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第2回「市長と語ろう!」
最終更新日 2022年11月2日
開催概要
≪テーマ≫子育て(コロナ禍における子育て支援)
≪日時≫
令和4年5月31日(火曜日) 13:00~
≪会場≫
緑区地域子育て支援拠点「いっぽ」(緑区)
≪対話団体≫
特定非営利活動法人「グリーンママ」(緑区)
≪団体概要≫
平成10年に緑区役所の区づくり事業の運営委員の公募に応募した区民により「グリーンママ」発足。平成15年、任意団体「グリーンママ」としての独立を経て、平成17年に特定非営利活動法人グリーンママを設立。
「いっしょに子育て、いっしょに成長」を運営理念とし、「地域での子育て経験を活かし、身近な存在として、子育て中の親に寄り添った活動を行う」「一人ひとりが持つ力を出し合い、ともに考え、ともに行動し、すべての子ども・親・支援者がともに成長していく」ことを活動の目的としている。
育児支援に関する事業としては「みどりっこ親子の居場所はなまる」(平成16年~)や「緑区地域子育て支援拠点いっぽ」(平成18年~)などの施設を運営しており、その他にも、障がいのある子どもと親への支援事業、児童及び青少年の健全育成にかかる事業といった子育て支援の活動を緑区を中心に行っている。
対話概要
※ 文意を損なわない範囲で、重複部分や言い回しなどを整理しています。
市長挨拶
市長
私自身が子育て世代ということもあり、子ども・子育てそれから教育に関しては、私自身の中でのやりたいこと、横浜をよくしたいことが沢山あるのですが、その中でも子育てというのが一丁目一番地だと思っております。
皆さんの現場に出て、意見を伺うと、実際に現場で子育て支援に従事されている、従事のされ方というのは色々なやり方があると思うのですが、最前線で活動されている皆さまと話をしたい、意見を直接お聞きしたいという風に思っております。
今日は、コロナ禍の中でも皆さま知恵と工夫でご活動を継続されてきていると思いますし、そうやって皆さまの努力が子どもたちに健やかな育ちを支えていっていると思うのですが、知恵とか工夫とか、あるいはご苦労とかそういったものをお話していただけないかなと思う次第です。それでは、本日はよろしくお願いいたします。
コロナ禍による心配
市長
今コロナがだいぶ世の中的に前よりは改善しているので、いろんなことが元に戻りつつある中、一方で、コロナ禍のときにすごく大変だったのではないかなと思います。
参加者
最初に緊急事態宣言が出された時は、区内の親子の居場所も拠点も全部休館になってしまったので、いつも来ていた親子の行く場所がなくなり、子育てに煮詰まっていないか、大丈夫だろうかという心配が私たちの中にもありました。
なんとかつながる手段がないかということで、オンラインをつかい「あなたの声をきかせて」というアンケートをとりました。回答をすぐに公開して皆同じように考えているのだなあということがわかるようにしました。
この施設も3か月クローズして、再開してすぐのときは1日5組限定でした。感染の不安はありましたが、ここの中ではこども同士遊ぶのを離してっていうのは違うのではないかという考えで、交流はできるようにしていました。
次世代の担い手確保
市長
20年以上ご活動をされてきて、これまで長く継続されてこられたコツがあるのか。担い手の確保はどうするのか、そこを教えていただきたい。
参加者
私は元々「いっぽ」の利用者でした。「いっぽ」の存在もあって、この緑区で本当に楽しい子育てを送ることができました。今度は自分がしてもらったように、してあげたい。恩返しの意味もすごくあります。地域のイベントに参加するのがとても楽しかった思い出もあります。自分の経験から、地域を知れば子育てはもっと楽しくなるということを情報担当として伝えていきたいと思っています。
「親同士つながりたい気持ち」と「子ども同士をつなげたい気持ち」
参加者
コロナ禍で行ったアンケートの回答の中に「子育てを頑張っているお母さん同士で今の状況を話したい」「とにかく大人と話したい」をいう声が多かったので、実際に会って話すことが難しい状況の中でどうやったらつながりを作れるかを考え、そこで初めてZoomを勉強し、オンラインプログラムを始めました。
画面を通してお子さんに向けて手遊びをしたり、本を読んであげたり、「お子さんどう?」という風な感じで「いっぽ」で会えていた時と同じような環境を作ることを心掛けました。もちろん実際に会ってお話しするのが一番良いのですが、オンラインでも「親同士」「親とスタッフ」とが交流出来ることの大切さを改めて感じています。
市長
つながりたいというか、悩みをきいてほしいというお母さんが多いのですかね?
子どもと一緒に居る場所がほしいというのもあるのでしょうけど、ここに来られる目的はどうですか?
参加者
ママ自身も誰かと話をしたいということがあるかと思いますが、ご自分のお子さんの成長にとって他のお子さんと関わりを持つということは大切だという気持ちで来られていると思います。
妊娠期には気づけないこと
参加者
子どもを産んで初めて自分の思うようにならないことや自分の手に負えないことがあると気づいたりします。その時に誰に相談するかということなのですが、横浜で子育てしている方の中にも家族が傍にいない方も多くて、さらにコロナ禍でお手伝いに来てもらえないとか、初めての子育てでどうして良いかわからなくても教えてくれる人がいなかったり。そういう時に、ネットで調べてさらに不安になってしまったと、「いっぽ」を訪ねて来る方がいました。
産後すぐに子育て支援拠点を利用していたママたちは、オンラインプログラムに参加して、子育てが大変だという気持ちを話してくれたりもしたのですが、つながっていなかった方たちはどこで不安を解消しているのだろう、どうしているのだろうかと心配していました。
市長
子どもが産まれたときに、区役所の方でご案内している?
司会
区役所でご案内していますし、ホームページとか紙媒体でも案内しています。母子手帳と一緒に冊子を入れてお渡しして、ご説明しています。あとは口コミとかも多いですよね。
参加者
産んだ後の拠点の認知度は高いと思います。ただ、妊婦さんのうちの認知度は低いと感じています。
市長
ほかに頼れる人がいない中妊娠して、誰に話したらいいのだろうと。こちらとしても周知はしているつもりではいるのですが、届いていない可能性があるので、周知の仕方も、こういった支援拠点事業をやる、市の事業としてやらせていただいているっていうのと抱き合わせで、妊娠中からどんどん活用できますよと皆さんに話すことで、ご本人の中で学びになってくればいいなと思っています。
活動を知ってもらう必要性
参加者
コロナ前はやっぱり身内が頼りだったと思います。例えば出産だとか何か困ったことがあれば、ちょっと離れていてもお願いして来てもらうことができたのですが、コロナ禍では離れた場所にいる身内を頼ることが難しくなりました。そこで改めて近隣の身近な人を頼る「横浜子育てサポートシステム」(※)の制度が見直されてきたと思っています。
この制度自体は、利用したいという子育て中の方がいても、それを担う方がいないと成り立たない制度なのですが、担い手を増やすのがなかなか難しくて。
どこも担い手不足で、それが時代の流れで仕方ないかもしれませんが、地域で支えあう制度があるというのを知らないまま過ごしている住民の方もたくさんいらっしゃると思います。
※横浜子育てサポートシステム
安心して子育てができるよう、地域ぐるみでの子育て支援や、仕事と育児を両立できる環境を作ることを目的とした会員制の有償のささえあい活動。地域の中で子どもを預けたり、預かったりすることで人と人のつながりを広げ、地域ぐるみでの子育て支援を目指している。運営は、横浜市が本部事務局を、子育て支援を行っている法人が区支部事務局を担い、専任のコーディネーターがコーディネートを行っています。
市長
何らかの貢献をしていただける人たちは潜在的にはいるのだけど、そこにまで情報が届いていない。そういう人たちにとってはここで活動をする機会を持てない可能性があるということですよね。こういう活動の重要性を周知していくという、それに尽きますよね。
参加者
いろいろ工夫はしているのですが、私たちがコンタクト取れる場所には限界があるので、行政の方にご検討いただけると助かります。この制度に限らず、地域の子育てサロンとか地域で活動している方たちも高齢化などが課題という話もききます。次の世代の担ってくれる人がいないと、なくなってしまいます。
「ほかの子どもと違うのでは」という不安
市長
お母さんやお父さんからの相談事ってどんな内容が多いのでしょうか?
参加者
最近は発達とか発育に関して心配でという声も多くなっています。
コロナ禍でお子さん同士の関わりが減り、ほかのお母さんとお話しすることも少ないので、自分のお子さんの「発育、発達はこれで良いの?」と不安になるようです。いろんなお子さんがいるというのが知っておくとやっぱり少し安心な部分なのですけれど、中々いまコロナ禍でお話しできる機会も少なく、ちょっとそういうお母さんやお父さんが多いですね。
参加者
ほかにも、自分の子育てが間違っていると思うから保育園に預けて専門家にみてもらいたいというご相談や、マスク生活でお子さんの発語に影響が出ているのではないかと心配するママもいらっしゃいます。みんなと同じじゃないことが受け入れられない方もいる。すぐ情報はたくさん得られるので、ネットで発達障害とかを調べて不安になって相談にきたりとかそういう方もいましたね。お話を聴かせていただいて一緒に考えたり、頑張っているママを労ったりしています。
子育て中の人が地域とつながる機会を
市長
広く運営とか利用者とのやり取りとかそういったものをお聞きして、周知・担い手のことも含めて、潜在的な利用者とのマッチングに周知が必要だというのが大きな気付きだったんですけど、そのほか全般的な運営とか含め、広く産み育てやすい環境をつくるにはどうしたらいいですか?
参加者
もっといろいろな立場や世代の方に子育て中の人を見守ってもらいたい。子どもを産んでもすぐに復職しなくてもいい会社が増えるとか、家庭で子育てすることが歓迎される社会になるといいなと思います。地域で過ごす時間が長くなると、自分の居場所となり、それこそ先々に担い手になりたいという気持ちになったりもすると思うので、地域につながる機会があったらいいと思います。
参加者
私たちのコミットしているのは子育て中の方たちが多いのですが、その人たちを支えるためには、周りの人たちの理解も得ないといけないと感じています。最近、「いっぽ」と直接的な関わりがない方が「いっぽ」を紹介してくれているということを多く聞くようになりました。やっぱり広く子育て支援とはいうけれど、「横浜市ではこういうことをやっています。」というのを市民全体に知ってもらいたいと思います。
参加者
コロナで外出ができず、ママ一人大変な思いをしながら、赤ちゃんと何か月も過ごしてきた方もいます。親子を受入れる場所が身近にあり、そこから地域につながって、その後は地域の中で助け合える関係ができるといいなと思います。
参加者
楽しく子育てできるっていうような場所がここだけではなくて、ほかにもあって、自宅の近くにもあって仲間もできてやっぱり子育てって楽しいねと思えるような横浜市になってくれたらいいなと思います。
参加者
自分の子育てを振り返ってみると、横浜は未就学児の親子の居場所は結構あるかと思うのですが、自分の小学校区のママ友がいなく、先輩ママから情報をもらうこともできなくて、小学校のことが全然分からないとなってしまいました。小学生も使える児童館のようなものもなく、未就学児から小学校に上がるときに切れ目がなくかかわっていける場があるといいかなと思います。
市長コメント
ありがとうございます。
こういった機会をもたせていただいて、特に今日気付きだったのが、周知・知ってもらうことの重要性っていうのを学ばせていただきました。活動されている皆さんと、活動されていることのメリットを受ける立場をマッチングさせるのが行政の役割かなと改めて感じましたので、対策を考えたいと思います。
また、横浜といっても東西南北とても広くて、緑区で抱えている悩み事が金沢区とか栄で同じかといえばまったくではないですけど、違っているところもあったりするのですが、各区毎のきめ細やかなサービスを目指していく中で、皆さんが満足いかないところもあると思うのですが、最初申し上げましたとおり、私自身は子育てしやすい環境をつくりたいと思っております。
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