温故知新！西区てくてくスケッチ：第五十四回 尻こすり坂

藤棚町交差点の「第七有隣堂書店」横の急坂を野毛方向に上り、下り、上り、そして下っている坂が「尻こすり坂」だ。
私は子供の頃から今は無い野毛山遊園地、野毛山公園、市立中央図書館に行くのに、よく通っていた坂だ。
この坂は明治中頃、地中に相模川から横浜市内へ飲料水が送られた水道管が埋設された水道道。今も西谷浄水場からの水道が、この坂の下を通って運ばれている。
坂の上に立つと、急過ぎる坂だなぁと感じられる。昔、荷車を引いた人がお尻で車を押さえながら下って行った事から「尻こすり坂」と呼ばれるようになったと言う。今、近所の人は、ただ「急坂」と呼ぶそうだ。
坂の下でスケッチをしていると、すぐ横の「野毛山動物園」から「ウォ～、ウォ～！」とライオンの吠える声が聞こえてきた。スケッチを終えたら、そのライオンに会ってこよう。
題字・絵と文　鈴木太郎（西区文化協会）