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令和2年度 中央図書館の目標振り返り

この目標の〔取組〕は令和2年度当初に策定したものです。新型コロナウイルス感染症の影響により、予定していた取組の変更・中止などがありましたが、新しい生活様式を取り入れつつ、柔軟に取り組みました。各取組の〔成果と課題〕を振り返り、巻末の「総合コメント」で全体を総括しています。

最終更新日 2021年6月15日

1 誰もが利用しやすい図書館

図書館のイメージアップと利用促進のための企画・イベント等実施

取組

  1. 令和3年度に横浜市立図書館は開業100周年を迎えます。これを契機として、これまでの図書館の活動やこれからのサービスを広く周知し、利用促進につなげるため、実施するイベントや広報の方法などについて検討します。
  2. 横浜シティガイド協会と協働し、図書館の所蔵資料を活用しながらガイドツアーを行う歴史散歩「い・にし・え散歩」を実施することで、建造物などを実際に巡り、史跡が数多く残る西区の魅力を市民に伝えます。
  3. 雑誌スポンサー事業を広く周知するため、図書館ウェブサイトで公募や実施状況等の情報を随時発信します。また、広告チラシを図書館で配布するほか、区役所、行政サービスコーナー等の施設にも配布を依頼します。さらに、本市商業組合等へ本事業の情報提供を行い、併せて中央図書館周辺の事業者の皆様に広告チラシを配布します。

成果と課題

  1. 横浜市立図書館のロゴマークを決定しました。市民投票を実施し、広く100周年を周知するとともに、横浜市立図書館のロゴマークを決定しました。同じく100周年を迎える交通局など、連携機関と協力した取組を進めています。また、社会情勢に応じて非来館でも楽しめるコンテンツを掲載するため、特設サイトを開設しました。感染症の影響が見えない中、来館だけに拠らないイベントやサービス実施について引き続き検討していく必要があります。広報面では、広報よこはま西区版(令和2年10月号、令和3年4月号)の2号で、市立図書館100周年を記念した記事を作成しました。また、YOUテレビ(ケーブルテレビ局)の番組「横浜ミストリー」での図書館を特集した「幻の図書館」(28分)の制作協力、季刊横濱での特集記事作成協力等、100周年の機運醸成を図りました。
  2. 令和3年3月13日(土)に「横浜とオリンピック」というテーマで「い・にし・え散歩」を実施する予定でしたが、緊急事態宣言のため、横浜シティガイド協会と慎重に検討した結果、中止しました。
  3. 図書館ウェブサイトで情報発信を行うとともに、図書館内に広報ポスターを掲出、チラシ配布を行うなど事業の周知を図りました。また、令和3年度に向けスポンサーの募集を開始し、本市共創事業として引き続き事業者への広報を行いました。

誰もが利用しやすい図書館サービスの充実

取組

  1. 活字の図書や雑誌をそのままの方式では利用が困難な方へ、録音図書や、音声とともに文字や画像が表示されるマルチメディアデイジー等の資料を提供します。また、録音図書製作を継続していくため、図書音訳者のスキルアップを支援する講座を実施します。
  2. 知的障害者等にわかりやすい利用案内を関係機関に配付し、利用を促進します。
  3. 地域の状況を考えながら、図書取次サービス拠点や移動図書館の充実を検討します。

成果と課題

  1. 子どもの本のマルチメディアデイジーを導入し、点字つき絵本なども含めて、障害にかかわらず、すべての子どもたちが利用しやすい本を集めた「りんごの棚」を設置しました。また、新型コロナウイルス感染症予防の観点から集合研修という形はとれなかったものの、録音図書の製作の継続に必要な技術的支援や相談を個別に実施し、音訳者の更なる技術向上を支援しました。
  2. 知的障害者等にわかりやすい利用案内「やさしく読める利用案内」を作成、各館へのデータ配付、ホームページへの掲載を行いました。
  3. 移動図書館については、令和3年度に新たに車両1台を製作し、令和4年度から2台で運行することとしました。図書取次サービスについては、令和3年度中の港北区北部での新規図書取次サービス拠点開設に向けて、港北区との調整を進めています。

広域相互利用の拡大

取組

  1. 横浜市と隣接する7市のうち、広域相互利用協定未締結の逗子市・町田市と、実施に向けた調整を続けます。
  2. すでに広域相互利用を実施している川崎市・鎌倉市・藤沢市・大和市・横須賀市との連携を進めます。

成果と課題

  1. 町田市は令和2年10月に協定締結、11月からサービスを開始しました。逗子市は令和3年3月に協定締結、4月1日からサービスを開始します。これにより隣接7市すべてと広域相互利用を開始できました。
  2. すでに広域相互利用を実施している5市を含め、横浜市と近隣7市で合同研修会を令和3年2月に実施しました。合同研修や情報交換など、引き続き連携を進めます。

人材育成の推進

取組

  1. 「司書職人材育成計画」に基づいて研修を実施し、職員の能力・知識の向上に努めます。

成果と課題

  1. 接遇の向上を目的として、実際の事例からよりよい利用者対応を考えるための研修資料を作成し、各職場でのOJTに活用しました。また、乳幼児の読書活動推進に向け、保護者や読書ボランティア向けの講座で講師を務められる司書を養成するため、わらべうたや乳幼児向け絵本について学ぶ研修を実施しました。

地域と連携した読書活動の推進

取組

  1. 団体貸出とグループ貸出について、より利用しやすくするため、市立図書館全館で課題を共有し、改善に向けた検討を行います。
  2. 乳幼児健診等でのおはなし会の担い手を増やすための講座を、地域図書館を会場に2回実施します。これに向けて、外部講師との調整や広報等を行います。
  3. 図書修理や読み聞かせなどの、読書に関わるボランティアの知識・技能の向上や、担い手の拡大に向けた読書活動の啓発のための講座を開催します。
  4. 図書館ボランティアグループとの懇談会を年に2回実施し、円滑なボランティア活動を支援します。
  5. 西区内の読書施設の周知、利用促進のため、各施設を巡るスタンプラリーを開催します(12月ごろを予定)。
  6. 西区内の大学・専門学校と連携して、講師の専門性を活かした講座「にしくらぶ」を開催します(10月ごろを予定)。

成果と課題

  1. 全館の会議で団体貸出の現状を共有しました。また、団体貸出担当者連絡会を2回開催し、制度変更に向けた方向性とスケジュールを確認しました。新型コロナウイルス感染症の緊急雇用対策事業の一環として、団体貸出資料のデータ化作業を進めました。
  2. 地域の施設等で活動する乳幼児向けおはなし会の担い手を育成する講座として「わらべうたと絵本の会ボランティア講座」(令和2年度から5年度まで予定)を2会場(各3回)で実施しました。実施に先立って、外部講師・メンバーで綿密な打ち合わせを行い、内容の構成、配付物、シナリオ、手持ちQ&A等を作成しました。今後、全市的に乳幼児向けボランティア講座が開催できるようにします。
  3. 図書修理及び読み聞かせ等のボランティア向け講座は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、今年度の開催を見送りました。一方、西区地域振興課と連携し、おはなし会や読み聞かせ活動に携わる落合美知子氏を講師に、読み聞かせとわらべうたに関する講座を動画配信し、3月から西区の公式Youtubeチャンネルで公開しています。
  4. 図書館ボランティアグループの懇談会は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、今年度の開催を見送りました。
  5. 新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、各施設を巡るスタンプラリーの開催は中止しました。それに代わり、西区地域振興課のホームページ上で読書に関するアンケートを1月18日から2月15日まで実施しました。
  6. 講座「にしくらぶ」は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、今年度は動画配信により実施しました。。竹田葉留美氏(八洲学園大学准教授)を講師に、記憶とメンタルヘルスについて語る講座を12月から西区の公式Youtubeチャンネルで公開しています。

これからの図書館についての検討

取組

  1. 図書館サービスを質量ともに充実させるための運営手法の把握とともに、令和5年度に予定している図書館情報システムの更新に向けて、方向性や新たな技術の導入について検討します。

成果と課題

  1. 図書館情報システムを開発・販売している事業者に対し、製品・サービス情報等にかかる情報提供依頼(RFI:Request for Information)を令和2年8月と令和3年1月に実施しました。図書館サービスに関連する最新技術・近年の動向を収集しました。
  2. 次期システムの調達仕様の作成に向け、図書館内でプロジェクトを立ち上げました。図書館情報システムを開発・販売している事業者によるパッケージソフトウェアの機能紹介を受け、複数開発業者の標準仕様について情報共有しました。
  3. 横浜市民の読書活動の推進に関する条例」施行後の平成26年度から平成30年度までの5年間の取組実績を分析しました。貸出冊数、入館者数は微減の傾向が続いていますが、自主企画事業数が13%、レファレンス数が7%増加しました。引き続き分析を進め、図書館サービスの充実に取り組みます。

2 子どもの読書習慣の定着への支援

子どもの読書習慣の定着への支援

取組

  1. 子どもの読書をささえるため、乳幼児期からティーンズ世代に向けた幅広い蔵書を3,000冊収集します。
  2. 障害のある子や外国籍等の子どもに対して、バリアフリーの形態の資料や外国語の本を100冊受入ます。

成果と課題

  1. 児童書(絵本・読み物・知識の本)、ティーンズコーナーの資料を3,511冊収集しました。今後も子どもの読書活動を推進するため、蔵書を充実させていきます。
  2. 児童向け大活字本等バリアフリーの形態の資料を31冊、外国語の本を121冊受入れました。

家庭での読書活動の推進

取組

  1. 子どもたちに、図書館をより身近に感じてもらい、読書に親しむきっかけの場を提供するため、ボランティアとの協働のおはなし会を月5回から6回、職員によるおはなし会を月3回、開催します。
  2. 西区役所の4か月児健診で、西区区民利用施設協会及び西区子ども家庭支援課との協働で保護者に向けて絵本やわらべうたの紹介を通年で実施します。保護者が読み聞かせやわらべうたに対して親しみを持ち、子どもへ本の楽しみを伝えられるよう働きかけます。
  3. 読み聞かせから、一人読みへの移行を支援するブックリストを作成します。作成にあたっては、後に述べる児童サービス担当者連絡会とも連携して行います。

成果と課題

  1. 読み聞かせボランティアとの協働のおはなし会は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、今年度は休会としました。職員によるおはなし会は、より広い会議室へ会場を変更、ビニールカーテンを設置し、参加人数を減らすなど感染防止対策に留意しながら、8月から月1回実施で再開、3月からは月2回実施しました。令和3年度の読み聞かせボランティアの活動については、活動内容も含め、慎重に検討を続けていきます。
  2. 西区役所の4か月児健診での保護者への絵本やわらべうたの紹介は、福祉保健センターの意向により今年度は中止しました。
  3. 10月にブックリスト作成プロジェクトメンバーを決定し、年度内にブックリスト「はじめてであうものがたり」の原稿を作成します。また、年度内に6回「児童サービス情報交換会」を開催しました。

学校教育への協力、学校図書館充実のための支援

取組

  1. 学校司書のスキルの向上を支援することで学校図書館の機能強化につなげるため、小中学校企画課の主催する学校司書研修へ司書を講師派遣します。
  2. 学習指導要領に準じた、テーマに応じた本をまとめて貸し出す「セット貸出」の提供及び内容の更新を行います。新規テーマの購入、既存テーマの追加購入、内容の差し替えを行います。
  3. 外国籍・外国につながる児童生徒の読書への支援を行います。外国籍の児童生徒が多く在籍する地域の小中学校に対し、外国語で書かれた児童書をセットで貸出するため、資料選定、受入及び提供に向けての準備を行います。
  4. 教職員に向けて、おすすめの新刊やテーマ別の本の紹介など本に関する情報の提供を月に1回程度行います。
  5. 図書館見学・調べ学習や職業体験・職業インタビュー等の受入を行います。
  6. 教職員や学校ボランティアに対する本や学校図書館の環境整備に関する相談業務、図書の修理などの講座を10回程度開催します。

成果と課題

  1. 学校司書研修は、新型コロナウイルス感染予防のため、集合型の研修が行われませんでした。来年度の研修に向けて、小中学校企画課と調整します。
  2. セット貸出の内容を全面的に見直し、現124セット4,220冊から166セット6,420冊に拡充しました。来年度からの運用に向けて、学校へのPRを図ります。
  3. 小中学校11校、中学校4校を対象に順次中国語図書の貸出を行いました。さらに、日本語支援拠点施設「ひまわり」に中国語図書を200冊貸出ました。また、小中学校の児童生徒向けの中国語図書を約2,200冊、スペイン語を約120冊、ポルトガル語を約50冊、タガログ語を約200冊、ベトナム語を約50冊購入し、中国語の本の対訳となる日本語図書や他言語併記の本、日本語学習用の本などを充実しました。
  4. 毎月1回程度、おすすめの新刊や各図書館で作成したテーマ別リストなどの情報提供をしました。
  5. 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、図書館見学や職業体験の依頼は減少しましたが、依頼のあった学校に対応しました。
  6. 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、講座は開催できませんでしたが、学校図書館に訪問しての環境整備や教職員向け貸出の際のレファレンスなどに対応しました。

ティーンズ世代の読書活動の促進

取組

  1. ティーンズサービスの見直しのため、現在の状況を調査し、課題を洗い出します。
  2. ティーンズコーナーの蔵書の書庫入れや廃棄を行うとともに、新刊のほか基本書も含め350冊を収集し、棚を刷新します。
  3. ティーンズ世代に向けた効果的な自主企画事業を検討します。
  4. 全館でティーンズサービスを考える仕組みを検討します。

成果と課題

  1. 全館アンケート及び中央図書館内の各担当課(サービス課・調査資料課・企画運営課)で、開始当時のサービス内容と現状の検討を行いました。そして、横浜市立図書館として組織的・継続的にティーンズサービスを検討・推進するため、令和3年度に向けた各課・各館担当者の設置を依頼しました。
  2. ティーンズコーナーの古い本の書庫入れ・廃棄を積極的に行い、書架表示の刷新、雑誌架の移動、文庫コーナーの拡大、新書コーナーの新設、表紙を見せて展示できるような棚の配置などコーナー全体をリニューアルしました。新刊のほか、既刊からも足りない分野の本にも目を配り積極的に収集しました。ティーンズ世代向けの蔵書を701冊収集しました。
  3. 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、事業は実施できませんでしたが、令和3年度の実施に向けて検討します。
  4. 中央図書館3課で今度の方針について検討をしました。令和3年度から各館にティーンズサービス担当者を置き、全館で情報交換できる場を設定します。

地域での読書活動への支援

取組

  1. ボランティアや地域文庫の活動を支援するため、グループ貸出で1,600冊、団体貸出で12,000冊の図書を貸し出します。
  2. 学童保育の指導員が子どもを読書に導く担い手となるように、司書が講師となり読み聞かせについての基礎的な講座を実施します。
  3. 西区内で読書活動に関わるボランティアの交流や情報交換のため、「西区読書ボランティア交流会」を開催します(3月ごろを予定)。

成果と課題

  1. 令和2年3月から中止していたグループ貸出および団体貸出のサービスを6月から再開し、グループ貸出は581冊、団体貸出は6,204冊の貸出がありました。
  2. 読み聞かせの基礎的な講座については、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、開催を見送りました。来年度についても、開催時期や開催方法などを慎重に検討していきます。
  3. 「西区読書ボランティア交流会」は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、今年度は中止しました。

児童サービス担当者連絡会の設置

取組

  1. 「児童サービス担当者連絡会」を設置し、各館から児童サービス担当者を選出します。
  2. 一人読みへの移行を支援するブックリストの作成ほか、各館からの意見要望を聴取しながら全館で共有すべき議題を確認します。(再掲)

成果と課題

  1. 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、新たな会議の設置を延期し、令和3年度から開催します。
  2. 図書館開業100周年に合わせて「はじめてであうものがたり」を発行できるよう、プロジェクトを開催し、原稿を作成しました。令和3年6月に発行予定です。

3 蔵書とレファレンスの充実

地域の情報拠点としての蔵書の充実

取組

  1. 医療・健康情報、法情報、ビジネス支援など、市民の課題解決・学習支援のための資料を5,000冊収集します。
  2. 多様なニーズに応える蔵書を構築するため、学術研究レベルの専門性の高い資料を2,000冊収集します。
  3. 年間資料収集計画に基づき、進捗状況を確認しながら資料収集を行います。
  4. 寄贈について、館内掲示やホームページ、Twitterを活用し、積極的に広報を行います。
  5. ふるさと納税を活用して、子どもの読書活動のための資料を200冊収集します。
  6. 複数の電子書籍サービスの比較や、他都市の導入状況などの情報収集を行います。

成果と課題

  1. 法律、ビジネス、統計、医学など調べもの用に常置している参考図書を5,105冊収集しました。来館された市民の利用に供したほか、電話、窓口などでの調べものにも活用しました。
  2. 学術研究レベルの専門性の高い資料を1,850冊収集しました。当初の想定より価格の高い資料を購入したため、冊数としては目標に届きませんでしたが、これまで買うことのできなかった高額な専門書を補充することができました。
  3. 収集計画の進捗状況について、10月、2月に振り返りを行いました。今年度の取組の成果や課題を踏まえて、次年度も計画的な収集を行っていきます。
  4. 図書館ホームページのトップページに「図書館への寄贈・寄附」というメニューを作成し、利用者が目的とするページを閲覧しやすいよう整理しました。児童書の新本寄贈についてTwitterで1件発信を行いました。
  5. ふるさと納税を活用し、大型絵本・紙芝居を140冊、おすすめの絵本を62冊購入しました。
  6. 他都市の状況について調査を行い、コロナ禍での図書館サービス向上のため横浜市立図書館電子書籍サービスを3月に開始しました。

資料の管理・保存

取組

  1. 資料保存方針策定に向け、書庫で保存する資料の保存年限等について検討を行い、除籍等の作業を進めます。

成果と課題

  1. 書庫内の書架移動や、除籍等の作業を進めました。

レファレンスの充実

取組

  1. 図書館で作成する広報物を活用し、レファレンスサービスの周知・PRを進めます。またTwitterで毎月レファレンス事例の紹介を行います。
  2. 地域図書館向けのレファレンス研修の実施や、各図書館のレファレンスサービス担当者との情報共有を行い、レファレンスに対応する体制の整備を支援します。
  3. 市民の調べものや相談に役立つブックリスト、調べ方案内等を作成・改訂し、図書館ホームページでの公開やリーフレット配布により市民に情報を提供します。
  4. 市民が求める情報探しを支援し、レファレンス(資料相談)を充実させるため、蓄積したレファレンス事例を分かりやすく編集し、市立図書館蔵書検索ページ及び国立国会図書館のレファレンス協同データベースで公開します。
  5. 新たなオンラインデータベースサービスを導入するとともに、サービス提供のための職員研修を実施し、利用者が資料や情報にアクセスしやすい環境を整備していきます。
  6. 市役所各部署の業務を支援することにより、市民サービスの充実等につなげるため、市役所各部署に対する行政課題解決・企画立案に資する情報及び資料を提供します。

成果と課題

  1. Twitterでのレファレンス事例の情報発信を24回実施しました。次年度も継続してTwitterによる情報発信を行います。
  2. 地域図書館向けにレファレンス事例作成研修(3回)、レファレンス専門研修(地域資料・eラーニング)(通年)、レファレンスフォローアップ研修(1回)を実施しました。また各図書館のレファレンスサービスについて情報交換を実施しました。次年度も引き続き各種研修の実施、情報共有等を行います。
  3. 市民向けに、8種類の目録(海図など)と5種類の調べ方案内(教科書など)を改訂し、一部を図書館ホームページで公開しました。調べ方案内については、配布も行いました。また、ライブラリースクール(後述【資料の活用と情報発信】(3)参照)に関連したブックリスト3種類を新規作成し、ホームページで公開しました。今後も新規作成、改訂を行っていきます。
  4. レファレンス事例36件(主に横浜の郷土を調べる参考となるもの)について編集作業を行い、市立図書館ホームページと国立国会図書館レファレンス協同データベースにて公開しました。引き続き、事例公開を進め、利用者の調査研究活動の支援を促進します。
  5. 新たにオンラインデータベースJDreamⅢ(科学技術文献データベース)を導入しました。次年度も利用者が資料や情報にアクセスしやすい環境を整備するため、新たなオンラインデータベースサービスの導入及び利用促進のための周知・PRを行います。
  6. 市役所各部署を対象に、図書等の貸出、レファレンス(資料相談)への回答を積極的に行いました。また、職員研修用としてブックリスト11件を作成・配布し、図書館所蔵資料を活用した情報提供に努めました。市役所職員を対象とした「情報検索講座」について、感染症拡大防止のため開催を見合わせました。次年度以降、実施方法を検討していきます。

資料の活用と情報発信

取組

  1. Twitterを活用し、デジタルアーカイブ「都市横浜の記憶」資料の紹介や、市民の課題解決に役立つレファレンスなどの情報を3月までに40回以上発信します。
  2. 図書館資料を活用し、市政の広報、社会動向や利用者のニーズを反映した展示や他機関等と連携した展示を実施します。
  3. 技術・歴史・文学など学術分野での研究成果や、法律・経営・医療など暮らしや仕事の課題解決に役立つ知識を市民が学ぶことができる講座「ライブラリースクール」を、秋から冬にかけて実施します。
  4. 横浜に関する歴史的資料や行政資料を始め、地図、浮世絵などの画像資料、市内各地域の風景写真など、横浜関連資料がWeb上で誰でも閲覧することができるよう郷土資料のデジタル化を推進し、市立図書館ホームページ内にあるデジタルアーカイブ「都市横浜の記憶」で新規登録・公開を進め利用の拡充を図ります。
  5. デジタルアーカイブの機能向上に向けて、他自治体の事例などについて情報収集を行います。

成果と課題

  1. デジタルアーカイブ「都市横浜の記憶」資料の紹介について33回、レファレンス事例について24回、調べ方案内の紹介について3回、Twitterで発信しました。今後も市民の課題解決に役立つ情報を発信していきます。
  2. 図書館資料を活用した展示を47回実施しました。うち、市役所各部署と連携した展示は11回実施しました。この他に市役所他部署と連携した写真展を1回予定していましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため中止になりました。
  3. ライブラリースクール」について、最先端の研究成果等を学ぶ教養講座を3回、生活上の課題解決に役立つ知識を学ぶ実用講座を1回、計4回実施しました。うち3回は、ウェブ会議サービスを利用し、遠隔でも実施しました。各回でブックリストの作成や関連資料の展示を行いました。遠隔での講座は、感染症対策だけでなく、利便性の向上にもつながりましたが、講座に関連した図書館資料をその場で手に取れない、という課題が残りました。
  4. デジタルアーカイブ「都市横浜の記憶」に、横浜の劇場に関する貴重資料、横浜市立図書館が刊行した資料や横浜市が刊行した行政資料など新規に100点登録し公開しました。引き続き、資料の新規公開を進め利用の拡充を図ります。
  5. 他自治体の最新の事例について情報収集を行いました。また、既に公開している所蔵資料について目次情報の採録を行い、検索用語として追加し、検索性を向上させました。

4 中央図書館の独自目標

取組

  1. 新型コロナウイルス感染症の感染防止対策を横浜市立図書館全館で実施します。

成果と課題

  1. 神奈川県のLINEコロナお知らせシステムを導入しました(6月)。ポスター作成等を行うとともに、図書館ホームページ上に「横浜市立図書館の新型コロナウイルス感染症への対応について」というページを設け、利用者への周知を行いました。
  2. 緊急事態宣言発出により、4月11日から5月26日まで図書館を休館しました。緊急事態宣言解除後は感染防止対策を講じた上で、段階的にサービスを再開しました。
  3. 感染防止対策を踏まえた図書館運営について整理し、全館で共有・実施しました。

5 施設等の感染症対策

  1. 飛沫感染を防ぐために、カウンターにビニールカーテンを設置しました。
  2. 飛沫感染や密接を防ぐため、閲覧席にパーティションを設置したり、席数を減らして座席間の間隔を広げたりしました。
  3. 図書館入り口や館内各所に手指消毒液を設置しました。
  4. カウンターや記載台等の定期的な消毒作業を実施しました。
  5. カウンター、利用者用検索機、コピー機に、待機線を設置しました。
  6. 感染症への注意喚起を館内放送で行いました。
  7. 神奈川県のLINEコロナお知らせシステムに登録し、感染防止対策取組書を掲出しています。

総合コメント

・「誰もが利用しやすい図書館」として、成人の読書活動の推進と担い手の拡大や読書活動の拠点の強化と連携に取り組みました。令和3年6月に横浜市立図書館が開業100周年を迎えるにあたり、横浜市立図書館のロゴマークを決定しました。様々な媒体で図書館をアピールし、100周年の機運醸成を図りました。
・広域相互利用では、町田市・逗子市と協定を締結し、広域利用の拡大を図りました。近隣8市の合同研修会も実施し、情報交換など連携を進めました。
・地域の施設等で活動する乳幼児向けおはなし会の担い手を育成する講座として「わらべうたと絵本の会ボランティア講座」を2会場(各3回)で実施しました。全市的に乳幼児向けボランティア講座が開催できるようにします。さらに、西区地域振興課と連携し、おはなし会や読み聞かせ活動に携わる落合美知子氏を講師にお招きして、読み聞かせとわらべうたに関する動画を撮影・公開しました。
・「子どもの読書習慣定着の支援」として、子どもの発達段階に応じた読書活動の推進に取り組みました。ボランティアによるおはなし会は新型コロナウイルス感染症のため見合わせましたが、感染防止対策の上、職員によるおはなし会を実施しました。
・読み聞かせから一人読みへの移行を支援する子ども向けのブックリストを作成するプロジェクトを立ち上げ、原稿を作成しました。次年度に配布します。
・セット貸出を拡充したほか、ティーンズコーナーをリニューアルしました。
・「蔵書とレファレンスの充実」として調べもの用に常置している参考書等を購入したほか、学術研究レベルの専門性の高い資料を収集しました。電子書籍サービスを開始したことで、利用者の利便性を高めることができました。また、レファレンス(資料相談)に積極的に取り組み、事例を公開することにより市民の学習活動・課題解決の支援に結び付けています。
・令和2年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、臨時休館やサービス限定をした時期があり、例年にない対応を迫られる場面がありました。
・令和3年度は、開業100周年の節目の年を迎えます。年齢、国籍、障害の有無などに関わらず、より多くの市民の生活に寄り添い、役立つ存在となれるようなイベントを企画し、図書館の来館・利用を促進します。また、今後100年を見据え、身近で便利な図書館サービスの充実に向けて、第二次横浜市民読書活動推進計画(令和元年度策定)にうたわれた図書取次サービスや移動図書館等の拡充に取り組みます。

このページへのお問合せ

教育委員会事務局中央図書館企画運営課

電話:045-262-7334

電話:045-262-7334

ファクス:045-262-0052

メールアドレス:ky-libkocho-k@city.yokohama.jp

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