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だれもいない街
最終更新日 2024年9月10日
ここで紹介している内容は、現在とは異なる場合がありますのでご注意ください。
14.だれもいない街 (西平沼町6)
平沼の通称ガスタンクの近くに、ちょっと変わった街がある。そこには綺麗に整えられた街並みに街路樹、そして両側には豪壮な、あるいは瀟洒な建物が連なる。さらに街中、色とりどりの旗や幟が風にはためく。でもしかし、何か変なのである。ここには生活の息づかいというか、子どもの笑い声も走る足音も夕餉のカレーの匂いも漂ってこない。うす暗くなるころ、この街を通ると何か不気味なのだ。たまさか道をよぎるのは野良猫。何かゴージャスなゴーストタウンのようだ。
というところで種あかし。ここは庶民に夢を売り、それをふくらます住宅展示場である。でもやはり、家とか街とかは人あってこそのものなのだ。と今更ながら納得した次第。
文・絵 長谷川 泰 (西区文化協会 騎虎の会主宰)
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