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第23回「市長と語ろう!」
最終更新日 2023年4月10日
開催概要
≪テーマ≫防災(災害時に共に助け合うために)
≪日時≫
令和5年3月17日(金曜日) 14:00~
≪会場≫
せやまる・ふれあい館(瀬谷区)
≪対話団体≫
Seya防災ネットワーク分科会「ピンチをチャンスに!減災共助の会」
≪団体概要≫
平成25年、障害者支援団体等を中心にSeya防災ネットワーク(※1)の分科会として設立。高齢者・乳幼児・妊産婦・障害者(児)・外国人など、災害時要援護者(※2)を支援する9団体が、平常時から連携・協力し、「減災」に取り組んでいる。また、「災害時要援護者理解講座」「地域防災拠点(※3)への出前講座」などを通じて「課題」「貢献できること」といった情報を地域に発信し、地域の防災力向上のための活動をしている。略称は「ピンチャン」。
※1 Seya防災ネットワーク
平成23年、区内の社会福祉施設が集い開催した「東日本大震災の振返り」をきっかけに、翌年に「瀬谷区自衛消防組織連絡協議会」の組織改変し発足。当初は31団体でスタートしたが、現在は瀬谷区内の様々な業種の369 団体が参加し、障害者支援団体等を中心とした「ピンチをチャンスに!減災共助の会」のほか、「小規模高齢者施設等分科会」及び「大規模高齢者施設分科会」の3つの分科会を発足し、活動している。
※2 災害時要援護者
発災時に、必要な情報を迅速かつ的確に把握し、災害から自ら身を守るために、安全な場所に避難するなどの災害時に一連の行動をとるのに支援を要する人々。一般的には、高齢者、障害者、乳幼児、妊産婦、外国人など。
※3 地域防災拠点
横浜市では、身近な市立の小・中学校等を指定避難所に指定し、地域防災拠点として防災備蓄庫の設置、防災資機材・食料等の備蓄を進め、また、被害情報等の情報受伝達手段として、各拠点にデジタル移動無線を配備している。
【主な役割】
①避難所
②最低限の水と食料の備蓄場所
③安否情報・被害情報・救出・救援物資情報の収集・伝達場所
対話概要
※ 文意を損なわない範囲で、重複部分や言い回しなどを整理しています。
市長挨拶
市長
市長に就任してから1年半ほど経ちましたが、市政が抱えている課題は様々あります。私が特に力を入れている子育て、また、高齢者の方のご支援もますます重要になっています。まちづくりや福祉等もあります。防災についても、横浜が巨大都市である分、一度災害が発生すればダメージも大きいので、普段から備えをしておくことが重要であると考えています。
そうした中で、「自助」「共助」「公助」とありますが、各地域において「自助」「共助」の取組がどのようになされているか、それを市全体にどのように展開していけるのかということは常に関心を持っています。特に、高齢者、障害者、妊産婦、乳幼児、外国人などの災害時要援護者の方々の被害を抑える「減災」をいかに「自助」「共助」により進められるかが重要だと思っています。この度、Seya防災ネットワーク分科会「ピンチをチャンスに!減災共助の会」の皆さんが、この難しい課題にチャレンジしているとお聞きしまして、ぜひ、いろいろと意見交換させていただきたいと思っています。よろしくお願いいたします。
「ピンチ」を「チャンス」として、力を合わせて減災に「チャレンジ」
参加者
「ピンチをチャンスに減災共助の会」は、高齢者、障害者、妊産婦、乳幼児、外国人などといった災害時要援護者の当事者とその支援者が集い、平成25年に発足しました。
私たちが身に着けているバンダナは、「支援してほしい人」が黄色、「支援できる人」が緑として、地域防災拠点の中でバンダナを目印にコミュニケーションが取れるようになっています。
現在、瀬谷区の人口は約12万2千人で、そのうち、
・65歳以上(約28%)
・0~4歳の乳幼児(約32%)
・外国人登録されている方(約1.6%)
・身体・知的・精神の3障害の障害者手帳をお持ちの方(約6%)
となっています。瀬谷区には災害時に何らかの支援・配慮が必要な方が多く暮らしていることを私たち区民は認識しておく必要があると感じています。私たちは、この「ピンチ」を「チャンス」として、力を合わせて減災に「チャレンジ」しています。
合言葉は「お互い様!」
参加者
まずは、実践的に避難所生活を体験する「減災行動ワークショップ」についてお話しします。この取組は平成25年から7回実施し、これまでに延べ422名が参加しています。避難所では、みんなが被災者なので、自分にできることを見つけて運営に協力することが大切になります。段ボールベッドや仮設トイレの組立体験をしたり、受付を設置してコミュニケーションボード、筆談用ボード、多言語表示シートを準備して、誰でも分かるよう配慮しながら避難者カードの記入をしました。
食料の配給体験では、必要な物を「欲しい」と言い出せない人もいて、弱い立場の人が取りこぼされないための配慮、支援の大切さを感じましたし、夜間を想定した就寝体験では、「体育館の床はしんしんと冷える」「周囲の騒がしさが気になる」など、休むための工夫の必要性を感じました。
意見交換では、国籍、年令、性別を超えて「助け合い」につながる意見が多く出ました。合言葉は「お互い様!」で、挨拶から始め、お互いを理解し助け合える関係作りが大切だと感じました。
「ハンディキャップがあっても協力できる事はある」
参加者
次にご紹介するのは、「災害時要援護者理解講座」です。
この取組は、お互いを理解し、発災時に助け合いができるように「災害時要援護者の支援・配慮のポイント」を伝えています。平成25年から6回開催し、地域、家庭防災員、民生委員、児童委員、企業、消防職員等約1,300名が参加しています。第5回、第6回はインターネットでも配信し、多くの方にご視聴いただきました。また、平成26年からは区内の各地域防災拠点で出前講座も行っています。
災害時要援護者の方々は「助けられる側」というイメージが強いと思います。しかし、私たちの会では「減災行動ワークショップ」の経験も生かし「ハンディキャップがあっても協力できる事はある」というテーマで取組を進めてきました。
この講座では、災害時要援護者の特徴や支援・配慮のポイントを理解してもらえば、災害時要援護者の方々も避難所運営のお手伝いができることを伝えました。
聴覚障害のある方は「聞こえない」=「何もできない」ではありません。何をすればよいか、情報を正しく伝えてもらえれば皆さんと同じ作業ができます。
発達障害や自閉症と言われる方々も個々に違いがあり様々ですが「具体的に」「ゆっくり」「やさしく」伝えることで若い世代は力仕事や掃除が得意な人がいます。平常時の理解が一番の防災につながる事を伝えました。
妊婦体験や子どもの視野体験などを通じて「女性視点の避難所運営」や「子ども・妊産婦」への配慮を伝えました。子どもの声がうるさいと言われることもありますが、遊べる場所を作ることが効果的です。子どもでも配給のお手伝いなどできることがあります。
高齢者の方は、力仕事は無理でも食事準備のお手伝いや子どもの見守りができる方は多いと思います。
外国人の方々については、瀬谷区の外国人の状況や「やさしい日本語」の必要性のほか、生活習慣、文化の違いを理解する必要があることを話しました。外国人の中には日本語と母国語ができる方もいますので通訳をお願いすることもできます。また、「やさしい日本語」は子どもや高齢者、障害のある方全ての方に理解できるものだと思います。
精神疾患・精神障害の方々については、精神疾患・精神障害とはどんなものか、どんな理解があればよいか話をしました。見た目では分かりにくく、症状は様々で、いつもと違う環境では、服用している薬を正確に飲むことがとても大切になります。そして役割があることで心の安定にもつながるので、普段からの関わりがいざという時にも大事になります。
こういった「災害時要援護者の特徴と支援・配慮のポイント」をリーフレットにして、区内の地域防災拠点に配布していただきました。
様々な活動をしている団体、当事者、支援者が活動を通して緩やかだけどしっかり繋がっている会です。いざ!と言う時に「支援・配慮のポイント」が分かっているか、分かっていないかは大きな違いです。「ピンチ」を「チャンス」として力を合わせて減災にチャレンジしていきます。
市長
分かりやすくご説明していただいて、災害が起こる前に「どういったことができるのか」「何をするべきなのか」という、この視点がとても重要ということを改めて思いました。
「緩やかな繋がり」で活動
市長
「Seya防災ネットワーク」には様々な業種の方々が入られていますが、連携されることのメリットや課題があれば教えていただけますか。
参加者
「Seya防災ネットワーク」は、元々18区にある「自衛消防組織連絡協議会」で、基本は企業などの屋内消火栓を使った初期消火訓練等を行うものですが、瀬谷消防署から企業や個別の団体の連携があまりないと聞いたことと、瀬谷区は比較的地元の人が多いので、協力をしてやっていきたいということでスタートしました。
「自衛消防組織連絡協議会」は基本的に企業が多いのですが、瀬谷区はその中に、ボランティアグループなども入っていただいて、「緩やかな繋がり」で活動しています。なので、地域の中にどういった人たちがいるかが分かることがネットワークの一番のメリットと思っています。逆に、それぞれが様々な活動をしているので、それをどのようにして連携させていくかという点は、まだ課題があると思っています。
市長
現在、369団体が参加されていますが、ものすごく増えましたね。
参加者
元々瀬谷区は、企業の数は少なく自営業の方が多いので、自営業の方々の参加が少しずつ増えていったということです。
当事者の方や、そこに関わる方たちが実際参加してみると、そこには気づきがある
参加者
初期のときには私は参加してなかったのですが、防災訓練に当事者の方や、そこに関わる方たちが実際参加してみると、やはり様々な困難や支障が発見でき、そこには気付きがあります。
また地域の住民の方にとっても、障害のある方が避難所にやってきたという状況で、どのように対応していくべきかがやっぱり分からない。お互いが知り合う、歩み寄る、という関係性を作っていくので、この「ピンチャン」はとても地味で地道な活動だけれど、やっぱり「いいな」と率直に思います。
必要なことは一緒にスタートラインに立つという環境を整備していくための意識改革
市長
要援護者への「配慮」と「支援」を個別具体的にお尋ねしたいのですが、災害時に孤立してしまう人々に対して平時から取り組めることや、取り組んでいることをお教えください。
参加者
私たちは発達障害のある人への理解を深めるため、15年前から学校や地域の皆さんに向けて啓発をしています。
近年、こういった方々が社会から孤立してしまう背景の一つとして、学齢期の不登校がきっかけとなり、中年期まで引きこもり続けてしまう方々が急増していて、対応策も逼迫しているということがあると聞いています。不登校の原因の一つには発達障害が含まれるという調査結果があるようで、早急に学齢期から環境を整えないといけない状況があります。
不登校を減らすために必要なことは、思いやりや「助けてあげる」といった上から目線のような視点ではなく、一緒にスタートラインに立つという環境を整備していくための意識改革だと考えています。
地域の中で孤立せず安心して暮らすには、周囲の理解が不可欠だと思っています。障害への理解を深めるための啓発は、災害時要援護者への対応に大きな効果があると思いますし、それ以上に暮らしやすい街づくりのひとつとなると考えています。「横浜ではみんな違って当たり前」と、誰もが安心して住めるような活動をこれからも続けていくつもりです。
やっていることは、障害への対応ではなく理解啓発
市長
啓発に平常時から取り組むことは重要ですね。
具体的にどのような活動をされていますか?
参加者
小学校に発達障害理解の啓発授業がありまして、その中で実際に障害がある人たちはどのような感じ方をしているのか、どのような見え方をしているのかを疑似体験してもらいます。障害がある方は抽象的な言葉がとても分かりづらく、分かりやすく短い言葉で伝えることが重要であると、小学生のうちから分かっていただけたらと思います。
市長
発達障害も種類が多様だと思うのですが、それぞれきめ細かく対応されているのですか?
参加者
いま私たちがやっていることは、障害への対応ではなく理解啓発です。地域の方の障害に対する理解促進のため、発達障害といっても知的障害やADHDやLDなどの方がいて、それぞれ特徴があることへの理解啓発をしています。地域の防災拠点に発達障害の方が避難に来られることを想定して、こういった困難が予想されるということをムービーで作って、地域の方に知っていただくような活動をしています。
地域の中で外国人と日本人が交流できる場のきっかけ作りをしていきたい
市長
外国人の方向けに平常時から取り組んでいることは何かありますか?
参加者
私自身も中国出身で、外国人が日本に来るときには言葉の壁があります。災害が起こった時に、言葉の壁がある中で正しい情報が届くことが重要です。それには普段から災害が起きた時の準備や心構えを啓発する必要があると思っています。また、テレビなどでは災害が発生した時、避難所で食事や水などを配っていると伝えていますが、それを外国の方から見ると、発災時に近くの学校などに行けば、食事を簡単にもらえると勘違いしている方が多いです。
日本では保育園で毎月防災訓練をやっていますが、留学や成人後に日本に来た人たちは、小さい頃に自分の国で災害が発生した際の訓練を受けたことがありません。そのため、地震に慣れてない外国人の方が多いと思います。
参加者
もともと子育て支援活動から始まっているので、災害という以前に「地域子育て支援拠点」や「親と子のつどいの広場」などに外国人の方にも来てもらいたいと思っています。その中で、例えば「地震のときの防災の備蓄品を準備していますか?」という話をしながら、日常の情報共有をしています。やさしい日本語でチラシを作ったり、翻訳の情報を入れてチラシを配るなどして、区内で行われる防災訓練に外国人の方に来てもらえる工夫をするなど、地域の中で外国人と日本人が交流できる場のきっかけ作りをしていきたいと思いながら活動をしています。
子育て中の方々は災害時要援護者という認識がない
市長
日ごろ活動されている中で、子育て中の方々の災害に対する認識や備えの状況について、お気づきのことがあったら教えていただけますか。
参加者
子育て中の方々は災害時要援護者という認識がないので、それを広げていきたいと思っています。特に妊婦の方はそういう認識は薄いと感じます。
広場や拠点では防災訓練を実施して、たくさんの方が参加してくれています。市でも検診時などに、災害が起こった場合の対策についてのリーフレット等を作って、啓発をして欲しいと思っています。
あと、私自身、熊本地震を経験していまして、液体ミルクの必要性を痛切に感じています。粉ミルクと哺乳瓶の備蓄は多分どちらもしていると思います。でも水道もガスも電気も全部止まった時に、消毒のことを考えると液体ミルクはとても大事だと思います。
高齢者には噛む力、飲み込む力が弱い方もいらっしゃる
市長
高齢者の方の認識とか備えの状況、あるいは災害が発生した時のための備えなどはどういったことが必要でしょう?
参加者
どこの事業者、施設も同じだと思いますが、災害時用に3日間分の非常食などは準備しています。ただ、高齢者には噛む力、飲み込む力が弱い方もいらっしゃるので、備蓄品の中に柔らかいミキサー食だったり、3種類ほどの食事を用意させていただいています。
また、足腰が弱い方がいたり、認知症の方もいたりすると思いますので、その辺についても配慮していただきたいと思います。皆さんに理解していただくために、出前講座をして、お話しをさせていただいています。
手話を教えるというよりも、耳が聞こえない人に接してもらう
市長
手話サークルでは、どのような取組をされているのでしょうか。
参加者
まず、耳が聞こえない人は見た目では分からないので、普段暮らしている中で、近所に耳が聞こえない人がいるか分からないです。それで、手話を教えるというよりも、耳が聞こえない人に接してもらうことを大切にしています。そのことで、耳が聞こえない人が、手話じゃなくてもジェスチャーで通じることを伝えています。
参加者
私は40才を過ぎてから耳が聞こえなくなったので、言葉が喋れます。なので、自分から「耳が聞こえない」と言わないと相手は気づいてくれません。まずは自分で「耳が聞こえないんですけれど。」と言って「筆談でお願いします。」って話します。そうしないと周りに私の耳が聞こえないことが分からないことが一番の問題です。
あと、ろう者の方は喋ることができない人が多いので、健常者と話しをする時が一番大変だと思います。健常者は手話が使えず、こちらは言葉が喋ることができない。どのようにして対話をすればいいか、災害のときはそれが一番心配だと思います。なので、私も避難訓練に参加した時は必ずメモ用紙、筆記用具を置いておいてほしいと話をしています。
市長
実際に触れあって知ってもらう機会を増やすと、子どもも大人も気付きを得られていますか。
参加者
「ピンチャン」の出前講座で、自治会に呼んでいただいたときに、耳が聞こえない人も人前に出てお話することができることを気付いていただいています。
「普段があっての災害時」
市長
「減災行動ワークショップ」の中で手話などが必要な方々や、その他にも様々な配慮が必要な方々がいらっしゃいます。みんな一人ひとり違うのですが、全員で減災活動をしていく意識をワークショップの参加者に持ってもらうことが重要だと思います。
市としてもそういったワークショップをどんどん開催して、自分ひとりではなく、地域でしっかりと共助していく、自助していくという気付きを得てもらうことが、重要なことだと思うのですが、いかがですか?
参加者
私たちも、普段手話サークルで聞こえない方とお会いして勉強していますが、耳が聞こえないというのは見えない障害で、見ただけでは分かりません。しかし、学校で手話講習会などを開催して、触れ合っていただき、お会いしたりすると耳が聞こえない人がいるという意識が持てると思います。災害時に何か情報提供していただくときに、この中に聞こえない方がいるかもしれないという意識を持っていただけたらと思います。「普段があっての災害時」ではないですが、普段からコミュニケーションができる交流の場、各地域で聞こえない方がいるという意識づくりをする場を設けていただけるといいと思います。
市長
要援護者への配慮、理解の促進に努めていくことが重要だと思いますが、要援護者の方々もたくさんいらっしゃり、必要な配慮もいろいろあるので、行政としても理解促進の取組を進めるべきということですね。
妊婦さんは災害時要援護者だという意識を高く持ってほしい
市長
妊婦の方もたくさんいらっしゃいますが、理解促進もさることながら、実際に必要な具体的な備えについて、今後行政としてどういうことを進めていくべきだと思われますか。あるいは今「親と子のつどいの広場」で、やられている取組があればお教えください。
参加者
今の妊婦さんはお仕事をされている方が多いです。なので、まず妊婦さんにお伝えしなくてはいけないことは、自分が帰宅困難者になってしまうという意識を持っていただくことが大切だと思います。例えば、会社に歩きやすい靴を置いておくとか、お水とか必ず携帯できるようにしておくとか、簡単なお菓子などをポケットに入れておくとか、そのような細かいところがいいと思います。
市長
実際そういうご準備されている方はいらっしゃいますか。
参加者
聞かないですよね。
市長
それは要援護者だという意識が無いからでしょうか。
参加者
普段は健康でお仕事もされているので、自分が要援護者だという意識は低いのかもしれませんが、妊婦さんというのは妊婦というだけでファーストトリアージ(※)はイエロータグです。本人もそうですが、周りの方も妊婦さんは災害時要援護者だという意識を高く持ってほしいと思います。
また、最近の妊婦さんは、お洒落でぱっと見分からない方が多いので、マタニティマークを付けてアピールするような活動も大事かと思っております。
※トリアージ
災害等により、医療資源と傷病者数との不均衡が生じた際に、できる限り多数の傷病者を速やかな診療や搬送につなげるため、その優先順位を迅速に分類すること。トリアージ区分は4つに分類され、順位が高い順にそれぞれ区分Ⅰが赤、区分Ⅱが黄、区分Ⅲが緑、区分0が黒と色によって区分することとしている。
要援護者であることで偏見・差別が起きてしまうことへの不安に対する配慮の必要性
市長
災害時要援護者への理解を促進していくための講座やワークショップに参加していただいた後の、参加者の実際の反応はいかがですか?
参加者
参加者の方は、「減災行動ワークショップ」をした際は、「避難所生活のイメージができて良かった。」とか、体験して「備蓄品は見直そうと思った。」あと「意外と快適に過ごせた。」など、良い反応をいただいています。実際の体験を通して、いざという時に備えるという意識を高めていただいているように感じました。
市長
確実に効果は上がっているということですね。
参加者
はい。皆さん本当に来てよかったと言っていただいています。
参加者
こういった講座を通していろいろと感じることは、健常者である人たちが自分自身も被災者になるという認識を中々持てていないということ、そして、障害のある方が、障害があるということをなかなかオープンにできないということです。要援護者であることを登録しておくことで、災害時に情報が公開されることが怖いとか、そのことによって偏見・差別が起きてしまうのではないかという不安があると思います。そういった点にいろいろ配慮が必要なのかなと我々は認識しています。
市長コメント
市長
災害時要援護者の方々への理解を促進することと、理解をどのようにして広げていくか。いざ災害が発生した時に備えて準備をしてもらい、地域の方だけでなく要援護者ご本人にも理解してもらうということ。あとは、実際に災害が発生した場合に備えて、きちんと備えをしていただくという取組が必要だと感じました。ただ、要援護者といっても大変幅が広く、行政としても普段から準備をしていかなければならない課題だと感じました。発災時は全ての方が被災者になると思いますので、要援護者を支援することもありますし、要援護者に支援をしていただくこともあります。そういう意味で「お互い様」という気持ちを地域で持てることが重要だと思います。その中で、皆さんのような防災ネットワーク、そしてその分科会といった取組が大きな役割を果たしていると思いました。
こうした取組が、個人事業主が多いという瀬谷区の特徴によるところもあろうかと思いますが、他の地域にも広げていくことも必要ではないかと感じました。「自助」「共助」の推進をどのように進めていくかを、今日最前線にいらっしゃる皆さんにお話しいただいて、我々としても地域防災拠点の環境整備など、行政としての取組も進めていきたいと思います。ハード面と意識を醸成していくソフト面と両輪で備えを進めていかなければ、いざという時に対応ができませんので、本市も「公助」の推進として、防災・減災の取組を進めていきたいと思います。
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