ここから本文です。

令和3年度 神奈川図書館の目標振り返り

令和3年度、神奈川図書館は、以下の目標について特に重点的に取り組みました。この目標は「横浜市立図書館運営実行プラン」、各区の「読書活動推進目標」に基づいて策定しています。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、一部予定していた取組の変更・中止などがありましたが、新しい生活様式を取り入れつつ、柔軟に取り組みました。

最終更新日 2022年5月27日

1 誰もが利用しやすい図書館

図書館のイメージアップと利用促進のための企画・イベント等実施

取組

これまで図書館にお越しいただけなかった方にも興味をお持ちいただけるように次の事業を実施します。

  1. 市立図書館と同じく100周年を迎える交通局と連携して講演会やパネル展を開催します。(10月)
  2. 神奈川区民文化センター「かなっくホール」と共催で「ガムランと影絵」公演(12月)、「テアトル図書館」(1月)を実施します

成果と課題

  1. 交通局と連携して、かつて神奈川区内を走っていた横浜市電のパネル展「路面電車が走った時代 神奈川区いま・むかし(その1)」(10月12日から11月1日まで)、「路面電車が走った時代 神奈川区いま・むかし(その2)」(3月8日から31日まで)を開催しました。また、横浜市電保存館館長の武藤隆夫氏を講師に迎えて、講演会「神奈川を走った市電の歴史」を開催しました。(3月26日)
     パネル展は多くの来館者にご覧いただき、講演会も満員の盛況でした。併せて展示した関連図書の貸出にもつながりました。
     市立図書館100周年記念として、「100ページ目のことばたち」の企画展示を行いました。16種類(16冊分)のポスターを展示し、「ことばのカード」を配布するという初めての切り口の企画でしたが、約150枚のカードを配布することができ、当該図書の貸出につながるなど大きな反響がありました。(9月14日から10月10日まで)
     また、「誕生10周年目!横浜DeNAベイスターズ×開業100周年!横浜市立図書館」のパネル展を開催し、選手が選んだおすすめ本に関心が集まり、貸出にもつながりました。(2月22日から3月6日まで)
  2. 神奈川区民文化センター「かなっくホール」と共催で「インドネシアの影絵と音楽せいやのおはなし」を開催しました。講師である影絵・絵本作家でガムラン奏者の川村亘平斎氏による影絵の実演とインドネシア・バリ島の文化に関するスライド上映が行われました。影絵の実演では、舞台裏での人形操作の見学や実演終了後の人形操作体験で大いに盛り上がり、スライド上映も好評で、展示した関連図書の多くが借りられました。(12月25日)
      「テアトル図書館へようこそ!みんなのまちの図書館が寄席に変身!」では、落語家の桂宮治氏を講師に迎え、落語の仕組みや所作、小噺に関するレクチャーの後、落語の上演が行われました。レクチャーや落語に会場は大いに沸き、展示した落語に関する図書の多くが借りられました。(1月10日)
  3. 広報よこはま2月号神奈川区版で神奈川図書館の特集が掲載され、多くの区民に図書館を知っていただくことができました。

誰もが利用しやすい図書館サービスの充実

取組

  1. 書架整理ボランティアと連携して書架を整えるなど、使いやすい図書館づくりを進めます。(随時)
  2. 高齢者等がより身近な場所で読書が楽しめるよう福祉施設等へのグループ貸出の利用を進めます。

成果と課題

  1. 書架整理ボランティアは延べ125人に活動していただきました。
  2. 図書修理ボランティアは延べ386人が活動し、711冊の修理を行っていただきました。
     また、高齢者の読書活動推進に関しては、7月に神奈川区地域ケアプラザ所長会に出席し、当館の施設やグループ貸出の利用についてご案内しました。新型コロナウイルス感染症の影響もあって新規の利用には結びつきませんでしたが、来年度も福祉施設等への働きかけを続けていきます。

人材育成の推進

取組

  1. 「司書職人材育成計画」にしたがい、中央図書館等で開催する研修への参加やOJTを通じて、一人ひとりの経験に応じた能力の開発やスキルの向上に努めます。

成果と課題

  1. レファレンス事例を司書全員で共有し、スキルの向上に努めたほか、毎週の選定会議等を通じて選書スキルの向上や情報交換・情報共有に努めました。
     また、司書が「絵本とわらべうたの会」に補助講師として参加し、講座の運営や講師の知識・技術を間近で学びました。その成果を今後の事業の中で活かしていきます。

地域と連携した読書活動の推進

取組

  1. 図書館から離れた地域や図書館への来館が難しい方へのサービスとして、町内会や市民利用施設、読み聞かせ等の活動団体の要望に応じて、図書館司書が町内会館や地区センター等の施設に出向き、読み聞かせの講座やおすすめ本の紹介などを行う「出前としょかん」を実施します。(随時)
  2. 朗読ボランティアと連携して、図書館を会場に朗読会を開催します。

成果と課題

  1. 新型コロナウイルス感染症の影響で「出前としょかん」の依頼はありませんでした。
  2. 朗読ボランティアは、今年度、活動を停止しましたが、活動再開に向けて準備を進めています。

2 子どもの読書習慣の定着への支援

家庭での読書活動の推進

取組

  1. 図書館司書による「親子向けのおはなし会」や「一人で聞ける子向けのおはなし会」を毎月開催します。
  2. ボランティアによる「土曜日のおはなし会」を開催します。
  3. 子どもの読書習慣の定着に資するよう「はじめてであう物語」コーナーの図書の更新を進めます。(70冊)
  4. 夏休み前など、時期に合わせて子ども向けのおすすめ本の紹介を行います。

成果と課題

  1. 「親子向けおはなし会」「一人で聞ける子向けのおはなし会」を毎月各1回開催し、毎回ほぼ定員に達する盛況でした。併せて展示した図書の多くが借りられるなど、家庭での読書活動を支援することができました。(8月下旬から10月上旬までの会及び1月下旬から3月上旬までの会は、新型コロナウイルス感染症の急拡大で休会しました。)
  2. ボランティアによる「土曜日のおはなし会」は、今年度、開催しませんでしたが、再開に向けて準備を進めています。
  3. 「はじめてであうものがたり」コーナーを5月にリニューアルし、新たに214冊を受け入れるなど蔵書の充実に努めました。利用者が増加し、多くの貸出につながりました。
  4. 夏休み前に、小学校・中学校の学年別「おすすめ本」の紹介を行い、展示した多くの図書が借りられました。

学校教育への協力、学校図書館充実のための支援

取組

  1. 学校図書館の機能強化を支援するため、学校司書のスキル向上のための研修(6月)や学校を訪問しての環境整備相談(随時)を実施します。
  2. 学校での読書活動を支援するため、教職員向け貸出やセット貸出の利用を促進します。
  3. 司書教諭や学校司書などの教職員や学校ボランティアの方々への相談対応等を実施します。(随時)
  4. 小学生、中学生の図書館見学や職業体験を受け入れます。(随時)

成果と課題

  1. 学校司書のスキル向上のための研修会を開催し、25名が参加しました。2年ぶりの開催となりましたが、多くの質問が寄せられたほか、図書館司書と学校司書、学校司書同士の交流が進み、充実した研修会となりました。(6月)
    学校図書館の環境整備相談については、4校から相談を受け、学校を訪問し相談に応じ、情報交換等を行いました。また、「神奈川図書館の学校向けプログラム」を各校にご理解いただくために、9月の小学校長会、中学校長会で資料を配付しました。
    来年度も、様々な機会を捉えて学校向けプログラムの周知を行い、さらに連携を進めて行きます。
  2. 教員向け貸出は62件、セット貸出は1件の利用がありました。
  3. 司書教諭や学校司書から38件の相談を受け、学校のカリキュラムに必要な図書について情報提供しました。
  4. 職業体験は、高校2校3名が行いました。また、中学校1校で職業講話を行い、80名の生徒が参加しました。
    そのほか、小学校児童が授業で作成したレオ・レオニの本を紹介した作文の展示(9月14日から10月10日まで)や石井睦美作「わたしのおねえちゃん」の感想文の展示(12月25日から1月23日まで)を行いました。

ティーンズ世代の読書活動の促進

取組

  1. ティーンズコーナーの図書の更新と充実をはかります。(70冊)

成果と課題

  1. ティーンズコーナーの図書99冊を新たに受け入れるなど蔵書の充実に努めたほか、毎週新着図書コーナーの更新を行いました。また、夏休みには「特設新書コーナー」を設けてティーンズの読書活動を支援しました。

地域での読書活動への支援

取組

  1. 読み聞かせを行うボランティアや幼い子の保護者等に向けて、「読み聞かせに向く本」の展示を行います。(6月)
  2. 図書館から離れた地域や図書館への来館が難しい方へのサービスとして、町内会や市民利用施設、読み聞かせ等の活動団体の要望に応じて、図書館司書が町内会館や地区センター等の施設に出向き、読み聞かせの講座やおすすめ本の紹介などを行う「出前としょかん」を実施します。(再掲)
  3. 神奈川区役所と連携して、読書活動推進のための講演会を開催します。(9月)

成果と課題

  1. 「読み聞かせに向く本」150冊を展示し、多くの貸出につながりました。また学校司書研修の参加者にも紹介し、好評をいただきました。(6月)
  2. 新型コロナウイルス感染症の影響で、「出前としょかん」の依頼はありませんでした。(再掲)
  3. 筑波大学サイエンスコミュニケーター尾嶋好美氏を講師に迎えた神奈川区読書活動推進講演会「『「なぜ?』から始まる思考力の育て方」は、新型コロナウイルス感染症の影響で、録画配信に切り替えました。9月に収録を行い、編集作業を経て10月下旬から1月末まで配信しました。再生回数は478回で、募集定員150人を大きく上回る方にご覧いただきました。

3 蔵書とレファレンスの充実

地域の情報拠点としての蔵書の充実

取組

  1. 区民の学びや課題解決に応えられるよう蔵書の充実に努めます。特に情報科学関連の図書の充実を図ります。(40冊)
  2. 子どもの読書習慣の定着に資するよう「はじめてであう物語」コーナーの図書の更新を進めます。(70冊)(再掲)

成果と課題

  1. 「情報科学コーナー」を5月に新設しました。情報科学関連の図書を新たに46冊受け入れ、情報が古くなった図書を除籍することで、新鮮な情報を提供することができました。
  2. 「はじめてであうものがたりコーナー」を5月にリニューアルし、新たに214冊受け入れるなど蔵書の充実に努めました。利用者が増加し、多くの貸出につながりました。(再掲)

資料の管理・保存

取組

  1. 図書の選定・収集・除籍を適切に行うことで書架の鮮度を保ちます。

成果と課題

  1. 毎週開催する選定会議で図書の選定・収集・除籍を進め、書架の鮮度を保つよう努めています。特に情報科学関連については、新たに46冊受け入れ、情報の古くなった図書を除籍することで新鮮な情報を提供することができました。(再掲)

レファレンスの充実

取組

  1. 区民の学びや課題解決に資するよう、図書館データベースの活用などを通じてレファレンスサービスの充実に努めます。

成果と課題

  1. レファレンス件数は、所蔵調査5,230件、事項調査1,890件で合計7,120件でした。
    郷土に関する事例などについて、司書全員で共有したほか、データベース、特に判例・法令検索データベース「WestLaw japan」の利用が多いことから、各データベースの検索や印刷方法について司書全員で共有するなど、スキルの向上に努めました。

資料の活用と情報発信

取組

  1. 神奈川区役所はじめ行政や民間企業等と連携して、図書館の図書等を活用したテーマ展示を行います。また、毎月の「市民読書の日」に合わせて図書館司書のおすすめ本の展示を行います。
  2. 郷土に関する歴史資料や写真資料を収集します。写真資料についてはホームページの「神奈川デジタルライブラリー(かなデジ)」で公開します。
  3. 神奈川区史に関する講演会を開催します。(11月)

成果と課題

  1. 次のとおり、テーマ展示を行い、併せて、関連図書の展示を行いました。多くの来館者にご覧いただき、関連図書の貸出につながりました。また、事業のチラシや啓発用グッズの配布にも協力できました。
    ・環境創造局と連携した「二十四節気パネル展」(6月9日から16日まで)、「生き物調査パネル展」(8月3日から13日まで)
    ・神奈川消防署と連携した「住宅用火災報知器交換キャンペーン」(6月2日から20日まで)、「熱中症予防」(7月1日から30日まで)、「住宅火災・防災」(9月1日から20日まで)、「秋の火災予防運動」(11月9日から15日まで)、「春の火災予防運動」(2月28日から3月14日まで)の各テーマ展示
    ・横浜市信用保証協会と連携した「事業承継」(11月2日から14日まで)、「創業」(11月16日から30日まで)をテーマとしたパネル展
    ・神奈川区地域振興課資源化推進担当と連携した温暖化防止対策をテーマとした「環境パネル展」(2月14日から25日)
     また、毎月23日の市民読書の日に合わせて、神奈川図書館司書の「おすすめ本」の展示を行いました。タウンニュース神奈川区版にも同内容を掲載し、本の魅力を広くお伝えし、多くの貸出につながりました。
  2. 個人所有の横浜市電等の写真約60点をかなデジ資料としてご提供いただきました。公開に向けて作業を進めています。
     また、資料の活用と情報発信の一環として、9月に東海道神奈川宿名物「亀の甲せんべい」に関する資料集『資料でたどる亀の甲せんべい』、『若菜屋調査資料集』を刊行しました。この資料について、12月にタウンニュースに、1月に神奈川新聞に関連記事が掲載され、かつての神奈川銘菓を多くの区民に知っていただくことができました。
  3. 神奈川区史に関する講演会は、新型コロナウイルス感染症急拡大の状況を考慮し中止しました。

4 神奈川図書館の独自目標

取組

  1. 図書館から離れた地域や図書館への来館が難しい方へのサービスとして、町内会や市民利用施設、読み聞かせ等の活動団体の要望に応じて、図書館司書が町内会館や地区センター等の施設に出向き、読み聞かせの講座やおすすめ本の紹介などを行う「出前としょかん」を実施します。(再掲)
  2. 市内で4番目に多い区内の外国人住民にも図書館をご利用いただけるよう、所蔵する外国語図書のご案内を作成し、区内施設や支援団体等に配布します。

成果と課題

  1. 新型コロナウイルス感染症の影響で、「出前としょかん」の依頼はありませんでした。
  2. 横浜市立図書館で所有する外国語図書の案内チラシを作成し、3月の神奈川区読書活動関係機関連絡会で配付しました。引き続き、内容の充実を図るとともに関係機関等に配付します。

総合コメント

 横浜市立図書館開業100周年にあたる令和3年度は、情報の発信や書架のリニューアルなどを通じて、神奈川図書館を少しでも新鮮に感じていただけるよう努めました。
 新たに「情報科学コーナー」を設置したほか、「はじめてであうものがたりコーナー」や「ティーンズコーナー」をリニューアルし、これらのコーナーを中心に蔵書の更新を行い、多くのお客様にご利用いただきました。
 また、市立図書館100周年記念パネル展をはじめ、ほぼ通年でテーマ展示を行い、お客様に新鮮で楽しい情報をお届けできたと思います。広報よこはま2月号神奈川区版で図書館を特集していただいたことも図書館を知っていただく上で有効でした。
 令和3年度も新型コロナウイルスの感染が続く中での運営となりました。「読み聞かせ」や「朗読」のボランティアは活動を停止し、感染が急拡大した時期には、図書館主催のおはなし会などのイベントも中止せざるを得なくなりましたが、一方で、読書活動推進講演会を録画配信に切り替えるなど新たな試みも行い、当初募集した定員よりも多くの方に視聴していただけたなどの効果もありました。
来年度は、こうした経験も活かしながら、引き続き、着実に事業を進めていきます。

このページへのお問合せ

教育委員会事務局中央図書館企画運営課

電話:045-262-7334

電話:045-262-7334

ファクス:045-262-0052

メールアドレス:ky-libkocho-k@city.yokohama.jp

前のページに戻る

ページID:492-348-748

  • LINE
  • Twitter
  • Facebook
  • Instagram
  • YouTube
  • SmartNews