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第19回横浜市都市美対策審議会景観審査部会議事録(平成25年6月21日開催)

最終更新日 2020年2月25日

第19回 横浜市都市美対策審議会景観審査部会議事録

概要
議題

1 横浜市景観計画等の変更について(みなとみらい21中央地区における景観計画及び都市景観協議地区等の変更について)(審議)

2 特定都市景観形成行為に関する協議事項及び協議の方針に関する意見について(関内地区都市景観協議地区 中区山下町70番7)(審議)
3 その他
日時平成25年6月21日(金曜日) 午前10時00分から午前12時00分まで
開催場所横浜みなとみらい21プレゼンテーションルーム(西区みなとみらい2丁目3番5号クイーンズスクエア横浜クイーンズモール3階)
出席者
(敬称略)

委員:卯月盛夫(部会長)、加藤仁美、金子修司、高橋晶子、中津秀之

専門委員:国吉直行
書記:綱河功(都市整備局都市デザイン室長)、
小池政則(都市整備局地域まちづくり部長)、塚田洋一(都市整備局景観調整課長)
関係者:飯島悦郎(一般社団法人横浜みなとみらい21企画調整部担当部長)
関係局区:梅澤厚也(西区区政推進課長)、西村友宏(中区区政推進課長代理 まちづくり調整担当係長)
関係局:天野友義(都市整備局みなとみらい21推進課長)、
黒田崇(都市整備局みなとみらい21推進課担当係長)
立石孝司(都市整備局都心再生課担当係長)
欠席者
(敬称略)

書記:青木治(都市整備局企画部長)

開催形態公開(傍聴者1名)
決定事項

議題1 みなとみらい21中央地区の景観計画及び都市景観協議地区等の変更について了承する。

議題2 協議事項及び協議の方針について了承する。
議事

1 横浜市景観計画等の変更について(みなとみらい21中央地区における景観計画及び都市景観協議地区等の変更について)(審議)

○塚田書記

議事1は前回に引き続きみなとみらい21中央地区の変更についての審議です。変更に当たっては横浜市魅力ある都市景観の創造に関する条例(景観条例)第6条第2項及び第15条の定めにより、本審議会の意見を聞くことになっています。法定手続としては審議会の本会で審議を行うこととなりますが、まず景観審査部会での審議、ご意見をいただきたいということが今回の趣旨です。前回の部会でいただいたご意見についてはお配りした議事録をご覧ください。では、みなとみらい21推進課から、先日いただいたご意見を含めて考え方をご説明します。

資料を用いて、市から変更案について説明した。また、関連する街づくり基本協定の基準等について、横浜みなとみらい21(YMM)から説明した。
○卯月部会長

ありがとうございました。前回たくさんの意見が出ましたので、それに対応して詳細な説明をいただきました。それでは資料1-1を中心に、1つずつ議論していきたいと思います。最初に「屋外広告物」について、ご意見・ご質問がありましたらご発言をお願いします。前回、高橋先生はご欠席でしたので発言をお願いします。前回は主に立看板と称するものについて議論になりました。

○高橋委員

賑わいの促進というところとリンクするのですか。

○卯月部会長

そうですね。

○高橋委員

項目としては「屋外広告物」だけ断続なのですか(独立して扱うのですか)。ルール規定の例としているものですか。

○黒田係長

ルールでは立看板は現在「屋外広告物」の欄に入っているので、そういう分け方になっているのですが、実際は「賑わい形成」という大きな仕組みの中で、立看板も認めていきながら、ほかの賑わい形成も図っていきたいと思っています。

○高橋委員

近景から見るものですか。要は、近くから見るときはやっぱり賑わってほしい、だけど遠景になると、むしろそういうものがうるさいとか、優先順位が変わってくる。説明されるときに、景観上どういうポイントであればどっちが優先されるからこういうことを考えた、というような誘導をしていただくとわかりやすいと思います。

○黒田係長

今回の変更の大きな考え方の核になるのは、「歩行者目線での賑わいの向上」という言い方をしているものです。例えば外壁の色彩も、高さ10m以下については賑わいを出し、逆に中・高層部については今までの「白い街」(という方針)を守るとしています。外壁の色彩や賑わい、看板の2平方メートルという規定も、低層部の賑わいを重視したいという観点に基づいています。歩行者目線から見た賑わいを出していきたいという考え方です。

○卯月部会長

質問ですが、資料1-2の2ページ目の下の四角、改正後の別表2のアにただし書きがあります。規則ではよくあるのかもしれないが、2平方メートル以内と言いながら、あえてまた「ただし、この限りではない」とあるのは、何か想定しているものがあるのですか。

○黒田係長

このただし書きは、先ほどの「賑わい形成」項目で、エリアマネジメント組織が実施するオープンカフェ等については、通常の広告物基準に替えてYMMのデザイン指針を順守するという構成にしています。このただし書きは、先ほどの「賑わい形成」の内容を入れたものです。

○卯月部会長

そうすると、一般の立看板の場合は2平方メートル以内だが、「賑わい形成」という大きな目的の中で行われる場合はもうちょっと大きいものもあり得る、そういう解釈でいいのですか。

○黒田係長

そうです。つまりYMMが申請者となって行うエリアマネジメント、オープンカフェ等も今後はYMMが各地権者をまとめて申請者となって申請するのですが、そういったきちんとマネジメントができているものについては、基本的な制限とはまた別のルールを適用するというように考えています。

○卯月部会長

賑わい形成事業というのはYMMがやる事業のことなのですか。一般の企業が申請して、これを賑わい形成事業として許可するという類のものではなく、YMMがやるものなのですか。

○黒田係長

実際には、例えばグランドセントラルや今度できるマークイズ等の事業者が各テナントと調整してオープンカフェをやることになった場合、YMMと相談して、その中でYMMの全体のデザインルールとか、YMMにお金を払う等の調整をし、きちんと調整した後にYMMが申請者になって、景観手続やグランモール公園(の占用許可)等の申請者になるのです。なので、実態としては各ビルがやるのですが、コントロールのもとでYMMが申請者になるという構成です。

○卯月部会長

その場合は、場所も平米数も設置数もこの限りではないということなのですね。

○黒田係長

そうです。デザイン指針の中で決めていきます。

○卯月部会長 わかりました。他にありますか。
○国吉専門委員

今の件ですが、「質の高いデザインと市長が認めた場合」というだけでは、今の内容は感じとれない。トップがいいと言えば何でもいいという感じにとれないこともないので、「地域的な協議会等で特に質が高いと認められた場合」等の表現のほうが、エリアマネジメントを進める上でも良いのではないかと思います。

○卯月部会長

確かにおっしゃるとおりですね。今の話の場合、YMMという組織が非常に重要なわけです。きちんとコントロールする。ですから、最終的には市長の判断かもしれないが、市長の判断だけではない。文章を工夫してもらいましょう。

○黒田係長

わかりました。調整して、そういった地域の意見も採り入れた上で認めるという構成にしたいと思います。

○卯月部会長

ありがとうございます。それでは「屋外広告物」の次、「賑わい形成」について何かご指摘はありますか。

○金子委員

ちょっと戻りますが、8ページのコーポレートカラーと企業名、この事例が実際何メートルぐらいの大きさかを教えていただきたいです。

○黒田係長

すみません、今はデータがなくてわかりません。

○卯月部会長

会議の終了まででいいです。わかる範囲でお願いします。
では「賑わい形成」について、中津さんご意見をお願いします。

○中津委員

今日のプレゼンは前回の議論を反映していただいて非常にいいと思いました。逆に本質的なことはどうなっているのか、何でこの変更が必要になったかとかが気になっています。「従来の風格ある質の高い都市景観を維持しつつ」という謳い文句が趣旨にあるが、これは一体どういう評価をもって「従来の」という言葉が出ているのか。それから今回の変更に至った経緯の説明で、いろいろな事業が進まないというご発言がありましたが、それによって変更することになったのであれば何か寂しいという気がします。そういう現状がきっかけになってもいいのですが、経済的に時代の波に乗っていないからというより、それがきっかけになったとしてももう少しコンセプトを変えたほうがいいのではないか、それとこの賑わいはもっと関係してこないのかという気がします。
みなとみらい21中央地区都市景観形成ガイドラインを見ると、一番初めの項目にアクティビティフロアが出ている。これは全部空間的な要素が項目になっていて、「賑わい形成」を一番下に追加していますが、これは本当は逆転したほうがいいと思います。「賑わい形成」をもっと前面に出すというか、「こういうものがこれからのみなとみらいを変えていく起爆剤である」というような謳いが初めにあって、そこからそれを裏づけていく広告や色彩等という流れのほうがいいと思いました。

○卯月部会長

とても重要な指摘だと思います。ちょっと違った視点だけど、以前「手続の簡素化」というタイトルが目的にあって、それは違うでしょうと言いました。そういうことのために変更するのではなく、みなとみらい21が大変いい計画で始まって、いいコントロールをしてきた、でもまだ課題があって、こうするともっとよくなるという、そういう視点で見直しをしているのだろうと思うので、ポジティブにというか、創造的に課題を明確にして対応するということを書いてほしいと私も思います。今の中津先生のお話もそういう流れであろうかと思います。確かに今の都市空間の中で、賑わいというのはトップに挙げてもいいぐらいのテーマです。

○高橋委員

ここで話されている空間の対象は、例えばクイーンモールのような内部空間も含むのですか。

○黒田係長

景観形成ガイドラインの基準には含んでいません。ただ、今進めている「賑わい形成」という観点でいいますと、内部空間も含めてエリアマネジメントでやっていきたいと思っています。今回の景観制度の議論だけでいうと、厳密には対象外です。

○高橋委員

ということは、基本的に外部空間、大規模な建築物の中に入る前というか、主に(建築物の)間なのですね。そうすると難しいですね。みなとみらい地区は広いし、建物の中を伝って歩いてしまう、特にここ(クイーンモール)がそうですが、雨にも暑さにも優しい内部空間がいっぱいあるので、わざわざ外に出ない。特に大通り等はそういう部分が非常に多いので、自転車で走る分にはとても快適ですが、本質的に賑わい(創出)をやりにくい構造になっていると思うのです。それをどこまでやるのか、割り切りも大事なのではないかと思います。

○黒田係長

前回、立看板にしても賑わいにしても、通りごとの賑わいの考え方があるのではないかというご意見をいただきました。ただ、実際おっしゃるとおりで、みなとみらい大通りに歩行者の賑わい地区をつくるのは非常に難しいと思います。やはり通り通りで協調する部分となかなか協調できない部分がある中で、今計画、建築が進んでいるグランモール軸をまず一生懸命やって、そこを歩行者の賑わいの軸にし、そこから派生したいと思っています。正直に言って、みなとみらい大通り等はグランモール軸に比べると難しいと思います。

○国吉専門委員

補足しますと、グランモール軸が、今まで暫定施設でぽこぽこと空いていたところが、日産もできてやっと(横浜駅)東口とつながり、(当初計画した)主要な歩行者軸のうちのクイーン軸しかなかったのが、やっとグランモール軸というものができてきた。それはもともと賑わい形成を狙っていたのですが、これまで何となく緑の軸、インフラとしてのグランモールをつくると考えられていて、どういう性格のものにするかははっきりしていなかったわけです。オフィス街の軸かなという感じはあったのですが、もうちょっと低層部に賑わい施設を持ってこようという状況がどんどん出てきて、またグランモールそのものも再整備しようという時期があり、それとセットで公共空間と建築物の1階を合わせて、ランドマークタワーからクイーン軸のインナーモールとは別の屋外の賑わい空間を積極的につくっていくことに合わせ、エリアマネジメントの組織や活動も合わせてやっていこうという諸々のことがあり、それに対応した空間的なつくり方とか設置の仕方等も、低層部についてはもっと積極的に変えていってはどうだろうというのが底流にあるのだと思います。それがメーンで、その他の軸については、積極的に賑わいをつくるというよりも、通りごとに必要に応じてそういった部分もあってもいいという程度ではないかと思います。だから、全ての軸に置き看板や立看板を置いてとか、そういう発想ではないと私は思っています。
もう一つ、後に出てくる超高層誘導街区と称したところが本当にそういうふうにするのかということが、今回の改定のもう一つの軸としてあると思います。

○金子委員

今の国吉さんのお話で、非常にクリアに理解できる気がします。あのゾーンを歩いてみると、広い道路と歩道と超高層の建物がある。その中で賑わいということは、本当に個々の人間のアクティビティーの一番根源的なところですから、ああいう大きな空間の中でなかなか得られない。そこを求めるということ、グランモールが1つの大きな公園的な街区で、そこに人の賑わいが出てくるのが狙いであれば一番おもしろいと、意味が出てくると思うのです。
今回いろいろと考えているのはよくわかるのですが、エリアマネジメントというと、私は、例えば馬車道商店街など既成の町なかの人たちが、自分たちの周りを考えて何とか活性化していこうというイメージが強くなります。ある意味では、官が主導してやっていくことの難しさが出てきて、規制とか市長の認可がなければという話になってくる。そのスケールの違いというか、全く性質が違うような気がします。でも今の国吉さんのお話で私自身は大分よくわかりましたので、いいのではないでしょうか。

○卯月部会長

結論は、いいのではないですかと。ありがとうございます。

○高橋委員

私も国吉さんのお話で、具体的な場所の性格に応じたものがイメージできました。2平方メートルという広告は、もし単独でちゃんとしたものであれば、大きなオフィスビルの1階に店を張るようなときには小さ過ぎます。20平方メートルぐらい欲しい、しっかりとした立看板でもいいのですが、大きなきれいな幕で広告する、そうでないと人を呼べないし、逆にそれが単独で建っているビルに合う場合もあるので、その辺のイメージがつかみ切れなかったのです。ですが、方向づけは国吉委員のお話でわかりました。

○加藤委員

基本的なことですが、資料1-2が景観計画の改正後ですが、これは赤いファイルではどこに当たるのでしょうか。
こういう計画の中に行為指針というものを書いているのがすばらしい、横浜独自なのかなと思いました。資料1-2の第6の行為指針に賑わい形成を追加した、アの「情報発信に努める」という「情報発信」は、物理的なものの話ではないのですが、どういう内容ですか。その確認をさせていただきたい。

○黒田係長

まず、この新旧対照表はどこに当てはまるかということですが、このガイドラインは、文章だけで定められている基準を写真等でわかりやすく示したものですので、それと連動しています。例えば新旧対照表の第6の行為指針10 屋外広告物(1)アに「屋外広告物は、賑わいの創出に」とあり、これが法律上の文章です。また、ガイドライン34ページの12番アに「屋外広告物は」とあり、正式な法律文書をわかりやすく解説付で、写真とか事例を入れたものとなっています。こういった構成になっています。
2点目の情報発信についてです。これは先ほど申しました公共的空間でのYMMの仕組みですが、その1に「オープンカフェ等の活用要綱策定」という、YMMのルールの中で行う他の街区の活動についての情報発信に努めるという内容を規定しようと思っています。例えばオープンカフェは、地区の中で飛び飛びでやっても、各店舗がやっているだけで、街が統一的にやっているということは、MMは(区域が)大きいので伝わらない。例えば札幌市ではテーブルクロスに通りの地図が書いてあり、オープンカフェはこういった店舗でやっているということを記すのです。これと同じ形かはわかりませんが、店単独ではなく街全体でオープンカフェをやっているということを店舗ごとに発信してもらいたいという意見が地域の議論でありましたので、そういった仕組みを担保するために載せています。それは例えばテーブルクロスかもしれないし、他の媒体かもしれませんが、要は店舗単独ではないということを見せていきたいという趣旨です。

○加藤委員

それはあくまでもデザインにかかわる部分だという解釈でいいのですか。

○黒田係長

デザインについては、例えば1つの共通のマークをつくったり、同じようなスプーンを使うなどということもあります。賑わい形成という意味で、このオープンカフェはここでもやっているということを示すことなので、デザイン以外の連携も含めています。

○加藤委員

わかりました。

○卯月部会長

ありがとうございます。それでは次へ行きたいと思います。「沿道通景」ということで、これは前回も議論し、今日もそれに対応して5つの比較をしていただきましたが、これについていかがでしょうか。

○国吉専門委員

スタディー結果等を見て、現在の提案でやむを得ないかなとは思うのですが、これこそ一番重要なことで、基本的に街づくり基本協定では、ここは180mまで建つ街区になっている。グランモール沿いあるいはこの沿道は100m、120mから150m、180mと、そのぐらいの建物がずらっと並んでいる地区で、一気に60m以上は建てにくいという事業者も出ているから、やむを得ず対応して、空き地がずっと続くよりはいいという判断だと思うのです。けれど、資料1-2にもあるように、<高さ>のところで「超高層建築物が集積する風格ある沿道景観とするため」という言葉が残っている。ですから、それは変に急に崩すのは本意ではないということが伝わるようにして、「やむを得ず31m」とすべきではないか。本来は今後とも超高層街区を目指していくことを維持すべきではないかと、どこかでちゃんと謳っていくことが必要と感じました。人によって意見は違うので、その辺は考え方をどうするのか。つまり崩していくと、どんどん超高層街区ではなく60m程度の街区になっていくのも危惧するところがあり、全体として事業推進側あるいはYMM側としてはどう狙っているか、その辺をお聞きしたいと思います。

○飯島氏

実際に最高高さ180mとなっているわけですが、最近このエリアでもなかなか180mまで建てる事業者さんはいないのです。何とか70mとか80mがある状況ですので、超高層を誘導するのは現実的に難しいところはあると思います。けれど、これまでせっかく桜木町側から高いものが建っていますし、今後の可能性としては、高いものを建てる事業者が来るようないろいろな努力はしていきたいと思っています。

○加藤委員

ガイドライン29ページ、30ページ、28ページが関わりのある部分でしょうか。説明の中で、スカイラインについてはコントロールしにくいというように聞こえました。でも、景観という意味ではスカイラインが一番大事な気がしていて、それはどう考えたらいいのか。よく学生に、海側に向かって低くなるという話はするのですが、詳しく聞いてみると何m以上(最低高さ)だけが決まっていて、いろいろなふうに建ってしまう、どうなってしまうのかという感じもします。その辺を、そもそもどう考えていらしたのかをお伺いしたいと思います。

○黒田係長

スカイラインと沿道通景の関係ですが、ガイドライン28ページの「10 スカイライン」、30ページの「11 沿道通景」、この2つで建物の高さをコントロールしています。加藤委員がおっしゃる山から海へ下るというのは、10番のスカイラインに基づいて誘導しています。11番はあくまでも最低基準で、これ以上は建ててくださいということで、最低でも60m以上と定めています。先ほど、これだけではスカイラインの誘導は難しいというのは、11番の項目だけでは難しいという意味で申し上げました。10番は今までどおりスカイラインを維持して超高層を守っていくという方向性を表しており、ここは今回変える予定はありません。最低基準を定めながらも、協議では、できるだけ高いものをつくってもらいたいというスカイラインの精神は残して協議を進めるつもりです。

○加藤委員

10番も11番も守っていきなさいということですね。

○黒田係長

そうです。11番は最低限の基準で、10番はスカイラインを生かした計画にしてくださいということを協議の中でやっていきます。先ほどYMMの飯島部長がおっしゃったように、最近は180m、200mはなかなか建つ時代ではないのですが、ただ精神としては10番のスカイラインは消さずに残していきたいと思っています。

○加藤委員

あと、これは委員によって考えが違うかと思うのですが、超高層建築物をとにかく誘導していきたいという意図です。これは前回金子先生が質問されたと思うのですが、このルールをつくったのが比較的最近、平成20年でしたか、バブルも崩壊してこの時期に60mかなというのが本音だったのです。どういう意図で超高層を誘導することを目指したのかということもご説明いただけるでしょうか。

○黒田係長

10番のスカイラインについては、昭和63年の街づくり基本協定の頃から残っていたものです。ただこれはあくまでも最高高さ180mを定めて、そこまで持っていってくださいという誘導の協議ですので、バブル崩壊、リーマンショック等の中で、法令としては何mでもアウトではないのでしょうと、低いものがどんどん建ち得る状況になり、そういった相談も増えてきました。その中で、やはりみなとみらい大通りについては風格を保つという意味で最低限の高さ基準を担保すべきだろうということで、平成20年に議論して11番を新たに定めたものです。

○加藤委員

経緯はよくわかりました。

○高橋委員

でも本来、その土地のプライオリティーを認めて、高い建物が建つという順番だから、私は横浜の丸の内としてここを位置づけたいという思いがあったことは理解できるのですが、高いから良いと言うのであれば、今だったら超高層マンションが一番手を挙げやすいと思うのです。建築の立場からすれば、超高層というとオフィスより圧倒的にマンションのほうが多い。ここはマンションも建てていいのですか。

○黒田係長

みなとみらい地区では、計画人口1万人という形で住宅を建てられるところは限られています。特にみなとみらい大通り沿いではマンションは禁止です。

○高橋委員

そうなのですね。だから(三菱)地所も、あそこだけだとおっしゃっていたのですね。

○中津委員

超高層の建物が風格ある街並みだという前提で基準ができていることが驚きだなと思って聞いているのですが、埋め立てが始まったころに西新宿に対抗するようなものをここにつくりたかったというロジックをそのまま引きずっているとしか思えない。本当に風格のある質の高い都市景観というのがそういうものだと私は全く思っていない。31mに建物高さを揃えている(他の地域の)計画の審議会に入っていますが、高層の建つところと31mのところとの考え方は完全に分けて審議します。今、ここはそれがごっちゃになっているという気がします。
いろいろな経済的な状況があって、今結果的に市が希望する高いものが建っていない。本当はこれをチャンスと考えて、全体を俯瞰するような部署はないのかと思います。こういう地図を見ても、戸部から見下ろしたところは全く考えていないとか、東横線跡地を中心にもっとおもしろい街になるのに残念だとか。今高橋先生の「住宅は建たないのですか」という質問に対して「そこは建ちません」と断言されますが、では今の海際のマンションの子どもたちがどういう思いで本町小学校まで通っているか等、検証はしているのか。賑わいの話をされていますが、シティガイド協会の人たちが炎天下の中でどういうことをお客さんの前で説明しているか等、そういうことをヒアリングしたりして、これ全体を組みかえるいいチャンスではないのかという意識が私にはあります。今はもうどんどん各論に入っていますが、私は聞いていて何mということに心が行かない。

○金子委員

私もそういう思いがあります。リーマンショックがあり、東日本大震災があり、今都市のありようをもう一回考えようというところがあって、横浜のグランドデザインをどうするのかというあたりが実は大きなところにあります。これは中津先生のおっしゃるように、本当は考え直すいいチャンスです。横浜全体をもう一回見るとか、インナーハーバー構想をどうするとか、いろいろなことがありましたので、本当はそれを消さずにキープしておくことが必要ではないかという論議をしなければいけないのではないか。
ただ現実問題として、開発しようと思っていた土地でなかなか事業が進まないというときに、特別ルールでぱっと変えて市長が認めてしまうという特殊ルールがあってもいいのではないか。何も今のガイドラインを変えることにしないで、特に現実的な時限立法として、この部分だけ特別にやり方を変えてしまう、単体で出てきたら、そこのところだけを認めてやる。そのかわりマンションをやらせてくださいと言ったらどうするのか、これはまた必ず出てくると思います。そうすると、私はみなとみらいという街が時代とともに上手に変遷していくチャンスになるという思いがあります。
ただ、やむを得なければしようがないという気持ちも一方でありますが、そこが一番大事な論議で、2日間にわたって論議していく原因はここにあるのだろうと思っております。

○国吉専門委員

私は、大幅に考え方を変えていくという議論があるのなら、それはそれでいいと思うのですが、現在のままで、諸事情によって低くせざるを得ないということだけで対応するのだったら、基本的な考え方はちゃんと保持していたほうがいい、そうでないと全てが崩れてしまう。超高層の街を目指すことも含めて根本的に変えていこうという議論があるのだったら、それはそれで有意義だと思いますが、そうでないなら、できるだけ考え方は保持しながらやっていってほしい、そのほうがいいのではないかということを言いたかったわけです。

○卯月部会長

ありがとうございます。皆さんの意見をお聞きして、私も方向としては同じような考えです。要は今回の開発が進まなくなった、60m以上、180m程度の建物がもう建たなくなったことをどのように認識して、短期というか中期ぐらいで見直すのか、根本的にみなとみらい21の基本計画を見直すのかを迫られている。今回の事務局の提案は、根本的には見直さないで、小幅ではないが中幅に見直したいということだと思います。
私は、あえて申し上げると、根本的に見直すべきだと思います。もうそういう時代ではない、横浜みなとみらい21は日本のトップランナーだけど、だからこそもっと大胆に基本計画を見直すべきだと。具体的に言えば、29ページの10番「スカイライン」はもう実現しなくていいぐらいの気持ちで。クイーン軸、キング軸のほうは300m、180mがあってもいいが、先ほど中津さんがおっしゃったように、この中間は幸いにも空き地で残っている部分なのだから、もうそこの180mは完全に見直し、同じ60~180mの中のスカイラインという考え方を残さずに、もう少し低いスカイラインを考え直すというのもあるし、まだ今ならできると私は思う。でもこのまま行くと、途中からは(低いものが)建ってしまうので見直せないと思います。
ある意味では、スカイラインの考え方を残すと言っても、29ページの絵のような形ではなくもっとぽつぽつとしか建たないだろうし、それも180mまでは行かないだろうという前提だから基本的には変わってしまうわけですが、大きな方針は変えないで、現実的には変わってしまうということを勘定するという姿勢である。やっぱり積極的に変える部分は変えて、逆に言うともっと開発をする。例えば、賑わいも含めて、もっと低層部、中層部のことを考える街区にするのだという大きな方向の見直しだってないわけではない。
だけどこの会ではそこまでやれることはないということで、スライド40ページの比較表で、具体的に言えば案1、案2、案3が今まで地元で議論されていて、この3つの中では案2か案3しかないのだろうと思うのです。案2と案3は基本的には同じ方向で、現実的にはかなり民間サイドにゆだねている部分がある。私は基本的には最低高さと最高高さと両方を定めるべきだと思いますが、私個人的にも非常に悩みながら、余りでこぼこの建物ができるのがいいのかという危惧はあります。とはいえ、委員の皆さんの意見を聞くと、会としては案1、案2、案3の中では、今までの流れで考えれば案3でやむを得ないということでしょうか。大胆に案2にするのはやっぱり勇気がいるのでしょうね。どうでしょうか。

○国吉専門委員

案3の場合でも、街区全体の、地区としてのまとまりをつくる。例えば31mで構成されるビルの表情が他の街区とは違っている、街区ごとに特色を持つ、全体が1つのビル群になるような感じでつくっていただくとか、そういう工夫は是非してほしいと思います。

○卯月部会長

敷地分割を前提にしているから、ばらばらになってしまう可能性があるので注意してくださいというご指摘です。それは当然ですね。いろいろと意見はありますが、そういう方向でよろしいですか。
それでは次の「建物の色彩」へ行きたいと思います。いかがでしょうか。

○天野課長

先ほどのビルサインの大きさですが、富士ゼロックスの建物サインの最高高さが大体100mで、高さ98mのところに「FUJIXEROX」と入っています。その「FUJIXEROX」の長さが18m、富建物全体の長さが108m、長さでいうと16%です。以上、補足です。

○卯月部会長

よろしいですか。では、あと「建物の色彩」と「その他」がありますが、ここでお気づきの点はありますか。よろしいですか。
今日会議に西区と中区の方にご出席いただいていますので、今までの議論を聞いた中で、区としてのご意見があればご紹介いただけますか。

○梅澤課長

ここに人が住みついて10年という月日が流れて、先ほどの賑わいの議論の中でも7700人の人口が定着したという、成熟に入ってきている部分もあろうかと思います。例えばグランモールも、土日は観光客の方もたくさん歩いていますが、バギーを押した若いご夫婦が歩いておられたりして、街の様相としても、いわゆる昔「大丸有(大手町・丸の内・有楽町地区)の不幸」と言われた、土日はゴーストタウンになってしまう状況とはもう違ってきているのではないか。大丸有自体も今休日も随分賑わっていますが。旧東横線の廃線敷の下の踏切を使って、旧市街地からみなとみらいのほうに行く人の流れも随分出てきており、あの踏切も1日に3000人、4000人が歩いている。来街者がもう6700万人でしたか、外から観光に来られる方とか、オフィスワーカーの方も大変多い。地元の区としては、住んでいる方、働いている方、遊びに来る方という違いはあるにしても、そういった方が1つのつながり、融合するような街の使われ方が、例えばグランモールを1つの基点にして新しく生まれてくると、地域全体の活性化につながってくると思います。今日議論された賑わいや景観等も、近接のランドスケープでは人肌の温度に近いようなものが出てくると非常にいい街になっていくのではないかと期待しているところです。

○西村係長

このみなとみらいを中心に外に賑わいがにじみ出すような形で、賑わいの連携のようなものが行われると、横浜市全体でさらに賑わいが増える。景観にしても中区から、港からの景観、みなとみらいからも含めて、横浜市全体の魅力が向上することになると思いますので、なるべく事業者さんが入りやすいような形も仕方がないと思います。中区としてもこういう形で(進めてほしい)と考えております。

○卯月部会長

ありがとうございます。飯島さんから最後に何かございますか。

○飯島氏

みなとみらいも、今日ちょうど新しい商業施設がオープンしていますが、商業施設同士、オフィスビル同士でも競争が厳しいところがあり、いろいろな広告を出したい等、景観に影響のありそうな相談も出てきています。一方で賑わいを醸し出しながら、全体として調和のとれた景観にするためのいろいろな調整をしていますので、今日のご意見も踏まえながら取り組んでいきたいと思います。

○卯月部会長

ありがとうございました。それでは基本的には今日の資料の方向で、審査部会としては了承したいと思います。ただ、今後、都市美対策審議会、都市計画審議会等、いろいろなところで説明されると思いますが、先ほどから議論の中で出てきていること、最終的な個別の話はよいとしても、なぜ今この時期に横浜市として、MM21としてこういうことをやろうとしているのか。根本的ではないけど中期的な見直しであるとか、そういう頭の部分の説明はきちんとしていただいたほうがよろしいし、また次の見直し時期のために、この時こういう議論をしたということを審議会として残すべきだと思いますので、その辺はきちんと整理しておいていただきたい。
では今後の流れについてご説明をお願いします。

○塚田書記

景観計画及び都市景観協議地区の変更については、本日の審議を踏まえて、修正等がありましたら修正を加えた上で、原案を一般の縦覧に供し、意見書の受付を行います。縦覧期間は7月末からですが、それに先立って地域の住民の方々や企業等を対象にした説明会を7月25日に予定しています。縦覧期間終了後、いただいた意見に対する市の考え方を作成、公表し、案を確定します。都市美対策審議会の本会で改めて意見を聞き、その後都市計画審議会と手続を進めて、平成26年の早い時期に施行という予定です。

○卯月部会長

ありがとうございました。それでは議事1はこれにて終了します。

2 特定都市景観形成行為に関する協議事項及び協議の方針に関する意見について(関内地区都市景観協議地区 中区山下町70番7)(審議)
○卯月部会長

事務局から説明をお願いします。

○塚田書記

議事2は、条例に基づく都市景観協議地区内において、協議手続が義務づけられている行為(都市景観形成行為)のうち「特定都市景観形成行為」に該当する行為に関し、その協議事項及び協議の方針について都市美対策審議会の意見を聞くことになっています。今回の議事は、関内地区の特定都市景観形成行為「(3)土地に定着する工作物で高さが45mを超えるもの又は建築物に定着する工作物で当該工作物の最上部の高さが地盤面から45mを超えるものの新設、増築、改築又は移転」に該当します。既存の建物の屋上に通信上の鉄塔を新設し、この高さが地盤面から45mを超えるというものです。
エリア担当の都心再生課 立石係長から内容をご説明します。

資料を用いて、市から計画内容、協議事項及び協議の方針の案について説明した。
○卯月部会長

ありがとうございました。では、中区から何かご意見があればご披露いただけますか。

○西村係長

中区からは特に意見はありません。

○卯月部会長

委員はいかがですか。何かお気づきの点はありますか。

○国吉専門委員

こういった施設は非常に難しいのですが、幸い60mを超えていないので、赤白色など航空法に基づく色にしないで済んだのは幸いだと思います。周辺の壁面に溶け込むような色合いというか、特色を持たないほうがいいということで、この色、形態でよろしいと思います。

○高橋委員

私も異論はありません。亜鉛めっきの色で結構だと思います。

○卯月部会長

よろしいですか。加藤委員、ご意見はありますか。

○加藤委員

ないです。これでよろしいと思います。

○卯月部会長

そうですね、建物に合わせるよりむしろ塔は消す方向ということなので、これは案のとおり了承するということでよろしいですか。ありがとうございました。

3 その他
○卯月部会長

それでは最後になりますが、事務局から何かありますか。

○塚田書記

議題2については、今後この協議事項及び協議の方針に沿って都心再生課で協議を行っていきます。その他は特にありません。

○卯月部会長

ありがとうございました。それでは本日の議事のまとめを事務局より報告願います。

○塚田書記

議事1については、原案の方向で了承いただきました。なお、変更の理由、根本的な意味について説明できるよう、また、エリアマネジメントを行っているYMMと横浜市とで詳細な詰めを行ったうえで、予定どおり手続を進めていきたいと思います。

議事2については、了承いただきました。
閉会
○卯月部会長 それでは、これにて第19回の景観審査部会を終了いたします。
○塚田書記 本日の議事録については、条例に基づき部会長の確認を得て公開します。どうもありがとうございました。
資料

第19回景観審査部会配布資料(PDF:4,101KB)

特記事項

・本日の議事録については、部会長が確認する。

・次回の開催は未定。

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このページへのお問合せ

都市整備局地域まちづくり部景観調整課

電話:045-671-2648

電話:045-671-2648

ファクス:045-550-4935

メールアドレス:tb-keicho@city.yokohama.jp

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