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経営者インタビュー「サンタクシー株式会社」

男女関係なく、自分らしく働けるタクシー会社にしていきたい。(代表取締役社長:馬場正治さん)

最終更新日 2019年3月22日

企業紹介

昭和28年創業のサンタクシー様。まだ車を手に入れることさえ難しい時代から、車を現物出資する形でスタートしました。営業エリアは主に横浜市内。社員は約120名で、そのうち8名が女性です。最近では、旅行客を横浜や鎌倉に案内する「観光タクシー」やチャイルドシートを完備した「子育てタクシー」など、サービスの幅を広げている会社。「お客さまの喜びがドライバーの喜び」という考えを持たれている馬場正治さんに、女性の採用や働き方について、これまでの経験談も交えながらお話しいただきました。

社長お写真

質問1.いつぐらいから女性採用に力を入れ始めたのですか?

業界としては努力しているものの、タクシー業界の女性ドライバーの割合は未だ1.4%です。そうした中、当社は1997年の労働基準法の改正により、女性に対する深夜労働や残業、休日労働の制限が撤廃されたことをきっかけに、他社に先駆けて女性ドライバーを2名採用しました。当時としては珍しい試みで注目を集めました。ただ、当時の深夜タクシーは今よりお客様とのトラブルも多く、女性を真夜中に一人で働かせることだけは不安でした。そこで、「昼間だけの勤務にしたらどう?」と提案したところ、彼女たちから「いいえ。私たちも男性と同じように働きたいです」という言葉が返ってきたのです。私自身もタクシードライバーの仕事自体は女性に向いているのではと思っていたので、最大限のケアはしつつも男性社員と同じようにフルタイムで働いてもらうことに。結果、彼女たちはお客様とのトラブルに巻き込まれることもなく、その後、当社が女性ドライバーを採用し続けていく大きな礎となりました。

質問2.女性社員をサポートする上で気をつけていることはありますか?

女性のライフサイクルやそれぞれの生活に合わせて働き方を調整しています。たとえば、介護や子育てで朝や夜の勤務が難しい女性ドライバーには、その時間帯を外して勤務してもらうなど。また、横浜に住んでいる女性ドライバーであれば、休憩時間を利用して自宅へ戻ることも許可しています。その時間を使って用事を済ませるなど、フレキシブルに働いてもらえる仕組みにしているのです。融通の利きやすいタクシー業界ならではの働き方ですね。さらに、タクシードライバーの仕事は、ある程度の収入を長い期間にわたって得ることが比較的可能な仕事です。人と接することや運転が好きな方でしたら、誰でも働くことができます。実際、当社にはママさんドライバーをはじめ、様々な制約を持ちながら働いている社員が数多く在籍しています。しかし、生活が不規則になりがちな仕事のため、ドライバーの健康管理は業界としても大きな課題。女性だけではなく、すべての社員が安心して働くことができる職場環境づくりを目指しています。

質問3.女性が活躍できる職場環境を整えたことで、経営への効果はありますか?

周囲の男性ドライバーの変化をとても感じます。とくに、女性社員への気遣いやマナーの向上です。さまざまなお客様への対応の仕方を教えたり、彼女たちのタクシーの洗車作業を手伝う社員も出てきました。そして、その気遣いが女性に対してだけでなく、たとえば新入社員に対しても芽生えはじめ、彼らを指導する際の姿勢なども変わってきました。また、女性ドライバーが日常的に花やお菓子を職場に差し入れることで、職場の雰囲気もぐっと良くなりましたね。彼女たちを採用して本当に良かった。女性ドライバーは運転も丁寧な方が多く、男性と比べても事故を起こす割合が低いというメリットもある。さらに、当社では最近、「観光タクシー」に力を入れ、横浜市で2位の運行実績(年間約500件)を誇っていますが、そこにも女性ドライバーの活躍が貢献しています。「子育てタクシー※」も女性が担当することで、より利用者の安心につながっているのではないでしょうか。
※子育てタクシー…保育園や学童保育所など保護者の代行としてのお迎えなど子育て世代に優しいタクシーです。子育てタクシー認定ドライバーが安全に送迎いたします。

質問4.今後の「女性の活躍支援」についてお聞かせください。

業界内では力を入れている方だとはいえ、当社の「女性の活躍支援」はまだまだ道半ばです。とくに、子育て中の女性ドライバーに対して、お子さんを託児所に預けて安心して働いてもらうための支援は喫緊の課題。他企業と連携して託児所を運営するという選択肢も考えていますが、この部分は横浜市など自治体にもいっそう力を入れていただきたい部分です。また、施設面でも、女性用の休憩所や浴室を設けるなど、制度だけでなく女性社員が快適に過ごせる環境の整備も重要だと考えています。事業面では、今後、「観光タクシー」を柱にインバウンドビジネスを強化するためにドライバー向けに英語の勉強会を実施。同時に、もう一つの柱として、「介護タクシー」にも挑戦していくつもりです。男女問わず、お客さまの笑顔を見るために勉強し続けられる環境を提供していきたいと思います。

女性社員の声

下市浄美さん(1996年入社)

女性社員の方のお写真

出産・育児からの復職を考えていたとき、「柔軟な勤務体制で、働く時間を自分で調整できる仕事」として目に留まったのが、タクシードライバーの仕事でした。その中でも、家庭と仕事のバランスに最も配慮してくださったのが、サンタクシー。未経験で入社する社員に対してのサポートもしっかりしており、私が二種免許を取得するまでの給与も保証してくださいました。現在の仕事内容は、お客様を目的地までお送りする通常のタクシー業務に加え、「観光タクシー」も担当。横浜や鎌倉、東京の観光コースをお客様の都合や時間に合わせてご案内しています。タクシードライバーの仕事を始めてから毎日、様々なお客様との出会いがあり、とてもやりがいにあふれています。今後は「観光タクシー」がもっと多くのお客様に知れわたり、誰もが当たり前のように使ってくださるサービスになっていけばと思います。

企業情報

サンタクシー株式会社
横浜市中区かもめ町20番地
http://www.suntaxi.com/(外部サイト)
業種:旅客自動車運送事業
従業員数:120名

このページへのお問合せ

経済局中小企業振興部中小企業振興課

電話:045-671-4236

電話:045-671-4236

ファクス:045-664-4867

メールアドレス:ke-keiei@city.yokohama.jp

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