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御園王の黄金伝説

最終更新日 2019年3月14日

港南区の民話

御園王の黄金伝説 最戸

南区との境に、最戸という町がありますが、そこには笠原さんという、昔から住む人の古い屋敷があります。このふしぎなお話は、その屋敷の大きなケヤキの大木の下に、今も残るりっぱな五輪塔にまつわる話です。
石の五輪塔は、ふつう、お墓としてたてられるものですが、その五輪塔の下には、御園王という、身分の高い人のなきがらがおさめられていると伝えられています。
しかし、御園王は、笠原家の先祖とされているだけで、どこから来て、どのような人であったのかはまったくわかっていません。以前は、その御園王と笠原家の関係をしめす系図もあったそうですが、残念ながらゆくえ不明になっています。
その五輪塔には、ふしざな歌のようなものが伝えられていました。

朝日さす 夕日輝くところ
黄金千杯 朱千杯
埋まるところ

その謎のような歌にひかれて、ある若者が、ひそかに掘ってみようと思ったのです。
若者が、どんどん土を掘っていくと、くわの先に、カチッと何かが当たったそうです。
掘り出してみると、それは古びた壷でした。しかし、その壷のふたを開けてみて、若者は腰をぬかしたそうです。壷に入っていたのは、黄金どころか、枯れはてた人の骨が入っていたからです。
ようやくして、若者は気を静め、あたりを見回し、人のいないことを確認してから、そうーっと元のように壷を埋めなおしたということです。
それから、気になって、気になってしかたがないので、何度もなんども、石の五輪塔の下に眠る人の霊にあやまり、ねんごろに供養をしたそうです。
それから後、もう墓を掘ったりする人もなく、いまも五輪塔は大きなケヤキの木の下に、謎をひめたまま、静まりかえっています。
そして、今ではもう、御園王のことも、黄金のこともわからなくなってしまいました。
鎌倉時代のものと思われる、この美しい五輪塔だけが残されているのです。

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