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令和2年度 港南図書館の目標振り返り

この目標の〔取組〕は令和2年度当初に策定したものです。 新型コロナウイルス感染症の影響により、予定していた取組の変更・中止などがありましたが、新しい生活様式を取り入れつつ、柔軟に取り組みました。各取組の〔成果と課題〕を振り返り、巻末の「総合コメント」で全体を総括しています。

最終更新日 2021年6月8日

1 誰もが利用しやすい図書館

図書館のイメージアップと利用促進のための企画・イベント等実施

取組

  1. 季節や時宜に応じた大人向け、ティーンズ向け、児童向けの3つのテーマ展示を毎月実施するとともに、ホームページを適宜更新するなど積極的に情報発信を行います。
  2. これからの未来を担う子どもたちの図書館利用の促進を目指し、年齢に応じた本の紹介により読書の楽しさを伝えるため、テーマに沿って複数の本を紹介するブックトークの会を開催し、夏休みに読みたい本と出会ってもらえるようにします。(7月)
  3. 区民の関心の高いテーマで、どなたでも参加できる講座を実施します。(9月)

成果と課題

  1. 6月から大人向け、ティーンズ向け、児童向けに毎月のテーマ展示を再開し、併せてホームページも随時更新しました。また、12月にブラインドブックフェアを実施しました。中身がわからないようにラッピングした本を利用者に選んでもらい、貸出するもので、好評でした。さらに港南区役所各課と連携し、認知症関連、自殺予防対策、児童虐待防止対策、防災関連の資料の展示と併せてチラシやパンフレットの配布を行いました。関連図書の展示に加え、パネルやパンフレット等当該部署ならではの資料提供により内容が充実し、多くの方に関心を持っていただけました。今後は、毎月のテーマ展示の更新を継続し、ホームページで紹介するとともに、幅広く利用者の関心のあるテーマで展示を行います。
  2. 夏休みにブックトークの会を実施し、子どもの読書活動を推進しました。(8月)
  3. かなっくホール(株式会社横浜メディアアド)との共催で「テアトル図書館へようこそ!」を実施しました。子どもから大人まで35人の参加がありました。(1月)今後も、様々な企画を通して利用を促し、新たな利用者層の開拓を図ります。

人材育成の推進

取組

  1. 横浜市の司書職の人材育成の基本方針である『司書職人材育成計画』に基づき、司書職員一人ひとりの経験に応じ、OJTの実施や庁内・外部研修への参加を促進することで、能力とスキルの向上を図ります。特に利用者のニーズを的確に捉え、対応できるレファレンス能力の底上げを目指します。
  2. 図書館で働く事務職員、会計年度任用職員に対し、OJTを中心とした人材育成を進めます。

成果と課題

  1. 司書職員一人ひとりの知識・経験に応じ、実務に即したOJTを実施し、スキルアップを図りました。
  2. 館内所属の全職員に対し、個人情報取扱いや市民対応に関する研修を実施しました。

地域と連携した読書活動の推進

取組

  1. 読み聞かせボランティアグループによるおはなし会を図書館で定期的に開催し、紹介された図書を貸出用に複数用意し、利用の促進につなげます。(月5回程度)
  2. ボランティアグループの交流や、読み聞かせボランティア育成を目的とした研修会を開催し、担い手の育成と資質の向上を図ることで、地域での読書活動を推進します。(2月)
  3. 読書活動団体、ボランティア、学校関係者、区役所等による懇談会を開催し、情報共有と協力関係を深めます。(12月)

成果と課題

  1. 4つのボランティアグループがおはなし会を再開し、定期的なおはなし会を延べ65回開催しました。
  2. 学校や地域で活動する読み聞かせボランティアと、これから活動をしたいと考えている方を対象とした、絵本の読み聞かせ講座を2月に開催しました。参加者同士の情報交換も行い、交流と育成に資する講座となりました。今後は、活動場所についての適切な情報提供等の課題を踏まえ、開催する必要があります。また、小学校ボランティアからの依頼を受け、読み聞かせについての研修会を行いました。(3月)
  3. 幅広い情報共有等を目的に、図書館懇談会を12月に開催しました。規約の改正を行ったほか、新たにコミュニティハウス関係者にも参加いただき、コロナ禍での活動について様々な意見交換を行いました。頂いた意見を参考に、今後の図書館運営を工夫してまいります。

2 子どもの読書習慣の定着への支援

家庭での読書活動の推進

取組

  1. 区内保育所等に司書を派遣してわらべうたや読み聞かせの楽しさ、読書の大切さをより理解してもらうための育児講座等を開催します。(年2回程度)
  2. 区役所と連携し、福祉保健センターの4か月健診で、おはなし会を行い、わらべうたや絵本を紹介します。(新規・月2回)
  3. 乳幼児とその保護者を対象とした、親子でたのしむおはなし会を定期的に開催します。(月1回)また、幼児から小学生までを対象としたおはなし会を季節ごとに開催し、読書の楽しさを伝える機会を作ります。(年3回)

成果と課題

  1. 区内保育所での育児講座は中止となりました。
  2. 4か月健診の開催方法が新型コロナウイルス感染防止を配慮した臨時体制となっているため、その体制に合わせた紹介の仕方を検討しました。今後の4か月健診の実施状況に合わせて、その方法を区役所と調整していきます。
  3. 親子でたのしむおはなし会は7月から再開し、月1回の頻度で開催しました。夏休みに予定していた「ひつじのショーンのおはなし会」は中止になりましたが、8月に小学生を対象としたブックトークの会、12月に冬休み特別おはなし会、3月に春休み特別おはなし会を開催しました。参加者数は昨年度と比較し微増し、一定数のリピート参加者もおり定着が図れています。今後も継続して参加者が増加するよう実施方法や広報等を工夫します。

学校教育への協力、学校図書館充実のための支援

取組

  1. 小中学校の教職員向け貸出の要望に積極的に対応します。(貸出冊数2,000冊/年間)
  2. 年間を通じ、小学生の図書館見学や中学生の職業体験の受入れ、夏休みには中高生のインターンシップの受入れを実施し、図書館への理解を深める機会を作ります。
  3. 学校司書に対し、読み聞かせや調べ学習に対するアドバイスなど、日常的に支援します。

成果と課題

  1. 教職員向け貸出は、76件1,242冊の貸出がありました。
  2. 職業体験や夏休みのインターンシップは学校側からの連絡により中止となりました。体験に代わるものとして、図書館への理解を深めてもらうための資料を提供するなど、引き続き検討してまいります。
  3. 学校司書からのレファレンスは27件、学校図書館環境整備相談が5件ありました。学校図書館での新型コロナウイルス感染症予防の取り組みについても相談を受け、アドバイスを行いました。今後も学校及び学校図書館の活動を積極的に支援します。

ティーンズ世代の読書活動の促進

取組

  1. 従来から特設コーナーとしているティーンズコーナーの資料の充実を図ります。(購入冊数100冊/年間)また、資料の紹介など定期的にホームページを更新し、情報発信を強化します。
  2. 中学生の職業体験の受入れ、夏休みには中高生のインターンシップの受入れを実施し、図書館への理解を深める機会を作ります。(再掲)

成果と課題

  1. ティーンズ向けに102冊購入しました。今後は、季節に合ったテーマ展示の設定や手に取ってもらいやすくするための表示の工夫等を行い、利用促進につなげます。
  2. 今年度は職業体験・インターンシップ共に中止となりましたが、8月に中高生向けの「図書館でボランティア」を実施しました。感染防止のためカウンター業務の体験に代え、本のPOP作りやレファレンス体験などを行いました。参加者に好評だったため、今後の体験プログラムの参考にします。また、参加者を増やすためツイッターの活用など中高生世代への広報を工夫し、ボランティアへの参加により図書館への興味関心を広げ、利用促進につなげます。

地域での読書活動への支援

取組

  1. 令和2年3月に改定した港南区読書活動推進目標に基づき、区役所と共催で、親子でたのしむわらべうたの会を実施します。(計3回)
  2. 港南区の歴史を研究している団体と共催で、夏休みに子ども向けの郷土史講座を開催し、地域への関心を深める機会を創出します。(新規・8月)
  3. 地域子育て支援拠点等の子どもに関わる施設と、情報交換や情報提供を通じて連携を深めます。(新規)

成果と課題

  1. 親子でたのしむわらべうたの会は、例年よりも参加人数を削減し、3回連続講座を実施しました。(2月から3月)今後も家庭でのわらべうたを楽しむ機運が醸成できるよう実施の工夫を図ります。
  2. 「紙芝居とふるさと港南の歴史かるたで学ぶ港南のむかし」を開催し、子どもたちが自分たちの住んでいる地域への関心を深める機会としました。(8月)今後は参加者を増やすために、ツイッターの活用など広報を工夫します。
  3. 地域子育て支援拠点等の子どもに関わる施設と、情報交換や情報提供を通じて連携を深めました。また、地域の子育て連絡会等からの依頼を受け、わらべうたや読み聞かせについての講話を行いました。(10、11、3月)

3 蔵書とレファレンスの充実

地域の情報拠点としての蔵書の充実

取組

  1. 高齢者等の関心が高い、暮らし、健康や医療情報など区民の健康づくりにも役立つ資料の充実を図ります。(購入冊数150冊/年間)
  2. 専門的な事典類や地図の買替えを進め、情報の更新、課題解決への支援を行います。(購入冊数45冊/年間)
  3. 乳幼児向けや読み聞かせに向く、長く読み継がれてきた児童書の購入をすすめます。(購入冊数90冊/年間)

成果と課題

  1. 医療情報や健康関連資料を91冊購入しました。また高齢者向けの趣味、実用書を68冊、大きな活字の資料を25冊購入し、利用に供しました。
  2. 『世界地名大事典』の新版を9冊買い替え、住宅地図、道路地図の情報の更新に27冊、その他各分野の事典類の購入を12冊行い、参考図書コーナーの情報を更新しました。
  3. 今年度は100冊購入しました。また、臨時休館中に「初めて出会う絵本コーナー」の拡充を行い、コーナーに置く絵本の買い替えを進めました。今後も引き続き、地域の情報拠点としての蔵書の充実を図ります。

資料の管理・保存

取組

  1. 区民が所有する港南区内の写真等の地域情報の収集を継続するとともに、活用に向けた資料整理を行います。
  2. 傷んだ図書の修理作業に協力いただくボランティアの方に対し、定期的に図書館で行う修理作業の際、修理についてのアドバイスを適宜行うなど、活動を円滑に進められるよう支援します。(月2回)

成果と課題

  1. 港南区の郷土史家や交通局の協力の下、所蔵の少ない港南台、港南中央、下永谷地区の郷土写真の収集を進めました。
  2. 8月から修理ボランティアの活動を開始しました。修理についてのアドバイスや物品の補充など活動への支援を行い、ボランティアの方々に、傷んだ図書の修理にご協力をいただきました。(計14回、160冊)

レファレンスの充実

取組

  1. 利用者のニーズに的確に対応するレファレンス力の底上げを図るため、司書職員の研修の参加を促進するとともに、調べものに必要な事典類を充実させ、利用者の満足度を高めます。(購入冊数45冊/年間)

成果と課題

  1. 日々のレファレンス経験を積み重ね、館内で情報共有を図るとともに、レファレンスや選書等、司書職員の実務能力を高める研修に加え、わらべうた、SDGs、生涯学習等幅広いテーマの研修に延べ20回参加し、レファレンス力の向上を図りました。また、調べものに必要な辞典類を47冊購入しました。今後も、利用者の求める情報を適切に提供できるよう、レファレンス力の向上を図るとともに必要な資料を充実させていきます。

資料の活用と情報発信

取組

  1. 図書館が所有する港南地域の写真等の郷土資料を活用し、区役所と共催で、区役所を会場とした写真パネル展を開催することで、区民への情報発信を強化します。(11月)

成果と課題

  1. 11月に区役所と共催で行った『港南いまむかし写真パネル展』では、図書館が所有する港南地域の写真を活用したほか、港南区の郷土史家や交通局、横浜市史資料室所蔵の写真の提供を受け、貴重な郷土写真資料を広く区民に紹介することができました。

4 港南図書館の独自目標

取組

第二次港南区読書活動推進目標の初年度として、「ひろめる」を重点的に行います。

  1. 港南区読書推進講演会を区役所と連携して行い、区民の読書活動の推進を図ります。(11月)
  2. 区役所と連携し、「港南区読書マップ」が掲載された港南区読書活動推進目標のリーフレットを図書館や関係機関、イベント等で配布することで、区民に読書活動拠点の周知を図り、読書への関心を高めます。(配布数4,000部)
  3. 「読み聞かせボランティア講座」を開催し、子どもの読書を支える人材の育成・支援を行います。(2月・再掲)
  4. 港南区の歴史の研究を行っている地域の団体に協力し、「港南歴史講座」を開催し、地域への関心を高めます。(年4回程度)
  5. 港南図書館は昭和61年竣工、令和2年に築年数34年となり、施設・設備の老朽化が進み、長寿命化への対策が急務です。施設の安全確認のため定期点検を確実に行うとともに、不具合がある場合は担当部署への相談等により、図書館を利用する市民の方々が安心安全に利用できるよう努めます。

成果と課題

  1. 動物画家・薮内正幸氏に関する講演会を港南区役所で開催しました。通常よりも参加人数を削減しましたが、子どもから大人まで幅広い年代の方の参加があり、読書への関心を深める機会となりました。(11月)今後は感染症拡大下でも開催できるよう、オンライン配信等も検討します。
  2. 区役所や港南図書館のほか、関係機関で読書活動推進目標のリーフレットを配布しました。(4,000部)また、読んだ本のタイトルや感想などを記録できる「読書ノート」を新規に作成し、港南図書館ほか、関係機関で配布しました。(2,200部)さらに、高齢者向けの紙芝居を紹介するリストを作成し、港南区民生活委員児童委員協議会や港南区社会福祉協議会、高齢者福祉施設等へ配布しました。(3月)今後も引き続きホームページや広報誌への掲載、イベント等での配布により、区民に読書活動拠点の周知を図り、読書への関心を高めていきます。
  3. 学校や地域で活動する読み聞かせボランティアと、これから活動をしたいと考えている方を対象とした、絵本の読み聞かせ講座を開催しました。(2月・再掲)参加者同士の情報交換も行い、交流と育成に資する講座となりました。今後は、活動場所についての適切な情報提供などの課題を踏まえて実施する必要があります。
  4. 6、9月に予定していた港南歴史講座は中止となりましたが、11、2月は『親子で読むふるさと港南の歴史』を題材とし、応募人数を縮小したうえで開催しました。今後も引き続きホームページやツイッター等を活用して広報し、幅広く参加者を募るとともに、司書による郷土資料の紹介を行うなど、より郷土史に関心を高める機会となるよう、工夫します。
  5. 7月に施設管理者点検を行うとともに、必要に応じて随時関係部署や事業者と調整を行い、不具合の生じた箇所に迅速に対応しました。また、トイレの改修など、利用者の利便性向上のための環境改善を行いました。今後も引き続き、施設設備の老朽化への対策を講じます。

5 施設等の感染症対策

  1. 飛沫感染を防ぐために、カウンターにビニールカーテンを設置し、足元に間隔を空けた目印をつけました。
  2. 密接を回避するため、閲覧席を減らしパーテーションを設置しました。
  3. 図書館入り口や利用者検索機近辺、その他館内に数か所消毒液を設置しました。
  4. 感染症への注意喚起を1日2回館内放送で行いました。
  5. 2階会議室の換気確保のため、窓に網戸を設置しました。
  6. 神奈川県のLINEコロナお知らせシステムに登録し、感染防止対策取組書を掲出しました。
  7. 8月からイベント再開に当たり、参加者にマスクの着用、手指の消毒、検温への協力および「連絡希望票 兼 情報提供同意書」の記入をお願いしています。合わせて、会場内の換気とソーシャルディスタンスを配慮するなどの対応を取って実施しています。
    また、港南図書館のホームページ上に「港南図書館イベントご参加の際のお願い」として、イベント参加に当たっての注意事項を掲載しました。

総合コメント

令和2年度の港南図書館は、利用者の方々に満足度の高いサービスを提供できるよう、新型コロナウイルス感染症拡大防止策を臨機に対応しながら、企画展示やおはなし会など、様々な取組を進めました。区役所等他部署と連携した企画展示や文化芸術団体との共催による新たなイベントの実施等により、幅広く利用促進を図ることができました。
また、図書館主催のおはなし会やボランティアグループによるおはなし会、市民団体との協力による講座等は、状況を考慮しながら段階的に再開しました。参加された方々の満足度は高く、さらに図書館への期待もうかがえました。
一方、コロナ禍の影響により、地域での活動支援が制限されました。今後は、引き続き適切に感染症防止策を講じながら、区内学校、子育て関連施設・団体への支援や区役所4か月健診でのおはなし会の実施に向けて調整を図ります。
区役所との連携による読書活動推進の取組では、港南区読書活動推進目標リーフレットの配布、読書ノートの新規作成配付、講演会やパネル展の実施により、推進目標に掲げる「ひろめる」活動を進めました。さらに、親子で楽しむわらべうた講座の実施により、目標「はぐくむ」活動推進にも努めました。今後はさらに、区全体での読書活動推進を目指し、読書関連施設・団体間の情報共有や連携が進むよう、目標の「つなぐ」活動に取り組んでいきます。
令和3年度は市立図書館100周年、併せて港南図書館開館35周年の節目を迎えます。イベントや展示を通してこれまでの図書館の歩みを振り返り、市民の皆様に感謝を伝えるとともに、引き続き資料の充実、職員のスキルアップを図り、地域の情報拠点として、より一層満足度の高いサービスを提供できるよう努めてまいります。

このページへのお問合せ

教育委員会事務局中央図書館企画運営課

電話:045-262-7334

電話:045-262-7334

ファクス:045-262-0052

メールアドレス:ky-libkocho-k@city.yokohama.jp

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