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いびきと睡眠時無呼吸症候群

最終更新日 2021年3月20日

CPAP療法を行っている皆さんはかつて「いびきがひどい」と言われたことがある方がおおいのではないでしょうか。一方、CPAP療法を始めてから「いびきをかかなくなったね」と言われた方も少なくないと思います。
いびきは睡眠中に呼吸に合わせて聞こえる「がががが」や「ごごごご」といった雑音です。音とは空気の振動ですが、いびきは上気道(口、鼻から喉仏までの呼吸の空気の通り道)の振動により生じます。睡眠時無呼吸症候群(以下、SAS)では熟睡とともに舌根部(下の付け根)が緩んで喉の奥に垂れ下がり狭くなります。そして上気道をふさいでしまうと息が吸えなくなり「無呼吸」になります。舌根部が上気道をふさいでしまう寸前の状態では辛うじて呼吸の空気は流れますが、非常に狭いところを流れるため振動が生じます。これがSASの患者さんがかくいびきの正体です。


いびきのメカニズム(日本呼吸器学会HPより)

いびきをかいているときは辛うじて呼吸ができていますが、いびきといびきの間の無音の時に無呼吸が生じます。CPAP療法で舌根部が広がるといびきや無呼吸は消失します。
舌根部の沈下はいびきの大きな原因ですが、いびきの原因として子供に多いアデノイド(扁桃)肥大、風邪や鼻炎による鼻づまり、鼻中隔湾曲症、極端な肥満などがあります。いびきをかいているとよく眠っているように見えますが、いびきは不安定な呼吸状態で眠りは浅くなります。いびきそのものは病気とはされませんが、慢性的ないびきは決して望ましいとは言えません。
「いびきをかく」と「SASである」とは必ずしも同一ではありませんが、いびきが酷い方は呼吸器内科など専門医療機関を受診することをお勧めします。

麻酔科 坂井 誠


※この記事は院内配架しているCPAP新聞No.117をホームページ用に再編したものです。

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