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【コラム】マンション大規模修繕費用相場と修繕積立金不足時の対処法
最終更新日 2026年1月26日
マンション1戸あたりの修繕費用相場
国土交通省の「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」によれば、マンション1戸あたりの修繕費用はおよそ100〜130万円程度が一般的で、1回目は約110万円、2回目も同程度、3回目はやや減って約97万円という調査結果が出ています。
意外なことに3回目の修繕費用が1回目より低い傾向がありますが、これはマンションの築年代(当初の住戸面積や外装仕様の違いなど)の影響と考えられます。
見積もり費用が変わるポイント
大規模修繕工事の見積金額は、公開されている全国平均に近い数字だからといって妥当だとは限りません。実際の費用はマンションごとの様々な要因で大きく変動します。例えば、以下のようなポイントが修繕費用に影響する主な要素です。
戸あたりの床面積: 各住戸の面積が広いほど工事量が増え、費用も高くなる傾向があります。
建物の形状: 建物の平面形状が正方形に近いか細長いかで、同じ延べ面積でも工事効率が変わり費用に差が出ます。
工事範囲: 修繕対象が広いほど費用も増加します。劣化状況を見極めて優先順位を付け、範囲を絞ることでコストを抑えられます。
使用材料のグレード: 耐久性の高い材料を選ぶほど初期費用は高くなります(例:シリコン塗料よりフッ素塗料の方が高価)。
- マンションの規模(戸数): 大規模マンションほどスケールメリットで1戸あたり費用を抑えやすく、戸数の少ないマンションほど割高になりがちです。
修繕積立金で不足するときの対処法
大規模修繕は建物の安全と資産価値維持に不可欠ですが、修繕積立金だけでは工事費用を賄えない場合もあります。その場合に取れる4つの対処法があります。
工事時期を延期して積立金を増やす
緊急性が低い場合、修繕工事の実施を少し延期し、その間に積立金を追加で積み増す方法があります。ただし安全上の問題がある場合は延期できません。延期の可否は専門家による劣化診断結果などを参考に、慎重に判断する必要があります。国や自治体の補助金・助成金を活用する
条件を満たせば、国や地方自治体の補助金・助成金制度によって修繕費用の一部を補填できる場合があります。例えば耐震補強工事や省エネ改修、バリアフリー化工事などに対して支援制度が用意されています。横浜市でもマンションの耐震改修や共用部のバリアフリー化に対する補助制度があります。ただし多くの補助金は後払い方式(工事完了後の払い戻し)なので、管理組合として一時的に全額を用意できることが前提となります。一時金徴収や借入による資金調達
各戸から修繕積立一時金を徴収して不足分を補う方法です。毎月の積立とは別に臨時で集金するため、住民にとっては急な大きな出費となり合意形成が難しいケースもあります。代わりに、銀行などの金融機関から長期ローンを借り入れる選択もあります。マンション管理組合向けの融資制度を活用すれば、費用を長期分割で返済できます。ただし利息負担や審査がありますので、将来の資金計画も踏まえて無理のない返済計画を立てることが重要です。工事内容や見積もりを見直す
提示された工事内容と見積金額を精査して費用削減の余地を探る方法です。外部の専門家にセカンドオピニオンを依頼すれば、見積書に不要な工事項目や過剰な金額が含まれていないかチェックできます。また、劣化状況を踏まえて本当に必要な工事だけに絞り込めば、一度に実施する範囲を縮小しコストダウンできる可能性もあります。さらに、複数の施工業者から見積もりを取って比較すれば競争原理が働き、値下げが期待できます。
なお、費用を見直す際には管理組合主導で透明性のある体制を整えることが大切です。見積もりは最低でも3社以上から取り、談合や不正な上乗せがないか精査しましょう。
また、契約時には保証内容や施工後のアフターサービス、工事保険の有無など契約条件を専門家と十分確認し、工事中・工事後のリスクに備えておいてくださいね。
本記事の監修者
遠藤 七保
株式会社スマート修繕 コンサルタント/第一コンサルティング統括部 第二営業部 部長
大手マンション管理会社にて大規模修繕工事の調査設計業務に従事。その後、修繕会社で施工管理部門の管理職を務め、さらに大規模修繕工事のコンサルティング会社で設計監理部門の責任者として多数のプロジェクトに携わる。豊富な実務経験を活かし、マンション修繕に関する専門的な視点から記事を監修。二級建築士,管理業務主任者。
参考URL:https://smart-shuzen.jp/
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