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第四回第一部 国連開発計画(UNDP)対外関係・アドボカシー局(BERA), 政策・プログラム支援局 (BPPS), 金融セクターハブ (FSH)民間セクターパートナーシップアドバイザー 野田眞様 講演(令和3年5月15日(日本時間)
最終更新日 2021年6月3日
≪横浜市国際人材育成プロジェクト≫
―国際連合日本人職員による横浜市内の大学学生向け講演会-
第四回第一部 国連開発計画(UNDP)対外関係・アドボカシー局(BERA)/政策・プログラム支援局 (BPPS)/金融セクターハブ (FSH)民間セクターパートナーシップアドバイザー 野田眞様 講演(令和3年5月15日(日本時間)(概要))
●実施日時:
日本時間 令和3(2021)年5月15日(土曜日)09:00~11:10
(NY時間 令和3(2021)年5月14日(金曜日)20:00~22:10)
●講演者:
国連開発計画(UNDP) 対外関係・アドボカシー局(BERA)/政策・プログラム支援局 (BPPS)/金融セクターハブ (FSH) 民間セクターパートナーシップアドバイザー 野田眞様
講師の野田様
2019年7月 国連ハイレベル政治フォーラムにて(於:国連本部(NY))(左が野田様)
2019年10月 同僚とのネットワーキング(於:UNDP本部(NY))(左から2番目が野田様)
●実施方法:オンライン
●参加者:横浜市立大学国際総合科学部、国際教養学部の学生計25名
●担当教員:横浜市立大学 国際教養学部 吉田 栄一 教授
同 国際商学部 吉永 崇史 准教授
●講演内容:
①「UNDPの活動」
②「金融セクターハブ・民間セクターパートナーシップ」
③「パートナーシップ案件事例」
④「民間企業から見た国連、職場環境等」
オンライン講演会の様子① 画面左上(黄枠)が野田様
オンライン講演会の様子②
オンライン講演会の様子③
講演会では、野田様から「UNDPにおける民間セクターパートナーシップ」をテーマに、国連開発計画(UNDP)の活動内容や、現在担当されている「民間セクターパートナーシップ」関連業務についてお話しいただいた後、国連と民間企業とのカルチャーの違いやご自身のキャリア等についてお話しいただきました。
まず専門分野に関して、国連開発計画(UNDP)の活動内容について、「貧困の根絶」、「環境保全」、「女性のエンパワーメントとジェンダー平等の実現」といった特に力を入れられている6分野を中心にご紹介いただいた後、所属されている「金融セクターハブ(FSH)」の主な所掌事務として、SDGs達成のための民間資金割当て、及びSDGsに対する貢献度の数値化など民間投資促進に向けた活動等についてご説明いただきました。
続いて、ご担当業務である「民間セクターパートナーシップ」についてご説明いただきました。現在、民間セクターとのグローバルパートナーシップを推進しており、豊富で多様な人材、技術、資金力を持つ民間セクターとの関係で、①SDSs達成に欠かせない投資や寄附の増加が不可欠であり、そのために②SDGsに沿った形でのビジネス慣行を改善し、③途上国の開発と民間企業のビジネスの両立と環境に配慮したグリーン経済を促進することが重要であること、これらを実現するためには、UNDPと民間企業がwin-winの関係を構築していくための目標設定が必要であることなどについてお話しいただきました。
また、具体的なパートナーシップの事例として、新型コロナウイルス感染症から持続的かつ強靭な経済社会の回復を目指して、UNDPとUNGCが複数の世界的大企業と連携した「COVID-19 Private Sector Global Facility」に係る取組事例や日産自動車によるナミビアへの電気自動車(EV)の導入及び同国におけるEVを活用した電力網統合プロジェクトによる二酸化炭素削減事例、また、スマートフォンアプリを活用したSDGs施策に対する広告収入の寄附事例などをご紹介いただくとともに、民間企業との連携における課題等について説明いただきました。
専門分野に係る質疑応答では、参加学生から、「途上国とのパートナーシップ締結プロセス如何。」「インフラ未整備地域におけるデータ活用手法如何。」「UNDPと民間企業の共同プロジェクトに参加、展開する国または地域の選択理由及び今後の展開計画如何。」「女性向けのデジタルトレーニングの具体的態様、及び、ITと女性のエンパワーメントに係る課題如何。」
などの質問がありました。
また、講演の後半では、ご自身のキャリアに関し、日本の民間企業からの出向という形態でUNDPに勤務している観点から、民間企業から見た国連の特色などについてお話いただきました。意思決定プロセスや組織文化の違い、各国政府との関係、民間企業との更なる連携の必要性などについて説明していただいたほか、少数精鋭の組織で高いクオリティーが求められながらもフレンドリーな職場環境であること、またワークライフバランスが重視されており、オンオフがはっきりしていることなどの職場環境について民間企業と比較しながらご紹介いただきました。最後に、様々な国出身のメンバーでチームが構成され、異なる考えを持つ優秀な仲間とともに物事をやり遂げるのは達成感があり、仕事自体が社会貢献に資するものであること、また日々自分自身の能力向上を意識して仕事に取り組んでいることなど、非常にやりがいがある旨力強くお話しいただきました。
キャリアに関する質疑応答では、参加学生から「今のキャリアを歩まれることとなるきっかけや考え方如何。」「理系学部出身者が有する理系的な知識がキャリアに与える影響如何。」「国連(出向)応募時の面接における自己アピールの態様及び力点如何。」
などといった質問がありました。
今回の講演会には、横浜市立大学国際総合科学部及び国際教養学部から計25名の学生が参加しました。
後日、学生からは、
「途上国における女性のエンパワーメント支援に関し、特にITの能力向上に係る具体的事例の話が印象的だった。」、「国連と民間セクターによる共同事業の話が印象的であった。」
「講演を聞いて、改めて国際機関を就職の選択肢の一つとしての可能性や魅力を感じ、一層就職活動へのモチベーションが上がった。」、「大学院で学び、民間企業勤務など様々なことを経験した後に国際機関で働くことも可能性としてあることがわかり、将来国際機関で働くことが選択肢の一つとして見えるようになった。」、
「国連職員の皆さまは、国連職員になる前から様々な経験をしていることから、自分もボランティア活動など、コロナ禍でもできることを考えながら、多くのことに挑戦していきたいと思った。」
などの感想がありました。
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