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経営者インタビュー「株式会社セントラルシステムズ」
一人ひとりの個性を大切にすること。それが信頼関係のある組織づくりにつながる。(代表取締役:大西寿郎さん)
最終更新日 2024年7月29日
企業紹介
昭和58年、基幹業務システムの設計・開発を専門としてスタートしたセントラルシステムズ様。現在は業務システムや組み込みソフトウェアなどの開発から、インフラの構築やシステムの運用・保守、医療系クラウドサービスなど、幅広いサービスを展開している会社です。社員数は140名。そのうち28名が女性です。今回は、社員一人ひとりの主体性と自立心を尊重する代表の大西寿郎さんに、女性の働き方について経営観も交えながらお話しいただきました。
質問1.最初に、システム業界における女性雇用についてお聞かせください。
ひと昔前まで、システム業界で女性が働くことは本当に珍しかった。とくに開発担当のSEになると数えるほど。私も今の会社を設立した当初は、女性の採用をほとんど行っていませんでした。積極的に採用するようになったのは、2000年代に入ってから。少子高齢化問題もあり、日本は労働力が減少している事実がありました。そこで女性に注目するようになったのです。ただ、実際に採用してみると、女性の力がシステム業界の企業にとって今後大きな力となっていくことを実感しています。まず、視野が広い。今、何をすべきか、物事の優先順位のつけ方が上手です。さらに顧客視点で動いてくれるので、コミュニケーション能力も高い。その特性を営業やマネジメント、経営に活かすことができれば、システム業界で女性の活躍する場がさらに広がっていくと思います。事実、弊社でも技術者として経験を積んだ女性社員たちがクライアントのニーズを引き出し、分析するといった営業やコンサルタント的な業務でも活躍していますから。
質問2.女性社員をサポートする上で気をつけていることはありますか?
現在、28名いる女性社員のうち、小学生以下の子供を持つ社員が4名います。その中で育児休暇中が1名、シフト勤務が1名、在宅勤務が1名おり、子育て中の社員向けの制度や育休から復帰した社員の就業場所への配慮など、長く働けるように支援しています。制度を整える上で大切にしていることは、育児中の女性だけではなく、全ての社員が安心して働ける環境づくりをすること。目指しているのは、ダイバーシティの推進です。そのとき重要となるのが、制度化にこだわらないこと。個別に抱えている事情は違いますから。今、女性社員たちと話しているのは、ケースバイケースで決められるようなルールづくりです。例えば、時短勤務でも一律に4時退社にすればいいわけではありません。ルールづくりの根底には、いかに当事者を楽にできるかという視点が求められます。中小企業の良いところは、そういったとき、一人ひとりを見ながらルールづくりができること。制度や仕組みだけの構築ではなく、社員全員に女性活躍推進・ダイバーシティ推進の必要性を浸透させて、社内風土として根付かせていきたいです。
質問3.女性を採用していく上で、どんな取り組みを行っていますか?
今後、企業の存続をかけた重要な部分を、多くの女性が担っていくと考えています。そのため、女性の採用は、私たちの会社にとって、ものすごく大きなファクターになります。そういう意味でも、育休や時短勤務など支援体制を整えることは基本です。ただ、女性を積極的に採用したいと考えても、こちらの支援制度について簡単には伝わらない。そこで制度を利用する社員向けの社内説明資料を大学の合同説明会で渡したことがありました。そうしたら、採用した10名のうち5名が女性と、会社設立以来一番多くの女性を採用することができたのです。それから、ダイバーシティ検討会というものをつくって、年に数回、働き方について会合を開催するようにもなりました。もちろん、男性社員向けにも開催しています。今、さまざまな社員がいる中で、個人にあった働き方を見つけていかなければいけません。女性だってキャリアを意識して、将来像を描いている人もいます。逆に、立場が上になると責任が重くなるだけで嫌だという人もいます。その選択肢を個人にあわせて提供していける。それが中小企業の魅力だと思います。
質問4.最後に、女性の活躍推進において、何が重要だと考えていますか?
国や自治体の施策が重要となってくるのはもちろん、そこに期待するだけではなく、企業として何ができるかを考え、行動していくことが重要だと思います。そのためには、社員を頭数として把握するのではなく、一人ひとりを個性の異なる別人格として意識すべきです。何度も言いますが、男女問わず、個人の適正や能力はみんな違います。その上で人を活かすこと。企業と社員の信頼関係が構築できないと必要とされる制度も支援も生まれないと思います。さらに女性の長期就業を考えたとき、男性の協力が欠かせません。子育てや介護などライフイベントは、まだ女性の比重が大きいのが現状です。軽減できるのは男性しかいませんから。また、将来的には、女性に取締役を担ってもらいたいと考えています。優秀な社員が増えているというのもありますが、女性が自ら主体的に活躍する場を設けることも支援策のひとつとして重要だと思います。
女性社員の声
大脇美由紀さん(2001年入社)
大学卒業後、ソフトウェア開発会社にプログラマーとして就職しました。当時はまだ女性がシステム業界で働くことも珍しい時代。結婚を機に「やめるんだよね?」という暗黙の会社のプレッシャーから退社しました。でも、やっぱり社会との繋がりがないとつまらないんですよね。数年経って事務職として再び働き始めました。ただ今度は、単に働くだけではやりがいがない。システム開発の仕事もしたいと思っていた頃に、セントラルシステムズと出会いました。技術者としてのブランクを心配していたのですが、社長が人間性を見てくれたことが入社の決め手となりました。システム開発の仕事は山あり、谷あり。心身ともにしんどい時もありますが、リリース後にお客様から「ありがとう」「助かった」と言われると本当にうれしい。また、この会社は一人ひとりをしっかり見てくれていると実感できるので働きやすいですね。育休明けの働き方も実情を見ながら、細かに対応してくれましたし、子供を育てる上でも今の会社を選んで良かったと思います。
企業情報
株式会社セントラルシステムズ
横浜市中区住吉町6-68-1横浜関内地所ビル4階
http://www.cscweb.co.jp/(外部サイト)
業種:ソフトウェア
従業員数:142名
女性支援制度:出産休暇制度/時短勤務制度
このページへのお問合せ
経済局中小企業振興部中小企業振興課
電話:045-671-4236
電話:045-671-4236
ファクス:045-664-4867
メールアドレス:ke-keiei@city.yokohama.lg.jp
ページID:846-525-072