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最終更新日 2024年7月8日
横浜市水道局では、2008(平成20)年より、JICA課題別研修として、アフリカ各国の水道技術者を横浜で受け入れ、研修を実施しています。また、2014(平成26)年度から2019(令和元)年度までJICAボランティア制度を活用してマラウイ国のブランタイヤ水公社に職員を派遣してきました。2019(令和元)年度からはマラウイ国リロングウェ市でのJICA技術協力プロジェクトに協力しています。
横浜市水道局では、2008(平成20)年5月に横浜で開催された第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)を契機として、JICA課題別研修「アフリカ地域都市上水道技術者養成」の受入を開始しました。約1か月のコースで、2023(令和5)年度までに17回実施し、32か国から170人を受け入れています。
アフリカでは、現在も多くの国で水道事業に関する課題を抱えており、アフリカ開発会議でも毎回テーマとして取り上げられています。参加国の多くは、お客さまに配っている水のうち30~50%が漏水や盗水等で収入に結びつかない等の課題に直面しています。
水道局では、浄水処理や水質管理、水圧・水量・水質当の配水管理、水道計画、施設管理等の技術面に加え、料金管理や顧客管理、顧客サービス、経営計画等、水道事業全般の講義を行っています。参加者は、講義や実習で学んだことを踏まえて研修の中で自らの課題解決のための活動計画を策定し、自国に持ち帰って自らの取組みに繋げます。
水道メーター器差試験の実習
漏水調査実習
研修員と局職員の意見交換会
2020(令和2)から2021(令和3)年度はコロナ禍で研修員が来日できず、時差も様々であるため、動画教材の配信と週一回のオンライン会議(質疑応答)を組み合わせて実施しました。水道局職員が行う講義を撮影し、説明スライドと合成して、全15講座を作成しました。研修員の集中力を考慮して各講義を30分以内にまとめ、漏水調査やメーター器差試験、配水管布設現場等の現場も動画に収めています。全講義に局職員が登場し、水道局の存在を研修員にアピールしました。
動画の撮影風景
動画教材の例
週1回の質疑応答の様子
これまで横浜市水道局では、JICA短期ボランティア制度を活用して、アフリカ地域に職員を派遣してきました。2012(平成24)年度にはタンザニア国ザンジバル水道公社に4人の職員を約1か月派遣し、事務と技術の両面から水道事業の改善に向けて活動しました。
マラウイ国に対しては、2014(平成26)年度から2016(平成28)年度までの3年間でブランタイヤ水公社に9人の職員を約1か月派遣し、漏水管理や料金徴収の改善等に関する協力を行ってきました。その後、ブランタイヤ水公社から派遣の継続に対する強い要望を受け、2017(平成29)年4月に新たな3年間の事業についてJICAとの覚書を締結し、2019(令和元)年度まで計11人(6年間で計20人)の職員を約1か月半派遣していました。
ブランタイヤ市内でモデル地区を設定し、無収水(漏水や盗水等で収入にならない水)の測定や削減の手法を指導しました。また、施工管理マニュアルや料金管理マニュアルの整備、顧客満足度調査、検針員を対象にしたワークショップの開催、出前水道教室の開催等を実施しました。
ブランタイヤ市内のChiwembe地区をモデル地区に無収水(漏水や盗水等で収入にならない水)の測定や削減の手法を指導し、無収水率を69.3%から35.8%まで削減しました。また、同地区で顧客満足度調査を実施し、ブランタイヤ水公社の給水サービスに関わる課題を抽出し、ワークショップを開催しています。また、施工管理マニュアルや料金管理マニュアル等の整備、出前水道教室の実施手法の指導等を進めてきました。オンラインツールを活用して引き続き、現地をフォローアップして参ります。
漏水調査の指導
出前水道教室の実施
検針員への指導
マラウイ国ブランタイヤ市では、水源から市内まで800メートルの高低差があり、市内への給水にはたくさんのポンプを必要とします。このため、一度停電が発生すると、長時間断水となります。ブランタイヤ水公社への支援を進める中でも、何度も断水を確認しました。この頻繁に起こる断水への対応のため、2019(令和元)年度、横浜市水道局で更新時期を迎えた給水車2台をブランタイヤ水公社に寄贈しました。断水の際の運搬給水に役立っています。
なお、日本からマラウイ国までの国外輸送にあたっては、輸出の手続きと費用負担が課題でしたが、マラウイ国への車両輸送の実績のある株式会社ビィ・フォアード(外部サイト)に協力いただきました。
給水車寄贈式典
現地での大活躍の給水車
現地で大活躍の給水車
横浜市水道局は、上記のブランタイヤ水公社での取り組みをJICAに高く評価いただき、同国の首都リロングウェ水公社への技術協力プロジェクトに2019(令和元)年6月より、同国の首都リロングウェ水公社の能力向上を目的としたJICA技術協力プロジェクトに協力しています。横浜市水道局による専門家の派遣等、横浜水ビジネス協議会会員である株式会社協和コンサルタンツと横浜ウォーター株式会社(外部サイト)と連携して、チーム横浜で、マラウイ水事業の改善に取り組んでいます。
プロジェクトでは、無収水を削減するための計画の策定、手法の習得、知見の共有・発信等を指導しています。
給水工事の視察
先方との協議
水道メーターの説明
LiSCaPの詳細はこちら
JICA Webページ:https://www.jica.go.jp/project/malawi/007/index.html(外部サイト) (外部サイト)
横浜市水道局では、アフリカ地域への貢献として、上記以外にも、2009(平成21)年度に、タンザニア国ザンジバル水道公社でのJICA技術協力プロジェクトに料金実務の短期専門家を2人派遣しました。また、1977(昭和52)年にJICA上水道計画調査団に参加して以降、2004(平成16)年度まで、ケニア国水資源省に職員を計17人派遣し、水道計画・設計等の技術移転を行うなど、古くから各地に職員を派遣してきた実績があります。
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