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【コラム】マンション大規模修繕費用が払えないときの対処法
マンションの大規模修繕工事には数千万円から数億円もの費用がかかります。そのため修繕積立金だけでは足りず、不足分を各戸から臨時徴収(一時金)しなければならないケースも珍しくありません。高額な負担に直面して「払えない!」となれば不安になるのも当然でしょう。しかし、適切な対処法を知っていれば心配は軽減できます。本記事では支払いが困難な場合の対策を、管理組合と区分所有者それぞれの視点から解説します。
最終更新日 2026年6月29日
修繕積立金だけでは足りない場合とは
通常、マンションでは将来の大規模修繕に備えて毎月修繕積立金を積み立てます。しかし、さまざまな要因で積立金が不足し、直前になって各戸から一時金を徴収せざるを得なくなるケースがあります。新築時に積立金の設定額が低すぎたことや、想定外の高額修繕工事が重なったことなどが主な原因です。不足分を補うために1戸あたり数十万~100万円以上を追加徴収しなければならない場合もあります。
急な高額出費は家計に大きな痛手となり、特に年金暮らしの高齢世帯には厳しい負担です。住民間の合意形成も難しくなります。事実、国土交通省の調査では管理費や積立金を滞納しているマンションが全体の約4分の1にのぼるとの結果が出ています。修繕費不足や滞納は珍しいことではなく、どのマンションでも起こり得る問題です。
支払いが難しいとき管理組合ができる対応
大規模修繕の一時金や積立金を「払えない」組合員が出た場合、管理組合(理事会)はまず事情を聞き、柔軟な支払い方法を検討しましょう。総会の決議により、一括が難しい世帯には分割払い(数回に分けて支払う)等が可能です。
それでも滞納が続く場合、管理組合や管理会社は督促や法的手段に踏み切る必要があります。電話・文書で督促し、それでも支払われなければ、簡易裁判所で支払督促を申し立て、最終的には給与・預金の差し押さえや部屋の競売に至ることもあります。ここまでいくのは双方にとって不幸ですから、「払えないかも」と思ったら早めに相談し、滞納を長引かせないことが肝心です。
区分所有者が利用できる資金調達策
自分だけ一時金がどうしても払えない場合、個人で資金を調達する方法もあります。経済状況に応じて、次のような選択肢を検討しましょう。
リフォームローンを利用: 銀行のリフォームローンや住宅金融支援機構の融資を使って修繕費を借り入れ、長期の分割返済にする方法です。数百万円規模まで借りられるので、月々の負担を軽減できます。
リバースモーゲージ: 自宅を担保に資金を借りる高齢者向けローンです。利息のみ支払い、元金は亡くなった後に精算する仕組みで、マンション対応の商品もあります(利用条件あり)。
- 自治体の補助制度: 自治体によっては耐震改修やバリアフリー改修への補助金などが用意されています。相談して利用できる制度がないか調べてみましょう。
修繕費用自体を抑える工夫
修繕工事の費用そのものを減らすことができれば、一戸あたりの負担も軽くなります。管理組合として次のような工夫も検討しましょう。
発注方法の工夫: 管理会社任せにせず、複数の施工業者から見積もりを取り比較しましょう。第三者に仕様書を作成してもらい入札すれば、競争原理で費用が適正化しやすくなります。
工法・材料の見直し: 工事のやり方や材料選びを工夫してコストダウンを図りましょう。例えば足場を組まない無足場工法を活用できれば、足場設置費用を削減可能です。また、外壁塗装やシーリング材を高耐久な製品に変更し、次回修繕までの周期を延ばせば長期的なコスト削減につながります。
- 工事範囲や時期の再検討: 今回の工事計画を見直し、優先度の低い工事は次回に回すなどメリハリをつけましょう。築年数だけで決めず、専門家の劣化診断を受けて修繕時期を柔軟に見直すことも大切です(延期する場合は長期修繕計画の調整も忘れずに)。
まとめ
マンションの大規模修繕費用が払えないときに備えて、管理組合と区分所有者それぞれの対策を見てきました。支払い方法の工夫(分割払い)やローン・公的支援の活用、工事費用の見直しなどできることは多くあります。大切なのは早めの相談と計画的な対応です。「払えないかも」と感じたら一人で抱え込まず、理事会や管理会社に相談し、必要に応じて専門家にも力を借りましょう。マンションは大切な資産です。将来も快適に住み続けるために、できる対策から前向きに取り組んでいきましょう。
本記事の監修者
遠藤 七保
株式会社スマート修繕 コンサルタント/第一コンサルティング統括部 第二営業部 部長
大手マンション管理会社にて大規模修繕工事の調査設計業務に従事。その後、修繕会社で施工管理部門の管理職を務め、さらに大規模修繕工事のコンサルティング会社で設計監理部門の責任者として多数のプロジェクトに携わる。豊富な実務経験を活かし、マンション修繕に関する専門的な視点から記事を監修。二級建築士,管理業務主任者。
参考URL:https://smart-shuzen.jp/(外部サイト)
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