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とうふに思う

最終更新日 2024年9月10日

ここで紹介している内容は、現在とは異なる場合がありますのでご注意ください。

10.とうふに思う (境之谷34の6)

とうふに思う


散歩の道筋にちょっと洒落た店がある。出窓の感じなど、看板がなければ一見ブティック風だが、これがなんとお豆腐屋さんなのである。看板に「純生どうふ」とある。なにか生ビールのようでおかしい。

私の子どものころ(ということは半世紀の昔)の記憶から、朝夕の「トーフィ、トーフ」という売り声と、ラッパの音は切り離せない。真ちゅうの大きくて刃のない包丁で、掌の上で切ってくれるのを小鍋などにいれてもらう。下町の風物詩のひとつであった。

ところで、辞書に「豆腐婆」というのが載っていた。「トウフウバ」と読むそうだが、これが転じて「ユバ(湯葉)」となったようだ。婆の字をあてたのは、皺っぽいことからの連想だろうか。

文・絵 長谷川 泰 (西区文化協会 騎虎の会主宰)

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