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【コラム】マンション外壁塗装の基礎知識:時期・費用・工事の進め方
マンションの外壁塗装は、建物の寿命を延ばし、資産価値を維持するために欠かせない重要なメンテナンスです。しかし、塗料の種類や費用相場、工事の流れについて詳しく把握している方は少ないかもしれません。本コラムでは、管理組合が外壁塗装を検討する際に押さえておくべき基礎知識と、工事を円滑に進めるためのポイントを解説します。
最終更新日 2026年10月5日
外壁塗装の費用相場と塗料の種類
国土交通省のガイドラインによれば、マンションの外壁塗装はおおむね12〜15年程度の周期で実施することが推奨されています。また、費用の相場は1戸あたり約12.9万〜21.6万円、延べ床面積1平方メートルあたり約865〜2,595円程度とされています。費用は「塗料・材料費」「足場仮設費」「職人の人件費」「諸経費」で構成され、大規模になるほど足場代の割合が大きくなります。
塗料には様々な種類があり、耐久性や価格が異なります。
シリコン塗料(耐用年数10〜15年):価格と耐久性のバランスが良く、現在マンションで最も主流の塗料です。大規模修繕のサイクルにも合致しています。
フッ素塗料(耐用年数15〜20年):高価ですが紫外線に強く、塗り替え周期を長くしたい場合に選ばれます。
無機塗料(耐用年数20年前後):最も高耐久ですが非常に高価であり、施工には高い技術が求められます。
他にも安価なアクリル塗料やウレタン塗料などがありますが、修繕サイクルとの整合性から、マンションではシリコン塗料が標準的に採用されるケースが多くなっています。
工事の流れと管理組合が注意すべきポイント
外壁塗装工事は、足場仮設・養生から始まり、高圧洗浄、下地補修、そして下塗り・中塗り・上塗りの塗装工程を経て完了します。工期は中小規模で1〜2ヶ月、大規模で2〜3ヶ月程度かかります。
居住者への配慮と周知徹底
工事中は足場の組立音や高圧洗浄の騒音、塗料の臭いが発生し、養生によって窓が開けられない・洗濯物が干せないといった制限が生じます。詳細な工事スケジュールを事前に共有し、居住者の理解と協力を得ることが不可欠です。
工事範囲の明確化と予備費の確保
見積りの段階で、バルコニーの内側や鉄部(手すり等)の塗装が含まれているかなど、工事範囲を細かく確認することが重要です。また、足場を組んで初めて発覚するコンクリートの欠損など、不測の追加補修が発生することもあるため、余裕を持った予備費を確保しておくことが推奨されます。
信頼できる業者の選定
同規模マンションでの施工実績や、建築施工管理技士などの有資格者の有無、保証内容(5〜10年程度)を確認します。複数の業者から見積もりを取り、価格だけでなく提案内容や見積書の明瞭さを比較して決定しましょう。
塗料選びと下地処理が仕上がりを決める
外壁塗装は「どの塗料を使うか」と「下地をどこまで丁寧に処理するか」で、その後の耐久性が大きく変わります。塗料は耐用年数と価格が比例する傾向にあり、シリコン塗料は12〜15年という大規模修繕の周期と耐用年数がほぼ一致するため、多くのマンションで標準的な選択肢となっています。次回の修繕時期をどこに設定したいのかという方針から逆算して塗料を選ぶと、判断がぶれにくくなります。
一方、どれほど高耐久の塗料を使っても、高圧洗浄やひび割れ補修といった下地処理が不十分であれば、数年で塗膜の剥がれや膨れが生じます。見積書を比較する際は総額だけでなく、下地補修の項目がどこまで具体的に記載されているか、施工実績が十分かという点にも目を向けましょう。
長期修繕計画に基づき、適切な時期に適切な工法で施工することが、結果として最もコスト効率の良い維持管理につながります。
本記事の監修者
遠藤 七保
株式会社スマート修繕 コンサルタント/第一コンサルティング統括部 第二営業部 部長
大手マンション管理会社にて大規模修繕工事の調査設計業務に従事。その後、修繕会社で施工管理部門の管理職を務め、さらに大規模修繕工事のコンサルティング会社で設計監理部門の責任者として多数のプロジェクトに携わる。豊富な実務経験を活かし、マンション修繕に関する専門的な視点から記事を監修。二級建築士、管理業務主任者。
参考URL:https://smart-shuzen.jp/(外部サイト)
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