ここから本文です。

修繕積立金とは

国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(令和6年6月改訂)を基に本ページを作成しています。

最終更新日 2024年6月21日

修繕積立金とは


修繕積立金とは

マンション共用部分の修繕には、多大な費用を要するものが多く、修繕工事を行う際に一括して費用を徴収するのは区分所有者にとって大きな負担になります。また、合意形成が困難になるほか、最悪の場合、資金不足により必要な工事が実施できないといった事態に陥ることも考えられます。
こうした事態を回避するために、将来予想される修繕工事に要する費用を長期間にわたり計画的に積み立てていくのが、「修繕積立金」です。
修繕積立金の額は、「長期修繕計画」に基づいて設定し、計画作成の時点で、十分な資金の手当てが可能となるようにしておく必要があります。

修繕積立金の目安

修繕積立金の額は、建物の規模や設備内容、経過年数などによって異なりますが、国土交通省が策定した「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」には金額の目安が示されています。

マンションの修繕積立金に関するガイドライン抜粋(国土交通省)

長期修繕計画期間全体における修繕積立金の平均額の算出方法(㎡当たり月単価)

(A+B+C)÷X÷Y
A:計画期間当初における修繕積立金の残高(円)
B:計画期間全体で集める修繕積立金の総額(円)
C:計画期間全体における専用使用料等からの繰入額の総額(円)
X:マンションの総専有床面積(㎡)
Y:長期修繕計画の計画期間(ヶ月)

平均額の算出は、こちらの計算シートもご活用ください。

長期修繕計画の計画期間全体における修繕積立金の平均額の目安(機械式駐車場を除く)

修繕積立金の平均額の目安
地上階数/建築延床面積 月額の専有面積当たりの修繕積立金額
事例の3分の2が包含される幅 平均値
【20階未満】 5,000㎡未満 235円~430円/㎡・月 335円/㎡・月
5,000㎡~10,000㎡ 170円~320円/㎡・月 252円/㎡・月
10,000㎡~20,000㎡ 200円~330円/㎡・月 271円/㎡・月
20,000㎡以上 190円~325円/㎡・月 255円/㎡・月
【20階以上】 240円~410円/㎡・月 338円/㎡・月
  • 事例にはばらつきが大きいため、「平均値」とともに、事例の大部分が収まるような範囲を示すという観点から、「事例の3分の2が包含される幅」をあわせて示しています。なお、平均値と合わせて標準偏差による範囲の表現方法もありますが、事例のばらつきが正規分布とはならないため、ここでは分かりやすさを優先して中央よりの3分の2の包含幅(事例の上下6分の1を除外した幅)としました。この包含幅の値は、5円単位で表示しています。
  • 超高層マンション(一般に地上20階以上)は、外壁等の修繕のための特殊な足場が必要となるほか、共用部分の占める割合が高くなる等のため、修繕工事費が増大する傾向にあることから、【地上20階以上】の目安を分けて示しています。また、【地上20階未満】のマンションについては、建築延床面積の規模に応じて修繕工事費の水準が異なる傾向が見られることから、5,000㎡、10,000㎡、及び20,000㎡で区分した上で、目安を示しています。

機械式駐車場がある場合の加算額

機械式駐車場の1台あたり月額の修繕工事費(下表)×台数÷マンションの総専有床面積(㎡)
※駐車場の維持管理・修繕工事費や駐車場使用料について、管理費や修繕積立金と区分して経理している場合など、機械式駐車場の修繕工事費を駐車場使用料収入で賄うこととする場合には、加算する必要はありません。

機械式駐車場の 1 台あたり月額の修繕工事費
機械式駐車場の機種

機械式駐車場の修繕工事費

(1台当たり月額)

2段(ピット1段)昇降式 6,450円/台・月
3段(ピット2段)昇降式 5,840円/台・月
3段(ピット1段)昇降横行式 7,210円/台・月
4段(ピット2段)昇降横行式 6,235円/台・月
エレベーター方式(垂直循環方式) 4,645円/台・月
その他 5,235円/台・月
  • 「機械式駐車場の1台あたりの修繕工事費」は、収集した長期修繕計画の事例(117事例)から算出した数値(5円単位で表示)です。
  • 機械式駐車場には、屋外・屋内、地上・地下等の様々なタイプがあるため、修繕工事費は個別性が強いことに留意しつつ、適宜ご参照ください

修繕積立金の積立方法

修繕積立金の積立方法には、長期修繕計画で計画された修繕工事費の累計額を計画期間中に均等に積み立てる方式(均等積立方式)のほか、当初の積立額を抑え段階的に積立額を値上げする方式(段階増額積立方式)があります。
国土交通省が実施した「平成30年度マンション総合調査」によると、マンション全体の修繕積立金の積立方式の採用割合は「均等積立方式」が41.4%、「段階増額積立方式」は43.4%となっています。国土交通省のガイドラインでは、将来にわたって安定的な修繕積立金の積立てを確保する観点からは、均等積立方式が望ましいとされていますが、完成年次の新しいマンションほど段階増額積立方式を採用している割合が多くなっています。

修繕積立金の見直し

一般的にマンションの分譲時には、分譲会社が修繕積立金の額をマンション購入者に示しますが、マンション購入者は、修繕積立金等に関して必ずしも十分な知識があるわけではないので、 当初の修繕積立金が低く設定されることがあります。
段階増額積立方式は将来の修繕積立金の増額を前提としており、増額の際に区分所有者間の合意形成ができず修繕積立金が不足する可能性があります。
マンションに使用される材料、設備等は、社会の変化、技術の向上等に伴い、時代とともに変化していきます。また、修繕工事の内容や工法、修繕周期等についても、新しい工法や技術開発の進展等に伴い、変化していきます。
どのような積立方式を採用しているかにかかわらず、長期修繕計画を定期的に見直し、それに基づき修繕積立金を設定し直すことが必要です。

段階増額積立方式での適切な引上げの考え方

マンションは築年数が経過すると、建物や設備の経年劣化が進み修繕費が増加します。また、区分所有者の高齢化により、増加した修繕費用の負担が難しくなることも考えられます。そのため、段階増額積立方式については、早期に引上げを完了させることが望ましいといえます。
国土交通省では、実現性をもった引上げにより、修繕積立金の早期の引上げを完了し、均等積立方式へ誘導することを目的として、段階増額積立方式における適切な引上げの考え方を以下のように示しています。

引上げの考え方

段階増額積立方式における月あたりの徴収金額は、均等積立方式とした場合の月あたりの金額を基準額とし、計画の初期額は基準額の0.6倍以上、計画の最終額は基準額の1.1倍以内とする。

具体的な計算方法

0.6×D≦Eかつ1.1×D≧F
※A:計画期間全体で集める修繕積立金の総額(円)
 B:マンションの総専有床面積(㎡)
 C:長期修繕計画の計画期間(月曜日)
 D:計画期間全体における月あたりの修繕積立金の平均額=A÷B÷C(円/㎡・月)
 E:計画期間全体における月あたりの修繕積立金の最低額(円/㎡・月)
 F:計画期間全体における月あたりの修繕積立金の最高額(円/㎡・月)
なお、工事費高騰等を踏まえた長期修繕計画見直しにより、管理適正化のために現在の修繕積立金額を大幅に引上げることを制限するものではありません。

修繕積立金引上げイメージ
国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(令和6年6月改訂)より

管理費と修繕積立金の違い


管理費と修繕積立金の違い

修繕積立金と管理費は、それぞれの使い道が異なります。
しかし、マンションの専有部(各住戸の部屋内)ではなく、共用部(廊下、エレベーター、エントランスなど)のメンテナンスのためのお金である点は一緒です。
管理費は清掃・ごみ処理・植栽の手入れなどのほか、共用部分の水道光熱費や火災・損害保険料など 日常的な管理のための費用であるのに対し、修繕積立金は大規模修繕工事などの建物の修繕などのための積立金です。
修繕積立金と管理費は使い道が異なるため、分けて管理をしなければなりません。(区分経理)
区分経理を行わず、管理費の不足を修繕積立金で補ったり、管理費のみしか徴収していないと大規模修繕工事や突発的な修繕工事が必要になった際に、多額の一時徴収金が必要になったり、修繕積立金の大幅な値上げが必要になる可能性があります。

長期修繕計画

長期修繕計画についてはこちらをご覧ください。
長期修繕計画とは

このページへのお問合せ

建築局住宅部住宅再生課

電話:045-671-2954

電話:045-671-2954

ファクス:045-641-2756

メールアドレス:kc-jutakusaisei@city.yokohama.lg.jp

前のページに戻る

ページID:228-707-203

  • LINE
  • Twitter
  • Facebook
  • Instagram
  • YouTube
  • SmartNews