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経営者インタビュー「フォルム株式会社」
女性社員だけでなく、全社員が働きがいと、生きがいのある職場へ(常務取締役:小林陽一さん)
最終更新日 2024年7月29日
企業紹介
1950年に創業。以来、トラック・バス部品の製造を一貫して取り組んでいるフォルム株式会社様。国内主要トラックメーカーや乗用車メーカーとの取引を通じて成長し、横浜市にある本社のほか、関連子会社が国内に2社、インドネシアに1社と、世界に向けて発展しています。現在、315名いるスタッフのうち、女性スタッフは21名。今回は常務取締役の小林陽一さんに、男性中心の業界における女性の雇用や働き方、課題点について、お話しいただきました。
質問1.いつぐらいから女性採用に力を入れ始めたのですか?
この業界は、昔から男性社会。以前は、高卒の女性を総務や経理などの事務職として採用していた時期もありました。ただ、育成したとしても、早くに社内結婚をして退職。会社の男性陣によって戦力を失ってしまうケースが続きました(笑)。とはいえ、私たちのような中堅企業にとって優秀な女性は貴重な人材です。ここ数年は再び、文系理系問わず、良い女性がいれば積極的に採用し、一から教育するようにしています。そして、そのためには、会社として制度や設備を整えていく必要がある。産休・育児休暇というのはもちろん、子どもが急に病気になって休みたいとき、周りの人間が協力的になれるような風土づくりも重要です。さらに、女性が快適に働けるように現場のトイレを増やしたり、休憩室を作ったり。女性だけではなく、障害者採用にも対応できるように事務所をバリアフリーにしたり、エレベーターを設置したり。まだまだ取り組むべき課題が山積みですが、今後はこうした環境面にももっと投資をしていこうと考えています。
質問2.女性を採用することで経営への効果や期待はありますか?
社員の日頃の小さな悩みの相談窓口になってくれています。とくに、技術系の社員はCADを使って図面を書いたり、パソコンと向き合ったり、一人でやる仕事が多く、孤独になることが多いんです。また、上司とのコミュニケーションで悩む社員もいます。そんなとき、女性は細かな気づきや配慮ができますし、悩んでいる社員も女性のほうが相談しやすいようです。逆に男性は、そういった部分に少し疎いですからね(笑)。どうしても雑な部分が見えます。事実、仕事に関しても、会社の改善活動として月に一度発表する機会があるのですが、女性陣の発表は細やかで論理的です。一部では女性は感情的だと言われていますが、まったく違います。相手の立場で話ができるので、監督者や管理職としても、営業や資材バイヤーとしても育てていけると考えています。また現場においても、クラッチやブレーキなどの部品の組み立て作業は細かなものが多いので、女性が活躍できる場です。品質保証という面から考えると、客観的に考えられる女性のほうが向いています。ここ1、2年で、とくに女性の必要性を痛感しているのですが、まだキャリアアップした女性社員がいないことが、今後の課題ですね。
質問3.女性社員をサポートする上で気をつけていることはありますか?
職場環境だけではなく、生活面にも気を配るようにしています。まずは、休暇制度の強化。これは女性社員のために、というより全社員のために必要なこと。当社では余った休暇を積み立てできる制度があります。たとえば、病気で長期休暇が必要なときは通常の休暇ではなく、積み立てた休暇を利用する。今はご両親の介護で休まなければならない社員も増えています。そんなときは積み立てた休暇を利用する。私自身も両親の介護で月に一度は休みを取って、実家に帰省しています。現在、この積み立て休暇には上限があるのですが、今後ルールを変えていく予定です。また、育児休暇も期間の延長を検討していますし、時短勤務の導入も考えています。次に、生活面。今は福利厚生として社員寮があるのですが、老朽化が進んでいるため、建て替えを検討しています。そのタイミングで女性寮の建設も検討中です。設備面を充実させることで、余計な心配をしなくてよく、心に余裕が生まれます。まだ、女性採用に力を入れ始めて1年。サポートについては、長期的に見て、課題が出る度に向き合っていこうと考えています。
質問4.最後に、これからの女性の活躍支援についてお聞かせください。
女性のために何かすることで、全体的に働きやすさのレベルが上がることが重要ではないでしょうか。社員のために、と考えること。結果的にそれが社内の意識改革につながると思います。入学式などのイベントがあるのであれば、誰もが休んでいいよと言える環境であること。女性だけはなく、男性にも当てはまることですから。また、国や県、市などの行政に対しては、保育園や介護施設の充実もさることながら、たとえば、インフルエンザ予防接種の補助や風邪の子どもを預かってくれる施設など、健康面の支援を強化してもらいたいですね。健康面は経営に直結しますから。何か起こる前に予防することが重要です。また、仮に子どもが病気になったとしても、仕事が終わるまで協力してくれる制度があれば、社員は安心して働けると思うんです。そういった面で何か支援があれば、働きやすさはさらに向上していくと考えています。
女性社員の声
門向想子(2016年入社)
もともと、ものづくりが好きで、製造業の企業を探していました。ただ、性格上、営業というより働く人を支える仕事がしたくて。そんなとき、出会ったのがこの会社です。経理や総務といった仕事はまさに私の求めていた役割だったため、入社を決めました。現在の仕事内容は、主に勤怠管理や給与管理、採用活動、あとは社員が食べるお弁当の発注など、ものづくりを行う人をサポートする仕事に従事しています。この会社の社員のみなさんは人柄が良くて優しい人ばかり。話しやすいので、相談も気軽にできます。また、英語講座をはじめ、法律講座や産業カウンセラー講座に通わせてもらったり、衛生管理者の資格を取らせてもらったり、現在、会社のサポートのもとさまざまな勉強をさせていただいています。今後の目標は、これらの知識を、仕事に、会社に還元していくこと。とくに産業カウンセラーは、女性だから話しやすいこともあるはずです。女性としての強みを活かし、会社に貢献していきたいと思います。
企業情報
フォルム株式会社
横浜市港北区高田西1-1-47
http://www.form-ltd.co.jp/index.html(外部サイト)
業種:自動車部品の製造(開発・金型・治具設計・製作・プレス・溶接・塗装・組立)
従業員数:本社35名・茨城工場255名(2018年1月1日現在)
女性支援制度:出産休暇制度/育児短時間勤務制度/育児休業制度/看護休暇制度
このページへのお問合せ
経済局中小企業振興部中小企業振興課
電話:045-671-4236
電話:045-671-4236
ファクス:045-664-4867
メールアドレス:ke-keiei@city.yokohama.lg.jp
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