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令和3年度 金沢図書館の目標振り返り

令和3年度、金沢図書館は、以下の目標について特に重点的に取り組みました。この目標は「横浜市立図書館運営実行プラン」、各区の「読書活動推進目標」に基づいて策定しています。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、一部予定していた取組の変更・中止などがありましたが、新しい生活様式を取り入れつつ、柔軟に取り組みました。

最終更新日 2022年5月27日

1 誰もが利用しやすい図書館

図書館のイメージアップと利用促進のための企画・イベント等実施

取組

  1. 市立図書館100周年(大正10年(1921年)6月11日開業)の記念イベント等実施
  2. 区内大学や研究機関と連携した企画展示や講演会・講座などの実施
  3. 市民の学習活動・課題解決を支援する講演会や講座の開催

成果と課題

  1. 金沢図書館キャラクター(りーどくん)を活用したぬりえ「2021春休み 今年は図書館でお花見を!」を配布・掲示(4月1日から4月30日)では、作品を嬉しそうに持参する子どもも多く、図書館のPRとともに、長引く「おうち時間」に有効活用してもらえました。
     企画展示「展覧会に見る太平洋戦争期のくらし」(4月28日から5月31日)では、パネル展示セット「ヨコハマ展覧会の展覧会」の中から「太平洋戦争に関わる展示会出品目録のパネルを抜き出した展示及び戦争中の金沢区の写真を掲載した資料等の展示・貸出を行いました。「横浜市の昭和」などの写真集や金沢区史などの資料50冊以上の貸出しがありました。
     開館記念「本の福袋」(5月15日・16日)(一般35セット、児童59セットを用意し、83セット貸出)では、開館35周年記念事業から継続する事業であり、新たな本との出会いを演出できました。後日、内容を記載したリストとともに福袋に入っていた本の展示・貸出を行いました。また、ちょっと早めの「本の福袋」(12月25日から1月4日、1月18日から2月1日)(一般55セット、児童58セットを用意し、107セット貸出)では、平日利用者にも配慮した開催期間とし、より広い層に貸し出すことができました。
     企画展示「市立図書館100周年のあゆみ」(6月2日から24日)では、金沢図書館のあゆみのわかる「開館時の工事写真」「会報及び金沢図書館の建築資料」なども展示。展示本の貸出冊数としては、総展示冊数90冊のうち、46冊が貸し出しされました。
     岩波書店との共催企画展示「岩波少年文庫 心ゆさぶる挿絵の世界」(8月3日から9月4日)では、岩波書店作成のパネル展示と関連書籍の展示・貸出を行いました。
     誕生10年を迎えた横浜DeNAベイスターズとの連携パネル展示(3月9日から20日)を実施しました。
  2. 平成27年から2大学(横浜市立大学・関東学院大学)及び海洋研究開発機構(JAMSTEC)との4館合同企画として実施してきた「かなざわ大人のライブラリーツアー」は、今年度も新型コロナウイルス感染症の影響で中止としました。
     金沢図書館のみ「大人のライブラリーツアー~「金沢八景」関係資料をご紹介~」(11月26日)を実施しました。横浜市立図書館デジタルアーカイブ「都市横浜の記憶」や各種資料の紹介によって、参加者の今後の調査研究につながる情報提供を行うことができました。また、JAMSTEC創立50周年企画展示「JAMSTEC50年の軌跡-昭和から平成そして令和へ—」 (10月2日から24日)では、深海魚の写真集や小説、児童書などを中心に152冊貸出があり、JAMSTECについて広く市民に周知することができました。横浜市立大学企画展「幕末期の国際交流伊豆におけるロシア船建造の記録」(11月3日から12月2日)では、市大の広報活動の一助となるとともに、市民の生涯学習の機会を増やすことにつながりました。
  3. 横浜市歴史博物館と連携した「横浜の大名(米倉家の幕末・明治)~日記が伝える武州金沢藩、激動の4年~:担当学芸員にきく<出張>見どころ解説」(11月7日)では、横浜の地に陣屋を構えた唯一の大名について紹介しました。また、横浜市ふるさと歴史財団埋蔵文化センターと連携した『令和3年度「横浜の考古学」金沢の考古学~野島貝塚と中世の「やぐら」~』(12月18日)では、金沢区の特徴的な遺跡について解説しました。2つの郷土関係講演会で、区民に郷土史への関心を広く喚起できました。
     「テアトル図書館にようこそ!(落語)」(2月13日)は新型コロナウイルス感染症の影響で中止しました。
     どれも市民の学習活動・課題解決を支援する内容であり、今後も地域の課題やニーズに合わせた自主企画事業を開催予定しています。

地域と連携した読書活動の推進

取組

  1. 他局・区内関連施設と連携した展示の実施
  2. 金沢区読書フェスティバル期間(10月中旬から12月中旬)の区内読書関連施設での特色ある取組の情報発信

成果と課題

  1. 横浜の遺跡展「野島貝塚 環境変動にみる縄文早期の人々」(3月5日から4月27日)では、埋蔵文化財センター、栄図書館、金沢図書館3館同時開催のスタンプラリーで貝塚から出土した貝殻のプレゼントや調査研究員によるギャラリートークも行いました。地域の歴史への関心のある層が多く、熱心に見学していました。
     横浜市信用保証協会との共催企画展示「図書館で事業承継を考える」(5月28日から6月10日)、「図書館で起業・創業を考える」(6月11日から28日)では、パネル展示や関連図書の展示・貸出を行いました。
     環境創造局との共催企画展示「はじめの一歩!SDGs~生き物の多様性とプラスチックごみ」(7月2日から28日)では、生物多様性やプラスチック問題に関するパネルや標本、関連図書の展示・貸出を行い、149冊が貸出しされました。また、展示期間中におはなし会「海のいきものいっぱいのおはなし会」(7月21日)を開催し、コロナ禍でも15人の参加があり、関心の高さがうかがえました。
     環境創造局との共催企画展示「公園愛護会・プレイパーク」(9月3日から23日)も実施しました。
     金沢区役所高齢・障害支援課との共催企画展示「もっと知ろう!認知症」(9月4日から30日)では、認知症の人や家族の思いを知るためのパネル展示と親子向けのブックリストの配布や図書の展示・貸出を行いました。
     ユニセフ写真展「新型コロナウイルス感染症と世界の子どもたち」(10月28日から11月10日)では、世界の子どもたちの現況やユニセフの活動を紹介することで、市民の社会問題への関心を高めることができました。
     2年目となる企画展示「金沢図書館・金沢消防署・金沢火災予防協会がコラボ—年末年始に向け火災予防広報—」(12月7日から27日)は、火災予防の普及啓発に効果的でした。
     経済局との連携で、「LINKAI横浜金沢」(1月8日から31日)についての展示も行いました。
  2. 金沢区読書フェスティバル2021(10月中旬から12月中旬)のチラシを1,100部配布(HPにも掲載)し、区内の読書関連施設での特色ある取組を情報発信ができました。

2 子どもの読書習慣の定着への支援

子どもの読書習慣の定着への支援

取組

  1. 「初めて出会う絵本コーナー」の資料、長く読み継がれてきた基本的な絵本と紙芝居の拡充
  2. 金沢国際交流ラウンジと連携し、多文化理解を広げる契機として、多言語おはなし会の開催

成果と課題

  1. 「初めて出会う絵本コーナー」(134冊)、長く読み継がれてきた基本的な絵本と紙芝居(114冊)を拡充しました。
  2. 金沢国際交流ラウンジと連携した金沢区読書活動推進多文化事業「いろいろな国のことばで、おはなし会と絵本展示」(11月20日)では、終了後、読み手の方と参加者の交流が生まれたり、展示した外国語絵本を借りていった方も多く、多文化理解を広げる契機となりました。

家庭での読書活動の推進

取組

  1. 乳幼児と保護者、小学生等を対象にしたおはなし会(月2回)等の実施
  2. 子育て支援者・保護者向けわらべうた講座(3回)等の開催
  3. 福祉保健センターと連携した乳幼児健診会場(4か月児健診で月2回)での読書案内の実施

成果と課題

  1. 感染症対策を十分にとったうえ、定例(月1回)のおはなし会、おひざにだっこのおはなし会を4月から継続して実施しました。また、昨年は実施できなかった「図書館たんけんたい」(7月27日・29日、8月3日)や「図書館ボランティア体験」(8月4日)は新型コロナウイルス感染症拡大防止に配慮し実施しました。
     「こわいおはなし会」(8月27日)は、既存の飛沫防止シートを利用したり、カウンター前のスペースを広く取るなど、様々な対策を取り、内容を工夫して実施しました。
  2. 金沢区こども家庭支援課の依頼を受け、子育て支援者の自主研修「わらべうたと絵本の楽しさを伝えよう!」(4月1日)に参加しました。区内で子育て支援活動に携わる方たちに、わらべうたと絵本の意義を伝える貴重な機会となりました。また、子育て支援拠点「とことこ」・能見台地域ケアプラザ共催のファーストブックの選び方(10月28日)やさくら保育園で「親子で楽しむ絵本の読み聞かせレクチャー」(12月21日)では、地域の子育て支援施設と連携を深めつつ、乳幼児から本に触れるきっかけづくりをすることができました。ボランティアグループ「わらべうたと絵本の会ぽっぽ」との勉強会(1月13日、3月10日)を行い、子どもと絵本を結ぶ活動に役立つ情報提供を行いました。
  3. 新型コロナウイルス感染症拡大防止の影響で実施できなかった、本に親しむことの大切さや意義を広く伝える取り組みの乳幼児健診会場での読書案内は、10月より再開することができました。

学校教育への協力、学校図書館充実のための支援

取組

  1. 教職員(学校司書を含む)に向けて、レファレンス等の支援の充実(レファレンス件数40件、貸出件数150件)
  2. 学校ボランティア・保護者を対象とした講座及び交流会の開催
  3. 図書館見学や職業体験等の受入

成果と課題

  1. 教職員(学校司書を含む)に向けたレファレンス等件数39件・貸出件数131件。授業に役立つ本の情報提供や日常的な個別相談に応じることができました。
  2. 読書活動を支える学校ボランティアや保護者へのきっかけづくりとスキルアップの一助となる、読み聞かせ講座(7月6日)や図書修理講座(7月8日)を実施しました。
     区内小中学校で読み聞かせや図書館整備の活動をしている方を対象とした情報交換会である学校図書館ボランティア交流会(3月3日)は3年ぶりに実施しました。
  3. 学校司書研修(6月24日)は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の影響で、会場を区の会議室と図書館に分散して行いました。また、図書館見学2校、職業講話1校、高校のインターシップを受け入れるなど、新型コロナウイルス感染症の影響はありましたが、学校との連携も少しずつ戻りつつあります。

ティーンズ世代の読書活動の促進

取組

  1. ティーンズコーナーの活性化を図るため、「中学生によるおすすめ本のPOP展示」の実施

成果と課題

  1. ティーンズ展示「文豪ストレイドックス」(5月19日から6月7日)。消費者生活総合センター提供の文豪ストレイドックスポスターの展示及び関連文学作品の展示・貸出を行いました。また、「中学生によるおすすめ本のPOP展示」(2月1日から28日)は、区内中学校5校の参加があり、377冊が借りられました。来館者が足を止め、中学生のPOPを覗き込むようにして見ているなど、中学生の取り組みを広く知ってもらうことができました。

地域での読書活動への支援

取組

  1. グループ貸出等を通じた読書活動の支援
  2. 子育て支援拠点と連携した絵本の選び方講座や公私合同保育園長会での図書館利用案内などの読書活動支援

成果と課題

  1. グループ貸出は22グループに対し、1,427冊を貸出しました。団体貸出は、4団体に対し、241冊を貸出しました。
  2. 公私合同保育園長会(2月25日)で、「グループ貸出の案内」及び「紙芝居舞台の貸出」について案内を行いました。また、乳幼児期から学齢期の子を持つ親や子育て支援の活動をしている方のスキルアップにつながる、子育て支援拠点「とことこ」・能見台地域ケアプラザ共催のファーストブックの選び方(10月28日)は、感染症対策を取ったうえで実施しました。地域の子育て支援施設と連携を深めつつ、乳幼児から本に触れるきっかけづくりをすることができました。

3 蔵書とレファレンスの充実

地域の情報拠点としての蔵書の充実

取組

  1. 郷土資料の充実と特徴ある資料の充実(81冊)
  2. 情報科学分野の資料の拡充とコーナーの見直し(36冊)
  3. 生物多様性や環境問題などSDGs関連の児童書の充実(15冊)
  4. ホームページ等で広報し、寄贈資料等の受入の推進(3,000冊)

成果と課題

  1. 地域の歴史に根差した郷土資料の充実をめざし、空中写真・旧版地図など、郷土金沢の資料を幅広く収集しました。(81冊)
  2. 情報科学分野の補強を行いました。(38冊)
  3. 生物多様性や環境問題などSDGs関連の児童書の充実に取り組みましだ。(84冊)
  4. 寄贈資料等を受け入れました。(2、637冊)

4 金沢図書館の独自目標

取組

  1. 図書館関係団体・施設との懇談会の開催(3月)
  2. 図書修理・書架整理ボランティアとの交流会の開催(3月)

成果と課題

  1. 新型コロナウイルス感染症の影響で、図書館関係者(13団体)と金沢図書館懇談会(3月)は中止となりました。
  2. 新型コロナウイルス感染症の影響で、図書修理ボランティア懇談会(3月)、書架整理ボランティア懇談会(3月)は中止となりました。

5 施設等の感染症対策

  1. 飛沫感染を防ぐために、カウンターにビニールカーテンを設置しました。
  2. 密集・密接を回避するため、閲覧席を減らし、パーティションを設置しました。
  3. 図書館入り口に消毒液を設置しました。
  4. 館内は換気し、記載台等の消毒を1日3回行いました。
  5. 行列する際に密にならないよう看板を設置し、床には並ぶ位置を表示しました。
  6. LINEコロナお知らせシステムに登録し、感染防止対策取組書を掲出しました。

総合コメント

令和3年度は、金沢図書館が子供の読書活動の実践において優れた成果をあげたことで、文部科学大臣表彰を受賞しました。今までの取り組みが評価された年でもありました。また、新型コロナウイルス感染症拡大防止に柔軟に対応しながら、図書館運営に取り組んできました。感染予防を徹底し、色々なイベントや企画展示を実施することができました。特に、企画展示では、他局や関係団体と連携し、常に展示が行われており、多くの情報提供ができたと思います。また、おはなし会(おひざにだっこおはなし会)は、コロナ禍であっても中止することなく、3密にならないよう工夫し継続実施することができました。
今年度の取り組みをさらに今後の図書館運営につなげていきたいと思います。

このページへのお問合せ

教育委員会事務局中央図書館企画運営課

電話:045-262-7334

電話:045-262-7334

ファクス:045-262-0052

メールアドレス:ky-libkocho-k@city.yokohama.jp

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