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脳血管障害・神経変性疾患の高次脳機能障害と病巣局在・障害ネットワークの検討
最終更新日 2022年9月30日
研究課題名
脳血管障害・神経変性疾患の高次脳機能障害と病巣局在・障害ネットワークの検討
研究の目的・方法
目的
脳血管障害や神経変性疾患に起因する、失語、失行、失認、記憶障害、半側空間無視、遂行機能障害などの高次脳機能障害は、日常生活に大きな影響を及ぼすため、発症早期からの診断および介入治療は患者様のQOL向上のため非常に重要です。一方で、これら高次脳機能障害の生じる機序や神経基盤については不明な点が多く、早期診断のための簡易なバイオマーカーの開発が期待されています。
こうした背景のもと、拡散テンソル画像や安静時functional MRIなどの脳画像解析を応用したdis-connectome解析が、新たな疾患バイオマーカーとして近年注目されています。この解析法は、脳をネットワークとして捉え、病巣により障害されたネットワークの局在や分布を検討することで、従来の病巣局在のみに注目した解析と比較して、鋭敏かつ精密に病態を捉えることが可能と考えられています。
そこで本研究では、脳血管障害を中心とした脳神経内科疾患を対象に、これら新規の脳画像解析を行うことで、各種高次脳機能障害と関連した脳内ネットワーク障害を評価し、障害の早期診断や病勢評価に応用可能な新たな疾患バイオマーカーの開発を行います。
方法
脳血管障害(脳梗塞,脳出血など)200例、パーキンソン病、脊髄小脳変性症、筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患患者100例と、年齢・性別・教育歴をマッチさせた健常ボランティア100例を対象に、各種神経心理検査とMRIによる脳画像撮像を行い、各疾患の認知機能障害の特徴を抽出し、それぞれと相関する脳領域および神経ネットワークを解明します(前向き観察研究)。
また、当院および共同研究機関に通院歴・入院歴のある脳血管障害300例を対象に、後方視的にMRI病巣や各種臨床指標を収集し、dis-connectome解析を用いた検討を行います(後ろ向き観察研究:既存の診療情報のみを使用)。
研究の対象
当院および共同研究機関を通院・入院中あるいは通院・入院歴があり、かつ研究同意が得られた脳血管障害・神経変性疾患症例、および研究に同意が得られた健常者を対象とします。
研究期間
許可日から2027年3月31日まで
研究に用いる試料・情報の種類
本研究にご同意いただいた方の検査結果、脳画像撮像データを使用します。また、既存の診療情報から、MRI病巣や各種臨床指標にかかる情報を収集します。
試料・情報の取得と保管
本研究に関する文書および記録(倫理委員会の記録、同意文書、症例報告書など)は、対応表及びその他の個人情報等を電子データで保管する場合は、院内LANやインターネットに接続されていない独立したコンピューター端末でパスワードをかけ保管し、紙で保管する場合は、ファイルに綴じて施錠できる書棚で厳重に管理し、本研究にかかわる研究者以外がアクセスできないよう保管を行います。また、少なくとも本研究の終了日から5年後又は本研究の結果の最終の公表について報告した日から3年後のいずれかの遅い日までの期間、厳重に管理します。
共同研究機関である横浜市立大学・横浜新都市脳神経外科病院へ提供する情報は、集積したデータにパスワードをかけて提出します。横浜市立大学・横浜新都市脳神経外科病院では、既存情報の授受に関する記録として、本研究計画書を保存し(提供を行う機関;情報を提供してから3年、提供を受ける機関;研究終了から5年)、各施設から匿名化されたデータをパスワード付きUSBにて集約します。提供したデータは共同機関内のオフラインPCにて保存されます。
また、保存期間が終了後廃棄する際は、電子媒体で保存している情報については保存しているコンピューター端末等から復元不可能な形で消去し、紙媒体で保管している情報はシュレッダーにて廃棄します。
研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスク及び利益
本研究は観察研究であり、重篤な有害事象は想定されません。
MRI検査については、当院の施設安全基準に則して検査を行いますが、万が一金属や電子機器等のMRIルームへの持ち込みを禁止されているものを携行した場合、MRIの磁気による影響で発熱し、身体に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、MRIの撮像時に発する騒音や、MRIスキャナーの閉所性が、精神的なストレスを与える可能性があります。これらのリスクを最小限にとどめるため、MRI注意事項について事前に説明し、実際にMRIルームに入る前に、持ち込みが禁止されている物を身につけていないか慎重に確認します。騒音については、必要に応じて耳栓やヘッドフォンの着用により、許容範囲内と感じられるまで軽減させます。また、検査室外からも対象者の状態を常時監視し、精神的な苦痛を和らげるために、頻繁に室内スピーカーを通して声かけを行います。
その他、心理検査による心理的・身体的疲労も想定されるため、必要があれば適宜休息を設けるなど必要に応じた配慮を行います。
お問い合わせ先
本研究に関するご質問・ご相談等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせください。
ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することができますので下記連絡先まで電話またはFAXでお申出ください。
また、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者様もしくは患者様の代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者様に不利益が生じることはありません。
研究責任者(研究への利用を拒否する場合の連絡先)
〒235-0012 神奈川県横浜市磯子区滝頭1-2-1
横浜市立脳卒中・神経脊椎センター 脳神経内科
研究員 東山 雄一
電話番号:045-753-2500(代表)
このページへのお問合せ
脳卒中・神経脊椎センター管理部総務課
電話:045-753-2500
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