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女性社員インタビュー「岩井の胡麻油株式会社」

革新的な経営手腕で“伝統”に新しい風を吹き込む企業

最終更新日 2019年3月19日

企業紹介

1857年、千葉県佐倉市で菜種・落花生・ごまなどの搾油業を創業。1893年、横浜市神奈川区御殿町に搾油工場設立。何度かの社名変更を経て、1970年、岩井の胡麻油株式会社とする。2005年、本社・工場を横浜市神奈川区橋本町に移転。ごま・ごま油を通して、「食の安全、安心」「健康で美味しく、高品質な商品」を提供し、食文化の向上に貢献することを基本理念とする。2009年、横浜型地域貢献企業認定。2014年、モンドセレクション金賞3年連続受賞。2016年、ISO22000認証取得(ごま油、調合油、ラー油の設計・開発、製造および配送)

岩井の胡麻油株式会社の集合写真

女性社員のインタビュー<仕事と育児をしなやかに両立し「横浜の味」作りに情熱を注ぐ>

営業部宣伝・広報マネジャー:岩井理恵子さん(入社9年目)

インタビューした女性社員の方のお写真

大学卒業後、アパレルメーカーで販売職に従事。3年後、ヘアメイクを目指し退社。美容免許取得後、ブライダルヘアメイクのアシスタントを経て独立し、フリーで活動。2010年に家業の「岩井の胡麻油」に宣伝広報担当として入社。2018年から現職。
子育てと両立しながら新商品の開発を手掛けるなど、精力的に働く岩井さんに、仕事にかける熱意をうかがいました。

質問1.さまざまな職業を経て、現在の職に就いた経緯を教えてください。

新卒でアパレルメーカーに就職した時は、まだ将来の確たるビジョンを持っていませんでした。3年勤めて、この先の自分の姿に想像をめぐらせた時、手に職をつけたいという思いが芽生え、ヘアメークアップアーティストの道に。独立し、10年続けてきてハードな仕事であることを痛感。この先もずっとフリーでやっていくのは並大抵のことではないと感じていました。
そんな時、社長である父から、当社で40年勤務した総務の女性が辞めることになったので、後任を務めてくれないか、と持ちかけられました。デスクワークは未経験でゼロからのスタートでしたが、家業ならきっと頑張れると思い、入社を決意しました。

質問2.仕事内容はどのようなものですか?

広報宣伝活動は社長が担っていました。しかし、今まで以上に家庭用ごま油のターゲット層である女性に共感してもらいたい、という狙いもあり私が担当することに。まずはたくさんの方に商品を知っていただこうと、全国の百貨店やスーパーマーケットに出向き、試食販売を始めました。

試食は、当社のごま油の特徴である“香りとコク”を一番引き立たせてくれる『ごま油をたらした鶏ガラスープ』。そのおいしさを味わってもらったうえで、添加物を使わずに作る、こだわりの製法をアピールしました。さらに、ごま油やラー油を最後まで使いきれない、という消費者の声に応えるため、ごま油・ラー油・ねりごまを使った料理のイラストを自ら書き、レシピを添えたリーフレットを作成。お客様に配付しました。主婦だけでなく、若い人や男性からも、多彩な食べ方を知って料理の幅が広がった、と好評でした。

質問3.今年5月に、新商品「横濱ぶぶあられ」の販売を開始しました。開発のきっかけは?

神奈川県の国際文化観光局から、県が主導するクラウドソーシング活用型の新商品開発支援事業への参加を打診されたことです。この事業のメリットは、1万人を超す生活者と企業を結ぶ共創プラットフォームを利用し、生活者の意見を取り入れながら商品が作れること。2020年のオリンピック開催に向けて、国内外から横浜を来訪した方が買い求める観光みやげを作りたい、と考えて、開発に着手しました。
商品は、横浜の老舗『美濃屋あられ製造本舗』とコラボ。社長の小森健太郎さんは地産地消活動を積極的に行い、地元ならではの商品開発を進めていました。2011年からは、「横浜胡麻油おかき」と「横浜胡麻担担」を製品化してくれた経緯がありました。今回も、多彩なアイデアを持つ小森社長とならいいものができると思い、協力をお願いしました。

質問4.開発するうえで大変だったことは?

商品を開発するのが初めてだったので、大変なことの連続でした。『手軽に食べられて、子どものおやつになるものを』という会員の意見を取り入れ、ごま油の味わいが楽しめる、小粒状のお茶漬け用あられにすることを思いつきましたが、試作しても失敗ばかり。そこで美濃屋あられの小森社長に相談して、ごま油にねりごまを加え、しょうゆ味にすることで、しっかりと風味の効いたおいしいあられができました。
また、ぶぶあられを入れる缶を決めるのにもひと苦労。型から作ると割高になるので、既存の型で最適なものを探し回りました。限られた時間のなかで、情報を集め、アイデアを絞りだし、子どもからお年寄りまで、さまざまなシーンで手軽に食べられる、お土産にぴったりの商品が完成しました。

質問5.今回の新商品開発で得られた効果は?

私にとって、今回の開発は広報宣伝活動の一環です。『横濱ぶぶあられ』をきっかけにして、当社のごま油のおいしさを、より多くの方に知っていただけたらうれしいです。
また、開発する上でクラウドソーシングを運営する会社の担当者から受けたアドバイスで印象に残ったのが、『キッチンにあるごま油を、卓上に持ってくるイメージで商品を作っては』というもの。それを聞き、料理に使う調味料ではなく、家族みんなが手に取る商品を作ることで、当社のごま油の可能性はもっと広がるんだ、と目からウロコが落ちる思いでした。そういう意味でも、この商品を開発したことで、新たな道が開けたのではないかと思っています。

質問6.プライベートでは、2歳になるお子さんのママの顔も。産休・育休前後の働き方について教えてください。

2015年11月から産休をとり、12月に出産しました。産前は、配達などの力仕事を控える以外は、普段と変わらない業務を行っていました。出産後は産休・育休を取得し、2016年10月に復帰しました。職場復帰してから現在まで、時短勤務で働いています。

質問7.育児と仕事を両立するうえで、重視していることは?

育児と仕事に集中することです。限られた時間と体力を有効に使うために、余計なことをしない、欲張らない、頑張りすぎないようにしています。生活をルーティン化することで、日々の負担がだいぶ軽くなりました。家事はほどほどにして、元気な状態で仕事や子育てをするのが、自分にとって大切なことです。

質問8.これからの目標や展望をお聞かせください。

当社のごま油を使って、横浜の良さを生かした、ご当地グルメ料理を作りたいと思っています。皆さんに、『横浜と言えばこれだよね』と言ってもらえるものになればいいですね。
現在、横浜産の食材を使った飲食店や生産者の方々と一緒にイベントなどをしているのですが、そこで培ったネットワークを大切にして、夢の実現に向けて駆け抜けていきます。

我が社のイチオシポイント/みなとみらいの絶景が楽しめる屋上

みなとみらいの観光地を一望できる工場の屋上が当社のイチオシスポットです。神奈川台場跡地近くで、以前は造船所のあった場所です。今は高層マンションが立ち並ぶ高級住宅地になりました。みなとみらい、横浜ベイブリッジ、横浜マリンタワー、横浜赤レンガ倉庫など、横浜の名所を一望できるお気に入りの場所です。

社長メッセージ

代表取締役社長:岩井徹太郎さん

社長のお写真

女性活躍推進に力を入れたきっかけは、2006年。家庭用ごま油の販路拡大のため、女性の営業職を採用したことです。
元々、業務用と家庭用のセールスの両方を男性営業マンが担っていました。ところが、彼らは業務用の大口契約を次々と決めてくる一方、家庭用ごま油のセールスではクロージングに導くのが苦手でした。
家庭用ごま油を売るためには、百貨店やスーパーマーケットのバイヤーと密にコミュニケーションをとり、きめ細かなフォローが欠かせません。これは女性の方が向いているのでは、と考え、採用に至りました。
実際に働いてもらうと、コミュニケーション能力に長けているだけでなく、きちんと戦略を立てて商談するなど、即戦力になってくれて業績もアップ。この実績が、女性社員がほとんどいなかった、ごま油の製造・加工業界に風穴をあけることになりました。

当社が掲げている「企業経営の指針」の中に、「守・破・離(しゅはり)」という言葉があります。これは、『伝統を守りなさい。そして、伝統を守って理解したならば打ち破りなさい。その後、本来のところから離れて新しいことにチャレンジしなさい』という意味です。
私が社長に就任した2005年、当社にとって必要な言葉であると思い、選びました。

現在、社員31人中、11人が女性。職種も営業職から生産ラインでの業務など多岐に渡ります。その内、女性管理職は4人。「守・破・離」の精神で採用した女性たちが、新しい風を吹き込み、ますます飛躍してくれることを期待しています。

企業情報

社名:岩井の胡麻油株式会社
所在地:横浜市神奈川区橋本町2-1-26
URL:https://www.iwainogomaabura.co.jp/(外部サイト)
設立:1947年(1857年創業)
資本金:3500万円(授権資本1億円)
従業員数:31人
業種:植物油脂および副産物の製造ならびに加工(食用ごま油、油粕、健康補助食品)
女性支援制度:産休・育休制度/短時間勤務制度

このページへのお問合せ

経済局中小企業振興部中小企業振興課

電話:045-671-4236

電話:045-671-4236

ファクス:045-664-4867

メールアドレス:ke-keiei@city.yokohama.jp

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