2025年3月

日本ではなかなか触れることのない羊皮紙ですが、冒険小説やファンタジーで登場し、ご存知のかたも多いのではないでしょうか。羊皮紙とは、羊やヤギ、牛の皮を脱毛して薄く伸ばしたシート状のものです。著者もそんな物語に触れ、憧れを抱いた一人です。図書館で出会ったシリア人をきっかけに羊皮紙にのめり込んでいきます。日本の風呂場で羊皮紙作りを試行錯誤するところから始め、いつの間にかシリアやイスラエル、バーレーン、イギリス、トルコと世界を旅します。読み終えたら、羊皮紙をめぐって冒険した気分になるでしょう。

鳥たちのことを理解するために行う手順である、個々の鳥を見分ける手法「鳥類標識調査」(個体識別)について紹介した本です。本文は、鳥類標識調査員(バンダー)たちによる報告の形でまとめられています。写真などのビジュアルはすくなめですが、調査をとおしての国際貢献やバンダーになるための方法も掲載されています。調査のために鳥には、わっかがつけられますが、その種類とつけかたについても図があり、理解を助けてくれます。鳥類調査の実際と鳥について、知識を深めることができる1冊です。

パソコンで変換すれば、求める漢字が出てくる昨今、漢字を意識する機会も少なくなったのではないでしょうか。書名にある白川静氏は、漢字の成り立ちの秘密を解明した漢字学者です。その白川氏から学んだ著者が、現代の漢字と旧字、古代文字、イラストを加えて解説しています。
古代中国でできた漢字。当時の社会の在り方を探ると、仕組みが見えてきます。まずは興味のある漢字からページをめくってみてはいかがでしょう。

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