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8月号 ポケモンWCS2023アニメーションCM 制作秘話インタビュー

8月11日~13日にパシフィコ横浜で開催されるポケモンバトルの世界大会「ポケモンワールドチャンピオンシップス(WCS)2023」に先駆け、大会のアニメーションCMが公開されました。横浜の街がとても印象的に描かれている、このアニメCMを手掛けた監督と美術監督に、制作の裏話や作品に込められた横浜の魅力などについて、お話をお伺いしました。

最終更新日 2023年8月1日

みなとみらい上空を描いたイラスト

アニメCMはこちらからご覧いただけます。

横浜の街とポケモンが魅力的に描かれるアニメCMについてインタビュー

今回、お話をお伺いしたのは、監督の土海(どかい) 明日香(あすか)さんと美術監督の渡邉(わたなべ) (たすく)さん。
監督の土海さん(以下土海)は、アニメーション作家・監督として「YOASOBI」などのMVを手掛けています。美術監督の渡邉さん(以下渡邉)はアニメスタジオ「コミックス・ウェーブ・フィルム」制作の映画『君の名は。』『すずめの戸締まり』などの背景美術を手掛けています。

ポケモンとアニメCMの魅力

ーポケモンは子どもたちだけではなく、子どものころアニメなどを見ていた世代や、孫などとともに遊ぶシニア世代など、世代を問わず人気ですが、アニメCMの制作について、依頼を受けた時はどのようなお気持ちでしたか?

土海:ポケモンは自分も子どものころから慣れ親しんでいるコンテンツだったので、それに携われるなんて嬉しい!という思いがまず浮かびました。
 その後、今回の世界大会がとても規模の大きな大会だと知り、時間がたつにつれ、やり遂げなければという気持ちも自分の中で高まっていきました。ポケモンという世界中で愛されるコンテンツの一部を自分が担うことへのプレッシャーもあり、今回の制作は私の中でも挑戦でした。
 しかし、これからもたくさんの方々、次の世代にも愛されるような新しいポケモンの映像表現にチャレンジしたいという(株)ポケモンさんの熱い思いに共感し、その思いにこたえたいという気持ちで作りあげることができ、多くの方に見ていただきたいと思える作品となりました。

ーアニメCMの制作には何人くらいの方がかかわられたのでしょうか。

土海:原画や背景美術、CGなど120人ほどのスタッフが携わり、4か月くらいの期間をかけて制作しました。

ー今回のアニメCMには色々なポケモンが出てきて、ファンをワクワクさせるものになっていると思うのですが、何匹ぐらい登場しているのでしょうか。また、ポケモンの描き方についてもこだわったポイントがあれば教えてください。

土海:この作品を機にポケモンの魅力をより深く知ってもらうために、なるべくたくさん登場させたいという思いがあり、50匹近くのポケモンが出ています。
 今回の「ポケモンWCS2023アニメーションCM」では、「ポケモンたちが日常的に存在しているゲームの中の世界とは違う、世界大会が行われる横浜という舞台で現実とポケモンが共存するルックを描く」というものを目指していたので、ピカチュウの毛並み感がリアルに見えてくるように描き込んだり、実際の横浜を描いた背景美術の反射光をポケモンに入れて現実の世界になじませたりと、細部までこだわりました。

パシフィコ横浜とポケモン

ー背景の空や海がとてもきれいに描かれていますね。監督からは背景についてどのような要望を出されたのでしょうか。描くうえで何か具体的なイメージなどがあったのですか。
 
土海:夏に開かれる大会なので、美術監督の渡邉さんにお願いする際には「夏らしい鮮やかさ」を重要視しました。
 それと、自分の中で横浜という街は海の照り返しで美しく輝いているようなイメージがあったので、そのイメージを表現するため「きらきらさせてください」ということは強くお願いしました。

渡邉:夏らしさが出せるよう、色鮮やかでビビットな印象をという監督のビジョンが明確にあったので、それを他のスタッフに伝えることができるよう美術ボードを作成し、制作現場でのイメージを共有しました。

横浜の街を描いた美術ボード

アニメCMに込められた横浜の魅力

ー臨港パークなど横浜の街を色々描いていただいていますが、その地を選定した理由を教えてください。

土海:大会の会場付近にロケに行き、散策して決定しました。きらきらと輝く海や、海とビルが風景の中で共存している街並みの美しさがとても印象に残り、それらを作品の中で描きたいと思いました。
 特に臨港パークは、花壇とイカリのオブジェクトが印象的で、見た瞬間に描きたいという気持ちが沸き上がり、帰った後に撮った映像をみてすぐに絵コンテに反映しました。

実際の臨港パーク
臨港パーク。春には花壇が花でいっぱいになります(政策局広報課撮影 撮影時:7月)。

臨港パークを描いたイラスト

ー横浜の街を描いたときに特にこだわったポイントなどあれば教えてください。

渡邉:ファンタジックな世界観のポケモンたちが横浜という実在の場所を舞台に描かれるということで、現実とファンタジーが乖離しすぎないように注意しました。また、現実の横浜の良さを残しつつ、作品の色合いとしては夏らしくビビットで色鮮やかなものにしたいという監督のイメージがあったので、要所要所でそのことを強く意識しました。反射光の色味や、入射光を印象的に美しく見せるような工夫をしています。
 それと、視聴者の印象に残るよう、横浜に行くと目につくような特徴的な建物をカットの中に入れたり強調したりしているので、そういった面でも楽しんでもらえればと思います。

横浜の街と空

ー描いた上で横浜の街にどのような印象をもたれましたか。もし元々持っていた印象があればあわせて教えてください。

土海:私は今まで横浜に中々伺う機会がなかったのですが、やはり海の印象は強くもっていました。また、海と共存したビルの並ぶ都会の景色の中に、緑豊かな風景が広がる親近感の湧く街だなという印象もありました。都会でありながらも、自然豊かというイメージですね。
今回、実際に横浜を訪れてみて、自分がイメージした通り自然がたくさんあったという感動もあったんですが、それ以外にも「こんなところもあったのか!」という新しい発見もあり、非常に楽しませてもらいました。

渡邉:背景美術を描くにあたり、横浜の建造物などについて自分なりに調べてみたのですが、みなとみらいの大観覧車「コスモクロック21」や「ランドマークタワー」などに限らず、思っていたよりも前衛的な建物が多いというイメージをもちました。それだけでなく、臨港パークなど自然と建物のコントラストが目につくような場所も色々あり、街を歩くだけでもとても楽しそうだなという印象を受けました。

アニメCMに込めた思い・メッセージ

ーこのアニメCMを通して、込めた思いや伝えたいものについて教えてください。

土海:見た人がわくわくした気持ちになるよう思いを込めて制作しているので、世代を問わず、多くの方にこの作品を見て楽しんでもらえたら嬉しいです。私にも小学生の子どもがいるのですが、見たらきっと楽しんでくれるのではと思います。

ー夏休み期間の子どもたちに何かメッセージを。

土海:子どもの頃の体験は大人になっても大きく残るものだと思います。この夏は、何か心に残る大きな経験をしてもらえたら良いなと思います。

ピカチュウと横浜の街

監督と美術監督のお二方に話を伺い、アニメCMに込められた思いを知ることで、より一層映像の魅力を感じることができました。
すでにアニメCMを見た方も改めて見ると、また違った楽しみ方ができると思います。
ぜひ、この夏は「ポケモンWCS2023アニメーションCM」とともに、「ポケモンワールドチャンピオンシップス2023」と「ポケモンワールドチャンピオンシップス2023横浜みなとみらいイベント」をお楽しみください。

プロフィール

監督

土海監督

土海 明日香(どかいあすか)
1989年生まれ。山形県出身
アニメーション作家、監督、イラストレーター。
色彩豊かなビジュアル表現を特徴とし、MVやCMの分野で活動。
代表作は、YOASOBI『海のまにまに』、まふまふ『栞』、めいちゃん『今に見てろよ!』など。

美術監督

美術監督 渡邉さん

渡邉 丞(わたなべ たすく)
1983年生まれ。埼玉県出身。
東京造形大学在学時に講師の勧めでアニメ背景美術と出会い、映画『雲のむこう、約束の場所』『天気の子』『すずめの戸締まり』などに参加。
『君の名は。』では共同で美術監督を、日中合作アニメーション『詩季織々』の一篇『上海恋』でも美術監督を務めた。

ポケモンWCS2023とは

ポケモンWCS2023ロゴ

世界中から集まった選手たちが、ポケモンと共に熱いバトルを繰り広げる世界大会。今年は、アジア地域の国として初めて日本で開催。

  • 開催期間:8月11日(金曜日・祝日)~8月13日(日曜日)
  • 会場:パシフィコ横浜
  • 競技種目:ゲーム部門、カードゲーム部門、『ポケモン GO』部門、『ポケモンユナイト』部門

大会について、詳しくは「2023 Pokémon World Championships」ウェブページ(外部サイト)をご覧ください。

開催にあわせ、会場周辺のみなとみらいなどでは様々なイベントも実施。
詳しくは「ポケモンワールドチャンピオンシップス2023横浜みなとみらいイベント」ウェブページ(外部サイト)をご覧ください。

ポケモンWCS2023アニメーションCMについて

8月14日までテレビや市内各所で放映。
YOUTUBEでも配信しています。YOUTUBEのリンク先はこちら(外部サイト)


©2023 Pokémon. ©1995–2023 Nintendo / Creatures Inc. / GAME FREAK inc.
TM, Ⓡ, and character names are trademarks of Nintendo.

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にぎわいスポーツ文化局にぎわい創出戦略課

電話:045-671-4851

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ファクス:045-550-4688

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