリウムをつくるとしたら?
 こうして、欧州宇宙機関のGaia計画によって宇宙望遠鏡で観測された最新の観測データをもとに、12億個もの恒星を備えた最新鋭のプラネタリウム投影機 MEGASTAR-IIAが作られました。プラネタリウム投影機には、内部に恒星原版という星を表す穴が開けられた部品があり、超高輝度LEDの光が恒星原版を通ることで星の光となり、レンズによってドームスクリーンに映し出されます。MEGASTAR-IIAの恒星原版はGIGAMASKと名付けられた特別製のもので、大平技研と株式会社ソニー・ミュージックソリューションズの共同開発によって完成しました。
 その精密さは、いちばん暗い星を表す穴の大きさが1ミリメートルの5000分の1以下しかない180ナノメートルという小ささで、星と星の隙間は1ミリメートルの1000分の1の約1マイクロメートルしかありません。薄い金属膜をレーザーによって加工する超精密加工技術で作られています。MEGASTAR-IIAは、このGIGAMASKを32枚組み合わせて、最新の宇宙を地上に再現するのです。

投影機と夏の星空
MEGASTAR-IIAと夏の星空

 最新の技術を駆使して再現される宇宙の姿はやはり「すごい」ものです。地球上から私たちの目に見える星空は、どこまでもリアルに再現されています。プラネタリウムの中で双眼鏡や望遠鏡を使って星空を観察すると、本当の星空と同じように暗い星が見えて、星雲や星団の存在が分かります。プラネタリウムで写真を撮れば、望遠鏡でも見えないほどの暗い星までびっしりと星が写ります。
 最新のプラネタリウムは、横浜のような大都市では科学技術の発展とともに失われてしまった自然の星空を再現してくれます。同時に、科学技術の発展とともに観測できるようになった最新の宇宙の姿を地上に再現して体験させてくれるのです。
 すごいのは分かるけれど、プラネタリウムにそこまでの技術は必要だろうか? 目に見えないほどと言うけれど、見えないのでは意味が無いのではないか? こう感じる方も少なくないのではないでしょうか。

おおぐま座、こぐま座
投影された おおぐま座、こぐま座

 実際のところ、毎日MEGASTAR-IIAでプラネタリウムを投影している解説員の目から見ても、MEGASTAR-IIAが映し出す星のすべてが見えているとはとても言えません。でも、テレビがブラウン管から薄型テレビに進化して、フルHD、4K、8Kと解像度が高まってきたように、技術の進化とともに身近な世界の情報量や解像度は高まり続けています。
 生まれた時から高解像度な世界に触れる、現在の、そして未来の子どもたちだったら。現在の大人には感じ取れないような宇宙の姿を感じ取ることができるのではないか。より美しく、より身近に、宇宙を感じてくれるのではないか。そんな期待感も持っています。

プラネタリウムドーム
プラネタリウムドームの外観

 「もしかして、横浜のMEGASTAR-IIAは世界一すごいのではないだろうか?」
 そう気づいた科学館では、2022年11月にプラネタリウムで投影できる星の数のギネス世界記録に挑戦することにしました。ところが、さすがに世界記録への挑戦は簡単ではありません。プラネタリウムで撮影した詳細な画像をもとに、天文学者の先生方が様々な検証をしてくださり、いったい何個の星を投影できるのか最終的な結果が出たのは3か月後の2023年2月になってから。
 科学館の技術で計測できるMEGASTAR-IIAが投影できる星の数は、少なくとも7億個。これまでの記録を5倍も上回る新記録で、ギネス世界記録達成です!
 横浜に完成した はまぎん こども宇宙科学館のプラネタリウムは、世界一たくさんの星を見ることができる、世界一のプラネタリウムです。(2023年5月現在)
 「大人も子どももみんな。世界一の星空を体験しに来ませんか?」

※ギネス世界記録の公式表記
The most stars projected by a planetarium projector (one off) is at least 700,000,000 stars and was achieved by Yokohama Science Center in Yokohama, Kanagawa, Japan verified on 8 February 2023.
【日本語訳】
プラネタリウム投影機で投影された星の最多数(ワンオフ)は、少なくとも7億個の星であることが日本の神奈川県横浜市にある横浜こども科学館で達成され、2023年2月8日に検証された。

【受付終了】読者プレゼント

読者プレゼント 星空まんげきょう

 応募受付は終了し、当選者に6月1日(木曜日)に賞品を発送しました。ご応募ありがとうございました。
 いつも『広報よこはま』・「よこはま彩発見」をご覧いただき、ありがとうございます。感想をお寄せいただいた方の中から抽選で、はまぎん こども宇宙科学館オンラインショップで好評販売中の工作キット星空まんげきょうを5名様にプレゼントします。ご希望の方は、次の6項目※を明記し、郵便はがき(〒231-0005 横浜市中区本町6-50-10 横浜市役所政策局広報課 あて)又は電子メール(ss-saihakken@city.yokohama.jp)でご応募ください。締切は2023年5月31日(水曜日)必着です。
※ 1.郵便番号、2.住所、3.氏名、4.感想、5.読んでみたい記事、6.「5月号プレゼント希望」
 なお、当選者の発表は賞品の発送をもってかえさせていただきます。また、いただいた個人情報は、賞品の発送以外の目的には使用しません。
読者プレゼント問合せ先 横浜市役所政策局広報課 TEL:045‐671-2331 FAX:045‐661-2351

このページへのお問合せ

はまぎん こども宇宙科学館

電話:045-832-1166

電話:045-832-1166

ファクス:045-832-1161

前のページに戻る

ページID:714-937-566

  • LINE
  • Twitter
  • Facebook
  • Instagram
  • YouTube
  • SmartNews