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第6回「市長と語ろう!」
最終更新日 2024年4月1日
開催概要
≪テーマ≫ 市場地区と鶴見川リバーサイドガーデンの取組について
≪日時≫
令和6年2月26日(月曜日) 10:00~
≪会場≫
鶴見グランドハイツ 第一集会室(鶴見区)
≪対話団体≫
リバーサイドガーデン・フラワーズ
≪団体概要≫
鶴見川沿いを花で彩り、地域住民の憩いの場とするとともに、不法投棄・ポイ捨てを防止し、住みよいまちにすることを目的に活動。四半世紀の長きにわたり、市場地区の有志が鶴見川沿いの花壇「リバーサイドガーデン」を中心とした河川敷を花で彩り、明るくきれいなまちづくりに寄与している。例年、花の鑑賞会も開催しており、その活動は地域の繋がりづくりにも貢献。
対話概要
※ 文意を損なわない範囲で、重複部分や言い回しなどを整理しています。
市長挨拶
市長
本日はお忙しい中お時間をいただきましてありがとうございます。皆さんは、およそ25年の長い間、有志で鶴見川沿いの美化活動、緑化活動、環境推進活動に取り組んでおられるとお伺いしました。
また、皆さんの活動により、不法投棄や、それに伴う治安面での不安等を改善してこられた素晴らしい取組であると伺っています。皆さんのおかげで美しい環境が守られて、それを子どもたち世代、その次の世代と引き継いでいくという皆さんのお気持ちが何よりも嬉しく思います。
皆さんの取組により挙げられた成果は、皆さんが四半世紀かけて取り組まれてきた活動により生まれたものだと思いますので、この取組を他の地域にすぐに広げていくということは容易ではないと思っています。ただ、私としては、素晴らしい取組はぜひ横展開していきたいという思いもありますので、皆さんとざっくばらんに意見交換させていただきたいなと思います。
この地域に暮らす多くの方々に憩いの場面を提供できている
参加者
市場地区は鶴見区東部にあり、川崎市との境界付近に位置しています。市場地区自治会連合会には自治会町内会が10町会あり、各自治会町内会の有志によりリバーサイドガーデン・フラワーズ(以下、「フラワーズ」)を結成しております。
活動開始は平成10年ごろでございますが、鶴見川の護岸工事の影響による一時活動休止を経て、平成18年ごろに活動を再開しています。メンバーは現在54名になります。
活動目的は、一つ目が「鶴見川沿いを花で飾り、地域生活の憩いの場とする」こと、二つ目が「不法投棄・ポイ捨て防止」です。鶴見川橋の近くにある花壇「リバーサイドガーデン」及びその周辺での美化・緑化活動、水やり、雑草の除去、清掃などが活動の中心になっています。
菜の花やコスモス、アジサイなどを育てていて、台風が近づいた時などは、川沿いで風も強くなるので防風ネットを張ったりもします。
鶴見区自治連合会が自治会町内会の加入促進の一環として作成しているカレンダーにも令和4年版から、毎年鶴見川沿いを花が彩る風景の写真を載せていただいています。
また、鶴見区の事業「まちかど花壇(※1)」事業で「区内を花と緑で彩ろう」と呼びかけを行った際に、私たちの活動を紹介していただいた結果、申込件数が前年を大きく上回ったと聞き、区役所と力を合わせて効果的なPRができたと自負しています。
そして、「GREEN×EXPO 2027」の開催に向け、区内の⾃然を再発⾒するため「鶴見区の自然」をテーマに鶴見区役所が開催した「鶴見区花と緑のフォトコンテスト(※2)」においてもリバーサイドガーデンを写した作品が複数入選しました。例えば同じコスモスでも時期や切り取る場面が変わると印象がこれほどにも変わるのかと、大変驚いております。広報に記事が掲載されると、多くの反響がありますし、カレンダーやフォトコンテストでは、リバーサイドガーデンの風景を写した沢山の作品が応募されています。
このようにリバーサイドガーデンは、この地域に暮らす多くの方々に憩いの場面を提供できていると思っています。
※1まちかど花壇(鶴見区自主企画事業(平成25年度~))
区内の団体・事業者等に花の苗や種などを提供し、まちかど花壇の維持・管理にご協力いただきながら、周辺のポイ捨て・不法投棄対策を行っている。
まちかど花壇 横浜市鶴見区 (yokohama.lg.jp)
※2鶴見区花と緑のフォトコンテスト2023区内にある花や緑をはじめとする自然を再発見していただく機会として、鶴見区が開催したフォトコンテスト。
「鶴見区花と緑のフォトコンテスト2023」入賞作品決定 横浜市鶴見区 (yokohama.lg.jp)
「やっぱり花はきれいなんだ」と思える時に
市長
いろいろとご苦労もあることと思いますが、それを上回るやりがいというものも感じておられるのかと思います。長い期間活動をされる中で、どういったことにやりがいを感じられますか
参加者
不法投棄が激しかったころ、当時の会長が「クリーンキャンペーンできれいにしよう。」ということがきっかけになり、この活動が始まりました。その頃から、現在と同じようなやり方で花を育てています。昨日も雨上がりで、すごく良い天気になって、散歩に来た方々が、写真を撮っている姿などを見て「やっぱり花はきれいなんだ。」と思える時にこの活動にやりがいを感じます。
その日は、写真を撮っている方も非常に多くいらして、皆さんも花を見られて「良いなあ。」と思っていただいていると思うと、自分自身も嬉しくなりました。
また、今咲いている菜の花の季節が終われば、次はコスモスというように、順々に種を蒔くための準備をするのですが、あんなに小さな種から、芽が出て花が咲く、その成長していく姿を見ることも楽しみの一つになっています。
市長
ご本人も楽しみながら、同時にまちの人を楽しませているということにやりがいを感じられているのですね。
私たちのちょっとした小さな活動が、地域の皆さんに喜んでもらえることがある
市長
不法投棄もあったという30年くらい前、こちらの場所は散歩コースにはなってなかったのですか。
参加者
むしろ、鶴見川の方は危ないから「行っちゃだめだ。」と親には言われていました。
市長
住民の皆さんの力でまちの景観を変えて、散歩コースになるようにまでなった。つまり、地域の皆さんの行動を変えられたということだと思います。皆さんの力でまちの風景が変わり、それによって地域の方々の行動が変わる。素晴らしいことですよね。
いろいろご苦労も多いのではないかと思うのですが、リバーサイドガーデンが美しく保たれている秘訣はどういったものがありますか。
参加者
やはり皆さんが喜んでくれることだと思います。近くには保育園もあり、子どもたちの散歩コースになっています。散歩で通る子どもたちが帰るときに「バイバイ、さよなら、もうすぐ花が咲くからね。」と言うと、保育士さんたちも子どもたちに、「もうじき花が咲くからね。嬉しいね。」というような言葉をかけていただけるのです。子どもたちも喜んでくれているということが、我々にとって、一生懸命取り組むことができる原動力になっていると思っています。
参加者
その他にも最近では、ウォーキングをされている方が通りかかって「菜の花が咲くと季節を感じますね。」と言いながら、「菜の花と河津桜が咲いているこの通りを歩くことが、すごく楽しいです。」と言っていただいたこともとてもうれしかったです。
私たちのちょっとした小さな活動が、地域の皆さんに喜んでもらえることがある。それが我々にとって長く続けられる秘訣の1つだと思います。
お花を褒めていただけると、この年になっても本当に楽しいし、嬉しい
市長
ご苦労されている点ではどういったことがありますか。
参加者
除草剤が撒けないので、雑草は手作業で抜くのですが、夏は暑くて全身汗びっしょりになります。冬は寒くても活動していると暖かくなってきます。少し大変な時もありますけれど、きれいな花が見たいので活動できているのだと思います。また、良い運動にもなっています。
市長
きれいな花を見ることができるという結果にやりがいがあるということですね。フラワーズの活動については特に問題は無いですか。他に何か感じておられるご苦労というか課題というか、ございますか。
参加者
我々としては、任せてもらってやっているのですが、私も年齢が年齢なのでなかなか体が動かないということはあります。
それでもそこを通る方にお花を褒めていただけると、この年になっても本当に楽しいし、嬉しいです。「もっとやってやろう」という気持ちが湧いてきます。ただ、「もうちょっと若かったらいいなあ」とは思っています。
市長
最近、夏は特に暑いですし大変かと思いますが、それでも地域のためと思って皆さんがやってらっしゃることがよく伝わりました。ありがとうございます。
地域としてもこうした繋がりが広がっていくことに期待
市長
自治会長のお立場から見て、この市場地区に住んでいる皆さんは、フラワーズの皆さんの活動をどのように見られていると感じていらっしゃいますか。
参加者
自治会としては、雑草取りや種蒔きの時に皆さんに声を掛けて集まっていただいています。そういった時に、フラワーズの皆さんがどれだけ苦労しているかということを感じていただいていると思っています。結果として、活動に参加をしていただける方も増えていくのではないかと思います。もう1つは、毎日のようにリバーサイドガーデンの面倒を見ていただいていますので、そこを通る方々ともお話しされる機会も増えますし、メンバー同士の繋がりができてきますので、地域としてもこうした繋がりが広がっていくことに期待しています。市場地区自治会連合会としても、年に数回ではありますが、掲示板に活動の広報もさせていただいています。コロナ禍以前は花の鑑賞会も開催していましたので、また復活させて、多くの方々見ていただき、この活動への参加者も少しずつでも増やせていければと考えています。
市長
フラワーズの皆さんのおかげでこの美しい環境があるので、それをメンバーの方以外の皆さんも含め大勢で楽しむ会というのは素敵ですね。地域の繋がりの場づくりにもなると思います。
胸が熱くなって、私自身の心が豊かな気持ちになります
市長
皆さんの活動は、地域の絆を作るということにまさにつながっていると思いますが、長い間活動されているなか「繋がり」ということで、経験されたエピソードがあれば教えてください。
参加者
コロナ禍で行動制限がかかり、なかなか活動もしにくい時期であっても、お花は待ってはくれません。水をやらなければ、緑も枯れてしまいます。だから、そんな時期であってもお花の世話をずっとやっていました。その時に、河川敷に散歩に来られる方もいらして、その方たちが「きれいなお花ですね。」などと声をかけてくださると、とっても嬉しくなってしまいました。「フラワーズに入れていただいてよかったな。」と、そういう気持ちが湧いてきました。また違う方から「なかなかお友達に会えなくても、リバーサイドガーデンのお花が咲く時期には、皆でおにぎりなんかを持ち寄って河川敷で花を眺めながら楽しくお話をするんです。」って言われて、「やっぱり地域の方に貢献しているんだな」「もっともっと頑張ってやろう。」って、胸が熱くなって、私自身の心が豊かな気持ちになります。だから、「やっぱり続けていけばいいじゃないか。」と思っています。
市長
その話を伺って、私の胸も熱くなります。
まだまだ完全に無くなったわけではない
市長
以前は不法投棄が多くて、治安の面でも懸念があったところから、ここまでまちが変わり、さらに一歩ステージが進んで、みんなが楽しむことができる環境になってきているということですよね。素晴らしいですね。
今はもうほとんどきれいな環境の状況ということですので、不法投棄はもうないということですか。
参加者
たばこの吸い殻などは時々見られますが、昔に比べてほとんどないと思います。ただ、見えないところにある排水溝などには自転車のようなごみが捨てられたりもします。
鶴見川のクリーンキャンペーンの時に、そういったものを片付けて、きれいにしていきたいという思いはあるのですが、ただ、天候によっては、それができないことがあるのも事実です。
参加者
ただ、雨の中でも区役所の職員さんも来てくださって、髪の毛をびっしょりにしながら長い河川敷のあっちからこっちまで運んでくれています。「風邪引かないかしら」とも思うのですが、本当に力になっていただき、ありがたくと思っています。
市長
区役所の職員が、地域の皆さんからそのように評価していただいていることはとても嬉しいです。職員の皆さんにも感謝ですし、地域の皆さんも本当にありがとうございます。
ただ、一部ではそういった不法投棄も全てが無くなったわけではないのですね。
参加者
そうですね。でも、だいぶ片付いていると思います。きれいな花が咲く場所にはなくなりましたね。昔は、テレビや洗濯機、電子レンジなども捨ててありました。
参加者
最近は旅行カバンや布団、毛布といったものが多くなりました。捨てられるものは変わってきましたが、まだまだあります。誰かが一回捨ててしまうと、みんなが捨てるようになってしまいます。きれいだと捨てづらいと思うのか以前よりは少なくなりましたが、まだまだ完全に無くなったわけではないです。
市長
ただ、皆さんのこういった努力が広がっていくと、多くの人の気持ちとしてこういった不法投棄のようなことは自然にできなくなると思います。フラワーズの皆さんの四半世紀のこのご尽力こそが、きれいなお花を咲かせていただいている場所への不法投棄をゼロにしているのだと思います。なので、もっともっと皆さんの活動が今後も広がり、不法投棄がゼロになるようにしていきたいですね。
活動は地域の「絆づくり」、「関係性づくり」にもつながっている
市長
自治会連合会長のお立場でこの広い範囲の地域をおまとめいただいていますが、市場地区として、フラワーズに対して、今後どのようになってもらいたいと思いますか。
参加者
鶴見区内でも、「GREEN×EXPO 2027」のポスター等が目に入るようになりました。会場から少し離れていますが、3年後の開催にむけ鶴見区でも一層盛り上げていかなければいけないと考えています。先ほどもお話にあった、「鶴見区の花と緑のフォトコンテスト」のように、鶴見区役所も「GREEN×EXPO 2027」を見据えた様々な取組を考えているようですので、市場地区自治会連合会としても、区役所と協力しながら地域の環境や園芸についての関心を高めていきたいと思っています。そして、その中心になるのはやはり鶴見川リバーサイドガーデン、そしてフラワーズの皆さんだと思っています。
フラワーズのこの活動は地域の「絆づくり」、「関係性づくり」にもつながっているので、市場地区全体で引き続きフラワーズの活動をバックアップしていければと思っています。
市長
横浜市として、2027年に国際博覧会を開きます。横浜はこれまで博覧会を2回開いており、1回目がYES‘89で、2回目が横浜市として単独で開催した2009年のY150です。2027年は世界から承認された国際博覧会で国と共催することとなります。横浜として初めてとなる国際博覧会のテーマが「花・緑・環境」です。
今日お話を伺った花・緑を育て、「まちの美化・緑化」に取り組んでいただいている皆さんの活動は、単にそれだけにとどまらず、「ゴミを捨てちゃいけない。」「散歩コースに行ってみよう。」というように地域住民の方々の行動をも変えています。環境を花・緑により変えた皆さんの活動が、まち全体を変えたのだと思っています。
昨今、プラスチックごみが海に溜まり、結果として海の中の生態系が大きく変わってきているという問題があります。元をただせば、そのプラスチックごみというのは、不法投棄されたものが川を流れ海に出て、それを魚が食べてしまうという連鎖になっているものもあります。したがって、皆さんがされている活動のように不法投棄をなくすことが、地球環境を守ることにもつながるのだとも思っています。皆さんの活動は、「花・緑・環境」を守ることそのものですので、フラワーズの皆さんにもぜひ「GREEN×EXPO 2027」の応援団にもなっていただきたいなと思いますし、フラワーズの皆さんのような思いを持たれている方々と一緒に進めていくべき博覧会なのではないかなと思っています。
私自身、横浜自体をきれいなまちにしたいと思っておりますし、「まちの美化」ということに対して強烈に関心・使命感を持っていますので、鶴見区においてその役割を担っていただいている皆さんと、一緒に進めていきたいと思います。
「ありがとうございます」だけではなく「一緒にやってみませんか」
市長
最後の質問になりますが、今後もフラワーズの活動を多くの方々に共有していただいて皆さんのように行動に移していただくためには、どういったことが重要になると思われますか。
参加者
作業をしていると、いろんな方に「きれいですね。」などと声をかけていただきます。そんな時には「きれいですよね。一緒にやってみませんか。」というように声掛けをすることも良いのではないかと思います。お花の世話を誰かとすることができるとなれば「自分は一人ではない。」と、「皆で楽しくお花を手入れできる。」と考えるようになるのではないでしょうか。そう思うと、声を掛けてもらって、ただ「ありがとうございます。」だけではなく「一緒にやってみませんか。」と一声掛けてみることも大切かなと思います。
参加者
フラワーズのメンバーも高齢化していますので、若い方々にこれから一人でも二人でも参加していただけるように、我々もPRを今後はしていきたいと考えています。
市長コメント
市長
皆さんとお話をさせていただいて感じたのは、皆さんの「まちを良くしたい。」という思いが、こういった活動を長く続けていただけるための根本にあるのだと感じました。何度も言いましたが、皆さんにしていただいているような活動により、まちが変わり、人々の行動さえも変わる。その積み重ねこそが横浜市を良くするというふうに思います。
長年の歴史の中で積み重ねてきたご苦労や努力が、正に実を結んでいるのだと感じています。冒頭にもお話ししましたが、皆さんの取組をそのまま他の地域に広げていくことは容易なことではないと思います。ただ、皆さんのような市民の方がいらっしゃるということを私も誇りに思いますし、皆さんのような市民の皆さんに支えられている横浜市だということを本日改めて実感することができました。
今後も市民の皆さんの行動力によって支えられている横浜市だということを強く意識しながら、市政運営にあたっていきたいと思います。本日はありがとうございました。
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