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横浜市建築構造設計指針(抄)

最終更新日 2019年3月27日

※建築基準法改正等により適用できない項目がございます。

横浜市建築構造設計指針 目次
第1章 上部構造
1-1 高層建築物に関する取扱い
1-2 塔状建築物に関する取扱い
1-3 限界耐力計算に関する取扱い
1-4 許容応力度等計算を補完するための動的応答解析等の取扱い
1-5 各種構造の取扱い
1-6 木造建築物等に関する取扱い
1-7 構造上既存不適格建築物の増築等に関する取扱い
1-8 用途変更に関する取扱い
第2章 基礎構造
2-1 基礎の設計に関する基本的事項
2-2 直接基礎の設計
2-3 地盤改良(深層混合処理工法の取扱い)
2-4 地盤改良(浅層混合処理工法の取扱い)
2-5 くい基礎の設計
2-6 横浜市斜面地建築物技術指針
第3章 確認申請、工事施工、検査等に関する取扱い
3-1 構造計算書(構造設計概要書)等添付図書に関する取扱い
3-2 根切り工事に伴う山留めに関する取扱い
3-3 建築基準法第12条第3項に基づく施工計画及び施工結果報告書
3-4 杭工事の施工及び基礎工事に関する取扱い
3-5 鉄骨工事の施工に関する取扱い
3-6 鉄筋コンクリート工事の施工に関する取扱い
第4章 その他
4-1 架台の取扱い

第1章 上部構造

1-1-1 適用の範囲

この取り扱いは、建築物の高さが20mを超え60m以下のものに適用する。

1-1-2 構造計画

(1) 基礎は建築物の規模・地盤の条件及び施工性等を適切に考慮して選定すること。
(2) 構造計画は、全体的に明快なものとし、耐震上の配慮を十分に行うこと。
(3) 構造種別は、原則として鉄骨造又は鉄骨鉄筋コンクリート造とする。
(4) 横浜市震災対策条例第23条に掲げる用途及びこれらに類する用途の建築物(以下、「防災上重要な建築物」という。)においては、構造計画及び構造計算時に特別な配慮をすることが望ましい。

1-1-3 高さが20mを超え31m以下の鉄筋コンクリート造

(1) 次の各号に該当する場合は、全層又は上部5層程度を鉄筋コンクリート造とすることができる。
ア 原則として防災上重要な建築物等以外であること。
イ 原則として令第82条の3の剛性率、偏心率の規定値を満足すること。
ウ 全層を鉄筋コンクリート造とする場合の柱の帯筋は、スパイラル筋若しくは溶接帯筋とすること。
(2) 平13国交告第1369号第五号口による壁量等(Σ2.5Aw+Σ0.7Ac≧ZWAiβ)を満足する階は、鉄筋コンクリート造とすることができる。

1-1-4 高さが31mを超え60m以下の高層建築物の構造計画

(1) 適用の範囲
本取り扱いは、高さが31mを超え60m以下の建築物において、許容応力度等計算、限界耐力計算を行う場合に適用する。
(2) 構造計画上の留意点(平面形)
ア 各階の偏心率は、原則として0.15以下とする。
ただし、以下の場合には設計上の対策を行った上で0.15を超えることができる。
(ア) 建築物上層部(一般的には高さや階数の1割程度未満)において、局部的に偏心率規定が満足されていない場合。
(イ) 偏心を考慮した適切な設計方針が採用されている場合で、各階偏心率が若干0.15を超えている場合。
イ 平面的に直交しないフレームがある場合等は、柱及びはりの応力を把握して設計を行う。
ウ 上記ア、イの規定を満たさない場合は、ねじれ応答解析により検討を行う。この場合、令第36条第2項第三号(平12建告第1461号による時刻歴応答解析)に準ずる建築物として、原則として指定性能評価機関による任意の技術評定を取得することとする。
(3) 構造計画上の留意点(立面形)
ア 剛性率は、原則として0.6以上とする。
イ 建築物の高さ(H)に対する幅(B)との比(H/B)(以下「塔状比」という。)は、原則として6以下とする。
ウ 高層等に対して周辺低層部が存在する形状の場合には、剛性率や力の流れ等に留意して設計する。
エ ピロティ構造となる場合には、原則として「技術基準解説書」の「付録1-6 ピロティ形式の建築物に対する耐震設計上の留意点」の規定を満たすこととする。
オ 上層と下層で構造種別が異なる場合には、その構造種別が切り替わる部分での剛性・耐力の確保及び上下方向の耐力・剛性の連続性を確保した設計を行うこととする。
カ セットバックをした形状の建築物は、剛性や応力伝達に留意して設計を行うこととする。
キ 斜め柱が存在する場合は、水平分力に対する検討を行うこととする。
(4) 吹抜け
高さが45mを超える建築物において、下記に該当する吹抜けを設ける場合には、原則として指定性能評価機関による任意の技術評定を取得することとする。
ア 吹抜け部面積が階の床面積の1/8以上を占め、かつそれが平面上偏在して配置されている場合
イ 平面形が対称となる吹抜けにおいても、その面積が平面形の1/3を超えるような場合
ウ 面積や配置にかかわらず、明らかに建築物平面が分離されて2棟や3棟構成とみなされるような形状に吹抜けが存在する場合
エ 吹抜けにより独立の長柱(目安として3層以上、細長比50以上)が生じる場合
(5) 解析
ア 解析は、原則として構造一貫計算システムを用いた弾性応力変形解析(許容応力度設計)及び荷重増分解析(静的漸増弾塑性解析)等によること。
イ 解析モデルは、柱・はり・壁等の剛性を適切に評価した骨組モデルを基本とする。
(6) 鉄筋コンクリート造
ア 純ラーメン架構や耐力壁を含むラーメン架構の崩壊メカニズムは、特定層に損傷が集中することのない、全体崩壊形が望ましい。また使用する部材はFA、FBランク材とし、塑性化する部材はFAランク材の使用が望ましい。
イ 柱の設計について
(ア) 扁平柱(長辺/短辺>3)は、曲げ剛性、せん断剛性を適切に評価することとする。
(イ) 隅柱は、二方向応力に対する検討を行うこととする。
(ウ) 柱の軸力比は、(1-1-1)式、(1-1-2)式によることとする。
(エ) 横補強筋(せん断補強筋)は、主筋とコンクリートを有効に拘束する形状及び配置とする。
ウ はりの設計について
(ア) はり主筋については、カットオフ長さの検討を行うこととする。
(イ) 短スパンばり(シアスパン比{(L0/2)/D}が1.5程度の短スパンばりは、靭性を確保した設計を行うこととする。
エ 耐震壁の設計について
耐震壁の付帯ラーメンの形状は、原則として「RC規準-1999」の「19条耐震壁」によることとする。
オ 高さが45mを超える鉄筋コンクリート造のピロティ柱の設計について
次の各号の条件により設計を行うこととする。満足できない場合は、ねじれ応答を含めた動的性状について十分な検討を行う必要がある。この場合の検証は、原則として指定性能評価機関による任意の技術評定を取得することとする。
(ア) 「技術基準解説書」の「付録1-6 ピロティ形式の建築物に対する耐震設計上の留意点」の規定による。
(イ) ピロティ階では、層降伏を防止するのに十分な強度と剛性を確保するため、ピロティ階全体としての強度と剛性が、直上階の層全体としての強度と剛性を上回るように設計する。この場合の直上階の耐震壁は、原則として弾性剛性により評価する。
(ウ) 単独柱(ピロティ柱)に対する応力は、荷重増分法によって求め、架構の終局時において圧縮柱の曲げ降伏を許容しない。
(エ) 単独柱(ピロティ柱)は、全主筋を横補強筋で拘束する。
(オ) 単独柱(ピロティ柱)の設計クライテリアは、上記(ア)から(ウ)を満足させた上で、表1-1-3による。
(カ) 単独柱(ピロティ柱)上部の床スラブは、上階耐力壁のせん断力を下階の他構面の耐力壁に伝達するために十分な強度と剛性を確保する。
(キ) 連層壁下部に取り付くピロティ階の大ばりは、耐力壁の拘束応力も考慮したせん断力及び軸方向引張力に対して安全なように設計する。
(7) 鉄骨造
ア 崩壊形は、はり崩壊型、はり・パネル複合型とすることが望ましい。また使用する部材はFA、FBランク材とし、塑性化する部材はFAランク材の使用が望ましい。
イ 柱の設計について
ラーメン柱材や吹き抜け空間の長柱は、座屈の検討を行うこと。
ウ はりについて
はりの曲げ剛性は、床スラブの合成効果を適切に評価するものとする。
(8) 耐風設計
ア 基本的事項
高さ45mを超え60m以下の建築物で以下のいずれかに該当する場合は、原則として風洞実験により安全性の検証を行う。
(ア) 高さと幅の比(アスペクト比)が4以上の風に対し敏感な建築物。
(イ) 「極めて稀に発生する風荷重≧0.9×稀に発生する地震荷重」である建築物。
(ウ) 建築物形状が極めて特殊なため設計上安全な風圧係数が設定できない建築物。
イ 評価判定クライテリア
高さ45mを超える建築物の耐風設計は、以下に定める風圧力に対し安全であることを確認する。
(ア) 令第87条に定める稀に発生する風圧力(レベル1)により構造上主要な部分に生じる力は、許容応力度以内であること。
(イ) 極めて稀に発生する風圧力(レベル2)により構造上主要な部分及び外装材に生じる力は、概ね許容応力度以内であること。

1-1-5 高さが31mを超え60m以下の鉄筋コンクリート造

原則としてチェックリストAに適合することとする(原則として「表1-1-2 防災上重要な建築物等」を除く。)。ただし次に掲げるいずれかの検討を行った場合は除く。
(1) 限界耐力計算により構造の安全性を確認する場合。
(2) 「1-4 許容応力度等計算を補完するための動的応答解析等の取扱い」よる検証を行った場合。

1-1-6 高さが45mを超え60m以下の鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造

原則としてチェックリストBに適合することとする。ただし次に掲げるいずれかの検討を行った場合は除く。
(1) 限界耐力計算により構造の安全性を確認する場合。
(2) 「1-4 許容応力度等計算を補完するための動的応答解析等の取扱い」よる検証を行った場合。

1-2-1 適用の範囲

(1) 建築物の高さ(H)に対する幅(B)との比(以下「塔状比(H/B)」という。)が4を超える建築物(以下「塔状建築物」という)を対象とする。
(2) 高さが20mを超え60m以下の高層建築物である塔状建築物等については、この取り扱いによるほか「1-1 高層建築物に関する取扱い」による。

1-2-2 構造計画

(1) 基礎は建築物の規模、地盤の条件及び施工性等を適切に考慮して選定すること。
(2) 構造計画は全体に明快なものとし、耐震上の配慮を十分行うこと。
(3) 構造形式は、原則として鉄骨造又は鉄骨鉄筋コンクリート造とすること。

1-2-3 構造設計要項

(1) 鉄骨造について
ア 柱及びはりのウェブは、原則として充腹形とする
イ 柱の幅厚比は、原則としてFA又はFB材、ブレース材の種別はBA材を用いることとする。
ウ 柱脚は、原則として埋め込み型柱脚又は指定性能評価機関の性能評定を受けた柱脚とする。
(2) 鉄骨鉄筋コンクリート造について
ア 鉄骨鉄筋コンクリート造の柱及びはりは、原則として部材断面の曲げ耐力に対する鉄骨部分の曲げの割合を0.4以上とする。ただし、曲げ耐力の割合は存在応力の割合とすることができる。
イ 柱及びはりのウェブは、原則として充腹形とする。
ウ 柱、はり部材においてせん断破壊が先行していないこととする。
エ 柱は、原則としてFA又はFB材を用いることとする。
オ 柱脚は、原則として埋め込み柱脚とする。
(3) 鉄筋コンクリート造について
高さ20m以下の建築物については、「ルート1」又は「ルート2」の構造計算方法により設計が可能でかつ、帯筋をスパイラル筋若しくは溶接帯筋とした場合は、鉄筋コンクリート造とすることができる。
(4) 標準せん断力係数(Co)は、原則として0.25以上とする。ただし、塔状比が6以下の建築物における転倒の検討にあたっては0.2以上とすることができる。
(5) 層間変形角は1/200以内とする。(Co≧0.2により計算して良い)
(6) 一次設計に対して、くいに浮上り力が生じる場合は、原則としてくいの自重のみで抵抗できることが望ましい。
(7) 塔状比(H/B)が6を超える建築物においては、(4)を除き上記による他以下の事項によることとする。
ア 鉄骨造又は鉄骨鉄筋コンクリート造とする。
イ 「1-4 許容応力度等計算を補完するための動的応答解析等の取扱い」により、動的な解析や実験により本設計の妥当性を検証することとする。
ウ 崩壊形は、原則としてはり降伏型全体降伏機構とし、基礎構造及び上部構造部材の終局限界状態を適切に評価し設計を行うものとする。
エ 許容応力度等計算による場合、標準せん断力係数(Co)は、転倒の検討を含み、原則として0.25以上とする。
オ 上記 アからエによらない場合は、原則として指定性能評価機関による任意の技術評定を取得することとする。

1-3-1 限界耐力計算の背景

1-3-2 適用の範囲

(1) 本取り扱いは、高さが20mを超え60m以下の建築物を限界耐力計算で計算する場合のものである。
(2) 原則として、建築物は、整形性や計算方法等を「限界耐力計算チェックシート」に適合するものとする。

1-3-3 構造計画

(1) 基礎は、建築物の規模・地盤の条件及び施工性等を適切に考慮して選定すること。また地盤と基礎、上部構造相互間の地盤相互作用効果を考慮した設計を行う場合は、くい及び地盤の終局時の変形を適切に評価した設計を行う事が望ましい。
(2) 構造計画は、整形かつ均質で、全体的に明快なものとし、耐震上の配慮を十分に行うこと。

1-3-4 一般事項

(1) 原則として令第82条の3の偏心率は0.30以下とする。ただし、ねじれ振動を立体的に考慮した場合や、建築物の崩壊形及び部材の変形に対して配慮した設計等を行った場合はこのかぎりではない。また偏心率が0.3を超える場合には、安全限界耐力に考慮する偏心の低減補正(Fei)は、1.5を上限とせずに直線的に割り増して算定することが望ましい。
(2) 鉄骨造において、冷間成形角形鋼管柱を柱に使用する場合は、「冷間マニュアル」により検証を行うこととする。

1-3-5 表層地盤によるGsの算定

(1) 建築物の地盤調査位置は、原則として当該建設地の建築物下部とし、表層地盤のせん断剛性の調査を適切に行うこととする。
(2) 表層地盤の増幅率(Gs)は、原則として工学的基盤(せん断波速度:400m/sec)までを考慮して算定するものとし、また工学的基盤は、原則としてその層よりも硬い層(せん断波速度が大きい層)が下部にあるものとする。
(3) 軟弱な地層が厚く堆積した地盤、地層が互層状で土性の変化の著しい地層構成の地盤などについては、PS検層等によって地層を構成する各土層のせん断波速度の実測を行うことが望ましい。
(4) 液状化地盤においては、原則として限界耐力計算は適用しないものとする。
(5) 地盤改良やラップルコンクリート等の置換工法を用いる場合には、改良や置換を行う前の現地盤と周辺の地盤を考慮してGsを算定することとする。

1-3-6 地震時損傷限界の検証

原則として、荷重増分解析とする。この場合、ひび割れ等による耐力低下が想定される構造形式(一般的には鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造等)においては、剛性低下率を適切に設定するものとする。

1-3-7 地震時安全限界の検証

(1) 各階の安全限界変位(設計限界変形角)は、部材の限界変形角に達した場合の層間変位以下とする。この場合の建築物全体の塑性率(Df)は、原則として5程度以下となることを確認する。
(2) 原則として、荷重増分解析とする。
(3) 安全限界変形角を1/50以上とする場合は、P-Δ効果を考慮するものとする。
(4) 脆性的な破壊をする部材を持つ建築物等は、原則として脆性破壊した時の変形状態をメカニズムとする。
(5) 安全限界耐力の算定において、ひび割れ等による耐力低下が想定される構造形式(一般的には鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造等)においては、剛性低下率を適切に設定するものとする。

1-3-8 塔状建築物(塔状比>4.0)

(1) 平12建告第1457号第1の固有値解析、モード合成により刺激関数を求めた外力分布を算定し、一次モードが卓越することを確認する。
(2) 保有水平耐力計算時(安全限界耐力計算時)の各層の塑性率は、原則として2.0を超えないことを確認するものとする。
(3) 損傷限界時の部材の検証、安全限界時の終局せん断強度の検証において、有効質量比の逆数程度の割り増した応力を考慮することとする。
(4) 構造形式は、原則として鉄骨造又は鉄骨鉄筋コンクリート造とする。
(5) 原則として「1-2 塔状建築物に関する取扱い(1-2-3 構造設計要項)」の(1)から(3)に準じて設計を行うこととする。

1-3-9 ピロティ構造

(1) 原則として、平12建告第1457号第1の固有値解析、モード合成により刺激関数を求めた外力分布を算定し、一次モードが卓越することを確認する。
(2) ピロティ階における保有水平耐力計算時(安全限界耐力計算時)の各層の塑性率は、原則として2.0を超えないことを確認するものとする。
(3) 損傷限界時、安全限界時の終局せん断強度の検証において、有効質量比の逆数程度の割り増した応力を考慮することとする。
(4) ピロティ柱及び耐震壁は、安全限界時の水平力に対して十分に余裕のある設計を行うこと。
(5) 原則として、ピロティ上部の耐震壁は、剛性低下を見込まないこととする。

1-3-10 部材の限界変形角(Ru)

安全限界耐力の検証においては、部材の断面や変形能力を適切に評価した部材の限界変形角(Ru)を設定すること。

1-4-1 適用の範囲

この節の規定は、高さが31mを超え60m以下の高層建築物、ピロティ階を有する建築物又は塔状比が4を超える建築物などで、許容応力度等計算(令第82条から第82条の4)に適合するもののうち、振動性状など動的要素を考慮するための設計に適用する。

1-4-2 耐震設計

(1) 動的応答解析の流れ
この節の動的応答解析は、静的解析に基づく動的応答解析モデルを作成し、適切な入力地震動を用いた時刻歴応答解析を原則とする。
(2) 設計用入力地震動時刻歴波形
地震動及び設計用入力地震動時刻歴波形は、地域特性を反映した横浜模擬地震動を基に策定された横浜標準波を用いることを原則とする。なお、液状化のおそれのある地盤においては適用しない。
(3) 取り扱いの対象外となる特殊な構造計画及び高度な検証方法
高さ31mを超え60m以下の建築物のうち、以下のアからウに該当する部分を含む建築物は、上下方向の地震動等の影響について考慮する必要があり、またエに該当する検証は、地盤増幅効果を取り入れた入力地震動を設定する必要がある。
これらの場合は、本取り扱いの規定によらず令第36条第2項第三号(平12建告第1461号による時刻歴応答解析)に該当する建築物として、国土交通大臣の認定を取得することを原則とする。
ア 長さが30mを超える大スパンの建築物
イ 3層以上にわたる柱抜け架構のある建築物
ウ 張り出し長さが、10mを超えるオーバーハングの架構を有する建築物
エ 設計用地震動として、地域の模擬地震動を用いる場合及び解放工学的基盤における地震動を基に、表層地盤増幅を考慮して用いる場合

1-4-3 耐震設計における動的応答解析

(1) 動的応答解析の位置づけ
本取り扱いの動的応答解析は、時刻歴応答解析法を基本とし、稀に発生する地震動(レベル1)に対し弾性応答解析、また極めて稀に発生する地震動(レベル2)に対し弾塑性応答解析を行う。
(2) 動的応答解析を実施するために行う静的解析
動的応答解析は、次の静的解析の結果に基づき実施する。
ア 動的応答解析の複元力特性を求めるための静的解析は、構造計算一貫システムを用いた弾性応力変形解析及び荷重増分法による弾塑性解析を原則とする。
イ 解析モデルは、柱・はり・耐震壁等の剛性を適切に評価した骨組モデルを基本とする。
(3) 動的応答解析のモデル化
動的応答解析のモデル化は、建築物の構造方法、振動性状によって建築物の各部分に生じる力及び変形を適切に把握するため、次のアからウによることを原則とする。
ア 共通事項
(ア) 建築物の振動モデルは、建築物形状、構造要素等を反映した等価せん断型、等価曲げせん断型、及び部材モデルのいずれかとする。
(イ) 建築物と地盤の動的相互作用を考慮しない基礎固定型モデルとする。
イ 稀に発生する地震動(レベル1)に対する建築物の振動モデルは、構造部材の弾性剛性に基づき評価する。
ウ 極めて稀に発生する地震動(レベル2)に対する建築物のモデル化
(ア) 復元力特性は、各層別又は部材ごとに建築物の構造方法及び振動性状を適切に反映したものであること。
(イ) 減衰定数は、一次固有周期に対して鉄骨造で2%、鉄筋コンクリート造で3%を基本とする。
(4) 動的応答解析における応答値の位置づけ
動的応答解析による総合的な耐震安全性については、原則として建築物全体の最大応答値により判定する。また、短柱や短スパンばりなどが存在する場合などにおいては、部材の最大応力値及び最大塑性率を確認することが望ましい。

1-4-4 動的応答解析による評価判定クライテリア

(1) 耐震レベル別の評価判定クライテリア
動的応答解析の結果、建築物の最大応答値等が次の各項の評価判定クライテリアを満足することを原則とする。
ア レベル1
(ア) 最大応答層せん断力が、一次設計用層せん断力又は弾性限耐力以下であること。
(イ) 各階の最大応答層間変形角が1/200以下であること。ただし、変形追随性が確認できるものを除く。
(ウ) 建築物の構造上主要な部分の応力は、短期許容応力度以内とすることを原則とし、必要に応じて、有害なひび割れや残留変形を生じていないことを確認する。
イ レベル2
(ア) 各階の最大応答層間変形角が1/100程度であること。ただし、変形追随性が確認できるものを除く。
(イ) 各層の応答塑性率が、2.0程度であること。また、必要に応じて、部材の応答塑性率が構造特性を考慮した限界値以内であることを確認する。

1-5-1 目的

本取り扱いは、これまでの確認申請における一般的な構造形式に対する設計上の留意事項をまとめたものである。

1-5-2 適用の範囲

本取り扱いの適用の範囲は、高さが60m以下の建築物とする。

1-5-3 構造計画

(1) 平面計画
建築物の平面形は、剛性、強度等が重心に対してバランスよく分布し、地震時に過度の偏心が生じないように計画することが望ましい。
(2) 立面計画
立面計画においては、「剛性分布のバランス」と「耐力分布のバランス」に留意して設計を行う。
(3) 保有水平耐力計算時の限界変形角
荷重増分解析等による保有水平耐力計算時の層の限界変形角の設定は、部材の復元力を考慮し適切に設定を行うものとする。
限界変形角は、詳細な検討を行わない場合には、以下の設定によることとする。
ア 鉄筋コンクリート造は、1/100以下程度とする。
イ 鉄骨造は、1/50以下程度とする。

1-5-4 鉄骨造に関する取扱い

(1) 鉄骨造の主要構造部の材料は、使用する鋼素材の品質や溶接施工などにおける品質確保を満たす構造用鋼材等を使用することが望ましい。
(2) 冷間成形角形鋼管を用いる場合には、「冷間マニュアル」により設計を行うこととする。

1-5-5 鉄筋コンクリート造に関する取扱い

(1) 偏心率、剛性率の算定において、耐力壁の剛性は、原則として剛性低下を考慮しないこととする。
(2) 耐震壁とラーメン構造を併用する構造形式では、ラーメン部分のせん断負担率に留意して設計を行うこととする。
(3) 鉄筋コンクリート造の腰壁、そで壁等は、構造壁、非構造壁とに明確に区別する。構造壁については、構造計算において構造部材として評価することとする。
(4) 耐震壁の付帯ラーメンの形状は、原則として「RC規準-1999」の第19条耐震壁、「付帯ラーメンの形状」によることとする。
(5) ルート2-3、ルート3の場合には、原則として柱・はり接合部のせん断設計を行うこととする。
(6) 鉄筋コンクリート造の増し打ち(ふかし)を主要構造部に用いる場合には、原則として構造的な影響を考慮することとする。

1-5-6 鉄骨鉄筋コンクリート造に関する取扱い

(1) 水平荷重時における耐震壁及びラ-メンの水平力の負担割合は耐震壁の剛性低下等を考慮して適切に定めるものとし、少なくとも全水平力の30%程度はラーメン架構に負担させること。
(2) 原則として、鉄骨造部分は40%以上の応力を負担できる部材を用いるものとする。
(3) 柱及びはりのウェブは、原則として充腹形とする。
(4) 鉄骨鉄筋コンクリート造から鉄筋コンクリート造躯体への切り替えは、剛性・耐力の確保及び上下方向の耐力・剛性の連続性の確保に留意する。

1-5-7 コンクリート充填鋼管(CFT)造の取扱い

(1) 告示の適用
この節は、充填されるコンクリートの強度を評価するコンクリート充填鋼管造に対し適用する。
(2) 設計強度
充填されたコンクリートの圧縮、せん断、付着許容応力度及び材料強度は以下のとおりとする。
(3) コンクリートと鋼管の相互拘束効果を考慮した設計
以下のいずれかによる場合は、鋼管内に充填されるコンクリートの相互拘束効果を考慮することができる。
ア 原則として実況に応じた強度試験((5) 解説イの構造実験、施工実験)による短期圧縮許容応力度の割増し(α)、せん断許容応力度及び付着許容応力度を用いる場合
イ 「CFT協会基準」の割増し(cFc)による短期圧縮許容応力度の割増し(α)を用いる場合
ウ 許容曲げモーメント及び終局曲げ耐力の算定を、「CFT協会基準」、「SRC規準」、「S鋼管指針」に基づく算定式による場合
エ 必要保有水平耐力計算における変形性能の評価(部材種別ランク)を、「CFT協会基準」又は「SRC規準」に基づき行う場合
(4) 設計の方法
CFT造の設計方法は、設計項目に応じて適切な設計式を用いることを原則とする。
(5) 告示のただし書きの運用
平14国交告第464号及び平13国交告第1024号のただし書きの運用については、表1-5-7による。
この表のB’レベルに該当する場合は、解説イの実況に応じた強度試験(構造実験、施工実験)を行い、原則として指定性能評価機関による任意の技術評定を取得する。

1-6-1 目的

本取り扱いは、木造建築物等(1階又は1階及び2階を木造以外の構造とする場合を含む。以下、この章において同じ。)の構造計画及び構造計算の方法について、実務上の運用を示す。

1-6-2 構造計算及び構造規定

本取り扱いにおける木造建築物等(混用を除く)に関する構造計算及び構造規定は、(1)から(4)に掲げる工法ごとに、表1-6-1に示す通りとする。
(1) 在来軸組工法
(2) 枠組壁工法又は木質プレハブ工法
(3) 丸太組構法
(4) 集成材建築物等

1-6-3 使用材料

(1) 構造耐力上主要な部分に使用する木材の品質は、節、腐れ、繊維の傾斜、丸身等による耐力上の欠点がないものを使用すること。
(2) 材料の許容応力度及び材料強度については、平12建告第1452号に定められた数値とすること。

1-6-4 基礎構造

(1) 基礎は、令第38条、平12建告示第1347号に定める構造方法とするか、又は構造計算により構造耐力上安全であることを確かめること。
(2) 軟弱な地盤における木造建築物の基礎の計画は、沈下予測できる精度の地盤調査をし、建築物の安全性を確保することが望ましい。

1-6-5 許容応力度等計算によらない場合の在来軸組工法に関する取扱い

(1) 目的
本取り扱いは、在来軸組工法の主に許容応力度等計算によらない木造建築物について、告示で規定されている項目についての実務上の運用を示す。
(2) 構造耐力上必要な軸組の釣り合い良い配置
令第46条の規定に基づき、平12建告第1352号により軸組を釣合い良く配置すること。
(3) 小屋裏物置等を設置した場合(平12建告第1351号)
木造の建築物に物置等を設ける場合には、令第46条第4項の必要壁量を算定するための床面積に加算するのに加え、平12建告第1352号により規定されている軸組のバランスの算定時にも加算する。
ア 令第46条第4項の必要壁量
イ 平12建告第1352号の釣り合いの良い軸組の配置
(4) 柱、はり等の仕口及び継手(平12建告第1460号)について
木造建築物の筋かい及び柱、はりの継手・仕口については次の各号による。
ア 告示で規定している「軸組端部の柱」とは、壁を設け又は筋かいを入れた軸組単体の左右の柱それぞれをいう。
イ 接合金物について、Zマーク表示金物及びZマーク表示金物同等認定品については第1号で規定しているものと同等として扱う。なお、試験等により耐力の確認を行った場合には、試験結果により第1号と同等以上かどうか判断するものとする。
ウ 壁を設け又は筋かいを入れた軸組の柱には、柱頭及び柱脚に第2号に規定された軸組の種類に応じた金物又はN値計算により必要とされる金物により横架材と緊結すること。ただし、当該部分の引張耐力を超えないことが確かめられた接合方法については、表2によらないことができる。

1-6-6 在来軸組工法の許容応力度等計算の取扱い

(1) 目的
本取り扱いは、在来軸組工法の木造建築物について、許容応力度等計算を行う場合の実務上の運用を示す。
(2) 用語の定義
本取り扱いで用いる用語は、以下のように定義する。
ア 耐力壁とは、以下の条件を満足したものをいう。
(ア) 壁倍率1につき、基準耐力を1.96kN/mとする。
(イ) 長さは原則として90cm以上とし、構造用合板など面材を釘打ちしたもので特に接合部等を詳細に検討したものについては60cm以上とする。
イ 許容応力度等計算とは、設計ルート1、2、3に令第82条第四号に規定される「使用上の支障が起こらない」ことを確かめるための検討を加えたもののことをいう。
ウ 剛床・柔床
(ア) 剛床とは、水平構面の剛性が十分期待できる床のことで、各階において耐力壁が一様に同じ寸法だけ変形すると仮定できるものをいう。
(イ) 柔床とは、水平構面の剛性が十分期待できない床のことで、各構面の壁がその構面に作用する水平力に対して独自に抵抗するような床をいう。
(3) 適用の範囲
対象建築物は、次の各項に該当するものをいう。
ア この取り扱いは、地上3階以下、高さ13m以下、軒の高さ9m以下、延べ面積500m2以下の在来軸組工法の木造建築物を対象とする。
イ 木造部分の階の床組は、原則として剛床と仮定できる建築物を対象とする。
(4) 構造計算
令第82条に基づく許容応力度計算にあたっては、以下の項目について留意すること。
ア 建築物の形状
(ア) 平面計画
(イ) 立面計画
イ 鉛直荷重に対する検討
ウ 水平荷重に対する検討
(ア) 耐力壁の設計
(イ) 接合部の設計
(ウ) 変形角
(エ) 雑壁の耐力評価
エ 耐力壁の配置
オ 水平構面の検討

1-6-7 混用木造建築物の取扱い

※(3)~(5)は平成19年6月以降の建築基準法等に適合していないので掲載しておりません。

(1) 適用範囲
1階又は1階及び2階を非木造とし、地上3階以下で高さ13m以下、軒の高さ9m、延べ面積500m2以下の建築物を対象とする。なお、水平力を負担する木造部分と非木造部分を平面的に混用する場合、それぞれの剛性、耐力の特性が異なり、応力の伝達等に特別な配慮を要するため原則として対象外とする。

(2) 用語の定義
本取り扱いで用いる用語は、次のように定義する。
ア 混用木造建築物とは、木造と木造以外を併用した構造が異なる建築物をいう。
イ 部分混用木造とは、構造耐力上主要な部分である柱又は梁の一部に木材以外の材料を使用した建築物をいう。
ウ 地下とは、地階の階高の2/3以上が全て地盤と接している場合、又は地下部分の外周囲が全周の75%以上地盤と接している場合とする。

(3) (略)

(4) (略)

(5) (略)

1-6-8 枠組壁工法・木質プレハブ工法建築物の取扱い

(1) 目的
本取り扱いは、枠組壁工法・木質プレハブ建築物の告示で規定されている項目についての実務上の運用を示す。
(2) 用語の定義
本取り扱いで用いる用語は、次のように定義する。
ア 枠組壁工法
木材を使用した枠組に構造用合板等の面材を釘打接合することにより、壁・床版を構成する工法のことをいう。
イ 木質プレハブ工法
木材を使用した枠組に構造用合板やその他の面材をあらかじめ工場で接着接合することにより、壁・床版を構成する工法のことをいう。
ウ 許容応力度計算1
平13国交告第1541号第1に掲げる仕様の耐力壁について、許容せん断耐力、終局耐力及び剛性を、壁倍率から求める場合に適用する構造計算手法のことをいう。
エ 許容応力度計算2
枠組壁工法の耐力壁について、降伏せん断耐力、終局せん断耐力及び剛性を、接合部の特性などから算出する場合に適用する構造計算手法のことをいう。
(3) 建築規模と構造計算
建築規模ごとに要求される構造計算を、以下に掲げる規模ごとに表1-6-6に示す通りとする。
ア 階数が2、高さ13m以下かつ軒の高さ9m以下の建築物
イ 階数が3(小屋裏3階含む)、高さ13m以下かつ軒の高さ9m以下の建築物
ウ 高さ13mを超え、又は軒の高さ9mを超える建築物
エ 3階建共同住宅で、高さ13m以下、軒の高さ9m以下の建築物
オ 3階建共同住宅で、高さ13mを超え、又は軒の高さ9mを超える建築物
(4) 構造計算
構造部分の材料及び各部の仕様に応じて、平13国交告第1540号の各号に定められた構造計算により安全の確認を行うこと。
ア 仕様規定によらない場合に要求される構造計算
イ 部位別構造材、架構方法により要求される構造計算

※1-7-1から1-7-3までは平成17年6月以降の建築基準法等に適合していないので掲載しておりません。

1-7-1 適用の範囲

(1) (略)
(2) (略)

1-7-2 構造上別棟となる増築等

(略)

1-7-3 構造上一体となる増築等

(1) (略)

(2) (略)

(3) (略)

1-7-4 耐震診断

(1) 目的
この取り扱いは、耐震診断を行う場合の実務上の運用を示す。
(2) 現地調査
ア 鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造の場合、コンクリートのコア抜き取り調査は、原則として各工期、各階ごとに3本以上の円柱供試体を採取する。
イ 鉄骨造の場合、調査箇所は骨組の特性に応じて2から3箇所選定する。
(3) 耐震診断の種類
耐震診断を行う場合には、各種別ごとの以下の特性に十分留意し、診断方法を選択すること。
ア 第一次診断・・・耐震壁等が多く、剛性、強度が高い建築物に適応した方法であり、簡単に診断を行えるが、それだけに結果の信頼性が低い。
イ 第二次診断・・・はりは剛強であると仮定し、柱と壁の鉛直部材の終局強度から耐力を求める方法で、柱崩壊型の建築物を対象とする。
ウ 第三次診断・・・架構全体の挙動を把握し、保有水平耐力の計算を行う精算法で、はり崩壊型の建築物や連層耐震壁がある建築物も対象とする。
(4) 耐震診断の留意事項
以下に掲げるような建築物の耐震診断を行う場合は、その特性に十分留意し、必要な詳細検討を行うこと。
ア ピロティ階を有する建築物
イ 崖地に近接する建築物
ウ 液状化の可能性がある地盤に位置する建築物

1-8-1 適用の範囲

(1) 用途変更(法第87条)における取り扱いは以下のとおりとする。
ア 建築物が確認済証、検査済証を受けている建築物の申請においては、法第87条の規定の通り、法第20条の構造耐力の安全性、施行規則第1条の3の構造図、構造計算書の添付は不要である。
この場合、建築時の計画に対して荷重条件が変わらない事が前提条件であり、荷重条件が変わらないことの検討報告書を確認申請書に添付することとする。
イ 当該用途変更により、構造耐力上主要な柱、はり、耐力壁、床等を一部変更する場合は、検討報告書を確認申請書に添付することとする。
(2) 用途変更により積載荷重等の設計条件が変わる場合(おもに荷重増となる場合)の取り扱い。
積載荷重等の設計条件が変わる場合は、当該建築物を建築した当時の法令によって再検討を行うこととする。

第2章 基礎構造

2-1-1 地質調査等の実施

建築物の設計に際しては、原則として当該敷地について地質・地盤等の調査を実施して、地層構成及び地盤の状況等を把握すること。

2-1-2 良好な地盤

令第38条第3項に規定する建築物のくい基礎は堅固(N値50以上)で、かつ十分な層厚を持つ洪積層に支持させなければならない。やむを得ず、中間層に支持させる場合は、原則として次の事項を満足すること。
(1) 支持層のN値は、30以上とする。
(2) 層厚は、くい先端からくい先端径の3倍以上かつN値/10m以上とする。
(3) 支持層の打ち抜き、支持層下層の圧密沈下の影響等を検討する。

2-1-3 地盤の液状化

(1) 建築物の基礎設計に際し、飽和砂地盤等においては、液状化の可能性を適切な方法により判定しなければならない。
(2) 判定の結果、液状化の可能性がある地盤の場合は、液状化による影響を考慮した基礎形式の選定を行うとともに、必要に応じ適切な対策を講じなければならない。

2-1-4 異種基礎の設計

(1) 適用の範囲
この取り扱いは、建築物に異種の基礎を併用して設計する場合に適用する。
(2) 異種基礎の定義
異種基礎とは、次のア又はイのいずれかに該当するものをいう。これらに該当しない場合でウ及びエに該当するものは異種基礎と同等に取り扱うものとする。
ア 基礎の構造形式が異なる場合
イ 基礎の支持力機構が異なる工法の場合
ウ 支持地盤の沈下量に大きな差が生じる場合
エ くいの長さが著しく異なる場合
(3) 令第38条第2項の適用の除外
次のいずれかに該当する場合は、令第38条第2項の規定を適用除外することができる。

(ア) 当該部分にエキスパンションジョイントを設けること等により、上部構造に有害な変形を生じさせないように設計した場合
(イ) 異種の基礎のそれぞれについて、載荷試験等によって支持力及び沈下量等を確認し、上部構造に支障がないように設計した場合
(ウ) 直接基礎と支持ぐいを併用する場合(くいの長さが著しく異なる場合を含む)で、土質試験等のデータに基づき、学会規準等に示された適切な方法により沈下量を推定し、上部構造に支障がないことを検討した場合(この場合においては、剛性の高い基礎ばり等によって補強することが望ましい)
イ 前項の場合は、水平荷重時の荷重分担を、くい等の変形特性を考慮して適切に配分し、検討する必要がある。

2-2-1 適用の範囲

(1) 適用の範囲
この取り扱いは独立フーチング基礎、複合フーチング基礎、布基礎(連続フーチング基礎)、べた基礎その他で建築物の荷重を地盤に直接支持させる形式の基礎を設計する場合に適用する。
(2) 直接基礎としてはならない場合
直接基礎の底面下の地層が、有害な圧密沈下を生じるおそれのある場合又は地震時に液状化するおそれのある場合等においては、原則としてくい基礎とし、良好な支持層に支持させるものとする。

2-2-2 設計の基本的要件

(1) 地耐力の検討
直接基礎は、基礎設計用による接地圧が「2-2-3 地盤の許容応力度の算定」により求めた地盤の許容応力度以下になるように設計するものとする。
さらに、ゆるい沖積層等、圧密沈下のおそれのある地盤に支持させる場合や支持層の下部に圧密沈下のおそれのある地盤がある場合は、「2-2-6 沈下量の検討」の地盤の許容沈下量以内になるように設計するものとする。
(2) 支持地盤の設定
直接基礎の底面は、地形その他の条件によって支持地盤が変形、流失等の劣化をするおそれのないような深さまで根入れするものとする。
(3) 水平力への対応
直接基礎の底面に常時水平力が作用するときは、滑動及び地盤の許容応力度に対して安全であることを確認するものとする。

2-2-3 地盤の許容応力度の算定

(1) 許容応力度の算定方法
地盤の許容応力度(qa)は、次のいずれかの方法により定めるものとする。
ア 平板載荷試験により得られた数値に基づいて、平13国交告第1113号第2の表中(2)項の式により定める方法。
長期許容応力度は(2-2-1)式、短期許容応力度は(2-2-2)式による
qa=qt+1/3N’γ2Df (2-2-1)
qa=2qt+1/3N’γ2Df (2-2-2)
イ 土質試験等により得られた地盤の粘着力及び内部摩擦角の数値に基づいて、平13国交告第1113号第2の表中(1)項の式により定める方法。
長期許容応力度は(2-2-3)式、短期許容応力度は(2-2-4)式による
qa=1/3(icαCNc+iγβγ1BNγ+iqγ2DfNq) (2-2-3)
qa=2/3(icαCNc+iγβγ1BNγ+iqγ2DfNq) (2-2-4)
ウ スウェーデン式サウンディング試験(以下「SS試験」という。)により得られた数値に基づいて、平13国交告第1113号第2の表中(3)項の式により定める方法。
長期許容応力度は(2-2-5)式、短期許容応力度は(2-2-6)式による。
qa=30+0.6Nsw (2-2-5)
qa=60+1.2Nsw (2-2-6)
エ 令第93条ただし書きの表の数値に基づき定める方法。
(2) 根入れ深さ(Df)の設定
前項に掲げる式における根入れ深さDfの数値は、地形並びに地盤の状況及び土地の利用状況等を考慮し、適切に設定するものとする。

2-2-4 関東ローム層の許容応力度の確認

関東ローム層の許容応力度の確認方法については、次のとおり定める。
(1) qa≦50 kN/m2(qa:長期許容応力度)の場合
設計者が必要と判断した場合に限り、平13国交告第1113号第1に示された試験方法のうち適切な方法により確認する。
また、建築主事等が過去のデータにより、関東ローム層の有無等を含め、地耐力に疑義があると認める場合は、建築主事等が指示する方法で許容応力度の確認を行うこと(以下(2)、(3)項において同じ)。
(2) 50<qa≦100 kN/m2の場合
平13国交告第1113号第1に示された試験方法のうち、設計者が適切と判断した方法により確認する。
(3) 100 kN/m2<qaの場合
以下に示す地質調査により確認をすること。(一軸又は三軸圧縮試験の場合は原則として、qa≦120kN/m2)
平板載荷試験
一軸又は三軸圧縮試験

2-2-5 土丹層の許容応力度の確認

土丹層の許容応力度の確認方法については、次のとおり定める。
(1) qa≦300kN/m2(qa:長期許容応力度)の場合
設計者が必要と判断した場合に限り、平13国交告第1113号第1に示された試験方法のうち適切な方法により確認する。
建築主事等が過去のデータにより、土丹層の有無等を含め、地耐力に疑義があると認める場合は、建築主事等が指示する方法で許容応力度の確認を行うこと(以下(2) 項において同じ)。
(2) 300<qa≦1,000 kN/m2の場合
土丹層の許容応力度は原則として1,000 kN/m2以下とし、300<qa≦1,000kN/m2の場合は以下に示す地質調査により確認をすること。
平板載荷試験
一軸又は三軸圧縮試験

2-2-6 沈下量の検討

(1) 許容沈下量は、当該地盤の性状、基礎の形式及び上部構造の架構形式その他の条件を総合的に考慮し、有害な不同沈下を生じないよう適切な数値を設定するものとする。
(2) 沈下量の計算
沈下量は、地盤の性状に対応して圧密沈下、即時沈下について算定する。

2-3-1 適用の範囲

建築物の基礎地盤となる原地盤にセメント系固化材(スラリー系)を注入し、機械式攪拌深層混合処理工法により地盤と混合して改良を行い、建築物の直接基礎の支持地盤として使用する場合に適用する。

2-3-2 適用できる地盤条件

改良できる原地盤は、砂質地盤、粘性土地盤、ローム地盤等(組成の複雑な埋立地盤やゴミ地盤、腐植土などの特殊な地盤を除く)とし、地震時に液状化のおそれのある地盤を除く。

2-3-3 建築物の規模

建築物の高さが31m以下の建築物で、かつ原則として当該建築物の基礎に作用する長期荷重が基礎スラブ底面において300kN/m2以下の建築物に適用する。

2-3-4 品質管理上の施工実績の有無

品質管理については、以下の(1)及び(2)それぞれの条件を満たす場合に施工実績を有するものとし、これらに該当しない場合は、「2-3-6」に定める改良体の形式及び、「2-3-7設計基準強度」等の規定に関して、品質管理上の施工実績が不足するものとして適用する。
なお、(2)については「建築物等の施工技術・技術審査証明」(平5建告第475号)又は「建築物等の保全技術・技術審査証明」(昭63建告第1887号)などの施工技術の証明を取得していることが望ましい。
(1) 現場強度から設計強度を推定することができる。
現場強度と設計強度のバラツキ(変動係数)の評価をするための一定のサンプル数(25個以上)があり、統計上の強度分布が正規分布であることの確認がされている。
(2) 次の各号に示す一定の施工性の確保ができる。
ア 改良する土質種類ごとのコア採取率が設定されている。
イ 固化材添加量と一軸圧縮強度の関係が把握されている。
ウ 室内配合強度と現場強度(頭部コア、ボーリングコア)との変動を推定することができる。
エ 攪拌混合土の確認(掘り起こした改良体での確認等)のデータが整理されている。

2-3-5 設計のフロー

2-3-6 品質管理上の施工実績が不足する場合における改良体の形式

「2-3-4」に示す品質管理上の施工実績が不足する場合における改良体の形式は以下による。
(1) 改良体の配置形式は、原則としてブロック形式とし、改良体を相互に重ね一体配置とする。
(2) 改良幅(b)は、原則として基礎幅以上とする。
(3) 改良長(Lc)は、原則としてLc/b≦3かつ5m以下とする。

2-3-7 設計基準強度

改良体の設計基準強度は、改良体の一軸圧縮強度を基本とし、室内配合試験、現場施工試験(試験施工)等から実績を考慮して適切な値を設定すること。ただし、その値は原則として1,500kN/m2以下とする。

2-3-8 鉛直支持力の検討

鉛直荷重に対し、以下のとおりとする。
(1) 基礎スラブ底面における設計用接地圧が改良地盤の許容鉛直支持力度を超えないこと。
(2) 基礎スラブ底面に作用する荷重により改良体に生じる圧縮応力度が、改良体の許容圧縮応力度以下であること。
(3)常時では、改良体に引張り応力を生じないこと。

2-3-9 水平支持力の検討

中地震時の外力に対して、改良体を以下のとおりとする。
(1) 中地震時に改良体に生じる圧縮応力度及び引張り応力度が、改良体の許容圧縮応力度及び許容引張り応力度以下であること。
(2) 中地震時に改良体頭部に生じるせん断応力度が、改良体の許容せん断応力度以下であること。
(3) 中地震時に改良体頭部に生じる変位量は、原則1cm以下であること。

2-3-10 大地震時及び擁壁、偏土圧に対する検討

塔状建築物(H/B≧4)、高さが20mを超える建築物は、地震動(大地震等)を適切に評価し、建築物に生じる鉛直力、曲げモーメント及びせん断力を伝達できることを確認する。また擁壁や常時大きな偏土圧を受ける建築物については、原地盤を含めた斜面の安定計算など詳細な検討をすること。

2-3-11 斜面地設計上の留意事項

斜面地や擁壁などが接近している場所で地盤改良を行う場合は、改良部が周囲地盤の効果を期待できないおそれがあるので十分な検討が必要である。

2-3-12 限界耐力計算

上部構造を令第82条の6及び平12建告1457号の限界耐力計算による場合の地盤増幅率(Gs)の算定については、同告示第7第二号により算定する。

2-3-13 品質管理の取扱い

(1) 調査・試験
施工に先立ち、現場周辺の環境調査、現場の施工環境調査などの事前調査を実施するとともに、標準貫入試験等地盤調査を行う。
(2) 配合管理
配合強度は、同一の配合量において発現強度が最も小さい地層を設計対象層とし、以下のいずれかによること。
ア 設計基準強度の2倍(2.0Fc)以上の設定とすること。ただし、「2-3-4」による品質管理上の施工実績が不足する場合は2.5倍(2.5Fc)以上の設定とすること。
イ 「2-3-4」による品質管理上の施工実績を有する場合は、上記アによらず次式とすることができる。
Xf=αt・Fc
Xf:配合強度(kN/m2)
αt:割増し係数(変動係数Vd及び抜取ヶ所数を基に、合格確率を80%又は95%とするための割増し係数)
Fc:設計基準強度(kN/m2)
(3) コア採取率による調査
コア採取による改良体の連続性、(以下「連続ボーリングコア」という)の判定調査を行うこと。判定は全長に対して砂質土で95%以上、粘性土、ローム、有機質土、高有機質土で90%以上とすること。
また1m当たりのコア採取率は、それぞれ5%を減じた値以上とすること。なお連続コアボーリングの判定調査は、100コラム当たり1ヶ所、及び頭部コアは50コラム当たり1ヶ所とする。ただし、検査対象群の地層構成が異なる場合はその検査対象群毎に行うこと。
(4) 合格判定式
検査対象群毎の合格判定式は表2-3-1により、抜き取った供試体が合格判定式を満足することを確認すること。
(5) 抜取検査における補足
抜取検査は、(2)から(4)に定めるほか、以下の事項に留意して実施する。
ア 頭部コアの採取径は50から100mmが一般的であるが、75mm程度が望ましい。
イ ボーリングコアの採取径は50から100mmが一般的であるが、100mm程度とすることが望ましい。
ウ コアの採取位置は原則として図2-3-5による。
エ 検査手法Bを適用する場合のコアの採取位置は検査対象層内の平面方向、深度方向において偏ることがないようにすること。また頭部コアとボーリングコアの関係についても同様とする。
オ 合格判定式に使用するコア強度の材齢は28日とする。
カ 28日以前に採取したコアの養生条件は20±3℃の湿空養生とする。
キ 一軸圧縮試験は原則として、「土の一軸圧縮試験方法(JISA 1216)」又は「コンクリートの圧縮強度試験方法(JISA 1108)」に準じて行う。
ク 28日コアの一軸圧縮試験は原則として公的試験機関によること。

2-4-1 適用の範囲等

本取り扱いは、構造物の直接基礎の支持地盤として使用する浅層混合処理工法について規定し、適用の範囲については以下のとおりとする。
(1) 小規模構造物の基礎地盤として使用するものとする。
(2) 改良地盤の下には十分な支持層があること。
(3) 構造物の基礎下を全面改良すること。
(4) 原地盤にセメント系固化材を用いる工法であること。
(5) 施工は「原位置混合方式」又は「粉体方式」とし、改良深さは、2層以上に分けて改良することを条件として原則2m程度とする。

2-4-2 改良地盤の設計基準強度

浅層改良による改良地盤の設計基準強度は以下のとおりとする。
(1) 改良地盤の設計基準強度は一軸圧縮強度を基本とする。
(2) 改良地盤の設計基準強度は、強度のバラツキを考慮して、室内配合試験の結果又は施工試験の結果等から適切な値を設定する。

2-4-3 鉛直支持力度の検討

鉛直支持力度は以下を満足するものとする。
(1) 基礎スラブ底面に作用する最大接地圧が、改良地盤の許容支持力度を超えないこと。
(2) 改良地盤下に作用する最大接地圧が下部地盤の許容支持力度を超えないこと。

2-4-4 室内配合強度

室内配合強度X1は、地盤条件、施工条件等を考慮して以下の式によることを原則とする。
X1=quf/d1

2-4-5 検査方法

改良地盤の品質検査は任意に選定した位置において検査を行う。検査結果の合格判定は以下の式によるものとする。なお、品質検査における検査区は建築物規模、改良規模、地盤条件、施工条件等を考慮し適切に決定する。
Xi≧Fc

2-5-1 特殊な工法の取扱い

特殊なくいとは、次の(1)から(3)までのいずれかに該当する基礎ぐいとし、くいの許容支持力は原則として載荷試験により設定すること。また、(3)に該当しない基礎ぐいの場合は、法第37条第2項の規定に基づく国土交通大臣の認定(建築指定材料)が必要となる。
(1) 許容支持力の算定が、平13国交告第1113号第5第1号(2)項の算定式によらないもの
(2) 基礎ぐいの工法が、打込み工法、埋込み工法(セメントミルク工法)、場所打ちコンクリート工法又は、摩擦ぐい工法以外のもの
(3) くい材(くい体の耐力に係わる部分)の許容応力度また材料強度が、令第3章第8節第3款及び第4款並びに平13国交告第1113号第8各号に定められていないもの

2-5-2 打込みぐいの設計

(1) 打込みぐいの共通事項
ア 適用の範囲等
この取り扱いは、平13国交告第1113号第5の打込みぐいについて適用する。
打込みぐいの設計については、以下の各号の規定によるものとする。
(ア) くい径は、原則として600mm以下とする。
(イ) くいの長さは、原則として10d以上かつ4.5m以上とする。
(ウ) フーチング及び基礎ばりなどの設計にあたっては、打込み工法の施工性を考慮し、くい心のずれを適切に設定するものとする。また、施工後のくいのずれが設定した値を上回った場合には実況により補強の検討を行う。
(エ) 地震力などの水平力により、くいに引抜力が作用したときの抵抗力としてくいの周面摩擦力を見込む場合は、洪積層に接する部分のみとする。この場合においては、くい体、くいの接合部、くい頭の接合部などは、引抜力に対して十分な耐力を有していなければならない。
イ 許容支持力の低減等
次の各号に該当する場合は、(2)既成コンクリートぐい及び(3)鋼管ぐいで求めた支持力からそれぞれ低減した数値を許容支持力としなければならない。
(ア) 支持地盤の層厚が十分でない場合。
(イ) くいを単ぐい(1本打ち)とする場合。
ウ 施工管理等
(ア) くいの打ち止めの管理は、原則として下式によって行い、設計で想定した支持層に十分根入れし、かつ、くい体に過大な応力が生じないように、適切な打撃貫入量をもって打ち止めるものとする。
Ra≦F/(5S+0.1) (2-5-1)
(イ) 打ち抜きが困難な固い中間層がある場合には、オーガーを使用する等の適切な措置を講じておくものとする。
(2) 既成コンクリートぐい
ア 適用の範囲等
この取り扱いは、平13国交告第1113号第5の打込みぐいのうち、既成コンクリートぐいについて適用する。
(ア) くい材は原則として、JIS A 5372「遠心力鉄筋コンクリート(RC)ぐい」、「遠心力プレストレストコンクリート(PC)ぐい」及びJIS A 5373「遠心力高強度プレストレストコンクリート(PHC)ぐい」に適合するものを用いるものとする。
(イ) くいの中心間隔(l)はくい頭部の直径(d)の2.5倍以上、かつ75cm以上とする。
イ 長期許容支持力
既成コンクリートぐいの長期許容支持力は、次の(ア)及び(イ)に掲げる方法により求めた数値以下とする。
(ア) 載荷試験を行う場合は、次のaからcにより得られた数値の最小値。
a 載荷試験による降伏荷重の1/2
b 載荷試験による極限荷重の1/3
c 表2-5-1に掲げるくい体(くい材)の長期許容耐力
(イ) 載荷試験を行わない場合は、次のa及びbにより得られる数値の最小値。
a 表2-5-1に掲げるくい体の長期許容耐力
b 次の(2-5-2)式又は(2-5-3)式により求めた長期許容支持力
やむを得ず付近の地盤調査などを利用する場合は原則として(2-5-3)式によるものとする。
Ra=1/3{300NAp+(10/3NsLs+1/2quLc)ψ} (2-5-2)
Ra=1/3(300NAp) (2-5-3)
ウ 短期許容支持力
既成コンクリートぐいの短期許容支持力は、次の(ア)及び(イ)に掲げる方法により求めた数値以下とする
(ア) 載荷試験を行う場合は、次のaからcにより得られる数値の最小値。
a 載荷試験による降伏荷重
b 載荷試験による極限荷重の2/3
c 表2-5-1に掲げるくい材の短期許容耐力
(イ) 載荷試験を行わない場合は、次のa及びbにより得られる数値の最小値。
a 長期許容支持力の2倍の値
b 表2-5-1に掲げるくい材の短期許容耐力
(3) 鋼管ぐい
ア 適用の範囲等
この取り扱いは、平13国交告第1113号第5の打込みぐいのうち、鋼管ぐいについて適用する。
(ア) くい材は原則として、JIS A 5525(鋼管ぐい)-1994に適合するものを用いるものとする。
(イ) くいの中心間隔(l)はくい頭部の直径(d)の2倍(閉端ぐいの場合は2.5倍)以上かつ75cm以上とする。
(ウ) 酸性化学物質の生産・処理などの工場跡地その他の敷地で、鋼管の腐食が著しく進行するおそれのある場合には、別途、土質調査などによって検討し、必要に応じ適切な防食対策を行うものとする。
イ 長期許容支持力
鋼管ぐいの長期許容支持力は、次の(ア)及び(イ)に掲げる方法により求めた数値以下とする。
(ア) 載荷試験を行う場合は、次のaからcにより得られる数値の最小値。
a 載荷試験による降伏荷重の1/2
b 載荷試験による極限荷重の1/3
c 表2-5-2に掲げるくい材から定まる長期許容耐力
(イ) 載荷試験を行わない場合は、次のa及びbにより得られる数値の最小値。
a 表2-5-2に掲げるくい材から定まる長期許容耐力
b 次の(2-5-4)式又は(2-5-5)式により求めた長期許容支持力
この場合において、やむを得ず付近の地盤調査などを利用する場合は、原則として(2-5-5)式によるものとする。
Ra=1/3{300NAp+(10/3NsLs+1/2quLc)ψ} (2-5-4)
Ra=1/3(300NAp) (2-5-5)
ウ 短期許容支持力
鋼管ぐいの短期許容支持力は、次の(ア)又は(イ)に掲げる方法により求めた数値以下とする。
(ア) 載荷試験を行う場合は、次のaからcにより得られる数値の最小値。
a 載荷試験による降伏荷重
b 載荷試験による極限荷重の2/3
c 表2-5-2に掲げるくい材から定まる短期許容耐
(イ) 載荷試験を行わない場合は、次のa及びbにより得られる数値の最小値。
a 長期許容支持力の2倍の値
b 表2-5-2に掲げるくい材から定まる短期許容耐力

2-5-3埋込みぐい(セメントミルク工法)

(1) 適用の範囲等
この取り扱いは、平13国交告第1113号第5のセメントミルク工法による埋込みぐいについて適用する。
埋込みぐいの設計については、次の各号の規定によるものとする。
ア くい材は、JIS A 5372「遠心力鉄筋コンクリート(RC)ぐい」、「遠心力プレストレストコンクリート(PC)ぐい」及びJIS A 5373「遠心力高強度プレストレストコンクリート(PHC)ぐい」に適合するものを用いるものとする。
イ くい径(d)は、原則として600mm以下の既製コンクリートぐいで、閉端ぐいを用いるものとする。
ウ くいの長さ(L)は、原則として10d以上かつ10m以上とする。ただし、くいの長さが5m以上10m未満で適切に支持力を低減する場合は、別途取り扱うものとする。
エ くいの中心間隔(l)はくい頭部の直径(d)の2倍以上とする。
オ 調査の結果、透水性の大きな透水層がある場合や、高い被圧水がある場合については、施工計画を十分検討するものとする。
カ フーチング及び基礎ばり等の設計にあたっては、埋込み工法の施工性を考慮し、くい心のずれを適切に設定するものとする。また、施工後のくい心のずれが設定した値を上回った場合には実況により補強等の検討を行うものとする。
キ 地震力等の水平力により、くいに引抜き力が作用したときの抵抗力としてくいの周面摩擦力を見込む場合は、洪積層に接する部分のみとする。この場合においては、くい体、くいの接合部、くい頭の接合部等は、引抜き力に対して十分な耐力を有していなければならない。
ク ここに定めのない事項については、「埋込み杭施工指針-セメントミルク工法-」(財)日本建築センター及び「基礎指針-2001」等によるものとする。
(2) 長期許容支持力
埋込みぐいの長期許容支持力は、下記のア及びイに掲げる方法により求めた数値以下とする。
ア 載荷試験を行う場合は、以下の(ア)から(ウ)により得られる数値の最小値。
(ア) 載荷試験による降伏荷重の1/2
(イ) 載荷試験による極限荷重の1/3
(ウ) 表2-5-1に掲げるくい体(くい材)の長期許容耐力
イ 載荷試験を行わない場合は、次の(2-5-6)式又は(2-5-7)式により求めた長期許容支持力、この場合において地質調査によらず、やむを得ず付近の地盤調査等を利用する場合は、原則として(2-5-7)式による。
Ra=1/3{200αNAp+(10/3NsLs+1/2quLc)ψ} (2-5-6)
Ra=1/3(200αNAp) (2-5-7)
(3) 短期許容支持力
短期許容支持力は、長期許容支持力の数値の2倍とする。
(4) 許容支持力の低減等
次の各号に該当する場合は、求めた支持力からそれぞれ低減した数値を許容支持力としなければならない。
ア 支持地盤の層厚が十分でない場合。
イ くいの長さを5m以上10m未満とする場合。
(5) 施工管理等
ア くいは原則として支持層中に1.0m以上、かつ2d以上を埋込み、根固め液中に1.5m以上貫入するものとする。
イ 掘削孔の径、深さ及び垂直度等について、目視及び測定装置により確認するものとする。
ウ ここに定めのない事項については、「埋め込み杭施工指針-セメントミルク工法-」(財)日本建築センター、「基礎指針-2001」その他の仕様書等によるものとする。

2-5-4 場所打ちぐい等

(1) 適用の範囲
ア アースドリル工法、リバースサーキュレーション工法若しくはオールケーシング工法による場所打ちぐいで、設計径が4.0m以下のもの。
イ その他の工法による場所打ちコンクリートぐいで、設計径が1.5m以下のもの。
ウ 深礎で、設計径が4.0m以下のもの。
(2) 長期許容支持力
場所打ちコンクリートぐいの長期許容支持力は、次のア又はイに掲げる方法により求めた数値以下とする。
ア 長期許容支持力(I)
載荷試験を行う場合は、次の(ア)から(ウ)により得られる数値の最小値とする。ただし、深礎については、別に定める数値以下とする。
(ア) 載荷試験による降伏荷重の1/2
(イ) 載荷試験による極限支持力の1/3
(ウ) 表2-5-4のコンクリートの許容応力度に定める「コンクリートの長期許容圧縮応力度」に「くい体の最小断面積」を乗じて求めるくい体の長期許容耐力
イ 長期許容支持力(II)
載荷試験を行わない場合は、以下の(ア)及び(ウ)により得られる数値の最小値とする。ただし、深礎については、(イ)及び(ウ)により得られる数値の最小値とする。
(ア) 次の(2-5-8)式により求めた長期許容支持力
Ra=1/3{150α・β・γ・λNAp+(10/3NsLs+1/2quLc)ψ}-W (2-5-8)
(イ) 表 2-5-5深礎の許容支持力による長期許容支持力上限値
(ウ) 表 2-5-4のコンクリートの許容応力度に定める「コンクリートの長期許容応力度」に「くい体の最小断面積」を乗じて求めるくい体の長期許容耐力
(3) くいの長さ径比による許容支持力の低減
くいの長さ径比(L/d)が5以上10未満の場合は、(2-5-9)式により先端支持力を低減する。
λ=0.2+0.08・L/d (2-5-9)
(4) くいの先端を中間層等により支持する場合の許容支持力の低減
くいの先端支持地盤の層厚が十分でない場合は、(2)で求めた支持力を適切に低減した数値を許容支持力としなければならない。
(5) 隣接地による低減
隣接境界からくいの外周面までの距離が1m以内、かつくい径以内の場合で、掘削されるおそれのある場合には、(2)ア又はイの長期許容支持力を適切に低減するものとする。この場合において長さ径比(L/d)が10以下のくいについては、(2-5-9)式より求めたくいの長さ径比による係数λにより低減された値に対して更に低減するものとする。
ただし、くいの長さ径比(L/d)が、掘削のおそれのある地層の深さを引いてもなお10以上であるときは、この規定は適用しない。
(6) 短期許容支持力
場所打ちコンクリートぐいの短期許容支持力は、(2)で求めた長期許容支持力の2倍以下の値とする。
(7) 構造規定等
場所打ちぐいの設計については、原則として次の各号によるものとする。
ア くいの中心間隔(l)は以下による。この項において、dはくい頭部の直径で、Dはくい先端拡底部の直径とする。
〔一般のくい〕≧2dかつ≧(d+1.0) (m)
〔拡底ぐい〕≧(d+D)かつ≧(D+1.0) (m)
イ 基礎フーチングの外端からくいの表面までの距離は、原則として20cm以上とする。
ウ 鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さは、10cm以上とする。
エ くいのコンクリート全断面積に対する主筋の全断面積の割合は0.4%以上とする。ただし、くいの上端から5dの部分については、地下階を有する場合を除き、0.6%以上とする。
オ 帯筋の間隔は30cm以下とする。ただし、くいの上端5d以内の部分については15cm以下とする。
カ 地震力等の水平力により、くいに引抜力が作用したときの抵抗力として、くいの周面摩擦力を見込む場合は、原則として洪積層に接する部分のみとする。この場合において、くい体、くい頭と基礎フーチングとの接合部等は、引抜力に対して十分な耐力を有していなければならない。
キ 深礎の先端拡底部は、立ち上がりを50cm以上とし、鉛直面に対する傾斜角を30°以下とする。拡底部の傾斜面の土質が砂質土等の場合は、掘削時の安定に十分留意して傾斜角を設定するものとする。

2-5-5 異形摩擦ぐい

(1) 適用の範囲等
ア 異形摩擦ぐいの定義
この取り扱いにおける異形摩擦ぐいとは、従来から建築物の基礎ぐいとして用いられていた三角形、多角形及び円形等のくい体に突起を設けたものをいい、主として地盤の摩擦力により支持されるものをいう。
イ 適用の範囲
この取り扱いの対象とする建築物の規模等は、原則として、高さ13m以下かつ延べ面積3,000m2以下とする。ただし、(財)日本建築センターの評定などを受けたくい(以下「評定ぐい」という。)を用いる場合には、原則として階数(地階を除く)5以下とする。
(2) 構造計画の基本事項
構造計画に当たっては、原則として次の各号によるものとする。ただし、建築物に有害な不同沈下などを生じさせないよう、地盤の性状及び建築物の構造に対応した検討を行った場合は、これを適用しない。
ア 平面及び立面の形状はなるべく整形なものとすること。
イ 著しい荷重の偏在がないものとすること。
ウ 地中ばりの剛性は、上部構造の剛性に対して十分に高いものとすること。
エ 塔状建築物に該当しないものとすること。
オ くいの配置はバランス良く配置すること。
(3) 長期許容支持力
異形摩擦ぐいの長期許容支持力は、シーリング(締め固め)工法並びにセメントミルク、生石灰等を用いる埋込み工法による場合は、表2-5-7による数値以下とする。
(4) 短期許容支持力
短期許容支持力は、(3)長期許容支持力の2倍以下の数値とする。

2-5-6 くいに作用する負の摩擦力

(1) 適用の範囲
この取り扱いは、地盤沈下を生じている地域及び地盤沈下の可能性のある地域で、次の「負の摩擦力を考慮する必要がある地域」内の建築物に適用する。
〔負の摩擦力を考慮する必要がある地域〕
沖積粘性土の下層面が地盤面下15m以深の地域。ただし
ア 地盤の沈下がほぼ停止した地域
イ 地盤の層序が比較的一様で沖積層の沈下量が年々減少傾向にあり、最終測定年度で2cm/年以下の地域
ウ 将来とも地下水のくみ上げによる地盤の沈下を考慮する必要のない地域
に該当する地域ついては除外することができる。
(2) 適用する基準
設計にあたっては、「負の摩擦力を考慮したくいの設計指針」によるものとする。

2-5-7 くいに作用する水平力

(1) 適用の範囲等
この取り扱いは、原則として構造計算を要する建築物について適用する。
(2) 適用する基準
設計にあたっては、「地震力に対する建築物の基礎の設計指針」によるものとする。
(3) その他の取り扱い
ア 水平力及び鉛直力を受けるくいの応力度が、くい材の許容応力度を超えないように設計する。
イ 水平力を受けるくいの設計は、原則として弾性支承ばりとしてのくいの解析(Y.L.changの解析)による。
ウ 水平力を受けるくいの検討にあたっては、βLによる長いくい、短いくいの判別、くい頭の固定度、及びくい先端の境界条件等を適正に考慮すること。
エ 水平力によるくいの変位が上部構造に有害な影響を及ぼさないようにすること。
オ 地盤が液状化するおそれのある地層では、その影響を考慮してくいの水平力に対する検討がされていること。
カ 設計に採用する水平方向地盤反力係数の算出にあたっては、土質試験、載荷試験等の試験に基づいて得た数値によることが望ましい。
キ 埋め立て地、軟弱地盤等の負の摩擦力を考慮する必要がある地域において、建築物の建設後に周辺地盤の沈下によりくいが露出するおそれのある場合には、露出部分は突出ぐいとして、水平力によるくいの変位及び応力等の検討を行うものとする。

2-6-1 目的

この技術指針は、斜面地建築物の計画にあたり必要な事項を定め、これに基づいて指導することにより、建築物及びその敷地の安全性の確保を図ることを目的とする。

2-6-2 斜面地建築物の評価

(1) 斜面地建築物及びその敷地の安定性の評価は、斜面地の崩壊危険度(表2-6-1、表2-6-2)及び建築物の規模等(表2-6-3、表2-6-4)を考慮して、総合的な安定性の評価(以下「総合評価」という。表2-6-5)を行うものとする。
(2) 総合評価の結果に基づく分類及びその評価基準のランクは、次の各号に掲げるものとする。
最も高いレベルの検討を要するものは、総合評価基準ランクIとする。
高いレベルの検討を要するものは、総合評価基準ランクIIとする。
一般的な検討を要するものは、総合評価基準ランクIIIとする。
(3) 斜面地建築物の設計にあたっては、総合評価に応じた内容の地盤調査、検討をすすめなければならない。

2-6-3 地盤調査

斜面地の地盤調査は、斜面地の利用形態、斜面地建築物の総合評価基準、及び地形、地質条件を考慮して計画するものとする。

2-6-4 構造計画

斜面地建築物の構造計画は、斜面地に対する建築物の位置等により、次の各号の規定によるものとする。
(1) 斜面地の上に位置する建築物の場合は、次によることとする。
ア 原則として、建築物規模及び斜面地の土質に応じた角度(表2-6-7)以下に建築物の基礎を設置すること。
イ 建築物の規模及び基礎形式に応じ、敷地の安全性、地盤の支持力及び沈下等の検討を行い、建築物の安全性を確認すること。
(2) 斜面地の中に位置する建築物の場合は、次によることとする。
ア 原則として、建築物規模及び斜面地の土質に応じた角度(表2-6-7)以下に建築物の基礎を設置すること。
イ 建築物の規模及び基礎形式に応じ、敷地の安全性、地盤の支持力及び沈下等の検討を行い、建築物の安全性を確認すること。
ウ 片側土圧による水平力が常時建築物に作用する場合は、水平方向のすべり及び建築物の荷重の偏心を考慮した地盤の許容応力度・沈下及び建築物の転倒について安全であること。
エ 近接する斜面は、完成時だけでなく、根切り時等施工時の斜面形状についても安定性が損なわれないようにすること。
(3) 斜面地の下に位置する建築物の場合は、次によることとする。
近接する斜面は、完成時だけでなく、施工時の斜面形状についても安定性が損なわれないようにすること。

2-6-5 斜面地に接する部分の外壁に作用する土圧(片側土圧)

斜面地に接する部分の外壁に作用する土圧(片側土圧)は、原則として静止土圧を採用する。

2-6-6 斜面地の安定計算

斜面地の安定計算を行う場合は、斜面を構成する地層から破壊パタ-ンを想定のうえ、計算手法を決定して行うものとする。

2-6-7 斜面上の直接基礎地盤の許容応力度

斜面地に近接して直接基礎を設計する場合は、斜面の影響を考慮した基礎地盤の許容応力度及び沈下の検討を行うものとする。

2-6-8 斜面地上のくい基礎の支持力

斜面地に近接してくい基礎を設計する場合は、斜面の影響を考慮したくい基礎の支持力及び水平耐力の検討を行うものとする。

2-6-9 排水計画及び維持管理

法面の排水設備を設計及び施工する場合は、次によるものとする。
(1) 地下水、湧水の状況を把握するため、事前に十分な調査を行うものとする。
(2) 法面を流下する地表水は、法肩及び犬走りに設ける排水設備により排水すること。
(3) 地中の浸透水は、地下に設ける排水設備より速やかに地表の排水設備に接続すること。
(4) 法面排水設備は、流末の排水能力のある施設に接続すること。
(5) 敷地内からの表面水は法面へ流下させないように排水設備により排水すること。
(6) 斜面中、又は斜面下に位置する建築物の場合には、敷地の上方からの表面水、地下水が敷地内に流入しないように排水設備を設けること。

2-6-10 斜面地建築物の安定に関する対策工法

斜面地建築物の安定に関する対策工法(以下「対策工法」という。)は、次によるものとする。
(1) 対策工法の検討にあたっては、地質条件、地下水位、湧水の有無、その他周辺の条件を十分に考慮し、適切な工法を選択すること。
(2) 法面については、法面の勾配及び地質に応じて適当な法面保護工及び法面排水設備を設けること。
(3) 法面は、原則として凹凸を無くし、客土はしないようにすること。
(4) 敷地が急傾斜地崩壊危険区域、土砂災害警戒区域などに指定されている場合の対策工法の選定にあたっては、その建築物の維持管理を含め、十分に関係機関と調整すること。

第3章 確認申請、工事施工、検査等に関する取扱い

3-1-1 確認申請と構造設計

「確認申請書」は、建築基準法施行規則第1条の3により建築物の種類別に、構造関係図書を添付しなければならない。

3-1-2 構造設計概要書

(1) 「構造設計概要書」は、建築主事等が構造計算書の基本的な審査すべき内容の要求と構造設計者の基本的な説明責任事項を端的に明瞭に示す設計図書として位置づけられている。
(2) 「構造設計概要書」には構造計画・計算書の留意点を記載、内容を簡単に把握し、設計審査を円滑にするため、建築確認申請書に添付するものである。
ア 建築物の概要(建設敷地、用途、構造種別、形状、仕上げ、将来増築等)
イ 構造計算の概要(計算概要、計算準拠、仮定荷重、材料、構造、モデル化、応力計算の方法、耐震設計方法等)
ウ 計算結果の概要(一次設計・二次設計の結果、基礎工法等)
(3) 電算プログラムについて

3-2-1 適用範囲

建築工事等において、深さ1.5m以上の根切り工事を行う場合に適用する。

3-2-2 山留め計画

建築物や擁壁の建設に伴う根切り工事に際しては、崩壊事故を防止するために、調査・計画・施工の各段階で、以下の内容にしたがって慎重に工事を進めなければならない。〔調査〕建築物等の設計内容・設計条件を充分理解するとともに、事前に地盤の性状や隣接建築物、地下埋設物等の詳細な調査を実施すること。〔計画〕その現場状況、工事条件に最も適した山留め工法を選定し、構造計算によりその安全性を確認し、各法的規制にも適合した山留め施工計画書を作成すること。〔施工〕山留め工事の施工にあたっては、施工計画に従い施工中の管理、特に日常の目視点検に加え、計測による施工管理を実施しながら工事を進めること。

3-2-3 施工計画書の作成

工事施工者・工事管理者は、根切り工事がある場合は「山留め工事施工計画書」(別添資料1)を作成し、根切り高さ1.5mを超える場合、建築主事等からの要求に対して速やかに提出することができるようにしなければならない。また、根切り高さが3mを超える場合は、必ず山留め工事着手日の7日前までに提出しなければならない。

3-2-4 その他

「横浜市生活環境の保全に関する条例」に基づき届出書を提出しなければならない。

3-3-1 中間検査制度の指定

横浜市では、市内全域で建築物の用途を問わず、床面積が50m2を超える建築物に対し、特定工程を指定し、中間検査を実施している(計画通知、仮設建築物、工作物等を除く)。

3-3-2 中間検査の留意事項

中間検査申請書の第4面は、工事監理者が工事監理の状況について、記載する様式になっている。横浜市で定める「建築基準法第12条3項に基づく(工事監理・工事状況)報告書」を添付すれば、中間検査申請書の第4面の記入を省略することができる。

3-3-3 工事施工計画書及び工事施工結果報告書

横浜市建築基準法施行細則第17条の3により、工事監理者又は工事施工者は、当該工事着手7日前までに「工事施工計画書」、また、中間検査時以前に工事を終えた工程及び工事完了検査時に「工事施工結果報告書」を提出しなければならない。

3-4-1 杭工事の施工に関する取扱いの適用対象建築物

この取り扱いは、杭工事を行う建築物を対象とする。

3-4-2 杭工事の施工計画

工事の着手に先立ち、主任技術者及び監理技術者は施工計画を作成し工程管理及び品質管理等の方法を明確にする。

3-4-3 杭工事施工結果報告書

杭工事の終了後、工事監理者(又は工事施工者)は、建築主事に「杭工事施工結果報告書」(別添資料2)と以下の関係資料を提出する。
(1) ミルシート等杭材料関係資料
(2) コンクリート及び根固め液等の配合
(3) 圧縮強度試験結果等資料
(4) 地盤調査結果資料
(5) その他、杭施工にかかわる施工記録写真を含めた施工関係資料

3-4-4 基礎工事の特定工程

(1) 基礎工事の建築基準法第7条の3に基づく1回目の特定工程(中間検査の工程)は、基礎の配筋工事の工程とする。
(2) 中間検査受検時に「建築基準法第12条第3項に基づく(工事監理・工事状況)報告書」-基礎工程-(別添資料3)を提出するものとする。

3-5-1 適用対象建築物

この取り扱いは、原則として鉄骨造建築物等(鉄骨鉄筋コンクリ-ト造建築物を含む)で地階を除く階数が2以上、又は200m2を超えるものを対象とする。

3-5-2 施工計画

工事の着手に先立ち、主任技術者及び監理技術者は施工計画を作成し工程管理及び品質管理等の方法を明確にする。

3-5-3 鉄骨工事施工計画書

階数が3以上、又は延べ面積が500m2を超える鉄骨造建築物の工事着手にあたって、工事監理者(又は工事施工者)は、建築主事に鉄骨工事施工計画書(別添資料4)を提出するものとする。

3-5-4 鉄骨施工計画書の書き方例

3-5-5 鉄骨工事の特定工程

(1) 鉄骨工事の建築基準法第7条の3に基づく2回目の特定工程(中間検査の工程)は、鉄骨の軸組を溶接又はボルト等により接合する工事の工程とする。
(2) 中間検査受検時に「建築基準法第12条第3項に基づく(工事監理・工事状況)報告書」-鉄骨造-(別添資料5)及び、「鉄骨工事施工結果報告書」(別添資料6)(階数が3以上、又は延べ面積が500m2を超える場合)を提出するものとする。

3-5-6 施工状況報告書及び必要な試験関係資料の提出

鉄骨工事の終了後、建築物の工事完了時までに、工事監理者(又は工事施工者)は、建築主事に「工事監理・施工状況報告書」(別添資料10)、また、原則として以下の試験関係資料及び、階数が3以上、又は延べ面積が500m2を超える鉄骨造建築物は、「鉄骨工事施工結果報告書」(別添資料6)を提出するものとする。
(1) 現場建方写真
(2) 工場検査写真
(3) 鋼材等の品質証明書(ミルシ-ト)、原本相当規格証明書(裏書きミルシ-ト)、又は鉄骨工事使用鋼材証明書
(4) 溶接部の非破壊検査結果(超音波探傷試験、外観検査等)
(5) 溶接状況写真(パス間温度管理状況を判断できるもの)
(6) 既製露出型固定柱脚の施工チェックシ-ト
(7) その他試験関係資料

3-5-7 鉄骨工事施工結果報告書の書き方例

3-6-1 適用対象建築物

この取り扱いは、原則として鉄筋コンクリート造建築物等(鉄骨鉄筋コンクリ-ト造建築物を含む)で地階を除く階数が2以上、又は200m2を超えるものを対象とする。

3-6-2 施工計画

工事の着手に先立ち、主任技術者及び監理技術者は施工計画を作成し工程管理及び品質管理等の方法を明確にする。

3-6-3 コンクリート工事施工計画書

階数が3以上、又は延べ面積が500m2を超える鉄筋コンクリート造建築物の工事着手にあたって、工事監理者(又は工事施工者)は、建築主事にコンクリート工事施工計画書(別添資料7)を提出する。

3-6-4 コンクリート工事施工計画書の書き方例

3-6-5 鉄筋コンクリート工事の特定工程

鉄筋コンクリート工事の建築基準法第7条の3に基づく2回目の特定工程(中間検査を受ける工程)は最下階から2つ目の床版配筋の工程とする。
中間検査受検時に「建築基準法第12条第3項に基づく(工事監理・工事状況)報告書」―鉄筋コンクリート造―(別添資料8)及び、「コンクリート工事施工結果報告書」(別添資料9)を提出するものとする。

3-6-6 施工状況報告書及び必要な試験関係資料の提出

コンクリート工事の終了後、建築物の工事完了時までに、工事監理者(又は工事施工者)は、建築主事に「工事監理・施工状況報告書」-構造関係-(別添資料10)、また、原則として以下の試験関係資料及び、階数が3以上、又は延べ面積が500m2を超える鉄筋コンクリート造建築物は、「コンクリート工事施工結果報告書」を提出する。
(1) 現場検査写真
(2) 鋼材等の品質証明書(ミルシ-ト)又は原本相当規格証明書(裏書きミルシ-ト)
(3) 圧接部の検査結果(超音波探傷試験・外観検査等)
(4) 構造体コンクリートの圧縮強度試験
(5) その他、試験関係資料

3-6-7 コンクリート工事施工結果報告書の書き方例

第4章 その他
※架台等築造計画書の提出は不要となりましたので本章以下は掲載しておりません。
架台等の築造にあたっては、横浜市建築基準法取扱基準 1-2 架台等についてを参照してください。

4-1-1 架台等の意義

(略)

4-1-2 適用の範囲

(略)

4-1-3 築造計画書の提出

(略)

4-1-4 添付図書

(略)

4-1-5 技術基準

(略)

4-1-6 施工状況報告

(略)

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電話:045-671-4531

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ファクス:045-681-2437

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