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【コラム】マンション理事会トラブルのよくある事例と対応策
マンションの理事会は管理組合の運営に欠かせない組織ですが、情報共有不足などからトラブルが生じることがあります。この記事では、理事会で起こりやすい典型的なトラブルのパターンと、その解決策・予防策を解説します。国土交通省のガイドラインや判例も踏まえ、理事長の権限や役員交代時の引き継ぎポイント、トラブルを未然に防ぐための工夫についても紹介します。
最終更新日 2026年3月16日
よくある理事会トラブルのパターン
理事長の独断専行や理事同士の対立は、理事会でよく起こるトラブルです。例えば理事長が重要事項をほぼ一人で進めて他の理事を蚊帳の外に置くと、理事間の対立が生じて理事会が分裂しかねません。
理事会内の情報共有不足も大きな問題です。議事録を作成せず住民に報告しないと「密室で決めているのでは」と住民に不信感を持たれ、後から「聞いていない」と紛糾する事態にもつながります。また、理事会が管理会社任せで報告を聞くだけでは、本来の機能が果たせず責任の所在も不明瞭になりかねません。
こうしたトラブルへの基本的な対処策としては、議事録の作成・共有徹底や決議ルールの明文化など情報共有と合意形成の改善が挙げられます。理事長の独断には「重要事項は必ず理事会決議」と規約で定め、理事間の対立には議長役の輪番制導入や意見交換の場づくりが有効です。また、情報断絶を防ぐため議事録を公開して重要事項を随時周知し、理事会が管理会社任せの場合は議題ごとに担当理事を決めて主体的に動くようにしましょう。
ガイドラインや判例に基づく対処のポイント
国交省の「マンション標準管理規約」でも理事長の独断は許されず、重要事項は理事会や総会の合議を経るとされています。また、2017年の最高裁判例では理事会が選任した理事長を理事会決議で解任できる場合が初めて示され、理事長の暴走に歯止めをかける抑止策となりました。
また自治体のガイドラインでも役員間の対立時には専門家への相談やADR(裁判外紛争解決)の活用が推奨されております。
役員交代時の引き継ぎと運営ルールの整備
役員の任期は1~2年程度で定期的に交代するため、引き継ぎが不十分だと新任役員は何をどう進めてよいか分からず理事会運営が滞ったり重要事項が抜け落ちたりする恐れがあります。円滑な引き継ぎと明文化されたルールによって、交代時の混乱やトラブルを最小限に抑えられます。
近年、標準管理規約の改正により居住していない区分所有者や外部の専門家も役員に選任できるよう資格要件が緩和され、人材確保策も整いつつあります。
役員交代時には、通帳・印鑑や契約書類など重要書類を漏れなく引き継ぎ、引き継ぎ事項をリスト化してマニュアル化しておくことが大切です。また、理事会の内規や役割分担など運営ルールを明文化して共有しておけば、交代後もスムーズに運営できます。理事長や議長役を輪番制にする工夫や、担い手不足に備えて外部の専門家を活用するなど検討しましょう。
トラブルを未然に防ぐための日頃の対策
日頃のルール点検と透明性向上: 定期的に規約類を見直して必要なルールを整備します。理事会の意思決定プロセスを可視化し、議事録公開や重要事項の周知徹底によって透明性を高めましょう。小さな不満も早期に対処することが大切です。
まとめ
マンション理事会のトラブルを放置すると管理組合全体の停滞や資産価値の低下につながりかねませんが、ルール整備と情報公開に努め、必要に応じて専門家の助言を得れば多くの問題は未然に防ぐか早期に解決できます。理事会役員は「自分たちのマンションを良くする」という共通の目的のもと対立より対話を優先し、公正な運営に努めましょう。そうした取り組みの積み重ねが組合内の信頼を高め、安心できるコミュニティにつながります。
本記事の監修者
遠藤 七保
株式会社スマート修繕 コンサルタント/第一コンサルティング統括部 第二営業部 部長
大手マンション管理会社にて大規模修繕工事の調査設計業務に従事。その後、修繕会社で施工管理部門の管理職を務め、さらに大規模修繕工事のコンサルティング会社で設計監理部門の責任者として多数のプロジェクトに携わる。豊富な実務経験を活かし、マンション修繕に関する専門的な視点から記事を監修。二級建築士,管理業務主任者。
参考URL:https://smart-shuzen.jp/(外部サイト)
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