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【コラム】マンション大規模修繕でよくあるトラブルと対策

最終更新日 2026年3月30日

修繕積立金不足によるトラブル

大規模修繕でしばしば問題となるのが修繕積立金の不足です。国土交通省のガイドラインでは、修繕積立金の目安を専有面積1㎡あたり月250〜330円程度としていますが、新築時にはそれより低く設定される場合が多く、積立金が不足しがちです。近年の資材・人件費の高騰もあり、当初の計画以上の費用が必要になる傾向があります。
総会の同意を得て毎月の積立金を増額したり、一時金を徴収して資金を補填する方法があります。また、工事内容を見直して優先度の低い工事を延期し、必要な工事に資金を集中するのも有効です。さらに、長期修繕計画を定期的に見直し将来の必要資金を精査して早めに手を打ちましょう。どうしても資金が不足する場合は金融機関からの借入も検討しますが、利息負担も踏まえて慎重に判断しましょう。

施工業者とのトラブルと対策

大規模修繕では、施工業者との間でトラブルが起こることがあります。代表的な例と対策を挙げます。

  • 工期の遅延: 天候不良や災害で作業が中断し、工期が延びてしまうケースは珍しくありません。対策: あらかじめ天候リスクを織り込んだ余裕ある工程を組み、予備日程を確保しましょう。

  • 追加費用の発生: 工事中に新たな不具合が見つかり、予定外の工事で費用が増える恐れがあります。対策: 事前の詳細調査と予備費の確保で備え、追加工事が生じたら速やかに業者と協議して見積もりや工程を調整し、全員に説明しましょう。

  • その他のリスク: まれに業者の倒産や悪質なコンサルタントによる中間マージン搾取などの問題もあります。リスク軽減には、契約前に業者の信頼性を十分調査し、契約書にトラブル時の対応策を明記しておくことが重要です。

修繕委員会と理事会の連携不足

修繕委員会と理事会の連携不足が原因でトラブルに発展することもあります。理事会が総会の承認なく委員会を設置したり、委員会が理事会や住民に報告せず独断で進めるケースも見られますが、そのような進め方では住民の不信や対立を招きかねません。
対策: 委員会と理事会の役割を明確にし、定期的に合同会議を開くなど常に情報共有を徹底します。委員会の決定事項は随時住民に報告して透明性を確保しましょう。掲示板や回覧板なども活用し、全員が状況を把握できるようにします。必要に応じて専門家に助言を求めることも有効です。

居住者への影響とクレーム対策

大規模修繕工事中は、マンションの居住者の生活にも影響があります。よくある居住者からのクレーム例として、以下のようなものが挙げられます。

  • 騒音・振動や粉じんで室内環境が悪化する

  • 足場や養生シートで日当たりや景観が悪くなる

  • ベランダが使えず洗濯物が干せない、プライバシーが気になる

  • 建物周囲の足場設置による防犯面の不安

こうした不満を放置すると居住者の協力が得られず、工事の支障となる可能性があります。
対策: 工事開始前に住民説明会を開き、工事の目的・内容や期間、生活への影響について説明しましょう。特に騒音や粉じんが発生する作業の日時は具体的に伝え、質疑応答で不安を解消しましょう。工事期間中も掲示板や回覧で進捗を周知し、苦情には迅速に対応します。

優良業者を選ぶポイント

大規模修繕を成功させるには、信頼できる業者選びが重要です。次のポイントを基準に業者を見極めましょう。

  • 実績と許可の確認: 建設業許可を取得し、豊富な実績がある業者を選びます。

  • アフターサービスと保証: 工事後の定期点検や不具合への対応保証がしっかりしているかを確認します。

  • 複数社からの見積もり: 複数の業者に相見積もりを依頼し、工事内容・使用材料・費用を比較しましょう。極端に安い見積もりには注意が必要です。

マンション大規模修繕のトラブル事例と対策を解説しましたが、準備不足では資金面や工事運営、住民対応など問題が生じる可能性があります。特に近年は資材価格や人件費の高騰で当初計画通りに進まないケースも増えています。早めの計画見直しや情報共有、住民の協力で多くのトラブルは防げます。皆で知恵を出し合い、信頼できる業者と準備を進めて大規模修繕を成功させましょう。

本記事の監修者

別所 毅謙
株式会社スマート修繕 執行役員/第一コンサルティング統括部 統括部長
マンションの修繕/管理コンサルタント歴≒20年、大規模修繕など多くの修繕工事に精通。管理運営方面にも精通しており、アドバイス実績豊富。 過去に関わった管理組合数は2千、世帯数は8万を超える。 メディア掲載「WBS(ワールドビジネスサテライト)」、「NIKKEI NEWS NEXT」、「首都圏情報ネタドリ!(NHK)」、「めざまし8」、「スーパーJチャンネル」。二級建築士。
参考URL:https://smart-shuzen.jp/(外部サイト)

このページへのお問合せ

建築局住宅部住宅再生課

電話:045-671-2954

電話:045-671-2954

ファクス:045-641-2756

メールアドレス:kc-jutakusaisei@city.yokohama.lg.jp

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