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第4回「市長と語ろう!」

最終更新日 2022年8月4日

開催概要

≪テーマ≫子育て(おおらかに育み・つながり・受け入れる子育て支援について)

「港南台生き生きプレイパーク」の皆様と市長との集合写真

≪日時≫

令和4年6月13日(月) 10:00~

≪会場≫

港南区役所

≪対話団体≫

港南台生き生きプレイパーク(港南区)

≪団体概要≫

平成17年、身近な自然がなくなり、子どもの遊びを大らかに受け止める環境が失われつつあった中「子どもたちの“やりたい”が発揮できる自由な遊び場をつくっていこう」と誕生。現在、管理運営委員会は自治会町内会や近隣の保育園・幼稚園、民生委員や主任児童委員なども参加し、構成されている。地域の方々やプレイリーダー(※)が見守る中、大人の指示や禁止事項を極力減らし、子どもが 「自分の責任で自由に遊ぶ」ことを通して自主性や冒険心、自由な発想を育くむ野外の遊び場を運営している。

※プレイリーダー
自由な遊びの環境を作り出す・整えるという役割を担っている。子ども達が安心してありのままの自分を出し、やりたいことに思いっきり挑戦できるような場にしていくためには欠かせない存在。

対話概要

※ 文意を損なわない範囲で、重複部分や言い回しなどを整理しています。

市長挨拶

市長

皆さま、改めまして市長の山中です。本日はお時間をいただきましてありがとうございます。市長に就任してから皆様とこうしてゆっくりお話する時間を取りたいと思っていました。コロナ禍で取れなかったのですが、4、5月ぐらいからできるようになってきて、早速、子育てをテーマに港南区で実現していただいたのがこの会です。
私自身、子育て世代ということもあり、子育てしやすい街にすることは私の中でも一丁目一番地だと思っています。
是非現場を熟知されている、あるいは現在子育て世代の皆様と色々なことを議論したいと思っております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

「遊び」を取り巻く環境の変化

代表による生き生きプレーパークの説明

参加者

そもそもどうして私がプレイパークをやろうと思ったかというと、自分に子どもができて、その時に自分が育った環境と子どもたちの環境が随分と変わってしまったということで、こんなことで子どもが育つのだろうかという危機感で何とかしなきゃいけないと思いました。
昔は川遊びとか探検ごっことか木登りとかいろんなことをして、いろんな力が身についていったと思うのですが、今はそういうふうに遊ぶことができなくなっています。場所が無いとか、時間が無いとか、仲間がいないとか言われますが、土とか石ころとか草花とかそういう遊びの素材も生活空間から姿を消していったと思います。そこに追い打ちをかけるようにテレビゲームが子どもたちの生活に色濃く入ってくるようになったということと、大人たちの意識が、危ないことしたり、汚いことしたり、うるさかったりする子どもを、おおらかに受け止めるというよりは、大人にとって清潔で静かで快適な生活を求めるというふうになってきたというのも大きいと思います。

名もない遊びが育てる力

参加者

市長もラグビーとかをおやりになっていたということで、とても実感されると思うのですが、集団で遊ぶことで培われるものってすごく大きいと思っています。複数の子どもたちが同じ空想の世界で遊ぶのもいいと思います。
私がプレイパークですごくいいと思うのが、名もない遊びが沢山展開していて、結構ばかばかしいことができるというところ。そんなことを通して子どもは、すごく力をつけていくと思うのです。子どもってやりたいことに取り組んでいるときにすごい力を発揮すると思いました。
遊びの中でいろんな力が培われていくと感じています。コミュニケーション力・想像力・社会性とか行動力とか色々育つと思いますし、あと最近日本の子どもは、自己肯定感が低いとか非認知能力が大事というふうに専門家の方々が仰ってますが、こういう力は遊びの中で、何かにチャレンジしてみて失敗して、それでもまたやってみようというところから育っていくと感じます。ただ間違ってはいけないと思うのが、そういう力を育てるために遊ばせるということではなくて、遊びそのものが子どもの本能というか生活そのものだということ。その結果として、いろんな力がついてくるということは、ちゃんと踏まえておかないといけないと思います。

プレイパークは子どもを中心とした地域づくりの拠点

参加者

区役所とかケアプラザ、連合自治会、地域の組織、団体、子育て系のネットワーク組織、小学校、保育園、幼稚園など色々な所と関係性を持ちながら活動しています。
プレイパークは育ちに沿った遊びができる場、乳幼児の親子のたまり場、仲間づくりの場、中高生の居場所、若者にとってはボランティア体験とか大学生には実習の場、高齢者の活躍する場、大人にとっては生涯学習の場になっているということで、子どもを中心とした地域づくりの拠点的な役割も一部担わせていただけていると思っています。

市長

子どもの本能を引き出せるような場を提供すると仰っていたのが印象的だったのですが、私は、できないことを見つけるのではなくて、できることを見つける教育にしてあげたいと思っています。

子どもたちと本気で向き合ってきたからこそ見られた笑顔

プレーリーダーとの対話風景

市長

プレイリーダーの役割が重要だと思うのです。プレイパークの活動に関わられている中で、どういった課題を感じられていますか?

参加者

プレイリーダーとして、子どもたちと対等に関わることと、子どもと遊ぶことを大事にしながらやらせていただいております。
子どもの「遊ぶ」というのは、子どもが自らの意思で行っていることを「遊ぶ」というふうに捉えて私はやっているのですが、プレイリーダーとして子どもの「遊びたい」という気持ちを存分に発揮できるような場づくりとか環境づくりを行っています。時には子どもたちと思いっきり一緒に遊んで、思いっきり遊ぶことの楽しさとか、楽しさを共有する仲間として子どもたちと関わることを行っています。
ちょっと印象的なエピソードですが、プレイパークで遊んでいるときに泥団子を私に投げつけてきた子どもがいたのです。普通大人は注意したりすると思うのですが、私も泥を投げてきた子どもに泥を投げ返しました。泥々になるまでお互いに投げ合って、二人で疲れちゃって、二人で笑いあって「またやろうね」と言って子どもは帰っていったのです。「またやろうね」と言ったときの子どもの笑顔というか清々しい様子というか、子どもたちと本気で向き合ってきたからこそ、そういった表情が見られたと思っています。

年間約2万人が集まる場所

市長

親御さんたちはプレイパークのことを、ある程度知っていますか。どうやって周知していますか。

参加者

実家の近くだということもあって、公園で何かをやっているなというのは分かっていたのですが、自分が子どもを産む前まではなんだろうという感じでした。自分に子どもが産まれて地域子育て支援拠点にプレイパークのチラシが張ってあり行ってみようと思いました。

市長

 特に乳幼児の利用も多いと思うのですが、親御さんはのびのび遊んでいる姿を見るというのがやっぱり嬉しいですよね。

参加者

 当時息子は遊びたいとか、スーパーに行っても走り回ってしまって、いつも制止することが多かったのですが、プレイパークに行ったら「遊んでいいよ」と言って、やりたいことを見守ることができました。

市長

 お子さん方の交流拠点は親の交流拠点にもなっていますか?

参加者

 子どもは喧嘩とかにもなりますが、お母さんたちはちょっと見守ってみようかというふうになったりして、「あの子泣いちゃったね。どうする?」みたいなことで保護者同士も声を掛けたりして、段々顔見知りになって他愛もない話をしたりしています。

市長

 人が集まりやすい雰囲気はありますか?

参加者

 基本的に公園っていうのもあり、プレイパークには年齢制限とかこの人が良い、あの人が良いみたいな制限が一切無いので。あとは外の遊び場ということもあり、入りやすい雰囲気があります。

参加者

 平均すると(スタッフ、保護者も含めて)1日100人くらいですので、年間2万人くらいです。196日ぐらい開催していて、保育園の子どもたちも結構遊びに来ます。雪の日も風の日も子どもたちが遊びに来るので、野外でテントを張って寒さに震えながら遊んでいます。

利用者から次の担い手に

市長

 スタッフの方とかプレイリーダーの方とかの存在が必要不可欠で、まさに要になってのプレイパークだと思うのですが、どうやって次世代に向けて担い手を確保していったらいいでしょうか?

参加者

私自身、昔プレイリーダーをしていたこともありまして、スタッフの大変さをもちろん知っていたのですが、やっぱりプレイパークを必要だと思っている人たちが自分たちにできる範囲で少しずつでもいいので協力してもらうことが大事かなと思います。
あとは来ている親御さんに担い手になりましょうよと声をかけている訳では無いのですが、プレイパークがあったから前向きに子育てできるようになったので一緒にやりますと応えてくれる方もいらっしゃるので、基本的にはよく来ている方をスカウトしているという感じです。

地域から見たプレイパーク

市長

 地域の方から見て、プレイパークの活動ってどういうふうに見えますか?

参加者

 子どもたちがプレイパークで生き生きと遊んでいる姿を見るのは、本当に頼もしいし応援したくなりますし感謝しております。みんなで協力していこうと思っております。
 それで、連合会長や民生委員の代表の方たちも皆さん運営委員になりまして、皆でサポートしてやっていこうという感じで取り組んでおります。
 あと、プレイパークは地域の社会福祉にも協力してくださっています。地域の様々な取組の繋ぎ役としての役割を担ってもらっております。それで子どもたちだけじゃなく若者の居場所づくりや活躍の場にもなっていると思っております。

市長

 こういう取組を自治会や連合自治会に関与していただけることは、我々として大変心強いですし、地域で子育てしやすい環境を作るというのが私の目標です。

子どもの視点に立った「子育ち支援」の必要性

市長

子育て支援として期待されることを率直にお伺いしたいのですが。

参加者

両親二人とも働いているご家庭が多くなっている中で、乳幼児期を自分の手で子育てしている人たちの数が減ってきたからこそ、孤立化している傾向は更に高まっていると思うので、子育て支援は、さらに手厚くしていく必要があると思います。
ただ一方で、子育て支援は、本来子どもが健やかに育つための支援なのに、子育てしている大人の支援になっていないかと心配に感じて、大人の都合が優先になってはいけないと思います。家庭での親子の時間が持てなくなってきているので、親子で過ごす時間がちゃんと確保される働き方を考えていく必要があると思います。
それから、子どもが子どもらしく過ごせるように、子どもの視点に立った「子育ち支援」が必要と思います。子どもが自由に遊んで自ら育つということをみんなで大事にしていただければと思います。

市長

年間2万人の利用実績はすごいですよね。心の底からこういう取組が重要だと思います。プレイパークの大切さを十分に理解しました。

子どもたちと向き合うことへの支援

市長

子育て支援として行政への期待はどういったものがございますか。

参加者

プレイパークでの子育て支援は、様々な年齢層の子がきます。青年期になっていろいろ悩みを持っている不登校の子たちもきます。そういった様々の方の話をプレイリーダーたちは真剣に聞いて寄り添う対応をしています。本当に身も心も削られているような精神状態にもなったりするので、専門家の支援があると理想だと思っています。
プレイパークで1日を過ごして次の日への活力にしている子たちが、本当にたくさんいるなと。そういう子たちを支えていくのもプレイパークの一つの役割なので、とても重要なことだと思っています。
屋外の取組なので、発達に課題があったり、学校に馴染めないお子さんとかいろんな方が気楽に来られる場なので、プレイパークで一緒に過ごしている中で、自分たちだけで対応していいのだろうかとか、こういう対応でいいのかと悩んだり不安になったりすることがあるので、フォローの体制があればいいと思います。

参加者のお子さんと

市長コメント

市長

ありがとうございます。本日は、改めて大変ありがとうございました。
こうした取組を多くの大人が関わって、年間2万人程度が参加していく取組に発展させて持続させていくためには、一筋縄ではいかないと思います。行政としても皆様のご努力ご尽力に添うようなご支援をしていきたいと思いますし、こうした取組が現状維持ではなく、拡大してさらに多くの子どもたちが参加し、多くの親御さんたちがこの取組を知り、自治会の方々にもご協力いただいて持続可能な取組にしたいと思いました。
子どもの顔を見ると本当に宝だと思いますし、子どもの並んでいる姿を見るのが私は一番好きです。保育園や幼稚園で散歩をしていたり、お父さんやお母さんが子どもを集めて、子どもたちがみんなで遊んでいる姿を見たりするのが世の中で一番好きな風景です。そういった子どもたちが健やかに成長できる横浜を作っていくことが私の使命だと思っています。今後も地域の皆様と行政が一体となって取り組んでいけるようにしなければいけないと改めて思いました。
本日はどうもありがとうございました。

このページへのお問合せ

市民局総務部広聴相談課

電話:045-671-2335

電話:045-671-2335

ファクス:045-212-0911

メールアドレス:sh-shukai@city.yokohama.jp

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