平成29年度整備事例　地域のインテリジェンス「ぷらっと 谷矢部」づくり～谷矢部池公園愛護会（戸塚区矢部町）の取組～

谷矢部池公園愛護会（現　特定非営利活動法人ぷらっと）

戸塚区矢部町　谷矢部池公園内

ぷらっと谷矢部

交流拠点（作業スペース・ギャラリースペース等）

谷矢部池公園は、市営地下鉄踊場駅から徒歩圏内にあり、池や樹林地などの豊かな自然と、多目的グラウンドや複合遊具も整備されて、多くの人に利用されてきました。
公園愛護会や少年野球などグラウンド利用団体が、地域のイベント「竹灯籠の夕べ」を開催するようになり、ますます公園に集まる機会が増えました。打ち合わせには小学校や町内会館などを借りていましたが、整備作業など活動の後には休む場所もなく、木の下やベンチなど屋外で話していました。そのような状況の中で「雨風がしのげて、みんなが集まれる事務所みたいなところがあるといいね」という意見が出てきました。そこで公園愛護会が中心となり「ヨコハマ市民まち普請事業」に応募をすることとなりました。
主に関わっているメンバーは小学校のPTA役員をした仲間で、家庭をもつ主婦たち。日々の忙しい生活の中で、合間をぬって集まるだけでも難しい時期もありましたが、自分たちが事務所を欲しいだけでなく、地域の方も休む場所があるといいねと拠点を望んでいることがわかり、それならばやってみようと夢を語り、手作り感を出して一次コンテストに臨みました。

活動後に公園のベンチで一休み

公園に集まり皆で談笑

一次通過！うれしいと同時に「これから本当にやって行くんだ」と覚悟を決めた瞬間でもありました。夢物語で終われない実現のための新たなスタートでした。
いざ計画を立てていくと「今は難しい」ということが見えてきました。けれど、コーディネーターの先生や地域まちづくり課の方々に相談しながら、柔軟な考え方をもって「できることは何か」を常に考えながら、地域の方と一歩一歩進めていきました。
二次コンテストまでに、過去に公園に施設を整備したグループに見学に行ったり、矢部小学校の子どもたちや地域の方々に、谷矢部公園をどんな場所にしたいか、拠点で何をしたいかなどの声を聞いたりしながらイメージをまとめていきました。
実際の整備は計画通りとはいきませんでしたが、公園が縁で知り合った団体から棚や机・椅子を譲り受けたり、地域の協力者の方々の寄付や手作りのものがほとんどです。いつでも地域の方とつながっていることが重要だと感じました。
棚の色塗りや看板作りなどの内装作りイベントには小学校の親子も楽しんで参加し、「ぷらっとを自分たちの手で作ろう！」という熱い思いの詰まったイベントとなりました。

内装家具の色塗りイベント

地域の方の手作り看板

2017年3月に「ぷらっと谷矢部」がオープンしました。初めはまったく知られていなかった場所も、徐々に子どもたちが遊びに来てくれるようになり、子どもが親を連れて、さらには祖父母と一緒に公園で自然とふれあう姿も増えてきました。そうしてつながることで「ふるさとづくり」ができていくのだと思います。
これまで身近にいた人たちとも会う機会や話す機会が増え、子どもたちも含めて「ここにくれば誰かがいる」という場所になってきています。また公園の利用調整もスムーズになり、これまで一人一人と別々に話していたのが、同時に話し合えて、色々なアイディアを出し合って、より良いものができるようになりました。

「ぷらっと谷矢部」で地域の方々が談笑

現在の活動の様子（ぷらっと工作所）

この拠点は交流の場を提供したり、イベントを開催するということにとどまらず、地域の方々や学校との連携を密にしながら、人とのつながりを大切にして、みんなで一緒に「公園を新たに創造しよう」と呼びかけ、伝え続ける場所にして行きたいと思っています。
身近で協力してくださる方は「子どもたちが大人になった時に、この地域が良い所だったなぁと、良い思い出として心に残ってくれればそれでいいのです」という気持ちを話していました。その「ふるさとづくり」に欠かせない拠点を作れたことは、まち普請事業にチャレンジしてよかったと思います。
これからも子どもたちの成長を見守り、人とのつながりを大切にしながら、ぷらっと谷矢部の運営を維持していく資金を集めるべく、地域に広め、参加者を増やす宣伝活動を工夫していきたいと思います。

ぷらっと谷矢部の概観

公園探検の活動支援

特定非営利活動法人ぷらっとの皆さま