ここから本文です。
特別講演 世界保健機関(WHO)マレーシア国事務所 JPO 田中豪人様 講演(令和3年2月11日(日本時間))
最終更新日 2021年3月26日
≪横浜市国際人材育成プロジェクト≫
≪特別講演≫
―WHO日本人職員による横浜市内の中高生向け講演会-
特別講演 世界保健機関(WHO)マレーシア国事務所 JPO 田中豪人様 講演(令和3年2月11日(日本時間))
●実施日時:
日本時間 令和3(2021)年2月11日(木(祝))14:00~16:20
(マレーシア時間 令和3(2021)年2月11日(木曜日)15:00~17:20)
●講演者:
世界保健機関(WHO)マレーシア国事務所 JPO 田中豪人様
※在マレーシア日本国大使館から推薦
※JPO派遣制度は,各国政府の費用負担を条件に国際機関が若手人材を受け入れる制度。日本国外務省は、本制度を通じて、35歳以下の若手の日本人に対し、原則2年間国際機関で勤務経験を積む機会を提供している。
講師:WHO 田中豪人様
2020年12月17日に新型コロナウイルス感染症対策定例会議にて(右から3人目が講師の田中様)
2020年1月10日に提携先大学にて(左から7番目が講師の田中様)
●実施方法:オンライン
●参加者:聖光学院中学校高等学校(横浜市中区) 中3~高2生 計13名
●担当教員:聖光学院中学校高等学校 沖田 耕一 教諭(社会科(地理学))
●特別ゲスト:外務省総合外交政策局国際機関人事センター 村林 弘文 室長
●司会進行(事務局):横浜市国際局国際政策部 渡邊 貴和 担当部長
●講演内容:
①グローバルヘルスとは。
②WHOの役割と責任
③COVID-19とパンデミックに対するWHOの対応
④WHOや国連で働くには。
オンライン講演会の様子① 画面右上(緑線)が田中様
オンライン講演会の様子②
オンライン講演会の様子③(上段右から2番目が講師の田中様(黄色の枠線内))(※緑下線は、聖光学院中学校高等学校沖田教諭)
講演会では、田中様から「COVID-19パンデミックに対するWHOの対応」をテーマとして、前半にご担当されている業務内容や専門分野について、後半にキャリアについてご講演いただきました。
まず、「グローバルヘルス」の概念や歴史に関して、グローバルヘルスとは、「achieving equity in health」を目標とする概念であり、最も不健康な状態にある人の健康状態を高めていかなければならないこと、また、現在のWHOの前身となる3組織の設立までの歴史や当時の課題などについてご説明いたただきました。
つづいて、世界保健機関(WHO)の役割と機能、トリプルビリオンターゲット(※「ユニバーサル・ヘルス・ カバレッジ(UHC)」「健康危機対応」「健康増進・福祉の向上」の3領域において、それぞれ今よりも10億人が良い状態になることを目指す取り組みで、30億人を目標に掲げている。)に関して解説いただいたほか、WHOの取組の具体的成果として、天然痘の撲滅のほか、「国際保健規則(IHR)」及び「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」の2条約の発効があること、エイズやエボラ出血熱等の感染症対策に係る課題等についてご紹介いただきました。
また、COVID-19に関しては、最近の流行状況や感染経路、「新型コロナウイルス感染症」と「通常の風邪」との相違、新型コロナウイルス感染症対策において、「感染の流行のピークを抑えること」及び「医療提供体制の整備」という2つの重要な視点があること、各国における経済への影響度等についてお話いただきました。
これらの業務内容に関するご講演に関し、参加生徒からは、「国際機関おける資金提供国(ドナー国)の影響力と中立性の確保に関する課題は何か?」、「天然痘根絶を達成できた背景は何か?」、「WHOにおけるコロナ対応業務の具体的内容は何か?」などの質問がありました。
後半は、キャリアについてご講演いただきました。国際機関や外国企業では、特定分野の専門性が高い人材を評価する傾向があるため、キャリアの中で「専門性を磨くこと」が非常に重要であること、それゆえに、分野を絞って知識や技術を深めていくことが肝要であることについてお話しいただくとともに、大学に進学しても、4年間はすぐ過ぎてしまうことから、「自分が興味を持てること、追求していきたいことを人生のなるべく早い段階で絞る方がよい」「まず行動して自分の興味関心を見出してみよう」など、参加生徒に対して貴重なご助言をしていただきました。
参加生徒からは、キャリアに関して「WHOに採用された当時の経験談について」「専門分野や大学で学んだことが、どのように仕事に生かされているか?」「なぜ勤務先としてWHOを選択したのか?」などの質問がありました。
今回の講演会には、聖光学院中学校高等学校の中学3年生から高校2年生まで、計13人の生徒が参加しました。
後日、参加生徒からは、「WHOの目標のひとつであるトリプルビリオンターゲットの話が印象に残った。」「国際機関では、知識が広く浅い人よりも、狭くても深く専門的な知識を持つ人が求められていることがわかった。」「自分の興味、関心を見つめなおしたい。」「受験生活一色になりがちななか、日常的なことから世界の大局的なことまで関心を失わず過ごして行きたいと思った。」
などの感想がありました。
このページへのお問合せ
ページID:709-913-537