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2023年6月号 横浜みなと博物館で横浜港に親しもう!
海、港、緑、歴史、地域、人々、さまざまな魅力を持つ横浜。この街の彩りを「よこはま彩発見」としてお届けします。 今回は、横浜みなと博物館(西区みなとみらい)からです。
最終更新日 2023年7月4日
「広報よこはま」2023年6月号「よこはま彩発見」の掲載内容はリンク先をご覧ください。
横浜みなと博物館で横浜港に親しもう!
横浜みなと博物館とは
横浜みなと博物館 学芸課長補佐 島宗 美知子
横浜みなと博物館(外部サイト)は「歴史と暮らしのなかの横浜港」をメインテーマに、横浜港に関する調査・研究、資料・図書の収集・保存、展示・公開、教育活動を行っています。1989(平成元)年に「横浜マリタイムミュージアム」の名称で開館し、2009(平成21)年のリニューアルとともに現館名に改称、2021(令和3)年度から2度目のリニューアル工事を行い2022(令和4)年6月にオープンしました。多くの方々が、より横浜港を知り、考え、楽しむことができる博物館を目指しています。
船舶模型のご紹介
当館の常設展示室では、開港から現代までを7つの時代に分けて振り返る「横浜港の歴史ゾーン」を中心に、時代ごとに横浜で活躍した船の模型を展示しています。巨大な船の船底からデッキ、煙突までまるごと見ることができるのが船舶模型の魅力です。精巧に再現された美しい姿を間近でご覧いただき、それぞれの船が横浜から世界の海を駆け巡った往時に思いをはせてみませんか。
(1)天洋丸
1908(明治41)年建造の客船で、13,454総トン。明治末期、太平洋横断航路で競合していた米英の客船に対抗して、三菱長崎造船所で建造された国産初の1万総トンを超える大型豪華客船です。船主は「京浜工業地帯の父」とも呼ばれる浅野総一郎率いる東洋汽船で、香港~横浜~ハワイ~サンフランシスコの定期航路に就航しました。船の船首には社旗を掲げますが、天洋丸模型にも東洋汽船の旗がついています。浅野家の家紋の扇をつかったデザインです。[縮尺=1/100]
(2)アンドレ・ルボン
1915(大正4)年建造の貨客船で、13,682総トン。船主はフランスのメサジュリ・マリティム社で、マルセイユ~スエズ経由~横浜への定期航路に就航していました。1923(大正12)年の関東大震災のときに横浜港に停泊中で、他船とともに多数の被災者の救出にあたりました。今年(2023年)は関東大震災発災から100年です。当館では8月末から企画展「関東大震災100年 船と港から見た関東大震災」を開催します。救援活動に従事した船舶の動向なども紹介します。[縮尺=1/48]
(3)ぶえのすあいれす丸
1929(昭和4)年建造の貨客船で、9,625総トン。第1次世界大戦の長期不況のなかでブラジル移民が急増しました。大阪商船は本船と姉妹船りおでじやねろ丸を南米航路用に建造し、多数の移民をブラジルへ運びました。本船の3等旅客(移民)定員1,076名はそれまでの日本の移民船で最大です。この模型は長さ3メートル以上と大型です。模型のデッキと目線をあわせると、一部に設置されている船内の調度品(椅子やテーブルなど)も見ることができ、船内に入り込んだような気分?が味わえます。[縮尺=1/48 株式会社商船三井 蔵]
(4)秩父丸
1930(昭和5)年建造の客船。17,498総トン。現在当館がある場所にあった横浜船渠で建造された、戦前最大の日本客船です。日本郵船のサンフランシスコ航路に就航しました。一級の内装と調度品、船客サービスで「太平洋の女王」と称賛されました。秩父丸の後部にある一等ベランダは、横浜船渠が日本中世期(鎌倉期)様式で設計・製作を行い、ベランダ中央には狛犬が設置されました。模型にも狛犬を置いてありますので、ぜひ見つけてみてください。[縮尺=1/100]
(5)はしけ
はしけは1960年代後半にコンテナ船が登場するまで、港の貨物輸送の主役でした。港内の倉庫や上屋、工場と停泊中の船との間を行き来して、貨物を運びます。引き船に曳航されるタイプと自走式のものがありました。高度経済成長期、横浜港の貿易量は急増しました。このとき大量のはしけが建造されて、貨物輸送に大活躍しました。はしけに住む家族もいて、市内には子どもたちのための寄宿学校がありました。[縮尺=1/20]
(6)ころらど丸
1960(昭和35)年建造の川崎汽船の一般貨物船で、10,105総トン。コンテナ船が世界海運の主流となる前までは、こうした船にクレーンがついた一般貨物船が世界中で活躍し、貨物の積み下ろしは基本的に人の力で行われていました。貨物を積み下ろす道具類(荷役道具といいます)は貨物の形状や大きさに合わせて工夫されました。ころらど丸の模型の近くには、50年ほど前まで横浜港の荷役会社で使われていた実物の道具類を展示しています。[縮尺=1/100 川崎汽船株式会社 蔵]
(7)東京丸
1966(昭和41)年、石川島播磨重工業横浜工場で建造された東京丸は建造当時、世界最大の15万重量トンのタンカーでした。昭和30~40年代には、外国から大型タンカーやばら積み貨物船などの注文が増え、国内ではたくさんの輸出用の船が造られました。横浜市内にある造船所も設備を拡大して、次々に船を造りました。[縮尺=1/100]
(8)氷川丸
1930(昭和5)年に横浜船渠で建造された日本郵船のシアトル航路用の貨客船で、11,622総トン。太平洋戦争の戦禍を免れ、戦後、シアトル航路に復帰しました。1961(昭和36)年6月2日の横浜開港記念日から、山下公園前で船内の公開を開始し、2016(平成28)年に国の重要文化財に指定されました。公開当初、船体の色はエメラルドグリーンでした。当館内の氷川丸のカラー写真や柳原良平アートミュージアムのポスターには、現役当時の船体色の模型とは異なる色に塗装された氷川丸があります。ぜひ探してみてください。[縮尺=1/100]
(9)ダイヤモンド・プリンセス
2004(平成16)年に三菱重工業長崎造船所で建造された大型クルーズ客船で、115,875総トン。アメリカのプリンセス・クルーズ社により運航されています。2013(平成25)年5月10日、横浜に初入港し、2019(令和元)年10月にオープンした新港ふ頭客船ターミナルに着岸した第1船です。2023(令和5)年3月10日、コロナ後初の外国クルーズ客船として横浜に入港しました。大浴場など日本人向けの船内施設やアクティビティも充実しており、模型のデッキにはたくさんのプールが見えます。探してみましょう。[縮尺=1/150 横浜市 蔵]
(10)帆船日本丸
1930(昭和5)年建造の練習帆船で、2,278総トン。当館の向かいにある帆船日本丸の模型です。練習帆船とは船舶職員を養成する帆船のことです。帆船日本丸は1984(昭和59)年に引退するまでの間、11,500名もの実習生を育てました。2017(平成29)年に国の重要文化財に指定されています。当館では、帆を張った姿と張っていない姿の2つの日本丸の模型を展示しています。[縮尺=1/75]
常設展示
船舶模型を展示している「横浜港の歴史ゾーン」では、開港前の吉田新田や横浜村の時代から、ペリー来航、大さん橋建設、客船の黄金時代、戦中・戦後の横浜港、コンテナ船の登場、そして現代までの約160年の歩みを紹介しています。また、「横浜港の再発見ゾーン」では横浜港のふ頭、帆船日本丸と船員養成、姉妹港・友好港・貿易協力港との交流などについて学ぶことができます。さらに、帆船日本丸の歴史や総帆展帆を迫力ある大型映像で体験できるVR(バーチャルリアリティ)シアター「みなとカプセル」や、江戸時代の新田開発から現在の新本牧ふ頭の建設までの横浜の埋立について紹介する「埋立と築港の技術と歴史」の展示室もあります。
【受付終了】読者プレゼント
応募受付は終了し、当選者に7月4日(火曜日)に賞品を発送しました。ご応募ありがとうございました。
いつも『広報よこはま』・「よこはま彩発見」をご覧いただき、ありがとうございます。感想をお寄せいただいた方の中から抽選で、横浜みなと博物館・帆船日本丸共通招待券とオリジナルステッカーのセットを5組10名様にプレゼントします。ご希望の方は、次の6項目※を明記し、郵便はがき(〒231-0005 横浜市中区本町6-50-10 横浜市役所政策局広報課 あて)又は電子メール(ss-saihakken@city.yokohama.jp)でご応募ください。締切は2023年 6月30日(金曜日) 必着です。
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なお、当選者の発表は賞品の発送をもってかえさせていただきます。また、いただいた個人情報は、賞品の発送以外の目的には使用しません。
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