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経営者インタビュー「株式会社春峰園」

女性社員の存在が、会社の仕事を、働き方を、業界の未来を変えていく。(専務取締役:相沢升平さん)

最終更新日 2019年3月22日

企業紹介

横浜市を中心に造園工事、植栽工事、樹木管理業務、各種庭園工事のほかに、道路工事や下水工事など幅広く事業を展開している春峰園様。1976年の創造から、地元に根付いた活動を行っています。現在、社員は10名。そのうち女性社員は2名。今回は、自身も子どもが生まれたことで価値観が変わったという専務の相沢升平さんに、女性社員の働きやすい環境づくりについて語っていただきました。

取締役と女性社員の方のお写真

質問1.最初に、建設業界の女性採用の状況lについてお聞かせください。

じつは建設業界の中でも造園業は昔から女性が働いていた業界です。とはいっても、近所の主婦や農家の主婦の方々に除草作業をお願いしていた程度ですが。そういう意味では男性と同じように技術者として働く女性の数は圧倒的に少ないと思います。日本全体では女性雇用への意識が高まっていると思いますが、建設業界というフィルターをかけると、女性が働くというのはまだまだハードルが高いんでしょうね。腕力を必要とする仕事も多いですし、更衣室やトイレなどの環境整備の問題もある。また、この業界で働く男性の中には、建設業界に飛び込んでくる女性に対して勘違いしている人も少なくありません。きっと、男っぽい性格で、何を言っても大丈夫だろうと思い込んでいる。全然、大丈夫ではありませんから。女性ですから。そこを理解し、現場で男性が女性をサポートする体制を作らないと、この業界の女性雇用は進まないと思います。言葉遣い、服装などを含め、女性に対して気配りを行うこと。そうすれば、一緒に働く女性社員だけでなく、お客様に対しても良い印象を与えることができる。こうして少しずつ業界全体の印象を変えていかなければと思います。

質問2.女性社員をサポートする上で気をつけていることはありますか?

私たちの会社でいえば、新卒の女子学生が入社してきたときに会社のサポートについて切実に考えるようになりました。就職は人生の中でも大きな選択の一つ。その大切な場面で私たちを選んでくれたわけですから、いい加減なことはできないですよね。まず、どんな意見であれ、相談であれ、若い人たちの話に耳を傾けるようにしています。この先ずっと会社で働くのは、若い世代。だからこそ、彼女たちの意見はできるだけ採り入れていきたい。仕事でも私たちの世代では思いつかないようなアイデアを提案してくれることもありますし、何より若い女性は感性が豊かです。細かいところもよく見ていますよね。造園業の仕事ではそうした感性、丁寧さ、気配りが役立つ場面も少なくないのです。実際、自治体から受注する公園の指定管理という仕事では、応募時に公園管理のイメージがわくような写真をたくさん用いた提案書の提出が欠かせないのですが、こうした仕事を女性に任せるとその能力をフルに発揮します。過去に私が作成していた提案書では一度も受注できなかった案件も、彼女に任せた途端、受注できたり(笑)。やはり適材適所ですよね。彼女は若いながら、完全に私たちの会社の貴重な戦力になっています。

質問3.女性を雇用していく上で、どんな取り組みを行っていますか?

ある程度の制度は設けてはいますが、それ以上に相談しやすい雰囲気をつくっておくことが重要です。たとえば、子どもが熱を出して急きょ休みたくても、言い出せる雰囲気がなければ、いくら制度を整えても意味がありません。大切なのは、相談してもらうこと。人数が少ない会社だからこそ、職場の雰囲気が働きやすさに直結すると思います。あと、これは自分自身が子供を持ったことで大きく意識が変わったのですが、やはり社員の家族ともどもお付き合いできるような職場にしていきたい。子育ての悩みを会社の中で気軽に相談できたり、子供が親の職場に「ただいま」と元気よく帰ってくることができたり。社員の家族にとっても居心地の良い会社にすることができたら理想ですね。その一貫というわけではありませんが、週末の金曜日の夕方はよく会社の隣でバーベキューパーティーを開いています。仕事が終わったら、子供たちも一緒に集まりたい人が集まる。もちろん強制ではありませんが、普段の仕事場とは異なる和気あいあいとした雰囲気だからこそ、話せることもあると思うのです。こうしたコミュニケーションの機会を数多く用意することが、仕事においても、人間関係においても良い効果をもたらすと感じています。

質問4.最後に、今後の女性の活躍推進について思うことを教えてください。

「女性の活躍推進」という言葉が広がり、いろいろな業界で「女性を積極的に採用しよう」という動きがありますよね。国や自治体といった行政が旗を振ってくれることで、より雇いやすい、より働きやすいムードができることは有り難いですね。ただ、雇う側である経営者が女性の能力や女性と一緒に働くことの魅力を正しく理解していないと、お互いに不幸になる。まずは、招き入れる側の私たち自身が女性雇用に対する意識を変える必要があると思います。ちなみに、建設業界でいえば、もし女性社員だけの建設会社とかできたらと面白いと思いませんか。男性社員の意識を変えるといったレベルの話をする必要もなく、女性たち自身で建設業界における女性の新しい活躍の仕方をつくっていくことができる。男性も油断していられません。そうした楽しい想像、前向きな変革を促すことができるのも、女性の活躍推進を進める魅力だと思います。

女性社員の声

加藤真歩さん(2015年入社)

女性社員の方のお写真

就職活動では造園の仕事に携われる会社を探していました。この会社に興味を持ったきっかけはホームページがポップだったから。話しやすそうな雰囲気がデザインからも感じられ、実際に話しやすい専務でした(笑)。面接のときは「若い人にさまざまなことを任せたい」と伝えられたことが印象に残っています。そして実際、学生の時から興味のあった公園の指定管理の公募案件にも1年目から挑戦させてもらえたり、現場監督を任せてもらえたり。想像していた以上にやりたいことをやらせてもらえていると思います。現在は公園の指定管理の仕事で月1回のイベントを企画・運営・広報する仕事がとても楽しい。管理する公園の数をもっと増やしていきたいですね。造園業は思っているほど、職人、男性の世界というわけでもありません。もし、公園や緑、土木などに興味のある女性がいれば、どんどん挑戦してほしいなと思います。

企業情報

株式会社春峰園
横浜市金沢区釜利谷東8-3-20
http://www.shunpoen.co.jp/(外部サイト)
業種:建設・造園
従業員数:10名
女性支援制度:時短勤務制度/出産休暇制度/育児休業

このページへのお問合せ

経済局中小企業振興部中小企業振興課

電話:045-671-4236

電話:045-671-4236

ファクス:045-664-4867

メールアドレス:ke-keiei@city.yokohama.jp

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