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経営者インタビュー「株式会社イーツー・インフォ」

スキルや経験はあるのに、出産や育児のブランクで働けない女性エンジニアの現状をなんとかしたい。(代表取締役:原江里子さん)

最終更新日 2019年3月22日

企業紹介

Webシステムの開発会社として2005年に3名で創業し、13期目を迎える株式会社イーツー・インフォ様。創業以来、オープンソースのカスタマイズを強みに様々なクライアントからの信頼を積み重ねてきました。現在では、ECサイトの構築やアプリケーションの開発・保守・運用など、事業の幅もさらに拡大しています。社員は全部で15名。そのうち8名が女性社員です。2014年に代表に就任した原江里子さんは、創業メンバーの1人。ご自身も仕事と家庭の両立に励む原さんに、IT業界における女性の働き方、採用に対する考えなどについてお話しいただきました。

社長お写真

質問1.女性社員の採用はいつくらいから力を入れ始めたのですか?

採用に関して、男女を意識したことはありません。優秀な人材を採用していったら、たまたま、女性社員の割合が高くなったという感じです。私たちの会社ではエンジニアでもお客様とコミュニケーションを図る機会が多いため、人柄の良い人、苦手でもそれ克服しようと頑張る人を採用してきました。その結果、女性が増えたのかもしれません。また、2014年には「中小企業新戦力発掘プロジェクト」という中小企業庁の取り組みに参加し、3名の女性の実習を受け入れ、そのうち1名が入社しました。この時、「もともとエンジニアで働いていたけれど、出産後の再就職が難しい」と話す彼女たちを見て、本当にもったいないと感じましたし、私自身も同様の経験があり、なんとかしてあげたいと思いました。エンジニアは急なトラブル対応などもあるため、どうしても男性が多くなりがちです。しかし、女性は細かい部分まで配慮することができるなど、じつはエンジニアに向いています。なのに、出産などのブランクで戻れない現状があるのです。また、当社では、2011年の震災を機に、「家から近い地元で働きたい」と応募してくる子育て中の女性も増えました。

質問2.子育て中の女性社員に対してどんなサポートをしているのですか?

まず、彼女たちへのヒアリングを行い、勤務時間などはできるだけ希望にそうようにしています。また、ヒアリングしていると、「子供は熱があるのですが、自分は元気なので働きたい」といった意見もあったため、普段はみんなで顔を合わせて働きながら、いざという時には自宅でも仕事ができるようにテレワークを導入しました。あとは、日頃から社員どうしの交流を深め、協力しやすい雰囲気をつくっておくことも大切です。とはいうものの、主婦の方が多いと仕事帰りに飲み会を開くのは難しいですよね。そこで、当社では週1回のランチミーティングでコミュニケーションを取るようにしています。その際、みんなで仕事に関する情報や知識を共有するなど、就業時間内である程度の勉強もできるようにしているのです。また、仕事と家庭の両立は、家族の協力があって、初めてできるもの。社員旅行や忘年会、新年会、バーベキューといった会社のイベントにはご家族の方も招待しています。先日もお子さんだけでも10名ほど参加してくれました。

質問3.女性社員が多いことのメリットと今後の課題を教えてください。

オフィスがきれいになります(笑)。会社の雰囲気も明るくなりますね。あと、男性社員の意識が変わり、外出したらスイーツをお土産に買って帰ってきてくれるなど、気配りができる社員が増えましたね。さらに、社内への気配りだけでなく、お客様への気配りにも良い影響を与えていると思います。結局、社員の仲が良くなり、会社の雰囲気が明るくなると、お客様も安心して仕事を頼みやすくなりますよね。こうした一体感はこれからも大切にしていこうと考えています。ちなみに、私たちがクライアント先に社員を常駐させず、社内で開発を行うのもそのためです。また、課題に関してですが、システム開発はどうしても納期が近くになると忙しくなりますし、障害が起こった時は夜中でも対応しなければなりません。そうした時、時間に制限のある社員が増えると、どうしても時間に制限のない社員の負担が大きくなります。この辺りをどうケアするかは、今後の課題です。アイデアレベルですが、たとえば、朝が苦手な社員は午後から出社して夜まで働いてもらうなど、もっとワークシェアリングを徹底させることで、より納得ゆく働き方を提供できるのかもしれませんね。

質問4.最後に、女性の活躍推進についてはどうお考えですか。

女性、女性と言い過ぎるのはどうかと思いますね。ワークライフバランスを大切にしたい女性もいれば、仕事を最優先にバリバリ働きたい女性もいると思います。結婚や出産だって、全員が希望しているわけではないですよね。さらに、女性が働きやすい会社にすることで、男性社員が働きづらくなったら意味がありません。男女問わず、いろいろな立場、いろいろな考えの方々を、どうサポートしていくかということが大切ではないでしょうか。しかし、その一方でIT業界におけるエンジニアの枯渇は大問題です。求人広告を出しても、応募すら来ないこともあります。さらに、中小企業には未経験者を採用して育てるほどの余裕もありません。そうなった時に、スキルや経験はあるけれど、出産や育児のブランクによって働いていない主婦の方々は本当に貴重な戦力です。そういう意味での「女性の活躍推進」は今後ますます重要だと感じます。

女性社員の声

山崎祐子さん(2013年入社)

女性社員のお写真

この会社に転職する前は、都内の広告代理店でマーケティングに関わる仕事をしていました。しかし、子供が保育園から小学校に上がっていくにしたがって、自宅のある横浜から都内への通勤が、時間的にも、体力的にもつらくなっていったのです。そこで、自宅から通いやすい横浜市内で会社を探しはじめ、当社を見つけました。みなとみらいという場所はもちろん、会社の規模に対して女性社員が多く、アットホームな雰囲気だったことも入社の決め手になりました。現在は、営業として、お客様先にヒアリングに伺ったり、保守のサポート業務を行ったりしています。仕事はもちろんですが、働きやすい環境づくりに関しても、みんなでより良くしようとしている点が気に入っていますね。今後の目標は、会社の成長とともに自分も一緒に成長することです。転職をしようかどうか、迷っている女性の皆さん。なんとかなります。まずは、思い切って一歩を踏み出してみてください。

企業情報

株式会社イーツー・インフォ
横浜市西区花咲町6-145横浜花咲ビル9F
https://www.e2info.co.jp/(外部サイト)
業種:WEBシステム開発/ソフトウエア開発
従業員数:15名
女性支援制度:出産休暇制度/育児短時間勤務制度/育児休業制度/看護休暇制度

このページへのお問合せ

経済局中小企業振興部中小企業振興課

電話:045-671-4236

電話:045-671-4236

ファクス:045-664-4867

メールアドレス:ke-keiei@city.yokohama.jp

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