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【コラム】マンションの水道管交換工事、いつどう進める?~費用・業者選びのポイント~
最終更新日 2026年2月2日
水道管の寿命と交換のタイミング
マンションの給排水管にはおおよその寿命があります。素材や管理状態にもよりますが、一般に築20年を過ぎると劣化症状が現れ始め、30~40年ほどで交換時期を迎えるケースが多いとされます。国土交通省のガイドラインでも、共用部の給水管・排水管は築20年前後で内面更生、30~40年で配管交換という目安が示されています。また、赤水や水漏れ、排水の詰まりや悪臭などのトラブルが起きたら、年数に関係なく配管更新を検討すべきサインです。
工事の進め方と注意点
水道管の交換工事はマンション全体に関わる大規模な工事です。以下のようなステップで進めるのが一般的です。
事前調査と計画立案: まず配管の劣化状況を専門業者に調査してもらい、交換の必要性や緊急度を把握します。その結果を踏まえ、工事範囲(共用部のみか各住戸内まで含めるか)や工法(老朽管を撤去して新品に交換するか、更生工事で延命するか)を検討し、概算費用やスケジュールを計画します。
組合での合意形成: 理事会や修繕委員会で方針案をまとめたら、区分所有者全員への説明会を開きましょう。工事の必要性や内容、費用負担について丁寧に説明し、総会の議決を経て正式に実施を決定します。重要なインフラ工事なので、組合員への情報共有と理解促進に努めることが大切です。
業者選定: 給排水設備工事の実績が豊富な信頼できる業者を選びます。1社だけでなく複数社から見積もりと提案を取り、価格だけでなく施工方法やアフターサービスまで比較検討します。管理会社やマンション管理士など第三者の助言を得るのも有効です。契約時には工事内容や金額、工期、保証内容を明文化し、双方で確認します。
工事施工と居住者対応: 工事中は各住戸で一時的に断水が発生するため、事前に日時を周知し、仮設の給水所を設けるなど生活への影響を最小限に抑えます。また、壁や床の開口やドリル作業に伴う騒音・振動も避けられないため、作業時間帯の厳守はもちろん、防音・養生や作業後の清掃を徹底します。理事会も定期的に進捗を確認し、問題があればその都度対処します。
- 完了検査と引き渡し: 工事完了時には、組合と業者で新しい配管に漏水や不具合がないか検査します。全ての蛇口から水を出し、水圧や水質をチェックしましょう。問題がなければ引き渡しとなり、完成図面や保証書類を受け取ります。新しい配管は内部にわずかな油分などが残っている場合もあるため、各戸で最初に水を十分流しておくと安心です。
気になる費用と資金計画
工事費用はマンションの規模や工事範囲、工法によって変わりますが、数百万円~数千万円と高額になります。戸数で割った1戸あたり費用は数十万~数百万円に達することもあり、修繕積立金だけで賄えない場合は一時金の徴収や金融機関からの借入れを検討する管理組合もあります。国などの融資制度を利用できるケースもあるので、早めに情報収集しておきましょう。
また、外壁塗装など他の大規模修繕と同時に行えば足場設置などのコストを抑えられる可能性もあります。いずれにせよ、長期修繕計画に水道管更新の費用を織り込んでおき、早めから資金準備を進めておくことが肝心です。
まとめ:将来を見据えた早めの対策を
水道管の更新工事は費用も手間もかかる大事業ですが、適切に実施することで建物の寿命を延ばし、住環境の安心・安全を守ることにつながります。横浜市でも今後、築40年超のマンションが増えていく見込みで、給排水管更新の必要性はますます高まるでしょう。管理組合のリーダーシップのもと計画的に準備を進めるとともに、必要に応じて建築・設備の専門家に相談してみてください。専門家のサポートを得ながら進めることで工事もスムーズに進行し、将来にわたって安心できるマンション生活が実現します。
本記事の監修者
遠藤 七保
株式会社スマート修繕 コンサルタント/第一コンサルティング統括部 第二営業部 部長
大手マンション管理会社にて大規模修繕工事の調査設計業務に従事。その後、修繕会社で施工管理部門の管理職を務め、さらに大規模修繕工事のコンサルティング会社で設計監理部門の責任者として多数のプロジェクトに携わる。豊富な実務経験を活かし、マンション修繕に関する専門的な視点から記事を監修。二級建築士,管理業務主任者。
参考URL:https://smart-shuzen.jp/(外部サイト)
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